ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

明日は要注意

2012-09-17 22:29:23 | Weblog
QQさんのコメントによると、
在留届の他にメルマガの登録をしないと
領事館からの通達を受けられないということなのだけど、
それなら、連絡先で記入させられたメアド、
あれはいったい何だったんだろうと思う。
なんだか、根本的にシステムの運用がおかしいんじゃないだろうか。

まあ、官僚が考えることなんて、そんなもんか。

上海人も、ほとんど何が起きているかを知らなくて、
「上海は、中国の中でいちばん文明的な都市だから、大丈夫よ~」と
上海語で言いながら、のんびりと構えている同僚もいた。
が、なかには日本語を話していたらにらまれた、という上海人もいた。

別に日本人だから危ない、というわけではなくて、
日本ブランドのものを持っていたり、
日本車に乗っていたり、
日本語を話す中国人だったり、
日本人のおじさんにぶらさがっている中国人のお嬢さんも、
暴動の対象になっているところがこわい。

昨日、略奪のうえに放火された某大手メーカーは、
駐在員を全員帰国させることに決めたらしい。
明日は一日お休みにする会社も多い。
日本人学校も休みだ。

領事館のサイトに出ている範囲の明日のデモ。
上海市 10時開始、以下のルート13時日本総領事館着予定

・人民広場→延安路→仙霞路→日本総領事館

・外灘陳毅広場→延安路→仙霞路→日本総領事館

・淮海路→東湖路→富民路→延安路(上海展覧館)→日本総領事館

ただ、これ以外にも南京路を略奪ターゲットにしているというウワサもあるから、
注意が必要だ。

それにしても、ネット重いなあ。

日本の危機管理

2012-09-16 20:22:05 | Weblog
この週末で、中国で発生したデモの状況を一番把握できたのは、
やはり「ついったー」だった。
しかも上海はVPNがまったく繋がらず、
唯一「もばつい」だけが見られる状態だった。

日本のメディアは中国における反日デモの状況を、
何を自主規制してるんだ!というくらい流さず、
当然、中国メディアも報道しない。
Yahoo!も繋がったり、繋がらなかったりだった。

外務省に在留届を提出しているにもかかわらず、
領事館からはメールによる注意喚起もまったく行われず、
三連休を利用して無防備にも上海に旅行に来てしまった
日本人おじさんおばさんの旅行客が、地図を広げて上海の町中を歩くという、
非常に「危機管理なってないよ!」という状況が、上海では見られた。
いまは、渡航規制をかけるべきときでしょう!!!!!

過去最大規模の反日デモのわりに、
日本政府の対応はあまりにもお粗末だと思った。

確かに日本領事館のホームページには、デモの予定が出ている。
でも、何人の人がそれを確認しただろう。
在留届と一緒に、連絡先のメアドを登録しているのだから、
こういう非常時くらいは、メール等で注意喚起してほしい。

まったく、誰かが死なないと、何もやらないのだろうか。
たとえ誰かが死んでも「面倒なことが増えた」が官僚の論理なのかもしれないけど、
まったく、税金で雇われてるってこと、わかってるのか!と思う。

ということで、もしネットが繋がらなくなったら、
上海にいる日本人は、まったく情報収集の手段がなくなり、逃げることができなくなると思う。
ネット回線、中国の回線を使ってるわけだからさ、
日本の政府として、もっとやるべきことあるんじゃない?

戦争に負けた当時の混乱が、21世紀にも起きる可能性がある。
中国人も成長してないけど、日本政府もまったく成長してない。

ネット重い

2012-09-14 23:28:25 | Weblog
この繋がらない感じは、
みんなで日本をサイバー攻撃してるんだと思う。

中国国内は難なく繋がってるから。

明日あたり、自衛隊のHPも改ざんされてそうだな。

もう少しさ、ちゃんと予防しようよ。日本も。
攻撃されるって、わかってたハズじゃない。
「三権分立だから裁判所は政治とは関係ありません」なんて、
中国人には通じないよ。

ほとんどの人が、生まれてこのかた、共産党の一党独裁しか
経験してないんだから。

さて、明日は公共の場で、大声で日本語では話さない。
夜9時以降は外を歩かない。

おじさんのみなさんは、KTVの外で騒いだり、
これ見よがしに、女の子をお持ち帰りしたりしないように。

スルー

2012-09-13 23:35:10 | Weblog
メディアのみなさんは、どうも上海で日中の摩擦が起きてほしいようなのだけど、
ここでも中国人は日本人の思うように動かないのが、いい。

