過去7シーズンのうち、僕がまともにサツキマスを狙おうとして長良川に立ったのは4シーズン。
それ以外の3シーズンは、諸般の事情によりシーズン後半まで殆ど釣りが出来なかった。
サツキマスを狙い始めた最初のシーズンはかすりもしなかった。
それが次第に掛かるようになってきて何本かは獲った。
しかしそれは所謂戻りアマゴだったり、「これはサツキマスとは言えないだろうなあ・・・戻りだろうなあ」という個体ばかりで、本命はことごとく獲れずにいる。
有名ポイントや入川者が多いポイントに入るのが近道だとは分かっている。
しかし、そのようなポイントは自分の思うような釣りはなかなか出来ない。
対岸に入られて自分が流しているのと同じような筋を流されたり、まさしく流しているその場所にルアーを放り込まれたりということが往々にしてある。
暫くポイントを休めようとしても、その間に別の釣り師が入ってくる。
現在は事情により平日の釣りが可能な状況だが、過去7年は基本的にはサンデーアングラーだったため尚更そういう状況に遭遇する。
平日に長良川で顔を合わせる方々には「どんなマナーしてんだよ!」と言いたくなる釣り師は殆ど居ないが、休日は酷いものだと思う。
そういうことを避けるため、入川者の少ないポイントに入るとなかなか本命には出会えない。
入川者が少ない=実績がない=釣るのは困難・・・こんな図式なのは誰もが分かる。
それでも僕は少ない可能性に掛けた。
自分でクルマを川沿いに走らせ有望かなと思われるポイントも沢山見つけたつもりだ。
一級ポイントではないだろうが可能性はあると踏んだポイントで、人づてやネットの情報などから誰かが釣ったという話もよくきいた。
自分のポイントの見立ては悪くなかったと安心するが、自分が竿を出した時には掛からない。
今シーズンは有名ポイントを中心に釣行してきた。
掛かったがチモトで切られたり、アタリはあったけど乗らなかったことは何度かある。
でもそれだけでやはり未だに獲れない。
2月以降、釣り以外の毎日でも不運なことが続いている。
何故こうもうまくいかないのだと、正直なことを言うとかなり腐っている。
そんな鬱憤を晴らしたくて釣りに出かけるのに、楽しい筈の釣りが楽しくなくなってきた。
腐った気分が増長される。
「運気・運勢」というものを強く信じるわけではないが、こんな気持ちでは運気も上がらないだろう、釣りでもそれ以外でも、今は何をしてもうまくいかないときなのだなと思う。
寧ろ、腐った気持ちが増長されれば余計に運気が下がるだろう。
こんな釣りはとっととやめて、自分が楽しくなれる釣りをした方がいいなと思い始めた。
今日で、一旦終了だな。
そんな思いで早朝の長良川河畔に立って夜明けを待っていた。
ふと気が向いて竿を出すことはあるだろうが、これまでのように追い掛けるのは今日で終わりにしよう。
何故こんなに寂しい気持ちで釣りを始めなければならないのか、釣りの本来の目的からかなり離れてきたと思いながら流し始めた。
対岸に餌釣り師が1名、ルアーマンが入れ替わりで2名入川していた。
その誰にもアタリも、チェイスもないようだ。
少しずつ下流に釣り座を移動しながら、流し始めて1時間くらい経過した頃だった。
餌が瀬尻に差し掛かる頃に、コツンという軽いアタリがあった。
すかさず合わせたが鈎には乗らなかった。
流していた筋からするとウグイではないと思う。
ニゴイのゴツゴツしたアタリとは全く異なる。
餌をしっかり食おうとするアマゴのアタリとも異なる。
勿論、オモリが川底の石に当たる感触との判別はつく。
また空振りだった。
平日で空いていたこともあり、ポイントを休めながら9時頃まで流していたが、結局アタリはそれっきりなかった。
こんなもんだろう。ダメなときは何をしてもうまくいかないものだ。
潔く諦めよう。
今シーズンのサツキマスは終了だ。
もうそろそろ本流のアマゴたちもかなり大きくなっている頃だろう。
梅雨入りして川の水位が上がる前にどうしても入っておきたいポイントが益田川にある。
増水すると入れないポイントなのだ。
ずっと温めていたポイント。
早期に入川して場荒れさせるのが嫌で、眺めるだけにとどめておいたポイント。
そろそろ大型のアマゴが入っていてもいいんじゃないかな。
今シーズンも良い釣りをさせてくれなかった長良川よ、さようなら。
僕は益田川に引っ越します。
こんなことを書いて公開しようか否か悩みながら下書き保存していたのだが、ふと思うところがあった。
自分の釣り方のここが良くないのではないかと思う点が見つかった。
サツキマスの生態や川での付き場を考えていた時にふと思ったのだ。
これまで本流の大型のアマゴを狙うときと同じように釣っていて良いのだろうかとずっと考えてきたのだが、やっと答えが出たような気がした。
よく釣る人の釣り方、アマゴ狙いで釣っていたら偶然掛かったという人の話など、色んなことから沸き上がる疑問が解けてひとつに繋がった気がした。
外は雨模様だ。
もう一度だけ挑戦してみよう。
釣れなくてもいい。
取り敢えず、思い浮かんだことはやってみた方が良い。
諦めが悪いけれど、来シーズンに繋がる何かがあるかもしれない。