ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

稚拙

2012-08-28 23:04:28 | Weblog
インターネットで知り合った見ず知らずの人からも、
「中国大丈夫?」と聞かれるようになったので、
日本で報道されている中国は、本当にひどいんだろうなあ、と思う。

でも、上海はいたって平穏。
毎朝、通勤のバスの中で日本語の本を読んでいても、
周りはぜんぜん気にしない。
これは93年の留学時よりも、中国人が日本人に慣れたことを物語っていると思う。

もしいま、私が東京に帰って、
電車の中で中国語の本を広げたら、
きっと、さーっと日本人は離れて行くのじゃないかと思う。
実際、日中関係がよい時期であっても、
日本の公共の場で中国語の本を読んでいると、
たとえ混んでいても周囲にスペースができるので、わりと便利だった。

中国は広いので、漢民族の住む地域であっても、
小さい国がたくさん集まっているようなものだ。
北京、上海、広東、西安、成都、どこも全然違う。

そんな雑多な人が住む国を「共産主義」という名の下に束ねようとしたわけだけど、
もうこの国で「共産主義」だと思う瞬間なんてほとんどない。
商品を投げてよこしたり、笑顔を見せるのは損だと思っている店員がいたりと、
本来の「共産主義」とはまったく関係のないところで、感じることはある。

どこにも団結はないし、平等もない。
格差は広がる一方で、いまの20代は、どんなに頑張ったって、
親が金持ちじゃなければ、たぶんマイホームなんて持つことができない。
そして親に買ってもらったマイホームに住む20代は、
永久に自分の財産となるわけではなくて、
70年経ったら国に返さなければならないのは変だ!と言う。

どこの国にも不満はある。
ただ、その不満を出すやり方が、中国人は稚拙なことが多いと思う。
仕事の上でもそうだ。

でも、日本人の態度も、決して稚拙でないとは言い切れない。