無人島に・・

入社式の模様が報道される季節。
今年は、活気付いていて、なんだか関係者でなくても華やいだ気持ちになります。

新卒で採用された二十数年前のこの時期。
入社式に臨んだ私たち１３人は二泊三日の新人研修に出かけました。
女性６名、男性７名の新入社員。一同に会するのは初めてのことです。

近郊の研修施設は周りが田畑に囲まれたのどかな地。夜はとっぷり日が暮れる陸の孤島です。そこで課された研修プログラムに「無人島に漂着するとしたら、ボートの中に何を装備するか？ただし、１０個まで。そして１０個には優先順位をつけること。」というのがありました。これを、二つのチームに分かれて各チーム内の全員の合意を取り付けるまで夜を徹して話合うのです。

詳しいことはもう思い出せませんが、知らないもの同士を短時間でタイトな関係にするには有効なプログラムだったと思います。

秋にもう一度招集された再研修の時には、プログラムを通じて経験したことをどのメンバーに最も伝えたいか？という試みがなされました。くじで最初の順番になった人が目をつむって車座に座っている人の中から該当者を選び、その人の肩に手を置きます。選ばれた人は以後同じように自分が伝えたい人の肩に手を置きゲームは進んでいきます。
女性が男性を選んだり、その逆だったり。
最後の一人になった人まで順々にそのゲームに対する自分の感想を語っていく中で、仲間意識の形成の過程の面白さを感じたことを思い出しました。
以後、私たち同期は結構仲良く付き合ってきました。飲み会でも辛らつな指摘の応酬でロマンスなんてものとも縁遠かったなあ。

こういう研修方法が流行っていた一時期の思い出ですね。
今はどういう研修がされるのでしょう。


無人島には、きっともう行くことはないと思うけど、何を持っていくのか考えるのは楽しい遊びです。
最近は、お棺の中に何を入れてもらおうかと考えるようにもなりました。
いろいろ考えると、一棺ではとうてい収まりきらない・・・。