りつこの昨日今日

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

パンと野いちご 戦火のセルビア 食物の記憶

2023-09-29 15:49:00 | 日記
 新聞の書評で知り、図書館に予約してあった本を読んだ。ユーゴースラビアといえば昔、ヤドランカが焼き物のギャラリーを見に自宅へ来て、その後何度か来てくれた。連れて来てくれたお客さんによれば、サラエボオリンピックのメインミュージシャンで国民的歌手だと。気取らない性格や八王子の環境を気に入ってくれて親しくしていたのだが、加藤登紀子や永六輔などの協力もあってすっかり有名になり、コンサートでも気軽に声をかけ難くなり付き合いも途絶えてしまった。
 戦火のセルビアと聞いてヤドランカの何かが分かるかなと思ったけれど、あの地域のこと、本当に何も知らない。民族と宗教の違いから何世代にもわたる紛争、第二次世界大戦でのドイツやイタリアの侵攻、何にも知らなかった。民族が違ってもご近所さんとはずっと仲良く暮らしていたのに過激な他人が大量に入って来て命からがら逃げ出さなければならなくなる。そうして難民となったり収容所で家族が殺された人たちが大切にした食べ物の話しに現実味がある。
 頻繁に出てくる西洋刺草に引かれて調べてみる。現在、スーパーでも売られているほどポピュラーなのだが日本刺草は毒があるとか。でも刺草の仲間であるカラムシにぶつかる。さっそく散歩ついでに摘んできて食べてみた。モロヘイヤのような粘りがあり、美味しい。料理はロールキャベツの元みたいなのやピーマンの肉詰めに似た肉詰めパプリカなど、わかっていたらいくらでもご馳走してあげられたのに、とスマホやGoogleが無かったのが残念だ。
カラムシ

摘んで食べてみた新芽
 この本の作者、山崎佳代子も好きでよく聞いていたというヤドランカは日本の公演中の怪我がもとで体調を崩し、東日本大震災の後、セルビアに戻り2016年に亡くなっだという。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

台風歓迎 今日は確かに秋

2023-09-08 14:52:00 | 日記
 雨の音しか聞こえない朝、網戸から入る風が冷たくて窓を閉める。寝室の高窓を締めるのは何週間ぶり? こうでなくちゃあ!

夢のような淡い色を見せていた合歓の花を強力な葛が制覇して何処もかしこも覆い隠している。
初めて小さな花がついてから毎日ひとつずつ開くのを楽しみにしていた向日葵もほとんどが茶色の種を残して終わってしまう。なのに毎日毎日30度越え!去年の日記では9月1日には急に涼しくなっていたのに。ま、朝晩は涼しくなったから、と思いながら大きな麦わら帽子が手放せず、照ればちょっと早めに折り返した散歩。
 ヘンリー ソローの 森の生活 を読んでいる。19世紀の哲学書に近い難解な本だけれど、私たちの暮らし方を肯定してくれるようで分かったような分からないような、などと思いつつページを進めている。
1817年生まれの作者の時代、マサチューセッツの湖のそばの自作の家から近い所に鉄道の線路が通って、人類こそ天の選んだ最も適合する生物ではないかと、そのすごいスピードの機関車を見て呟いている。200年後には人間は地球にとって間違いなく破壊をもたらす存在なのに。
 夏の間、暗殺国家ロシア でチェチェンと暗殺された反体制メディアを知り、悪魔の選択のフォーサイスを読み直したりしていたので、19世紀のニューイングランドの自然礼讃が嬉しい。
 人間がもたらしたに違いないこの夏の異常さの中でも、自分たちの手で作った家に住み、滔々とながれる川を眺めながら歩き、その時どきの恵みを、今は韮、スイバ、胡桃、ときには鹿や猪も、で食卓を楽しめることはやはり豊かな暮らしだと思わずにはいられない。嫌なことは何一つしないように、毎日元気にいられることが私たち流の生活だと教えられている。






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする