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「新ワクチンの仕組み」「効果いつまで?」「変異株は?」 医師が解説

2021-04-22 15:50:33 | 日記

下記の記事は日経グッディからの借用(コピー)です


Q.1
ワクチンを接種したら体内に新型コロナウイルスが入り、感染してしまいませんか?
A. いいえ、新型コロナワクチンを接種しても新型コロナウイルス感染症を起こすことはありません。新型コロナワクチンは、新型コロナウイルスそのものではなく、ウイルスの一部をかたどった「模型」を体内で作らせる医薬品の一種です。ですから感染症を引き起こす心配はありません。
抗ウイルスワクチンの種類
新型コロナワクチンはウイルスベクターワクチンとmRNAワクチン(詳しくはQ2、Q3を参照)
Q.2
日本で接種が先行する見込みの新型コロナワクチン3種類について、それぞれの特徴を教えてください。
A. 日本で先行して接種される新型コロナワクチンは、すでに承認された米ファイザーのものに加え、近々承認が予想される英アストラゼネカと米モデルナのものを加えた3社のワクチンになる見込みです(2021年3月現在)。ファイザーおよびモデルナのワクチンはmRNAワクチンと呼ばれるもので、アストラゼネカのワクチンはウイルスベクターワクチンと呼ばれるものです。異なる仕組みのワクチンですが、どちらも新型コロナウイルスの一部分であるトゲの部分(スパイクたんぱく質)の情報をヒトの体に教える仕組みになっています。
日本で先行する見込みの3社のワクチンの特徴(2021年3月現在)
 ファイザーおよびモデルナのワクチンは、スパイクたんぱく質の設計図をmRNA(メッセンジャーRNA)と呼ばれる物質に載せて、脂質に包んで体の中に届け、ヒトの体内で新型コロナウイルスのたんぱく質を作らせて免疫を誘導します。一方、アストラゼネカのウイルスベクターワクチンは、人間には無害なチンパンジー由来のウイルス(アデノウイルス)にスパイクたんぱく質の設計図を運ばせる仕組みです。接種するとmRNAワクチンと同じように、ヒトの体内で新型コロナウイルスのたんぱく質が作られ免疫が誘導されます。
(イラスト:串子)
 ワクチンの実用化に先立って、3社はそれぞれ臨床試験を行い、ワクチンの有効性(発症予防効果)と安全性(副反応の種類や頻度)を検証しました。試験でわかった有効性は、ファイザーのワクチンは95%、モデルナは94.5%、アストラゼネカは70%でした。一見ファイザーのワクチンがもっとも優れているように見えますが、それぞれの臨床試験の対象者や条件は異なっているため、一概にそうとはいい切れません。ただ、身近なワクチンと比較すると、インフルエンザのワクチンの発症予防率は約50%とされていることから、いずれのワクチンも十分効果が高いことがわかります。
 接種対象者はファイザーのワクチンは16歳以上、モデルナ、アストラゼネカのワクチンは18歳以上となっています。接種回数はいずれのワクチンも1人に対して2回ですが、ファイザーは21日間隔、モデルナとアストラゼネカは28日間隔で接種を行います。妊婦や子どもは臨床試験の対象となっていなかったことや、接種方法が筋肉注射であることは、3社のワクチンに共通しています。
ワクチンの効果はどのくらい続く? 日本製のワクチンは?
Q.3
従来のワクチンと新型コロナワクチンの違いはなんですか?
A. 従来のワクチンは、不活化ワクチンや生ワクチンと呼ばれるものが中心でした。これらのワクチンは、鶏卵などに病原ウイルスそのものを感染させて増やした後に感染力を持たないように不活化したものや、弱毒化して病原性を持たなくしたウイルスを培養して増やしたものから作っていました。このような方法でワクチンを作る場合、ウイルスの大量培養や安全な弱毒化・不活化の条件探索に膨大な時間がかかります。それが、「新型コロナワクチンの開発には早くても5年以上かかるのではないか」と流行当初に指摘されていた理由です。
従来のワクチンと新型コロナワクチンの違い
 一方、新型コロナワクチンとして実用化されたmRNAワクチンやウイルスベクターワクチンの製造では、病原ウイルスそのものは使いません。病原ウイルスの遺伝子情報の一部(RNAやDNA)を用いて、ヒトの体内で病原ウイルスのたんぱく質を作らせて、免疫を誘導する仕組みです。したがって病原ウイルスの大量培養や弱毒化・不活化は不要です。このような特徴の恩恵を受けて、有効性と安全性の確保において大切な臨床試験は省略することなく、開発スタートから1年足らずで新型コロナワクチンを実用化することができたのです。
 なお、mRNAワクチンやウイルスベクターワクチンは、急に出現してくる感染症に対応して素早くワクチンを開発することができ、病原ウイルスの変異への対応力も高い次世代型ワクチンとして期待され、新型コロナウイルス感染症が広がる前から開発が進められていたものです。
Q.4
急いで作った新型コロナワクチンは、危険ではないですか?
A. 迅速に新型コロナワクチンを作ることができた理由はいくつかあります。まず、技術開発自体は10年も20年も前から進んでいたものであり、いつでも将来の感染症の危機に備えてワクチンを作る準備が整っていました。その集大成が、このパンデミックという危機に直面して発揮されたと考えてよいでしょう。
 また、安全性や有効性を確かめる臨床試験も、他のあらゆる新薬と同様に第1相試験から第3相試験までの安全性、有効性の厳格な審査を経ています。安全性を担保しつつ効率化を行いましたが、決して各段階のいずれかを省略して今に至ったわけではありません。
Q.5
