ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

そわそわ

2014-03-19 21:33:43 | Weblog
昨晩は、夕飯を食べた後に胸焼けがし、早々に寝てしまったのだけど、
父の命日だった。

父が亡くなったあの年もそうだったんだけど、
どうも毎年、この前後は、体調がよくない。
気分もよくなく、そわそわする。めずらしいことに寝付けない。

私がこんなだから、きっと父も同じふうで、
それで足を踏み外したんだろうなあと思う。
そのおかげで私は、足下には気をつけるし、
中国人に競り勝って、バスでは席にも座る。
立っていたら、乱暴な運転で振り飛ばされる上に、また腰を痛めてしまう。
このバスに乗り込む時の腕前と図々しさは、かなりのもんだ。
ただし、日本では活かせないスキルの1つでもある。

日本のサイトでは、たまにしか報道されなくなったマレーシア航空機。
でも、日本人が乗らなかったのは奇跡なんだ。
実際に、乗るはずだったという日本人はいる。

中国では、一応、毎日情報が更新されている。
今日は、航路を南太平洋にとった可能性が最も高いという記事が載っていた。
もしそれが本当だとして、故意に選んだ進路だとしたら、
あんなに広い海の先の、いったいどこへ向かって飛んで行ったのだろうと思う。

それにしても、東南アジアの地名を漢字に置き換えられると、
まったく違う土地のように見えるから、不便だ。
きっと中国人も、日本のカタカナを見て、いつもそんな気持ちになるんだろうけど。

隣家

2014-03-17 23:19:20 | Weblog
アパートの隣の部屋の、若いカップルが出て行った。
1ヶ月もいなかったと思う。

夜中まで大音量でゲームをやりながら騒いでいたので、
壁を叩いて抗議したのが功を奏したのか、
または、彼らは出前を取っては、食べ散らかしたあとを廊下に放置。
食器を洗っていなければ、違うゴミまでトレーに乗っている始末。
夏には絶対ムシが来ると思っていたが、それを大家さんにたしなめられたからなのか、
まあ、理由はともあれ、居心地が悪くて出て行ったようだ。

このアパートの大家さんは、上海人だ。
だから、外国人排除などとは言わない。
お金をきちんと払ってくれて、マナーがいい外国人は大好きだ。
特に、部屋をきれいにつかう日本人は贔屓してくれる。
逆に、ろくすっぽ家庭教育を受けていない田舎から来た若者を嫌う。

私は、催促しなくても家賃を払い、
水道メーターの数値も自己申告するから、基本的に親切で、
たいへん丁寧な応対をしてくれる。

それに先日、フリクションのボールペンをあげておいたので、
「ええっ? どうしてボールペンなのに消えるの? 日本はすごいね」と
大興奮してくれたから、当分は大丈夫だろう。

隣が出て行ってくれて、安心した。

2014-03-17 00:19:58 | Weblog
夕方、友人のイベントに参加しようと家を出たら、
近くの公園に、いつの間にか春が訪れていた。



一眼レフを持って出ればよかった~!

公園には、カードゲームに興じる大量の中国人。
上海は、世界有数のお金持ちの町になったけれど、
中国人の生活には、あまり変化がない。

ここのところ天気がいいので、空気が乾いて気持ちがいい。
上海は冬でもジメッとしてて、湿度が70%くらいあるが、
そんな冬も終わって、そろそろ春だ。


掃除

2014-03-15 15:07:35 | Weblog
ざわざわした気分のままで寝ると、落ち着かない夢を見る。
昨晩は寝る前に「そろそろ一番こわい夢を見るから、明日は起きたら掃除しよう」と思った。

私にとって一番こわい夢は、
母が、私の住んでいるところにやってくる、というものだ。
日本の場合だとそれは実家で、上海だと今住んでいるこのアパート。

つまり、家の中が冗談にならないくらい汚れていると自覚し始めると、
決まって、母がやってくるから大急ぎで掃除をするという夢を見る。

そこで朝から部屋の中を掃除をした。
壊れてしまったこたつを捨て、上海はゴミの分別も粗大ゴミの決まりもないから、
とりあえずゴミ箱あたりに置いておけばいい。
持ちやすいように束ねておく。
そのほかのゴミ袋の口も閉じて置いておく。
これでも、普通の中国人に比べたらマナーがいい。

もう少し暖かくなったら、冬物の洋服も処分して、帰国の準備だ。
すでに室温は20度。暖房を入れなくてもここまで気温が上がるようになった。
チベット旅行以外の旅行も計画を立てなければ。

それにしても、不惑を過ぎてもまだ、
母にしかられることをおそれて掃除をするとは、情けないものだ。

偽物

2014-03-14 22:13:53 | Weblog
昨晩、上海古北の日本料理屋の前から、友人とタクシーに乗った。
運転手さんの発音が、上海人ではなかったので、
「あなた、どこの出身?」と聞いたら、「河南省」との答えだった。

