毎年多くの尺上が竿を絞ってくれる奥飛騨の高原川。
中でも朝一番に入川するならばここだとほぼ決まっているポイントが僕にはある。
これまで数多くの大物に出会えた。
それが今シーズンは全く冴えない。
入っている魚の数が極端に少なく型も小さい。
現時点で、そのポイントで獲った尺上のヤマメはたったの一本。
そこで今朝は別のポイントに入ってみた。
感覚としては朝一番よりも10時頃から昼過ぎまでが芳しい釣果が出るように思うが、今のこの状況では仕方ないと判断した。
流れがほぼ直角に近い角度で向きを変えているため、僕はちょうど向きが変わる地点に立ち、先ず上流側に投餌し自分の目の前まで流すと、そのまま下流側に仕掛けいっぱいまで流し切るというやり方で探っていた。
アタリはウグイのものだけだった。
やはりまだ時間帯が早かったかなと思いながら、少しずつ下流側に探る範囲を移していった。
尺上のイワナを釣り上げ、暫しの休息を終えた後、再び流れに立とうとしたときに、二人組の若いルアーマンがやって来るのに気付いた。
所謂大場所の部類に入るポイントだが、今僕がやったように上流側から下流側に広い範囲を探る釣り師が多いため、先行者の釣り方を見ると皆入川を躊躇するというのが暗黙の了解のようになっていた。
複数での入川者を見掛けると、それはたいてい同伴者だった。
一体どこに入るつもりなのだろうか。
僕がこれだけ広い範囲を探っているのが見て分からないのかと、その二人組の技量を疑った。
しかし、実際に二人組の釣りの様子を見ると疑いなどではなく、乱暴な言葉でひとことで片付けると、信じがたいほどに下手くそだった。
支流の流れ込みがあったが、その支流は渇水状態で本流よりもかなり水温が高い。
水温計を持ち出さなくとも手を川の水に浸ければ忽ちにしてとてもヤマメが食う水温ではないと分かるはずだ。
なのにその支流に向けてルアーをボシャンボシャン放り投げている。
時には仲良く二人並んで、また時には互いに釣り座を入れ替わって繰返しルアーを放り投げている。
僕はルアー門外漢だが、ルアーのキャスト地点や探り方を見れば、経験豊かな腕達者のアングラーなのかどうかある程度は察しが付く。
腕達者のアングラーが探った後なら、そもそも釣法が異なるのだから僕は全く気にせずその後にでも入川する。
しかし、探るというよりただ荒らしているだけのような投げ方のアングラーの後には入らない。
今、僕の近くでルアーを放り投げている二人組は後者の方だった。
そして悪い予感は的中した。
二人組は今しがた僕が探り終えた上流側にルアーを放り投げ始めた。
仕方ない。後からもう一回探るつもりだったが諦めた。
川は特定の釣り師一人のものではない。
現時点で僕は上流側を探っていないのだから「やるな」とは言えない。
僕は下流側をある程度流した後で見切りを付け、本来ならば朝一番に入るつもりだったポイントに移動した。
それにしても彼らからひとことも声掛けの挨拶がないのが気になった。
先行者が居たら声掛けるのが当たり前だろう。
果たして彼等は渓流釣りをやったことがないのだろうか。
そのような経緯を経て僕はポイントを移動したが、移動先のポイントでも相変わらずヤマメのアタリはない。
全くない。
そしてウグイの活性が非常に高く、いつもならヤマメが着いている結構な流速と押しのある流れでもウグイが食ってくる。
やっとのことでヤマメを釣り上げたものの、顔と尾が異様に大きく、まるで渓のヤマメのような個体だった。
僕は釣り上げたタイミングで傷んだ仕掛けを新しいものに付け替えていた。
そのとき、ふと顔を上げると先程の二人組ルアーマンが対岸に入ってくるところだった。
「はぁ?いったいどういうつもりなんだ?」 。
僕は彼らの行動を理解できなかった。
対岸には延竿の餌釣り師が竿を出していた。
その延竿師が餌を流しているまさにその一帯に、お構いなしにルアーを放り投げていた。
全く目も当てられなかった。
よくもその延竿師は黙って居られるなあと敬服する思いだった。
対岸からでもよほど文句を言いたい気分だったが、そのうちオマツリして去っていくだろうと思い眺めていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/21/60/cd8a9e8ec44cc8863cba920be405c462_s.jpg)
↑
画像には含まれていませんが、右端枠外に延竿師がいます。
このように二人仲良く同じ場所から方々にルアーを放っています。
仕掛けを作り終える頃に二人組の内の一人が流芯を越えてルアーを投げてきた。
僕は手で追い払うようなジェスチャーをとった。
「きみたち、いい加減にしたまえ」という気分だった。
対岸で釣っている僕にまで挨拶しろとは言わない。
距離的に無理があるし、通常の良識ある釣り師なら対岸まで探らないから影響はない。
しかし少なくとも同じ岸の先行者の延竿師には挨拶すべきだろう。
二人組がやって来ようとしていたときからずっと観察していたが、挨拶をしている様子はなかった。
一切の声掛けはなかった。
何故だ?何故きみたちは挨拶できないのだ?ゆとり世代だからか?
