ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

心残り

2012-08-15 23:26:00 | Weblog
中国の人は、道ばたのそのへんに、無造作に下着を干すので、
歩いていると、結構おどろく。
今日は、アパートの廊下に堂々と透け透けな下着を干している女子がいた。
そして、その驚きも覚めぬままバスに乗ったら、
隣に立ったおじさんが、Tシャツを胸までたくしあげ、腹を出していた。

あらあら、と思って会社についたら、
50代の上海人の女性社員が、
透け透けスカートをはいていて、太ももが見えていた。

どれも中国では普通のことなんだけど、
小説等を読んでいて、頭の中が日本モードになっていると、
ふと周囲に目をやって驚くことがいまでもある。
そしてやっぱり、中国人に生まれなくてよかった、と思う。

昨日、友人が、
本気で怒るときは、自分がそうだと自覚していることを他人から言われたときだ、
と言っていたので、私は何で一番怒るだろうと考えた。
小さいころからのことを思い返してみた。

私は「親不孝だ」と言われると、一番腹をたてる。
「これ以上、どうやって親を愛して、親のために何かをしろっていうの。
 もう、十分やったのに、なぜあなたに言われなきゃならないの」と思う。
でも同時に、原罪のようなものも心の底で感じる。

むかし母に「あなたは、お母さんに対して本当に冷たい」と言われたっけ。
それについて、ついにちゃんと話すことがなかった。
心残りだなあ。

咲かぬなら

2012-08-13 23:33:39 | Weblog
週末の紹興旅行では、上海から紹興までの往復に「動車」という
日本で言う新幹線のようなものに乗った。
最高時速は200キロくらいが出ていた。
が、40キロくらいで徐行することもあれば、
後から来るもっと速い電車に追い抜かれるため、
駅で長らく停車することもあった。

車内はまるで新幹線。
シートも座りやすいし、きれいだし、空調もきいている。
でも、中にいるのは中国人だから、とにかく騒がしい。
大声で話すし、子どもは叫びながら走り回る。
そして、誰も注意しない。
きっとうるさいとも思っていない。

でも、ひまわりの種をかじり、殻を床に捨てる人、
痰を床に吐く人はいなかった。
少し文明化した。

今朝の通勤バスで久しぶりに車内を見回してみると、
朝食を食べている人、豆乳を飲んでいる人、携帯電話で話をしている人。
いろいろな匂いと音が充満していた。
きっとこの人たちは、自分たちの気持ちがおもむくままに、生きて行くんだろう。
公共道徳なんて関係なしに。

ふと思い出した。
昨日、蓮の花の蕾をぶっている男の子がいた。
もう少しで開きそうな花を開かせようと、ショックを与えていたのだった。
大人もそれを囃している。

咲かぬなら咲かせてみよう蓮の花。

そういえば金ぴかが好きだし、中国人は秀吉タイプなのかもしれない。
家康がいちばん日本人的だということなんだなあ、と、変に納得がいった。

紹興小旅行

2012-08-12 23:51:02 | Weblog
週末、友人と紹興に行って来た。
紹興と言えば紹興酒。紹興酒を飲むための旅行だった。

行ってから知ったのだけれど、
紹興は、禹が治水をしたところ、越の国があったところ、会稽。
呉越同舟とか、むかし読んだような気がする。
そして、王羲之の蘭亭序で有名な蘭亭があるところ。

これまで書面上ですごくなじみのある土地だったのに、
それらがリンクしたのは、半分くらい紹興酒に酔った後だった。
なんとも、情けない。

そして思い出そうと思っても、ほとんど忘れている。
春秋でも読み直してみるか。久しぶりに中国史を読みたい気分にもなった。
たぶん気のせいだけど。

街にいた犬の写真。



動物が幸せそうな土地は、いいところ。



上海よりも、ゆったりとしていて、空気もいい。
だが、土地の年配の人たちが話している言葉は、
普通語を一生懸命に話してくれるんだけど、訛りがひどすぎて、よくわからない。