素直に答えてしまうような、朴訥な河南の人。
中国でもっとも貧しい地域と言われ、上海人にとことんバカにされている河南の人。

ほぼ間違いなく、本物の運転手さんではない。
タクシー自体が偽物か、上海人の代わりに運転手をやって、
上納しつつ小銭を稼いでいる人だ。

上海のタクシーは、外省の人も運転手をできるようになったけれど、
外省の人はまだまだ少ない。
上海語しか話せない運転手もいるくらいで、
上海人がタクシーを利用する時は、絶対に上海語で話す。

で、きわめて偽物くさい運転手さんが、私に話しかけてきた。
運「お前以外はみんな日本人か?」←いつものパターンだが、一緒にいた日本人は大喜び。
私「いや、私も日本人だよ」
運「うそだろう」
私「父も母も揃って日本人だから、どうしようもなく私も日本人だよ」
運「両親が日本人なら、そりゃお前も日本人だな。
  ところで、魚釣島(尖閣諸島)は中国のものだし、中国はこんなに大きな国だから、
  いくら日本が無謀でも、攻めて来られないだろう」←田舎者が大好きな話題だ。
私「中国と日本が戦争をしても、
  私たちのような老百姓(庶民)に、何ひとついいことないじゃん。
  それに、アメリカが喜ぶだけだよ」
運「でも、日本は欲しいんだろ」←彼は中国の領土であることを疑っていない。
私「日本はアメリカの植民地だから、どうしようもないんだよ。
  戦争をしてアメリカを喜ばせても、私たち庶民は苦しむだけ。
  あなたのためにも、私のためにも、日中友好がいちばん!」
運「そうだなあ」←いまいち納得してないが、私の勢いに押され負けた感じ。
でも車内の雰囲気は非常によくなった。たぶん、表面上は仲良くなった。

一緒にいた日本人は「そんな論法あるんだ~!」と、これまた大喜び。
これは女子が得意とする、誰かを悪者にして仲良くなってしまうパターンだ。
私としては、尖閣諸島に対する主張をすることなく、論点をずらし、
運転手さんと仲良くなった。

これこそが、中国の田舎者と付き合うコツだろうと思う。
そもそも、相手もそんなにちゃんと考えてないのだから。

成金

2014-03-12 21:36:17 | Weblog
ここ数年の、上海の急激な賃金アップには、ただただ驚く。
その程度の仕事でこの給料?!という感じ。

で、水道光熱費と公共の交通機関以外は、
おそらく上海のほうが東京よりも物価が高い。

むかしは駐在員に群がっていた夜のお嬢さんたちも、
いま、日本人の若い人には、ほとんど振り向かない。
大企業の社長クラスなら、まだまだいけるのかもしれないけど、
いろんなハニトラが仕掛けられているので、
そうそう、うまい話もないだろう。

中国人も、自分たちは「成金」だと知っている。
そして、いろんな揶揄が飛び交う。
これだけ高い物を身につけているのに、
世界的に見て、まったくファッションセンスがない人たちもめずらしい。
若い人はまだいいけれど、とくにオバさんはすごい。

と、きっと、かつての日本人も言われていたんだろう。

中国語で「成金」は「土豪」と言う。
流行語のひとつだ。

中国人にも人気のiPhone5Sのゴールドは、
ホームボタンの周囲に金色の輪っかがついており、
きらきらしていることから、やっぱり「成金ぽい」ということで、
「土豪手机」=「成金スマホ」と呼ばれている。(机は機の簡体字)

かわいそうに。

でも、確かに、中国の新卒がiPhone5Sを買えるなんて、
少し前じゃ想像つかなかったなあ。
っていうか、日本人は、いま無理なんじゃないか。

鏡面

2014-03-11 23:57:25 | Weblog
いろいろな憶測が飛び交うマレーシア航空の事故。
亡くなった人よりも、陰謀説やテロの話のほうがクローズアップされ、
なんだか話がずれてきたなあ、と思う。
南シナ海に軍艦を進めたい中共の自作自演とか、
マレーシア航空が賠償金を払いたくないゆえの隠滅など、憶測だらけだ。

今日の午後は、中国時間の14時46分に黙祷した。
向かいの中国人が、すごく不思議そうな顔をして、私の仕草を見ていた。
泣くでもわめくでもなく、ただ静かに目を閉じて1分間、その人たちの冥福を祈る。
その人たちは、会ったこともない人たちだけれど、
3年前の今日までは、私と同じように平凡な日常を暮らしていた人たち。

