新聞の書評で知り、図書館に予約してあった本を読んだ。ユーゴースラビアといえば昔、ヤドランカが焼き物のギャラリーを見に自宅へ来て、その後何度か来てくれた。連れて来てくれたお客さんによれば、サラエボオリンピックのメインミュージシャンで国民的歌手だと。気取らない性格や八王子の環境を気に入ってくれて親しくしていたのだが、加藤登紀子や永六輔などの協力もあってすっかり有名になり、コンサートでも気軽に声をかけ難くなり付き合いも途絶えてしまった。
戦火のセルビアと聞いてヤドランカの何かが分かるかなと思ったけれど、あの地域のこと、本当に何も知らない。民族と宗教の違いから何世代にもわたる紛争、第二次世界大戦でのドイツやイタリアの侵攻、何にも知らなかった。民族が違ってもご近所さんとはずっと仲良く暮らしていたのに過激な他人が大量に入って来て命からがら逃げ出さなければならなくなる。そうして難民となったり収容所で家族が殺された人たちが大切にした食べ物の話しに現実味がある。
頻繁に出てくる西洋刺草に引かれて調べてみる。現在、スーパーでも売られているほどポピュラーなのだが日本刺草は毒があるとか。でも刺草の仲間であるカラムシにぶつかる。さっそく散歩ついでに摘んできて食べてみた。モロヘイヤのような粘りがあり、美味しい。料理はロールキャベツの元みたいなのやピーマンの肉詰めに似た肉詰めパプリカなど、わかっていたらいくらでもご馳走してあげられたのに、とスマホやGoogleが無かったのが残念だ。
カラムシ
摘んで食べてみた新芽
摘んで食べてみた新芽
この本の作者、山崎佳代子も好きでよく聞いていたというヤドランカは日本の公演中の怪我がもとで体調を崩し、東日本大震災の後、セルビアに戻り2016年に亡くなっだという。