追い払うようなジェスチャーの後は暫く僕の方へはルアーを投げなかったが、暫くすると再びこちらまでルアーを放り投げてきた。
僕は大声を出した。
何と言ったかはっきり覚えていないが、内容は以下の通りだ。
「君たちよ、朝一番のポイントでも後からやって来て挨拶もなく、人が探っている至近にまでルアーを放り投げただろ?まずは先行者に挨拶しなさい。
今君がルアーを投げた場所は僕が探っているところなのだよ。そして対岸には既に別の延竿師がいるでしょう?
要するに君たちが釣りをする場所はここにはないのだ。 帰りなさい。」
「帰るよっ!!」とひとりが捨て台詞のように言い放った。
「何があったんだ?」ともう一人が尋ねてきたようだ。
状況が分かるとこちらを向いてニヤニヤ笑っている。
笑えばいい。
きみたちの行為の方がよっぽど笑い物だ。
もし彼等がそれなりに渓流釣りの経験があるならば、もう渓流釣りはやめることだ。
僕は渓流釣り以外の釣りをしないためはっきり分からないが、今日のような所作は他の釣りでも迷惑行為に当たることはあるだろう。
寧ろもう釣りそのものをやめた方が良いかもしれない。
或いは渓流釣りの全くの初心者、もしくは経験の浅い釣り師ならば、先ずは釣技の前にマナーや心得を勉強してから来なさい。
今の時代、ネットで容易く情報収集が可能なのだから。
しかし、そんな容易く情報収集可能なのに渓流釣りの基本且つ当然の心得を知らないのならば、そもそも事前調査をしてこなかったのかな。
だとすればこのブログを読むこともなかろう。
もし読んだら、あの日あのとき僕が大声を出した意味を真摯に受け止めなさい。
君たちの行為は他の渓流釣り師にとって迷惑千万なのだ。
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中でも朝一番に入川するならばここだとほぼ決まっているポイントが僕にはある。
これまで数多くの大物に出会えた。
それが今シーズンは全く冴えない。
入っている魚の数が極端に少なく型も小さい。
現時点で、そのポイントで獲った尺上のヤマメはたったの一本。
そこで今朝は別のポイントに入ってみた。
感覚としては朝一番よりも10時頃から昼過ぎまでが芳しい釣果が出るように思うが、今のこの状況では仕方ないと判断した。
流れがほぼ直角に近い角度で向きを変えているため、僕はちょうど向きが変わる地点に立ち、先ず上流側に投餌し自分の目の前まで流すと、そのまま下流側に仕掛けいっぱいまで流し切るというやり方で探っていた。
アタリはウグイのものだけだった。
やはりまだ時間帯が早かったかなと思いながら、少しずつ下流側に探る範囲を移していった。
尺上のイワナを釣り上げ、暫しの休息を終えた後、再び流れに立とうとしたときに、二人組の若いルアーマンがやって来るのに気付いた。
所謂大場所の部類に入るポイントだが、今僕がやったように上流側から下流側に広い範囲を探る釣り師が多いため、先行者の釣り方を見ると皆入川を躊躇するというのが暗黙の了解のようになっていた。
複数での入川者を見掛けると、それはたいてい同伴者だった。
一体どこに入るつもりなのだろうか。
僕がこれだけ広い範囲を探っているのが見て分からないのかと、その二人組の技量を疑った。
しかし、実際に二人組の釣りの様子を見ると疑いなどではなく、乱暴な言葉でひとことで片付けると、信じがたいほどに下手くそだった。
支流の流れ込みがあったが、その支流は渇水状態で本流よりもかなり水温が高い。
水温計を持ち出さなくとも手を川の水に浸ければ忽ちにしてとてもヤマメが食う水温ではないと分かるはずだ。
なのにその支流に向けてルアーをボシャンボシャン放り投げている。
時には仲良く二人並んで、また時には互いに釣り座を入れ替わって繰返しルアーを放り投げている。
僕はルアー門外漢だが、ルアーのキャスト地点や探り方を見れば、経験豊かな腕達者のアングラーなのかどうかある程度は察しが付く。
腕達者のアングラーが探った後なら、そもそも釣法が異なるのだから僕は全く気にせずその後にでも入川する。
しかし、探るというよりただ荒らしているだけのような投げ方のアングラーの後には入らない。
今、僕の近くでルアーを放り投げている二人組は後者の方だった。
そして悪い予感は的中した。
二人組は今しがた僕が探り終えた上流側にルアーを放り投げ始めた。
仕方ない。後からもう一回探るつもりだったが諦めた。
