気を持たせても仕方ないので結果から・・・何も釣れませんでした。
夜明けと共に竿を出すことが、その日の釣りを良きものにするためにどれほど有効かということは、渓流釣りをしたことのある方ならば今更説明することもなかろう。
それが盛期の頃ならともかく、今時期に早朝から川に入ってもさほどよいことはない。
釣り師も寒いのだから魚たちだって寒い。
ということで今日はいつも通りに起床して朝食を摂ってから出掛けるつもりでいた。
ところがだ、前々からこの日に釣りに行くと言っておいたのにも関わらず、家族の心無いひとことで一気に気分が損なわれた。
詳しく書いても愚痴になるだけなので省くが、そんなひとことのおかげですっかり行く気が失せた。
昼頃までうだうだしていたが、来週は釣りに行ける日もないし、
のっけからケチが付いたがまあ行ってみるかと気の進まないままに出掛けた。
釣り場への到着は既に15時。
今日の釣りの目的はアマゴを釣るためではなく、 新調した本流竿、ダイワの「琥珀本流スーパーヤマメ95MR」の調子を確かめるためだ。
いくら春めいて来たとは言え、アマゴたちはまだガツガツと餌に食い付いてくる元気もなかろうし、掛けたとしても20cmそこそこのものだろう。
スーパーヤマメを絞ってくれるとは考えにくい。
ここは寧ろ尺近いウグイとか40cm近いニゴイが掛かってくれた方が、竿の実釣性能を確かめるには都合が良いと考えて選んだフィールドは長良川の中流部。
岐阜県の美濃市内の流域だった。
もっと下流の方で解禁当初に成魚放流がなされたが、稚魚放流はしていなかったはずだ。
放流していたとしてもごく僅か。
魚は薄いだろうと思ったが、冬の間に上流から落ちてきた個体も居るだろうし、サツキマスを狙っているときにこの辺りでもアマゴは釣れるし、ウグイもニゴイも掛かる。
自分としては竿の調子を確かめるには最適と踏んだつもりだった。
画像で奥の方に見える流芯から外して緩流帯を流せば食ってくるだろうと思ったのだが、反応は無いに等しい。
2回ほどコツコツと感じたが、ウグイやニゴイというより寧ろアマゴのアタリのような気がする。
でも鈎に乗らない。
どこで竿を出しても律儀に挨拶に来るのに、肝心なときに寝ている全くもって使えないう~やん。
でもよく考えたら、鯉科魚類が動き出すのはもっと後だったか?
冷水性の鮭科魚類じゃあるまいし、まだ動かないのか?
長良川ではサツキマスを狙っているときに巨大なニゴイが掛かる・・・
上村川では遡りアマゴを狙っているときに尺ウグイが竿を絞る・・・
いずれも5月のことだ。
どうやら、スーパーヤマメを絞ってくれる魚にはまだ会えなさそうだ。
ならばせっかくだからちゃんとアマゴを狙おうと思い、魚の濃いところまで上がるかとクルマを上流の郡上市の方に進めた。
でも時間に余裕はない。それほど上流部までは走れない。
更に、今時期の長良川でちゃんとアマゴを釣るつもりなら、タックルも替えねばならない。
もしかしたら使うことがあるかもしれないと思い、常にクルマには小継竿も積んである。
ダイワの流覇Ⅱなのだが、この川で多くの人がやっているような細糸の仕掛けにはできない。
それに、それでは今日の釣りの目的が達成されない。
もう陽もかなり傾いてきたし、この際掛かればなんでもいいと半ば捨て鉢になり、スーパーヤマメを振るのに相応しいポイントとして相戸の堰堤で竿を出した。
坂東堰、三川合流、高速下など、川の名前ではなくポイントの名前でももしかしたら全国区なんじゃないかと思うような箇所があるが、ここ相戸の堰堤もその仲間かもしれない。
ハイシーズンにはまず入れない。
以前夜中の1時半にここ相戸の堰堤に到着した時に、暗闇の河原で既に複数名の釣り師が待機していたのには驚いた。
