ひょんなことから小さな甲虫が手に入ったので調べてみました。マンション管理組合の役員になってから、じっくりと虫を調べる暇がありませんでした。今日は久しぶりに顕微鏡を使って調べてみました。記録を見てみると5月9日以来の実に3か月ぶりでした。
調べたのはこんな虫です。「原色日本甲虫図鑑III」をずっと見ていくと、ホソヒラタムシ科あたりが似ている感じです。その中でも、ノコギリホソヒラタムシ Oryzaephilus surinamensisが似ています。ネットで調べてみると、前胸背板の側縁に鋸状の突起があり、まさにこれかなと思いました。説明を読むと、これにもオオメノコギリホソヒラタムシという似た種がいるようです。虫の名前調べもこの辺が限界かなと思ったのですが、そういえば以前、平野幸彦、「日本産ヒラタムシ上科図説」(昆虫文献六本脚、2010)という図鑑を買ったことを思い出しました。それで、そこに載っている属と種の検索表で調べてみることにしました。
①触角は明らかな球桿を作り、第1節は特別長くない Silvaninae
②前胸背板の側縁は大きく顕著な5~6の波状または鋸状突起を有する
③触角第10節は第9節と同じ幅;球桿は3節または4節
④頭部の側頭が認められる;前胸背板には3条の隆起条がある Oryzaphilus
⑤a 眼は小さく、側頭部は長く、眼の長径よりわずかに短い;1.7-3.3mm surinamensis
⑤b 眼は大きく、側頭部は短くやや外方に突出し、眼の長径の半分にも達しない;2.6-3.4mm mercator
検索表から必要な部分だけを抜粋したものです。①~④及び⑤aが確かめられれば、ノコギリホソヒラタムシ surinamensisということになります。これを写真で調べていきたいと思います。
頭部・前胸背板、それに触角の写真です。これらの写真から多くのことが分かります。まず、触角の先端3節は太く球桿をなしています。また、第1節はそれほど長くはありません。これで①はOKです。さらに、前胸背板側縁に大きな鋸歯が6本あります。これで②もOK。③の触角第10節が第9節と同じ幅というのは2枚目の写真を見ると分かります。第9節は第10節よりやや狭いのですが、それほど顕著に狭くはありません。また、球桿は3節です。これで③はOKとしました。④については頭部に側頭と呼ばれる部分があり、前胸背板には3条の隆起線があります。ということで、すべての項目が満足されたので、Oryzaphilus属までは確かそうです。
次は⑤で、オオメノコギリホソヒラタムシ mercatorとノコギリホソヒラタムシ surinamensisを見分ける検索項目です。この写真を見ると、側頭部は複眼よりは小さいのですが、半分にも達しないということはありません。また、体長は2.9mmで両種の範囲内に入っています。ということで、これはノコギリホソヒラタムシでよいのではと思っています。図鑑によると、貯穀害虫として世界的に著名な害虫のようです。
ついでに撮った写真を載せておきます。
まずは前胸背板側縁の鋸歯の拡大です。上は10倍、下は20倍の対物レンズで撮ったものです。図鑑によると、「前角および後角は横に強く突出し、中央に縦長の幅広い溝がある」というので写してみた写真です。溝については、肉眼では確認できたのですが、写真を撮るとよく分かりませんね。
これは口器のあたりを腹側から写したものです。
そして、最後は上翅を撮ったものです。
調べたのはこんな虫です。「原色日本甲虫図鑑III」をずっと見ていくと、ホソヒラタムシ科あたりが似ている感じです。その中でも、ノコギリホソヒラタムシ Oryzaephilus surinamensisが似ています。ネットで調べてみると、前胸背板の側縁に鋸状の突起があり、まさにこれかなと思いました。説明を読むと、これにもオオメノコギリホソヒラタムシという似た種がいるようです。虫の名前調べもこの辺が限界かなと思ったのですが、そういえば以前、平野幸彦、「日本産ヒラタムシ上科図説」(昆虫文献六本脚、2010)という図鑑を買ったことを思い出しました。それで、そこに載っている属と種の検索表で調べてみることにしました。
①触角は明らかな球桿を作り、第1節は特別長くない Silvaninae
②前胸背板の側縁は大きく顕著な5~6の波状または鋸状突起を有する
③触角第10節は第9節と同じ幅;球桿は3節または4節
④頭部の側頭が認められる;前胸背板には3条の隆起条がある Oryzaphilus
⑤a 眼は小さく、側頭部は長く、眼の長径よりわずかに短い;1.7-3.3mm surinamensis
⑤b 眼は大きく、側頭部は短くやや外方に突出し、眼の長径の半分にも達しない;2.6-3.4mm mercator
検索表から必要な部分だけを抜粋したものです。①~④及び⑤aが確かめられれば、ノコギリホソヒラタムシ surinamensisということになります。これを写真で調べていきたいと思います。
頭部・前胸背板、それに触角の写真です。これらの写真から多くのことが分かります。まず、触角の先端3節は太く球桿をなしています。また、第1節はそれほど長くはありません。これで①はOKです。さらに、前胸背板側縁に大きな鋸歯が6本あります。これで②もOK。③の触角第10節が第9節と同じ幅というのは2枚目の写真を見ると分かります。第9節は第10節よりやや狭いのですが、それほど顕著に狭くはありません。また、球桿は3節です。これで③はOKとしました。④については頭部に側頭と呼ばれる部分があり、前胸背板には3条の隆起線があります。ということで、すべての項目が満足されたので、Oryzaphilus属までは確かそうです。
次は⑤で、オオメノコギリホソヒラタムシ mercatorとノコギリホソヒラタムシ surinamensisを見分ける検索項目です。この写真を見ると、側頭部は複眼よりは小さいのですが、半分にも達しないということはありません。また、体長は2.9mmで両種の範囲内に入っています。ということで、これはノコギリホソヒラタムシでよいのではと思っています。図鑑によると、貯穀害虫として世界的に著名な害虫のようです。
ついでに撮った写真を載せておきます。
まずは前胸背板側縁の鋸歯の拡大です。上は10倍、下は20倍の対物レンズで撮ったものです。図鑑によると、「前角および後角は横に強く突出し、中央に縦長の幅広い溝がある」というので写してみた写真です。溝については、肉眼では確認できたのですが、写真を撮るとよく分かりませんね。
これは口器のあたりを腹側から写したものです。
そして、最後は上翅を撮ったものです。
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