犬語も訛っているのだろうか。
川で洗濯。紹興は、川の町だ。



犬が寄って来てくれても、なでる勇気が出ない。



おじいさんと一緒に昼寝していた犬。
となりのおじいさんは、パンツ1枚だったので、写真はトリミングしてみた。



おっと、忘れてはいけない。
魯迅の『孔乙己』を読むと、一度は飲みたいと思う紹興酒と茴香豆。
紹興酒は、すごく濃くて、美味しかった。


電子版

2012-08-09 23:43:33 | Weblog
台風一過の快晴とはならないのが、また上海らしい。
まだまだ強い風が、南からの蒸し暑い空気を運んで来た。
不快指数100。

引っ越して、昨日のような大型台風にもびくともしない家に住めたのはよかったけど、
どうもネットの回線が遅い。
中国国内のサイトを見る分には、あまり問題はないのだけれど、
ますます海外に出にくくなったような気がする。
回線がホテルのものだからだろうか。

ということで、ニューズウィーク日本版のデータのダウンロードが、なかなか終わらない。
いま、ニューズウィークのほかに、Penも電子版で定期購読している。
海外にいるのに便利だと思うし、
毎回買うのは面倒だから、年間購読したい気分になるので、
情報へのお金の使い方が少し変わった。

iPadも買ってよかったと思う。
iPhoneだと、画面が小さいので、拡大→スクロールが面倒だから、
iPad程度の大きさがあると、やはり使いやすい。

もっといろいろな本が電子版になるといいのになあ。
紙は好きだけれど、海外にいるときには、電子版はやはり重宝する。

回線が不便な中国ですらこうなのだから、
日本にいたらもっと利用するだろう、と思うけれど、
紙がすぐに手に入る環境だったら、店頭でふと気になった号だけを買うだろうから、
電子版で年間契約、という使い方は、やっぱりしないだろうとも思う。

さて、ここのところ本当にゆっくり本を読む時間がとれない。
夏バテが出てくる時期には、終末引きこもろう。

台風襲来

2012-08-08 23:05:07 | Weblog
いっそのこと、昨日のうちに今日は休みと決めてくれていれば、
昼間、大雨の中を歩くことも、靴がぐしょぐしょになることもなかったのに。

どうやら、上海を台風が直撃するのは、非常にめずらしいらしく、
どうも、みんな対策が甘い。
台風で地下鉄が止まったことに、上海人たちが驚いていた。
人災では止まるけど、自然災害のことは考えてないんだなあ。

道路はあちこち冠水し、街路樹の枝は折れ、
それがまた雨水をせき止めて・・・、
まるでビーバーの家のような状態になっていた。

自宅近くの床屋さんでは、
店の前の「赤白青」でグルグルまわるアレが倒れ、
歩道いっぱいにガラスの破片が飛び散っていた。
が、店内ではお店の人と常連さんが、マージャン大会。
歩行者の迷惑になるとか、危ないとか、
そんなことは気にするふうではなかった。
やっぱり、公共の概念が、ない。

道には、本当になんでそこにあるのかがわからないような、
材木や鋼鉄のトラップがいっぱいあって、
市街戦でもやったんだろうか、というような雰囲気になっていた。

これが大都市、上海。
そういえば、先日、北京も水没して死者も出た。
中国は、いけいけどんどん!で町をつくり、
見かけはいいけど、乱暴につくったから、
やっぱり何か少しいつもよりも環境が悪くなると、
すぐにそのボロが露呈する。

明日、台風の威力が弱まっていたら出社なんだけど、
なんだか、まだいろいろとトラップが残っていそうだから、
家から出たくないなあ。
こんなんで、死にたくないし。

そして、持って帰ってきた仕事に、ほとんど手をつけていない。

スピーチ

2012-08-08 01:04:13 | Weblog
月曜日の朝、朝礼当番が回って来た。
日本人は中国語で、中国人は日本語で3分ぐらいのスピーチをする。

会社の同僚には若い人が多く、
中国人はみんな80年代後半か、新卒の場合は90年代だ。
私が留学した93年当時、まだほんの子どもだったという人もいる。
ということで、昔の話を少し入れることにした。