だいたい国家よりも自分の利益を優先する人たちなんだから、
自分にとって得になるチャンスは、絶対に逃さない。

ということで、
いま中国でお流れになっているイベントは、
基本的に政府にたかられて、企業にとって支出がかさむイベント。
自分たちが儲かるイベントは、決してつぶさない。

この論理で上海は動いていると思う。
おそらく、北京や広東も似たようなものなのではないかと思う。

中国人は、ものごとの価値のつけかたが、日本人とまったく違う。
領土問題が、必ずしもマイナスになるわけではない。
もっとビジネスライクだ。

今日、日本から来た人が、
「中国に暮らしている日本人は、国内にいる日本人とはまったく違った視点で、
 中国や中国人を見ていると聞く。それがどんなことなのかがぜひ知りたい」
と言っていた。

そういう話を聞くと、
霊感の強い人が「幽霊なんて見えないほうがいいよ」と言うのと同じように、
「知らなくていいこともありますよね」と言いたい気持ちも浮かんでくる。

とりあえず、日本のメディアは、
あそこまで大金はたいて購入したんだから、中国人のみなさん騒いでください!という感じ。
清水の舞台から飛び降りた割には、基本的にスルーされてると思うけどな。

どうする

2012-09-12 00:13:46 | Weblog
今日は上海市内某所でサッカー中継を見て、
そのあとに続いたニュースをボロクソに言うという流れだった。

領土問題にからむ領事館前20人の抗議デモを
わざわざ報道してどうするんだ。
上海には東京と同じくらいの人口がいるんだから、
そういう人くらいいるよ。
それをさも、国際問題のように取り上げて、どうする。

それに、中国側に説明に向かった日本人の官僚、
日本の領土だというのであれば、
それについて難癖をつける外国があるのであれば、
「説明してやるから、こっちに来い」と言うべきだろう。

まったく。
何やってんの。

なんだか全然、交渉と報道のポイントがずれてる気がする。

その前にやってた「いじめ」のニュースにも、なんだか違和感。
「全国で●件のいじめ、都道府県別では」などと言っていたのだけど、
数として把握は、「いじめ」の本質からずれてるんじゃない?
定量化するのはいいけど、
「いじめ」は、いじめられてる人からすれば、唯一の経験なんだから。
全国に何人、自分と同じようにいじめられてる人がいるから頑張ろう、
なんていうわけでもないし。

ニュースにする以上は、「客観的に」そういうデータになる、
という建前はわかるけど、文科省の発表をそのまま垂れ流してどうする。

とまあ、ニュースというのは、突っ込みどころがたくさんあるわけで、
サッカーよりもそちらに盛り上がるあたりが
外国から日本を眺めている「よさ」でもある。

噛み合った

2012-09-10 21:54:33 | Weblog
スイッチを入れ直した。

昨晩読んだ本。
『サイバーテロ 漂流少女』(一田和樹著、原書房刊)

作中に登場する某社が上海で行ったインターネットセキュリティ対策セミナーに
1年ほど前に参加したことがある。偶然。

そのセミナーを聞きに来ていた、日本の大手銀行や大手メーカーの人たちは、
いかにも「直帰」「交流会の酒」を目当てに来ているような雰囲気で、
「うちは独自システムを組んでるから、セキュリティは問題ない」のようなことを
自信満々に語っていたのだけれど、
この本を読むと、それが机上の空論ですらなく、ただの幻想だということがよくわかる。

そもそも、システムを組む段階で、
オープンソースをまったく使わないなんてことないし、
第一使っている人間が、そこまでかしこくも、用心深くもないのだから、
完璧なんてことはあり得ない。

インターネットセキュリティについて一生懸命に語っていた講師さん、
この本を読ませれば、
見栄っ張りでインターネットなんてほとんどわからなく、
ついでにいつ本社に呼び戻してもらえるかしか考えてない
いないほうがマシなくらいのわりには予算を握っている駐在員・管理畑の人たちを
少しは説得できるかもしれないよ、と推薦してあげたい。

私からすると、そのセミナーでどうも講師側と出席者側で噛み合ってなかった部分が、
「そういうことなんだ~」とスッキリして、ありがたかった。

(ああ、こういう暴言を吐いているから、中国人からしっぺ返しをくらうんだな)

