新「廊下のむし探検」

大阪北部のマンションの廊下で見つけた虫の名前を調べています

廊下のむし探検 エンマコオロギ、ササキリほか

2019-09-03 21:04:32 | 廊下のむし探検
廊下のむし探検 第76弾


昨日の夕方、マンションの廊下で見つけた虫の続きです。





最初はエンマコオロギ♀です。





これはよく分からなかったので、「バッタ・コオロギ・キリギリス生態図鑑」の写真を見て、ウスイロササキリかなと思いました。





そして、ハラビロカマキリです。夕日を浴びて、何か崇高に見えました。複眼の中の黒い点が気になりますね。pseudopupilというのだろうと思いますが、少し調べてみます。



これはヒメホシカメムシ



それに、オオフタモンウバタマコメツキ本土亜種。この辺までは良かったのですが、ここから難しい虫が始まります。





最初はこのハチです。これはコマユバチかなと思って、「原色昆虫大図鑑Ⅲ」の図版を見てみました。すると、コマユバチ亜科のハネグロアカコマユバチにやや似ていることに気が付きました。でも、脚の色がまるで違います。やはり違うみたいです。なお、ネットでこの名前で画像検索するとたくさん出てくる写真はクロヒゲアカコマユバチのようです。というわけで、結局、この個体は何だか分かりませんでした。





これはいつもいるアリグモです。





さて、次は問題のクサカゲロウです。口肢が黒く、頬に特徴的な丸い斑紋があります。さらに、触角柄節外側にも斑紋があります。こんな特徴から以前作った「手作り図鑑IIa クサカゲロウ科」(ここから入って探してみてください)の写真と比べてみると、クロヒゲフタモンクサカゲロウのようです。



ついでに翅脈の写真も載せておきます。im室の先端がRs-M脈より外側にあります。



次はこの甲虫です。何となくビロウドコガネかなと思って、「日本産コガネムシ上科標準図鑑」のビロウドコガネ属の絵解き検索表を見てみました。

①後跗節下部に刺毛列はない
②後腿節と後脛節は幅広く、脛節の長さは幅の2.5倍未満
③a 頭盾は中央部だけが高まる 
    マルガタビロウドコガネ亜属 マルガタビロウドコガネ Maladera secreta
③b 頭盾は正中部が高まりゆるやかな屋根型 
    アカビロウドコガネ亜属 アカビロウドコガネ Maladera castanea

こんな手順で調べていくことができます。①は写真で見ても刺毛列はないのでたぶんOKでしょう。②は後脛節だけがよく見えていますが、かなり太いのでこれもOKです。最後は頭盾ですが、これは写真を見てもなかなか分かりません。



その部分を拡大してみました。矢印で示した部分が微かに屋根型に見えます。ということで、アカビロウドコガネ亜属になり、本州産はアカビロウドコガネ1種なので、これで決まりです。



最後はケナガスグリゾウムシでした。