中国の人たちは、パフォーマンスとして利用できないような祈りの場合、
「お金が儲かりますように」「いい相手と結婚できますように」など
自分のための祈りであって、見ず知らずの人のために黙祷するようなことはしない。

でも、私の同僚の中国人たちは、
私たち日本人が数日前から話題にしていたので、今日が大震災の日だと知っている。
だから私や日本人の同僚の黙祷を、不思議そうに、でも黙って見守ってくれた。

こうした日本人の祈る態度が、
きっといつか、靖国問題などを根本的に解決してくれると思う。
私たちの宗教観には、中国のそれとは違う一面がある。

私たちが心の底から思うことを行動に移したとき、
それがたとえ、中国人には理解できないことであったとしても、
中国人は意外にも鷹揚なので、受け止めて、流してくれる。

しかしそれが、ひとたび根拠のない上から目線の押しつけになったとき、
彼らは全力でエスケープしてくる。反抗というより、逃げる。

最近の日本は、中国や韓国を冷静にジャッジできなくなってきている印象をもつが、
それは、私たち日本人が、日本を見失っていることと鏡面なのだと思う。

今年は

2014-03-10 01:02:44 | Weblog
上海在住の日本人数人と会ったら、
みんながみんな、マレーシア航空の事故は、
対中国へのテロだろうという推測をしていたので、
やっぱり考えることは同じだなあ、と思った。

中国の地方政府や中小企業が大好きで利用している闇金も、いろいろある。
表沙汰にはなっていないが、
デフォルト(債務不履行)がちらほら起きているというウワサもある。

中共が崩壊したら、何と言っても、
中国人がたくさん日本に逃げてくるんだろうという点が怖い。
PM2.5どころの騒ぎじゃない。

カナダやオーストラリアなど、これまで中国人の移民を受け入れていた国が、
これ以上中国人は来るな、ということで、規制を始めたと言う話もある。
その点、お人好しの日本は、多くの中国人をかかえ、
結果、なんだよこれ、満洲国と同じじゃん! しかも今度は本土で抱えるの!
絶対土地が足りないし~! なんだか、奴ら、金だけは持ってるから面倒!
という最悪な状況になるのでは、と恐れる。

なのに、赤の自虐史観で育ってしまった日本人は、
中国人にはやさしく、親切に、などと言ってしまうあたりが恐ろしい。
日教組よ、お前らが矢面に立って、受け止めるんだ。その覚悟はあるんだろうな。

中国人の田舎者は、基本的に、日本人は鬼で、怖い奴らだ、と教わって育った。
だから、負けまいと居丈高で来る。
これは、恐怖の裏返しであり、日本人に負けないことが勇者の証なんだから、
そんな人たちに、日本人流の思いやりなんて、伝わるわけがない。

この先の50年で、窮鼠猫を噛むのは、中国人か、それとも日本人か。

私の部下に、過大なまでの日本製品信仰をもつ、日本大嫌いな「憤青(憤怒生年)」がいる。
中原の端っこの出身で、反日運動になると血湧き肉踊る精神を持っている。
日本製品はとことん好きで憧れがあるくせに、反日に燃えるあたり、
もうまったく意味が分からんが、彼の中ではそれが矛盾していない。

周囲の中国人は、なぜ私が彼をクビにしないのか、不思議がっている。
もちろん日本人の同僚は、彼をクビにしたらいいなんて、言わない。

不思議そうな顔をしている中国人に対し、私はこう言った。

民主主義国家では、政治信条によって会社から解雇されることはない。
それは基本的な人権と結びついていて、それが文明的に機能しているからこそ、
日本の選挙は混乱もなく、運営されている。
まあ、棄権する人も多いが、
それでも、選挙制度を敷いている国の中では優等生の部類に入るだろう。

私が学んだ人権とは、そういうものだった。
彼が職務上ミスを犯したのでないのならば、私は彼を解雇する根拠をもたない。
中国は法治国家でも民主主義でもないが、私はあくまでも日本人なので、
日本の理念を根拠にして論理を組み立てると、彼を解雇することはできない。

ただしこれは、心情的に好きか嫌いかや、彼を信じるか信じないかと言う
私の内面の問題とは無関係のものであり、もし個人的なことを言うならば、
はっきり言って、私は彼が嫌いだ。
しかし、それでもやはり、解雇の理由にはならない、と。

ここは日本じゃなくて上海なんだから、
私の個人的な感情で決められるじゃん!という中国人もいるが、
私は、そんな「不文明」なこと、私のプライドがゆるさないぜ、と答える。

この論理がわからないのなら、上海人と言えども、あんたたちもしょせんは中国人。
当分は、選挙なんか無理だね。
そう言ってやる。

上海人は、自分たちを上海人と言うブランドだと思っているので、
中国から独立したいとか、変なことをほざいているが、
そのあたり、私からしたら「差不多」なので、
イヤな日本人となって、がつんと言ってやることにしている。