「私が北京に留学したのは、93年。
 92年には、ちょうど鄧小平の南巡講話があって・・・」と言ったところで、
若い中国人が、みんなウケた。

反応があった理由は、たぶん2つ。
南巡講話なんて、教科書でしか知らない。
そして外国人から、さらりとそんな話が出てくるとは思わなかったから。

いまの上海の若い人は、ほとんど政治の話をしない。
私たちが留学していた頃は、みんなもっと政治や近代史の話をしていた。
場所が北京だったせいもあるだろうけど、もっと国家、社会があった。
いまの上海は、本当に自分のことだけだ。

この分だと本当に、天安門事件があったことすら知らない人がいるかもしれない。

これは、少しずつ試してみよう。
次の朝礼はたぶん2ヶ月後くらい。
外貨兌換券の話でもしてみようかな。

接待

2012-08-05 23:40:32 | Weblog
昼食を食べていたら、喜び組が接待してくれた。



たまたま友人と入った北朝鮮系のレストランでは、
13時になると、それまでホールで給仕していた女性たちが、
楽器を演奏し、歌を歌い始め、そして踊る。

踊りは、いわゆる露出度が低いけど、ああいうダンスだ。

あまりのことに唖然としながらも、目がくぎづけだったら、
それまで私たちのテーブルを担当してくれていた女性と目があった。
こういった客の反応には慣れているようで、
何とも言えない目で、ジッと見つめ返された。
もちろん、バンドも歌も踊りも、かなり上手。

さすが中国だなあ。
こういう北朝鮮色バリバリのレストランがあるなんて。

私たち日本人はもとより、上海人も、
そしてたまたま入って来た欧米人も、大喜びで写真を撮った。

そして夕方、浦東にある友人宅の近くで撮った1枚。



かんぬき型の森ビルのシルエットは、やはり美しい。


奥が深い

2012-08-04 23:30:24 | Weblog
深圳は上海よりも人が少なくて、
上海人の女性のようにキーキー話をする女性も少なくて、
中心地に関しては、民度が高いような気がした。

高速道路からは、「なぜそこまで!」と言いたくなるくらいの
たくさんのクレーン車が見えた。



朝5時半起きで上海に戻った。
やはり、少し疲れ気味。

夕方、刀削麺が食べたくなって、近所の食堂に入ると、
日本人とフランス人の男性2人組が隣の席に座った。

フランス人、英語を話すんだけど、とにかく声が大きい。
もっとボソボソ話す人たちだと思っていたから、かなり意外。

で、興奮していた理由がわかった。

どうやら、大の日本びいきで、中国人の前でも、
「中国のはダメだよ、やっぱ日本だよ!」と英語で話している。
相手の日本人は、煮え切らない返事をしていたけれども、
フランス人はそんなこと気にせず、どんどん突っ走る。

ぼくは、日本の文化と一緒に大きくなったんだ。
まず最初は、ニンテンドーのマリオ、
次にドラゴンボール、ファイナルファンタジー、
この車のゲームも、日本のだろう!と語りながら、
携帯に入っている「日本の文化」を日本人に見せている。

そして、いまはオンラインゲームになったから、
どんなゲームで遊んでたかを話せば、世代がわかるね!とも。

文化論的なコロモをつけてはいたが、単なるオタクなんだなあ、と思った。

日本の文化って、奥が深いなあ。

深セン出張

2012-08-02 22:59:47 | Weblog
よくよく思い返してみると、
深センに来るのは、これで3度目だろうか。

来るたびにゴミゴミ度が増し、中国の普通の一都市になりつつあるという印象だ。
中国人のいるところ、
そこは、喧騒と、ゴミがあり、何かが腐った匂いがしていて、
スケスケな服を着た普通のお嬢さんが歩いている。

それにしても、上海よりも南なのに、
こちらのほうが涼しく感じる。
上海よりも空気がきれいだし。

むかし深センの写真を見ると、
こんな人間味のない町には住みたくない、と思ったものだけれど、
いまとなっては、そこに人間味も出てきている。
上海は人が多すぎて、空気も悪いから、
治安がよくなってきた深センのほうが、
もしかしたら人が住む町に近くなってきたのかもしれない。

20年も経つと、町も人も変わるんだなあ。