先月21日にめでたく退院出来た、うちのばあさま。
現在、鼻の片穴から胃まで届く管を通して食事を摂っていますが、来週その管の替わりに胃に近いお腹を2センチほど切開し、直接ボタンのような器具をつけて直接栄養を胃に流せるようにする、胃ろうの手術をすることになりました。
この手術を決めるまでに、色々と葛藤もありましたが、一番悩んだのがお医者様によって考え方が全く異なる事。
最初にばあさまの担当になった先生からは、鼻の管は一時的なものなので変な話、この入院を機会に胃ろうの手術をしては?と勧められました。
暫らく経って担当の先生が替わって、今度は胃ろうは勧めないと…。
胃ろうのデメリットを色々聞かせて下さるわけですよ。
もう、正直かる~くパニック、どうすりゃ良いのよぉ~っって(苦笑)。
結局、今すぐの手術が必要な程ではないから暫らくは経管で様子を見ましょう、ということにそのまま退院となりました。
この管、2週間に1度の交換が必要で、同じ鼻の穴にばかり入れていると腫れたり出来物が出来たりする為、今回から週1回の訪問をお願いしている訪問看護の方が反対の鼻の穴に付け替てくれます。
2週間前に右から左の鼻の穴に換える際、どうもばあさまの鼻の形が中で歪んでいる様で、入り口からどうやっても入って行かないι。
ばあさまの顔はどんどん真っ赤になるし、訪問看護士さんは大変するしで、もう見ていられない(涙)。
それでも、ばあさまに少しでも負担が少ない方法をその場でひねり出して解決して下さった看護士さんには本当に感謝多謝っ。
1回30分の訪問看護なのに、その日は1時間近くも掛かってしまいました。
入院当初は、また口からの食事に戻れると普通に考えていたので、初めて胃ろうの話を聞いた時には本当にショックで、自分の甘さや不甲斐なさ、ばあさまへの申し訳なさに図らずも涙してしまいましたが、病棟の看護士さんや、ばあさまと普段から関わりがある介護施設の看護士さんからは、本人の負担が少ないのは胃ろうの方で、鼻からの管と違って見た目には何も分からないし、ずっと管が食道を通っている異物感が無くなるので、本人もきつくないし清潔に保てるよとアドバイス頂きました。
ですが、胃ろうを決意したのはやっぱり管の交換…。
月に2回もあんなきつい思いはさせられないよなぁ…と、こちらも今度から通院から往診に切り替えた掛かりつけの先生に、胃ろうの話をお願いしましたら、これがねぇ…(苦笑)。
掛かりつけの先生は「胃ろうは延命措置だから、自分は親にはしない」と開口一番仰いました。
………=З。
このことで、思い出したのがホームヘルパーの講座に通っていた時の講師の言葉。
「ヘルパーをするにしても、技術と知識を高める意味で、看護士の資格を取るとより良い。でも、利用者に接する時は、看護ではなく介護の精神を忘れず接するように」
ここで言う看護と介護の違いとは、本当に簡単に言うと「治療」と「寄り添う」事の違い。
病院は病を治すために行く所なので、お医者様や看護士さん方は一生懸命患者さんに合う治療をして下さいます。
本当に頭が下がるほどのお世話をして下さいますが、やはり病を治す事が中心です。
なので、先生からの処方とタイムスケジュールが中心になります。
一方、介護は病気を治す事は出来ませんが、残された体の機能を維持し、その中で利用者さんがより良い生活を送る事を目標とし、その為に皆で知恵を出し合います。
同じ看護でも、訪問看護士の方々は在宅医療に従事されているので、より利用者の状態や気持ちが良く見える立場にあります。
これはあくまで私が身近で見聞きし、理解した範囲での事なので、世の中全ての医師や看護士、介護士の方々に当てはまる訳では、決してありません。
医療に従事される方にも患者さんに寄り添い、本当に親身になって下さる方もいらっしゃいますし、介護従事者でも利用者のことより、利便性を重視する人・施設もあります。
………話が逸れましたね(苦笑)。
医療技術が未発達だった頃は、口からご飯が食べられないという事は、死に直結していました。
ですから、医療にとって胃ろうとは経口で食事が取れない代用の栄養摂取であるので、延命。
介護にとって胃ろうは、出来なくなった経口摂取から今出来る最善の方法を選択する、という意味で、口から摂るばかりが食事ではないという考えから、日常生活の延長。
この考えに行き当たって、ようやく心からばあさまの胃ろう手術に向けて、叔父叔母の説得に頑張ろう、と考えられるようになりました。
胃ろう手術も0.96%の割合で死亡もあると聞きましたし、内臓の状態では検査入院をしても手術が出来ない場合もあるとのことでしたが、常に管が入っている事による吐き戻しや、何よりもお洒落が好きで見た目を気にするばあさまの気持ちを考えたら、常に鼻から管が垂れている状態はきっと嫌だろうと、無い知恵と折れそうな気持ちを総動員して、この度の手術を決めました。
24日に検査入院をして、問題が無ければ翌日手術。
手術自体は30分ほどで終わるものなのだそう。先の入院中に、手術の様子を逐一撮影したビデオでその辺は学習済み。
無事済めば感染症や合併症が無いかを見る為に1週間から10日の入院を経て、何事も無ければめでたく退院、という運びになります。
…本当に問題なく手術が済み、術後も問題なく無事退院出来る事を祈るばかりです。