川は特定の釣り師一人のものではない。
現時点で僕は上流側を探っていないのだから「やるな」とは言えない。
僕は下流側をある程度流した後で見切りを付け、本来ならば朝一番に入るつもりだったポイントに移動した。
それにしても彼らからひとことも声掛けの挨拶がないのが気になった。
先行者が居たら声掛けるのが当たり前だろう。
果たして彼等は渓流釣りをやったことがないのだろうか。
そのような経緯を経て僕はポイントを移動したが、移動先のポイントでも相変わらずヤマメのアタリはない。
全くない。
そしてウグイの活性が非常に高く、いつもならヤマメが着いている結構な流速と押しのある流れでもウグイが食ってくる。
やっとのことでヤマメを釣り上げたものの、顔と尾が異様に大きく、まるで渓のヤマメのような個体だった。
僕は釣り上げたタイミングで傷んだ仕掛けを新しいものに付け替えていた。
そのとき、ふと顔を上げると先程の二人組ルアーマンが対岸に入ってくるところだった。
「はぁ?いったいどういうつもりなんだ?」 。
僕は彼らの行動を理解できなかった。
対岸には延竿の餌釣り師が竿を出していた。
その延竿師が餌を流しているまさにその一帯に、お構いなしにルアーを放り投げていた。
全く目も当てられなかった。
よくもその延竿師は黙って居られるなあと敬服する思いだった。
対岸からでもよほど文句を言いたい気分だったが、そのうちオマツリして去っていくだろうと思い眺めていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/21/60/cd8a9e8ec44cc8863cba920be405c462_s.jpg)
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画像には含まれていませんが、右端枠外に延竿師がいます。
このように二人仲良く同じ場所から方々にルアーを放っています。
仕掛けを作り終える頃に二人組の内の一人が流芯を越えてルアーを投げてきた。
僕は手で追い払うようなジェスチャーをとった。
「きみたち、いい加減にしたまえ」という気分だった。
対岸で釣っている僕にまで挨拶しろとは言わない。
距離的に無理があるし、通常の良識ある釣り師なら対岸まで探らないから影響はない。
しかし少なくとも同じ岸の先行者の延竿師には挨拶すべきだろう。
二人組がやって来ようとしていたときからずっと観察していたが、挨拶をしている様子はなかった。
一切の声掛けはなかった。
何故だ?何故きみたちは挨拶できないのだ?ゆとり世代だからか?
追い払うようなジェスチャーの後は暫く僕の方へはルアーを投げなかったが、暫くすると再びこちらまでルアーを放り投げてきた。
僕は大声を出した。
何と言ったかはっきり覚えていないが、内容は以下の通りだ。
「君たちよ、朝一番のポイントでも後からやって来て挨拶もなく、人が探っている至近にまでルアーを放り投げただろ?まずは先行者に挨拶しなさい。
今君がルアーを投げた場所は僕が探っているところなのだよ。そして対岸には既に別の延竿師がいるでしょう?
要するに君たちが釣りをする場所はここにはないのだ。 帰りなさい。」
「帰るよっ!!」とひとりが捨て台詞のように言い放った。
「何があったんだ?」ともう一人が尋ねてきたようだ。
状況が分かるとこちらを向いてニヤニヤ笑っている。
笑えばいい。
きみたちの行為の方がよっぽど笑い物だ。
もし彼等がそれなりに渓流釣りの経験があるならば、もう渓流釣りはやめることだ。
僕は渓流釣り以外の釣りをしないためはっきり分からないが、今日のような所作は他の釣りでも迷惑行為に当たることはあるだろう。
寧ろもう釣りそのものをやめた方が良いかもしれない。
或いは渓流釣りの全くの初心者、もしくは経験の浅い釣り師ならば、先ずは釣技の前にマナーや心得を勉強してから来なさい。
今の時代、ネットで容易く情報収集が可能なのだから。
しかし、そんな容易く情報収集可能なのに渓流釣りの基本且つ当然の心得を知らないのならば、そもそも事前調査をしてこなかったのかな。
だとすればこのブログを読むこともなかろう。
もし読んだら、あの日あのとき僕が大声を出した意味を真摯に受け止めなさい。
君たちの行為は他の渓流釣り師にとって迷惑千万なのだ。
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