少し秋らしくなってきましたが、まだまだ暖かく過ごしやすい日が続いています。
今年もまた秋の「昔きものと今きもの展」の支度ができました。
11月と言えば本来なら帯付き〈何も羽織らずに外歩きにも帯を見せたままであること〉の季節は過ぎて、「今日は羽織かしら、コートが要るかしら」などと考える季節です。それでも今年の温かさでは、まだまだ帯付きも平気。ショールでも持てば全く寒さも感じません。羽織のおしゃれが忘れられてしまうのも仕方ないかもしれません。でもコートやショールとは違って、家に入っても着たままでよい羽織は重宝なものです。
とくに着付けの教室に着物で通ってくださる方々には、ちょっと帯に自信がなくても羽織を着ていれば電車に乗っても大丈夫、などとおっしゃいます。お茶のお稽古も同じかもしれませんね。ともあれ、小紋以下の場合、とくに紬物には羽織で華やかにしてみるという楽しみ方ができます。着丈の長い羽織を着ただけで不思議とおしゃれな感じになるし、短めならしゃきっとした雰囲気が出せるものです。
リサイクルの羽織の場合、紐が汚れていることが多いのですが、カーディガン用の鎖やピアスの金具などでおしゃれに遊ばれてはどうでしょうか?
着物は紬も柔らかものも生地の良いことが何よりも大切です。まずお召しになってみてサイズが合うかどうかを確かめられるので、似合うかどうかもよくわかります。とても手の出ない作家物や結城などの超高級品も気楽に手の出る価格になるのが大きな魅力だと思います。
着物を着てみたくなったら、その時がはじめ時です。気軽に和服のおしゃれもお楽しみください。