ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

給料日前

2014-03-30 21:51:51 | Weblog
よくよく見たら、かなり貯金額が減っている。

そりゃそうだ。
チベット旅行は、前に行った15年前に比べて、スゴい値上がり。
外国人は自由に歩かせてくれなくて、ガイドと一緒じゃないと
観光地に入れないこの徹底ぶり。
監視されている上に、監視する人に対して、ありがとうとお金を払う理不尽さ付き。

ついでに、あちこちプチ旅行に行っているおかげで、
いまはまさに給料日前の様相だ。

少し腰が痛く、ついでに鼻が風邪気味のにおいを発しているので、
この週末は家でおとなしく読書をすることにした。

3冊。『向田邦子の遺言』『横道世之介』『シャンハイ ムーン』
いずれも、ずっと前に友人から借りた本。

向田邦子さんの作品は、ドラマも見たことがないし、本も読んだことがない、と思う。
もしかしたら教科書で読んだことがあるかもしれないが、まったく印象にない。
有名な寺内貫太郎一家を生み出した人というのは、字面の知識として知っているが、
そういえば、私の家の中では、彼女の名前や作品名が、会話に出てくることはなかった。

ということで、妹さんが公開した遺言から入るというのもなんだが、
あまりにも基礎知識にとぼしいので、ネットで調べようと思ったら、
日本のサイトが激重という現実。
よくよく、私は縁がないのだろうと思い、断念することにした。

横道世之介は、モデルになった人は、私よりも少し年上だろう。
むかしのことを懐かしく思い出しながら読むとともに、
私の高校と大学時代を思い出すと、いろいろと殺伐としていたなあ、と悲しくなった。

先日上海で会った20代前半の男性が、
「僕の青春の歌手は、モモクロです」と言った瞬間に、
一緒にいた私と同世代の人たちが、一瞬「え?」と身を乗り出し、
その後、脱力して深々とソファーに身を沈めたのだけど、
きっと彼なんかは「ねるとん」が何なのか、知らないだろう。

『シャンハイ ムーン』は、上海租界時代の内山書店を舞台に繰り広げられる
魯迅先生のお話だけど、
租界に住む顔の見えない日本人が、それはまたイヤな奴らに描かれていて、
日本軍人も最悪で、ついでに国民党もすごくイヤな感じで、
大筋は面白いのに、なんだかちょっと後味がうんざりする気分になった。
きっと、日本にいた頃は、それほど嫌悪感をもたなかったと思うけど、
最近は本当に、左っぽいのがダメになった。

確かに紡績工場では劣悪な環境で中国人を使っていただろうし、
買春も日本人が他の外国人に比べて多くやっていただろうけど、
1930年代ともなると、フランスやイギリスの人たちは本国に引き上げ、
ほとんど日本人占拠状態だったから、住んでいた数自体も日本人が多いわけで、
特に、日本人が悪いとはいいきれないと思うけど。

そしていま、4冊目をどうするか迷っている。
『ツァラトゥストラはこう言った』の下巻にすべきか、小説にすべきか。
寝っころがって読むなら、スマホのkindleアプリで、満洲の本だなあ。

しょうがない

2014-03-30 12:15:55 | Weblog
本当は旅行の写真をアップしたいのだが、回線が激重。
この週末にやる予定だったサイトのデバッグも、
サーバーが日本なので回線がほとんど繋がらず、早くも断念した。
ブログの管理画面を開くにも、約30分のトライアンドエラーを繰り返した。
私も辛抱強くなったものだ。

あと3ヶ月くらいで日本に帰国する予定で、
最近よく、私にとって中国人と協業するというのはどういうことだろうかと、
総括して考えるようになった。

中国は、GDPで日本を抜いた国だ。
中国人も、世界第二の経済大国と自負するようになった。

でも、よくよく考えてみると、
中国人の人口は公称13億。日本はたったの1億2000万。
1人当たりが生み出せる富の額を比べると、また違って見える。
中国と日本のGDP額の差は開く一方なので、
うかうかとしていると、本当にひっくり返されてしまうが、
私たち日本人が生み出せる付加価値は、世界的に見て、驚異的な額なのだろうと思う。

2013年の予測値は、wikiによると、世界全体では、74,171.718(単位は10億US$)
1位 アメリカ 16,237.746
2位 中国 9,020.309
3位 日本 6,149.897
4位 ドイツ 3,597.965
5位 フランス 2,739.274

人口は、アメリカは3億、中国13億、日本1.2億。
ドイツとフランスは、それぞれ1億人もいない。

もし、日本の人口がアメリカよりも多かったら、
単純にかけ算すると、アメリカのGDPよりも多くなる。
もし中国の人口なみに10倍したら、
それこそ地球上の資源が根こそぎなくなってしまうかもしれないほど、
産業が発展してしまうだろう。

つまり、いまの段階ではまだ、日本人だったら1人でできる仕事に対し、
中国人が何人も必要になるのは、いまはまだ、しょうがない。

だから「日本なんて抜いたはずなのに、こいつにかなわん。なぜだ」と、
中国人がムカムカするのも、しょうがないということだ。

そもそも、中国のGDPには、中国にある日系企業をはじめ、
外資企業が生み出す富も含まれていたり、いろんなからくりがあるのだから。
鉄道と船舶の輸送量を見てみると、かなり盛られているという話だ。
でも、GDP世界第二位という名は、宣伝効果としてはバツグンで、
それに引きずられて、実績が生まれてくることもあるだろう。
つまり、中国共産党お得意の「言ったもん勝ち」というやつだ。

中国のテレビでは、連日のように日本の再軍備を危惧し、分析する番組をやっている。
外に敵をつくって、国内をまとめようという意図だけではなくて、
本当に、いまの日本が軍備増強することを怖がっているのだと思う。

日本国内にいると気がつかないけど、日本は強大な国で、
そして中国は暗黒大陸なんかじゃなくて、いろんな人がいる国だ。