晴耕雨ログ

晴れの国の片田舎で暮らす自然派おばさん
畑仕事に生甲斐感じながらゆるゆる歩む農婆の人生

15日回顧録 <こんな日もあり>

2012-08-11 22:28:14 | Weblog
 桃の収穫作業は汗でぐたぐた、忙しく働いた数日間でした。

 夜になればパソコンとカメラを開きいつもならブログの更新といった日常も、桃の出荷期間はブログも休止。パソコンは宅配荷物のチェックのために開きます。
前日、我が家を発った荷物がお客様のもとへ無事に届いているだろうか・・・荷物の追跡で配達状況を把握します。
 便利な時代です。パソコンを開けば一目瞭然。

 <配達完了>の文字を確認してホッとします。
 そんな残業をした後に、たまにはこんな日も・・・ひとつまみの柿の種とキーンと冷えたビール。
深夜、おばさんは一人静かに配達完了にありがとうの独り乾杯!
 残業を終えたサラリーマンが”ちょっと一杯”と立ち寄る心情が分かる気がする一日の終わり。

  < 疲労感 350で 流し去り >

15日回顧録 <木みしり>

2012-08-10 22:22:46 | Weblog
 <木みしり>って?
 桃生産農家では、収穫が終盤となり残り少なくなった果実はいつまでも熟れてくるのを待つのではなく、この日を最後としょうと決めるとまだ青い実までもぎ取ってしまいます。これで収穫納めといたします。
しかし、無理やりもいだ青い桃には価値がなく、家庭でコンポートやジャムなどの加工用として出来るだけ最後まで無駄なく使っています。せっかく手塩にかけたものですから・・・。

 ずっと不思議に思っていた言葉<木みしり>です。きっと毟る(むしる)が語源かな?
強引にむしり取る・・・そんなイメージがあるものですから・・・。
 すべて取り尽くそうと<木みしり>にかかると、おやまぁ!葉陰に袋をかけ忘れた桃がひとつ。太陽の光を浴びてずいぶん日焼けし、健康色に育っています。
 岡山の桃は白桃。店頭でも赤い桃を見かけることの少ない白桃産地です。
色白の上品な清水白桃、日焼けした清水白桃、どちらも香高く、瑞々しく、甘く夏にはなくてはならないフルーツなんです。

  < 炎天下 手塩にかけた 桃娘 > 
 

15日回顧録 <ネコの手>

2012-08-09 22:56:26 | Weblog
 職業は?と尋ねられ”百姓”と答える夫には驚かされます。
自ら”百姓”と豪語する定年後の暮らしです。

 夫の百姓は、サラリーマンを脱皮して果樹栽培。
果樹、その成長過程を見守る熱意はわが子以上に愛情を注いでいるのでは・・・とも思われます。
嬉々として仕事に励む夫を見ると、第二人生と言えども”これぞ本業”・・・と私までもが力を発揮しないわけにはいかないのです。
 
 清水白桃の出荷に追われるこのシーズンにお世話になるのはクロネコさん。
クロネコシステムを導入し管理するのは私の役割。ずいぶん便利な世の中です。
しかし、還暦が近いこの身で新たな取り組みを確立し、パソコンを駆使しての販売を任された私。これも第二人生です。

 第二人生は、桃作りの巻 

  < 人生は 思いはひとつ 二度美味し >

 

15日回顧録 <爺と婆>

2012-08-08 22:54:20 | Weblog
 夏は桃と収穫に追われる果樹農家。
しかし、ほんの少しだけ水稲の栽培も手掛けています。休耕田、耕作放棄地とならないよう田んぼを守っているようなものです。

 桃の出荷に振り回され、おっとっと!水田の水管理を忘れるところでした。
田に水を引き入れようと土のうを置いた婆の目の前に、伊勢海老を思わせる大きな赤いザリガニが両手チョキを振り上げ威嚇しています。
”おや、まぁー!あんた二歳かい?”まるで我が家の孫の仕草と同じではないですか。
あまりかわいいものですから、孫へのおみやげに連れて帰りました。
バケツに入れ数日は飼っていたものの・・・・正直、餌やりも忘れていました。
 そんなある日、爺はいいました。”おい!もう逃がしてやるぞー!”
”はーい!どーぞ!”婆の軽い返事です。伊勢海老ならとてもそうは言いませんが・・・。

 昔話にも、どうやら婆さんのほうが意地悪でございます。
ザリガニは川へと戻り、めでたし・めでたし。
 今朝の稲田はキラリ朝露が素敵な光景。

  < 孫育て 田舎暮らしの 爺と婆 > 

15日回顧録 <夜明け前>

2012-08-07 22:21:51 | Weblog
 今年の夏の暑さは、これまでになく身体に堪えました。
 桃・清水白桃の収穫期を終えホッとひと息。
 
 果樹農家の忙しさ、一日の始まりの早いこと、嫁ぎ来た三十数年前は苦痛でしかなかったこの農家の暮らしでした。
しかし、歳月は私を変えてしまいました。人生第二ステージは、夫と本気で取り組む果樹栽培。
 ものを育てる喜び、健康で汗して働ける喜び、豊かな自然と共に生きる喜び・・・。そんなことを感じます。
”さぁー今日も一日・・・・”で始まる朝。太陽が顔をのぞかせる前の早朝の空は何て美しいことでしょう。
 
 たった一品種、清水白桃のみ栽培する我が家の桃収穫期はせいぜい10日前後。しかし、その間の忙しさときたら、使えるものはネコでも使う、家族一致団結の時であります。

 三十数年携わった農業に感じます。ものを育てる農業は、人を育て、家庭を育てるのではないかと・・・。

  < 農に生き 何時しか我も 育てられ >