でも、このあたりは中国人のおおらかさ。というか、利にさといあたり。
はっきり言うほど、私を好きになってくれる上海人もいる。

これは直感だけど、今年は、結構、みんなにとって、転換の年になると思う。

反復

2014-03-09 03:00:19 | Weblog
まだまだ続く。
gmailの受信トレイの画面じたいが開かないとか、
co.jpのメールが届かないとか、
また、会社のサイトにアクセスできないなどの「交通マヒ」状態。

これは、文明国という以前に、国際社会の一員なのかと疑う。
軍事費は相変わらずの2桁アップだが、そのうちのどれだけが、
このインターネット規制に使われているのだろうか。
ああもう、いい加減にしてほしい。平常時でさえ遅いんだから。

ということで、マレーシア航空の痛ましい事故についても、
やっぱりテロかなあ、と想像してしまう。北京行きだし。

ドストエフスキーの小説だったか、
この世で最も過酷な労働は、意味のない反復作業を永遠と続けることだった。
穴を掘っては埋める作業を繰り返す。

でも、実際の人間には、こうした単純作業の繰り返しが好きだと言う人もいる。
しかも何日続けても苦ではないらしく、
逆に「飽きるだろうなあ」と思って違う「考える仕事」を与えると、
ぱったりと止まり、途方に暮れてしまう。

これは学歴や頭の良し悪しとはあまり関係なく、
一定割合として、存在するらしいタイプだ。

そして、比較的、中国人にはこのタイプが多いと思う。
しかも、真面目でいいヤツほど、この傾向が強いような気がする。
「9時から17時まで、この仕事をいくつやってください」というと、
「わかった~!」という目をする。

だからといって、中国人は単純作業しかできないわけではない。
最近思うのだけど、要は、自分の立ち位置をハッキリさせたいだけなんだ。
考える仕事というのは、範囲が見えにくい。そして評価もされにくい。
でも、単純作業であれば、しっかりと自分の成果を数量で見ることができるし、
それを他人に言うこともできる。

終身雇用ではないからこそ、こうした働き方がしたいんだろうと思う。
不確かな明日なんかに、夢を見ることはできないから。
そして、毎日が積み重ねではないがために、
毎回同じことを最初から最後まで説明し、やってもらわなければならない。

こちらは、疲れる。
昨日とほとんど同じじゃん。それの少し応用じゃない、と言いたい。
昨日は5までだったけど、今日は6までやってほしいんだよ、と。

でも「え?」という顔をされる。
そして、1から5までの復習とともに、6のステップを説明する。
こちらはゲンナリだが、相手は「よし、わかった~!」と、
なんとなく、しっくり来た顔をする。

彼らの作業は、昨日と同じ反復であっても活き活きとしているのに、
私は同じ説明を繰り返すとドッと疲れるという、この不公平感。

日本に帰ったら、ドストエフスキーを読み返してみるか。

距離

2014-03-06 00:17:03 | Weblog
ここ数日、いろいろなメールが消えている。
特に日本のアカウントやgmailなどで影響が出ているので、
昆明の事件以降、中共によるネット規制は、かなり厳しくなっているように思う。
全人代をやっているし、まあ、そういうことなんだろう。

外国が裏で、反共の勢力に武器を供与していることだってあるだろうし、
もしかしたら、いろんなトレーニングとかやって、援助している可能性もある。

今日、会社の若い中国人にそう言ったら、
「ウイグルもチベットも、分離独立派は、
 必ず外国にそそのかされて、こういう非人道的なことをやってるんだ」と
確信を込めた返事が返ってきた。

さすが、思想教育が行き届いている。
中共が彼らの土地でやっていることは、まったく知らされていないがゆえの発言だ。
たとえどのような理由があっても、他人を傷つけるのはよくないことだと思うけど、
どうしてそこまで追いつめられたのか、その背景を考えるような感性は、
まったく持ち合わせていないような雰囲気だった。

まあ、そんなことを私が言ってもしょうがないので、
「とりあえず、チベットの通行証の発行に影響が出ないことを祈ってるの~」と言っておいた。
真面目に語ったとしても、仲が悪くなるだけで、得るものはないから。

こういうとき、どうがんばっても埋められない距離を
中国人に対して感じる。

だって、隣の席で私が「メールが消えている!」と言っていても、
それが普通のこと、当たり前のこととして、彼らは認識している。

いま、この世界で、政府がメールを検閲している国って、いったいどれだけある?
なぜ私が「こんなのあり得ない~!」と憤慨しているのか、
そんな理由を考えることもない。

「政府の方針ですから」と、当たり前のこととして受け止めている姿を見ると、
やっぱり、無理だよな~と思えてくる。