そして、日本社会の閉塞感を久しぶりに思い出した。

この本を「専門用語ばっかりでわからない」と書くレビューもあるのだけど、
パソコンとインターネットを使うんだったら、
このくらいの専門用語は取り組んで理解しようという気持ちを持とうよ、と思う。
他力本願な日本人らしい反応だけど。

何かがズレてる

2012-09-10 21:40:22 | Weblog
朝、バスに乗ったら、いかにも田舎から出てきました、というような雰囲気の一家がいた。
お肌はくたびれているけれど、たぶん実年齢はすごく若いお母さんが、
乳飲み子をだっこしていた。

バスが発車するとすぐに赤ちゃんが泣き始めた。
お母さんが話しかけても泣き止まない。
で、どんどんお母さんがイライラしはじめて、赤ちゃんに怒鳴り始め、
しまいには、背中をボンボン叩き始めた。
あやして、トントンするのではなく、明らかに怒って叩いていた。

でも、周囲に数人いた家族の男どもは、見て見ぬ振り。
最後には、おっぱいを飲ませて泣き止ませた。
なんだ、お腹がすいてただけじゃん。

朝からすごく気分の悪いものを見てしまった。

会社の帰りに寄った一応日系のラーメン屋では、
食べてる途中に、店員がこれいじょうないほどぶっきらぼうに「会計」と言って、
レシートを投げつけて来た。
「食べてるんだけど」と言ったら、鼻でフンとされたので、
しょうがないからお金を払うと、次はおつりがなかなか戻って来ない。
(中国では、席でお会計するのがふつう)

隣に座った見知らぬ中国人の男性は、くちゃくちゃ食べるので気分が悪く、
(中国人は口を開けたまま、音をたてて噛むのがふつう)
もうこれ以上待てないと思ったので、レジまで行って「おつりちょうだい」と言ったら、
「あ? 席まで持ってくから、座ってな」と言われたので、
「そこにあるそれだよ。おつり、ちょうだい」と言ったら、「なにさ」と言われた。
腹が立ったので、投げつけられたレシートを、指ではたき返してしまった。

怒ってもしょうがないんだけど、無性に腹が立つ。

とりあえず、今日はダメだ。
何かがズレている。
スイッチを入れ換えよう。

視点

2012-09-09 20:49:21 | Weblog
昨日は、お金を使いすぎた。

上海市内のたぶん五つ星のホテルのレストランにゆき、
キャンペーンの西洋料理のコース料理を食べた。
味はそこそこだったものの、料理の出てくるペースがはやく、
これじゃあ、おしゃべりもお酒も進まないじゃん!という時間の流れだったため、
ああ、シェフは中国人なんだな、とがっかりした。

こういう時間は、料理のおいしさを半減させるので、
安からぬお金を払い、損したと思う。
なぜこうも、中国人は他人のことを考える想像力をもたないのだろうか。
少しは台湾を見習え。

上海で東京と同じくらいの料金を払うと、
サービスが悪い分だけ非常に損した気分になるので、
ここは上海だから、東京の6~7割のお金ですませたいところだ。
それに、私たちもお酒が入ってぎゃーぎゃー騒ぐわけだから、
本当の一流に行っても、そぐわない。
身の丈にあったことをするのが一番だと思う。

さて、緊縮財政と体力の低下にあわせ、今日は1日、家で読書をした。
読んだ本は『独裁者の教養』(安田峰俊著、星海社新書)。

20代の人で、この著者のように中国の奥地までガンガン行ける人が増え、
そんな人が日系企業の中国法人で活躍するようになると、
アホな駐在員が減り、日本人の評価があがり、
日本本社の支出も減って全体にもっとうまくいくだろうになあ、と思う。

が、この本の組みには、非常に不満。
どうして新書で開きが悪いっちゅーのに、
ノドで分断されるように写真を配置するんだ。
私なんて中国語が話せて勇気もあって(=無鉄砲で)、興味もあるのに、
やはり女性だから、雲南とミャンマー国境なんて行けない。
だからこその期待をこめてページを開いたのに!

