廊下のむし探検 第187弾
4月15日にマンションの廊下で見つけた虫の続きです。
最初はこの間もいたマダラナギナタハバチです。
これはセスジヒメナガカメムシ。これもよく見かけます。
それから、ブリッグスウスイロチャタテ。
問題はこのチャタテムシです。一見、チャタテ科かなと思ったのですが、翅脈が違いました。
これが翅脈です。翅脈の名称は次の論文を参考にしました。
K. Yoshizawa, "MORPHOLOGY OF PSOCOMORPHA (PSOCODEA: 'PSOCOPTERA')", Insecta Matsumurana 62, 1 (2005). (ここからダウンロードできます)
チャタテ科は後小室とM脈が融合しているのですが、これは見た通り、遊離しています。このように遊離している種類は結構います。ケチャタテ、ヒメチャタテ、ニセケチャタテ、ケブカチャタテ、ケチャタテモドキの5科、それに、マルチャタテ、セマガリチャタテ、フトチャタテの3科です。前者は跗節2節、後者は跗節3節です。写真をよく見ると、跗節は3節ありそうです。後3者はそれぞれ特徴があるので、マルチャタテ科が一番可能性が高いと思われます。それで、いつものように上の論文の翅脈と比べてみました。すると、マルチャタテ科のMesopsocus dislobesと翅の斑紋、翅脈の形状がよく似ています。そこで、Mesopsocus属を論文で探してみました。
K. Yoshizawa, "Taxonomic Study of the Genus Mesopsocus Kolbe (Psocoptera: Mesopsocidae) of Japan", Entomol. Sci. 1, 265 (1998).(ここからダウンロードできます)
この論文にはMesopsocus属の種の検索表も載っています。試してみると、確かにdislobesになります。可能性は高いのですが、この種の分布は九州で、また、かなり稀な種で、分布が限定されているそうです。ただし、発生時期は早春から春にかけてなので合っています。さて、どうでしょうね。
これはマエアカスカシノメイガ。
それに春キリガのアカバキリガでした。後は、ハエ目が残っているのですが、これが結構難しい。次回に回します。(追記2020/04/28:ささきさんから、「大阪で4月下旬にアカバキリガがいるとは異常ですね。暖かい冬のあとは寒い春、夏はどうなるんでしょうか?」というコメントを頂きました。今頃のアカバキリバというとそういう目で見ないといけないのですね。勉強になります。記録を見てみると、2014年と2015年にも4月25日前後に見ていました)