夜が明けてくると、河原の至るところにギラギラした釣り師が居るのを見て、竿を出さずに場所を変えた。
そんな人だらけのところで釣りをしたいとは思わない。
でも今日なら閑散としているだろうし。たまにはいいかと思いながら入川した。
しかしながらアタリはあるものの相変わらず鈎に乗らない。
自分の仕掛けは本流で大物を狙うわりには細い方だと思う。
40cmオーバーが出る可能性のある高原川や禁漁間近の益田川水系で水中糸0.6号、ハリス0.5号が上限。
それ以外は殆どが水中糸0.5号、ハリス0.4号。
今日は更にひと回り細い0.4号と0.3号。
しかし、それでも長良川というか郡上のアマゴ達にとっては太仕掛けなのだろう。
所謂「郡上アタリ」にも達しないような掠ったアタリばかりでアワセのタイミングを掴めない。
釣りのスタイルは人それぞれなので、他人の釣りのスタイルを否定することになりかねない書き方をして恐縮なのだが、
スレた魚を釣るため、或いはスレていなくても数を釣るために細仕掛けにするというのは大いに理解できるのだが、
それで20cmそこそこのアマゴを数多く釣ることに僕は意味や意義を見いだせない。
僕は1匹でいい。1匹でいいから、目の前のポイントに居る一番デカイやつを獲りたいと思う。
長良川は、いい川だ。
随分と俗な言い方だが、紛れもなく「いい川」だと思う。
長良川で良い釣りをしたことなど殆どないのだけれども、釣り糸を垂れていたり、国道から見える川面を眺めていると、その度に感じる。
何がいいのかと問われても非常に答えにくい。
でも、「ああ、長良川はやっぱいい川だなあ」と思わせてくれる。
だから僕は出来ることなら長良川で自分の腕を磨きたい。
でも実際問題非常に困難なのだ。
解禁から多くの釣り師が入川しアマゴはスレる。
勢い細仕掛けに走ることになるだろう。
果たしてそれで尺上のアマゴが獲れるだろうか。
そして、鮎釣りが解禁すると朝のうちしか竿を出せないという現実もある。
だから、いつか、自分の釣技がある程度のレベルに到達したと自身で感じることが出来る日が来たら、長良川に通うつもりでいる。
その時は細仕掛けなんて使わない。
通常の仕掛けでどれだけのアマゴを掛けることが出来るか、どれほどの大型を獲ることが出来るのか、挑戦したいと思っている。
話は逸れたが、本流アマゴが大きくなる前にサツキマスを狙ってみるものの、毎年郡上まで追っかけずにその下流の長良川中央漁協管内で狙える期間が過ぎたら益田川水系に引っ越すというのは以上のような理由なのです。
だから、相戸の堰堤なんて、よだれが出るくらいのサツキマスの一級ポイントだけど、この次に入るのは一体いつのことになるやら・・・
暫く流してみたものの、僕の腕では鈎に乗せられないと分かり、その時点でその日はもう諦めました。
そもそも朝からケチが付いて気分悪かったし、もっと清々しい気分で釣りをしたい。
当初はそのまま長良川の近くに泊まっていこうと考えていたが、明日は土曜日。
ここ2、3日の暖かさも手伝って、恐らく明日の長良川は大盛況だろう。
それに例年の自分はそもそも今時期に釣りをしない上に、長良川について分かっている、知っているとは言えないのだ。
良い釣りは望めないだろう。
それ以前にやっぱりまだ本流で竿を絞ってくれる魚に会うこと自体が難しい。
ならばよく知った益田川水系の方がまだ有望なのではないか。
恐らく多くを期待してはいけないだろうと思いながらも、僕は益田川にクルマを向けた。
何処かで日帰り温泉に浸かって車中泊しよう。
~翌日の釣行記に続く
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