そうなんだよなあ。
タイトルが、ワ州潜入記ではなくて、独裁者の教養になってるわけだから、
コンセプトは古今東西の独裁者に光を当て直すことにあるんだろうし、
それであれば、現地の写真になんて重点おかないかもな。
きっと、1冊まるごとワ州にさくほどの内容が拾えなかったと
非常に大人な判断から導かれた構成だったのかもしれないけど、
この本のユニークな点は「実際に行った」という点にあると思うんだけどな。

中国が普通になりすぎた人には、時に、日本人が中国にはじめて接したときの
「純粋な」驚きを忘れてしまう。
私もそうだ。
なにかをするときに、普通の観光客としての視点は非常に大切だ。

ひとまず合格

2012-09-07 21:50:47 | Weblog
これまでの経験上、
私がちゃんと仕事を教えた人は、たいてい仕事が好きになってくれる。
私という人間を苦手になったとしても、
仕事じたいは「好きなもの」「チャレンジしたいもの」として残る。
これはきっと、説明する私が、仕事を大好きだからだと思っている。

さて、今日は、
中国人の後輩に、ガッツリと現場仕事をレクチャーした。
日本語は翻訳家を目指していただけあって、かなり上手い。
でも、仕事の経験に関しては、ほぼまっさらだ。

いい仕事をするためには、段取りが非常に重要で、
段取り上手になるには、自分の仕事の前行程と後行程を知ることが重要だ。
でも、中国人は基本的に自分以外の人には冷淡で、
他人のために自分の仕事が増えるのを嫌う。
その他人が、自分よりも学歴が低いとなると、極端なまでだ。

例えば、女子でもお客さんに出したグラス1つ、片付けるのも嫌がる。
日本人が、「応接室を使ったあなたが片付ければ、すぐにお客さんを通せるじゃない」と言っても、
「それは、私みたいな大卒の人間がやることではない」と言い切る。
このへんの身分意識は、日本人の予想をはるかに超える。

で、中国人の後輩が、どこまで現場仕事に心を開けるかが今日の課題だった。

午前を終わった段階で、前半の仕事をおさらいした。
ひととおり説明が終わったところで、
後輩から「あなたは、その知識をどこで学んだのですか?」と聞かれた。
私は「ぜんぶ現場の人たちに教えてもらったんだよ」と答えた。
そしたら、後輩はすごく驚いた顔をした。

中国は、まだ社会が成熟しておらず、
かつ過去のいいものは文革ですべて失われてしまったので、
社会で先輩が後輩に何かを教えることがない。
基本的には、学歴の延長で歩いて行くが多いし、
相手を出し抜くことが賢さの証のような風潮があるので、
他人にノウハウを与えるなどという感覚は皆無に近い。

次に、「では、この仕事で何が一番必要なんですか?」と聞かれたので、
「企画力。つまり、考える力、相手を喜ばせる力、そのために段取りを組む力」と答えた。
「企画力、ですか。どうやったら身につくのですか?」と聞かれたので、
「それはまだ身についてないから答えられない。でも、それぞれの工程をやっているプロに
各工程のツボを教えてもらったら、とりあえずはかたちになるかな、と思ってる」と答えた。
そしたら、「なるほど。では、私は学ぶべきことがたくさんありますね」と。

で、こんなカッコいい会話が終わった後に、
日本人と仕事をするようなペースでは決して進まず、
相変わらず中国人はマイペースすぎるほどのマイペースなんだけど、
興味の扉が開かれたようなので、今日のところはこれでよしとする。

連環

2012-09-05 23:23:35 | Weblog
昨日問い合わせた腕時計、完売だった・・・・・。
発売から経ってるし、限定モデルだし、しょうがないとはいえ、
やっぱりショック。
1日、仕事が手につかなかった。

ここのところ、こんなにドキドキすることなかったし、
心の底からガッカリすることもなかったので、
感動するって体力を使うんだなあ、と再認識。
むかしは、こんな感情の起伏が毎日何回もあった。
若いって、素晴らしいことなんだなあ。

この感情の起伏は、原点がスター・ウォーズにあったので、
十和田湖から旧陸軍の訓練機が引き上げられたニュースを見た瞬間に、
ヨーダがフォースで「X-Wing」を沼から引き上げるシーンを思い出した。

" I don’t…I don’t believe it."
" That is why you fail."

映画ってすごい、って思った。
X-Wingが本当に飛んでいるみたいに見えたし、
カメラアングルも、セリフの入り方も、そしてシーンの切り替えも、
人の頭の中で描かれたすべてのものが、
スクリーンのなかで「現実」となるなんて、
もう本当に素晴らしいと思った。

原点に返らなければならないときが、人生には何度かあって、
そんなときに、ふとした符合があって元気をもらう。

手に入らなかった腕時計も、引き上げられた70年前の飛行機も、
そして35年前に観て、ハマりまくった映画も、
どれもこれも素晴らしい。