○日時 2010年8月29日(日) 16時05分から18時50分
○会場 長野県松本文化会館
○演奏 小澤征爾音楽塾オーケストラ(1)(2)
サイトウ・キネン・オーケストラ(39
○指揮 ジョエル・スミルノフ(1)(3)
ロバート・マン(2)
○プログラム
(1)スメタナ 弦楽四重奏曲第1番ホ短調「わが生涯より」 第3、第2楽章(弦楽合奏版)
(2)ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第15番イ短調作品132より 第3楽章(弦楽合奏版)
(3)モーツァルト 交響曲第41番ハ長調K511「ジュピター」
今年のサイトウキネンは、小澤さんの体調の問題もあり、波乱万丈ですね。既にいくつかのプログラムが催されていますが、このロバート・マン スペシャルコンサートで今年のフェスティバル初参加です。
斉藤秀雄氏と交流があり、同じく演奏家(ジュリアードSQの創設者)であり音楽教育家でもあるマン氏は、語りと音楽など、以前からフェスティバルに関わっています。今年90歳(!)ということで、スペシャルコンサートが計画されまたのでしょう。当初プログラム全曲振る予定でしたが、年齢を考慮して1曲(ベートーヴェン)だけを指揮され、残りの2曲はマン氏とともにしたジュリアードSQの元メンバーであったジョエル・スミルノフ氏に替わりました。
さて演奏ですが、もともと弦楽四重奏曲をSQメンバーであったヴァイオリン奏者が指揮をする、というのも面白い(ヴァイオリン奏者の目で指揮をする?)です。スメタナは楽章を逆に演奏しましたが、演奏効果はあったと思います。静かに終わるより諧謔的な第2楽章で終わる方がしまりがある感じ。音楽塾のオーケストラは初めて聴きましたが、なかなかうまいですね。ヴィオラ奏者のソロはなかなかでした。指揮のせいか、引き締まって、構成感を感じさせる演奏でした。
そして指揮がマン氏に替わってベートーヴェン。晩年の神々しい曲です。こちらも音楽塾のオーケストラでしたが、曲のせいか、指揮のせいか、はじめの一音からガラッと響きが変わりました。実に精妙なニュアンスを込めながら、一歩一歩天上に召されていくような雰囲気です。ため息交じりに最後の一音が消えて、しばし静寂。そして万来の拍手。
後半は、スミルノフ指揮、サイトウ・キネン・オーケストラに替わり「ジュピター」。腰を据えて安定感のある演奏で、所々軽く柔らかいニュアンスを込めて、味わい深いジュピターでした。奇抜さのない演奏でしたが、最後コーダ直前に聴きなれない「ため」をきかせてハッと思わせました。
カーテンコールでは、サイトウ・キネン、音楽塾双方のメンバーがステージへ。また後半客席で聴いていたマン氏もステージへ呼び出され、お客さんの暖かい拍手で盛り上がりました。
○会場 長野県松本文化会館
○演奏 小澤征爾音楽塾オーケストラ(1)(2)
サイトウ・キネン・オーケストラ(39
○指揮 ジョエル・スミルノフ(1)(3)
ロバート・マン(2)
○プログラム
(1)スメタナ 弦楽四重奏曲第1番ホ短調「わが生涯より」 第3、第2楽章(弦楽合奏版)
(2)ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第15番イ短調作品132より 第3楽章(弦楽合奏版)
(3)モーツァルト 交響曲第41番ハ長調K511「ジュピター」
今年のサイトウキネンは、小澤さんの体調の問題もあり、波乱万丈ですね。既にいくつかのプログラムが催されていますが、このロバート・マン スペシャルコンサートで今年のフェスティバル初参加です。
斉藤秀雄氏と交流があり、同じく演奏家(ジュリアードSQの創設者)であり音楽教育家でもあるマン氏は、語りと音楽など、以前からフェスティバルに関わっています。今年90歳(!)ということで、スペシャルコンサートが計画されまたのでしょう。当初プログラム全曲振る予定でしたが、年齢を考慮して1曲(ベートーヴェン)だけを指揮され、残りの2曲はマン氏とともにしたジュリアードSQの元メンバーであったジョエル・スミルノフ氏に替わりました。
さて演奏ですが、もともと弦楽四重奏曲をSQメンバーであったヴァイオリン奏者が指揮をする、というのも面白い(ヴァイオリン奏者の目で指揮をする?)です。スメタナは楽章を逆に演奏しましたが、演奏効果はあったと思います。静かに終わるより諧謔的な第2楽章で終わる方がしまりがある感じ。音楽塾のオーケストラは初めて聴きましたが、なかなかうまいですね。ヴィオラ奏者のソロはなかなかでした。指揮のせいか、引き締まって、構成感を感じさせる演奏でした。
そして指揮がマン氏に替わってベートーヴェン。晩年の神々しい曲です。こちらも音楽塾のオーケストラでしたが、曲のせいか、指揮のせいか、はじめの一音からガラッと響きが変わりました。実に精妙なニュアンスを込めながら、一歩一歩天上に召されていくような雰囲気です。ため息交じりに最後の一音が消えて、しばし静寂。そして万来の拍手。
後半は、スミルノフ指揮、サイトウ・キネン・オーケストラに替わり「ジュピター」。腰を据えて安定感のある演奏で、所々軽く柔らかいニュアンスを込めて、味わい深いジュピターでした。奇抜さのない演奏でしたが、最後コーダ直前に聴きなれない「ため」をきかせてハッと思わせました。
カーテンコールでは、サイトウ・キネン、音楽塾双方のメンバーがステージへ。また後半客席で聴いていたマン氏もステージへ呼び出され、お客さんの暖かい拍手で盛り上がりました。