一般的によく「集中しろ」という人も居たりするが
本当の「集中」って何か?と言われれば
それはよく考えた場合、決して「一点」のみに眼を向ける事ではなかったりする。
本当の集中とは、一点のみに「囚われる」のではなく、全体を「ぼんやり」と俯瞰で見るという感覚での捉え方が大事である。
例えばパンチを避けるディフェンスの動作一つにしても、その部分「一点」のみを見るのではなく、全体に意識を「分散する」という感覚で捉えないと、上手く避けることはなかなか難しい。
何か一つの事に打ちこみ過ぎたりする人間には特にその傾向があって、集中していると言えば随分と聞こえはいいが、それはすなわち一点のみに「囚われて過ぎて」しまっているという風な考え方もできる。
本当の集中とはそんなものではなく、いつ、どこから来てもあらゆる対応ができるような、そんな「意識を分散する」感覚での捉え方が望ましいと思う。
それには常日頃から、一つの事のみを行うのではなく、「複数の事」を「同時に行う」という「ながら感覚」で、自分自身を訓練する事が必要である。
それが上手くできた時、一点に囚われるよりも広い視野が身に付き、自然とリラックスもできている。
一点のみに囚われてしまうと逆に、身も心も当然のように固くなってしまう。
自身が思う「本当の集中」というものはそんなところにあると思っている。
もちろん、最初からそんな事ができるハズはなく、頑張ろうとする人程まずは一つのことに悪い意味の集中をしてしまうが、いずれその事に気付いた時には、「本当の集中力」というものが身に付いていると思う。
また、「努力」と「本当の集中力」がないとそれ以上ボクシング技術が向上する事なんて事はまず有り得ない。
例えば「絶対」等とよく言葉にしてしまう人などがいるが、普段の生活で「絶対」である事なんて、実際のところほとんどなかったりする。
もし周りにもそういう人が居たり、自分自身もそういう言葉を使う時などは、一点の物事のみに囚われている場合が多いので、少し注意してみて欲しい。