日本の製薬会社が開発した新型コロナワクチンを打ちたいのですが。
A. 日本の製薬会社も新型コロナワクチンの開発に乗り出していますが、実用化はもう少し先になりそうです。開発を進めている会社(ワクチンの種類)は、塩野義製薬など(組み換えたんぱく質ワクチン)、第一三共など(mRNAワクチン)、アンジェスなど(DNAワクチン)、KMバイオロジクスなど(不活化ワクチン)、IDファーマなど(ウイルスベクターワクチン)となっています。もっとも先行しているのはアンジェスとみられ、第2/3相臨床試験のワクチン接種が3月初旬に完了したところです。数カ月の経過観察を経て安全性と免疫原性の評価を行う予定です。塩野義製薬は2020年12月に第1/2相臨床試験を開始しました。第一三共は2021年3月に第1相臨床試験を開始予定です。
新型コロナワクチンの開発に取り組む日本の製薬会社(2021年3月現在)
厚生労働省の資料を基に情報を追加して作成
Q.6
新型コロナワクチンの効果はどのくらい続きますか?
A. 日本の予防接種で使われている米ファイザーのワクチンについては、2回目の接種から6カ月間は有効性が維持されることが示唆されています。今後承認が見込まれる英アストラゼネカ、米モデルナのワクチンについても、2回接種後に最低でも3カ月間は十分に抗体の量が維持されることがわかっており、さらに長い期間の効果持続も期待されています(2021年3月現在)。どれほど効果が持続するかについての調査は現在進行形で行われており、今後さらに明らかになっていくでしょう。
ワクチンを接種したらマスク不要? 変異株にも効果ある?
Q.7
新型コロナワクチンを接種したらマスクをしなくてもよいですか?
A. 新型コロナワクチンは接種してから免疫ができ始めるまでに約2週間かかり、その間は効果がありません。また、免疫が体の中に作られても、感染を100%防いでくれるわけではありません。
 したがって新型コロナウイルス感染症の流行が続いている間は引き続き、感染しないようマスクや手洗い、ソーシャルディスタンスの確保を継続する必要があります。今後、多くの人へのワクチン接種が進み、感染流行が収まってくれば、元の生活スタイルに少しずつ戻していくことが可能になると考えられます。
Q.8
新型コロナワクチンは新型コロナウイルスの変異株にも効果がありますか?
A. 一般論として、ウイルスは絶えず変異を起こしていくもので、小さな変異でワクチンの効果がなくなるというわけではありません。また、米ファイザーのワクチンでは、新型コロナウイルスの変異株にも作用する抗体が作られた、といった実験結果も発表されています。ただし、一部の新型コロナウイルスの変異株についてはワクチンの効き目が低下することを示唆する報告もあり、データの蓄積やワクチンの改良が進められています。
 承認申請がなされた新型コロナワクチンの審査にあたっては、変異株に関する情報も含め、引き続き様々な情報を収集しつつ、適切に有効性、安全性などを確認していくことになります。
Q.9
ワクチンの副反応はどんな仕組みで起こるのですか?
A. 新型コロナワクチン接種の目的は、新型コロナウイルスの目印(たんぱく質の一部)をヒトの免疫に覚えさせることです。そのために若干の免疫反応を人工的に起こします。ワクチンは、免疫反応をちょうどよい塩梅(あんばい)で起こすことで、予防効果はしっかり出るが、副反応は少なくなるように設計されています。しかし、免疫反応には個人差があり、まれに反応が強く出すぎてしまう人がいます。そのため熱が出たり、だるさを感じたりすることがあるのです。
ワクチン接種で可能性のある副反応
 他の副反応としてはアレルギー反応があります。例えば米ファイザーや米モデルナのmRNAワクチンに含まれる「ポリエチレングリコール」という成分は、化粧品や歯磨き粉などに含まれていて、日常的に触れる機会が多い物質です。そのためワクチン接種前に、すでにポリエチレングリコールに対してアレルギー反応を起こすようになっている人もいます(スギ花粉にさらされているうちに、ある時、体がアレルギー反応を起こすようになりスギ花粉症を発症するのと同様のプロセスです)。
 こういった人はmRNAワクチンを接種した際に、アレルギー反応を起こしてしまうことがあります。また、英アストラゼネカなどのウイルスベクターワクチンでも、ワクチンに使用されているアデノウイルスの殻に対してアレルギー反応が起きる場合があることが知られています。
Q.10
新型コロナワクチンには、具体的にどんな副反応がありますか?
A. 新型コロナワクチンの局所反応として、注射部位の痛みや腫れ、発赤などが見られる場合があります。その他の全身性の反応として、だるさ・倦怠感、頭痛、筋肉痛、関節痛、発熱などが報告されており、基本的には2回目の方が1回目よりも頻度が高いことが報告されています。また、高齢者は若年者に比べてこうした副反応が少ないことがわかっています。いずれの場合においても、ほとんどが軽度から中等度の症状で、数日以内に改善し回復しています。痛みや発熱の症状が出た場合は、解熱鎮痛薬を使用して症状を和らげることも可能です。
ファイザーのワクチンの副反応の発生割合
出典:厚生労働省「コミナティ(ファイザー社)を接種した方へ 新型コロナワクチンを受けた後の注意点」
 なお、頻度は極めてまれ(20万人に1人程度)ですが重篤なアレルギー反応(アナフィラキシー)も報告されています。このアレルギー反応は、他のどのような薬やワクチンにも起こりうるものであり、新型コロナワクチンに特有の副反応ではありません。


婚活中の40代おじさんが「パパ活沼」にハマった悲しい理由

2021-04-22 15:30:00 | 日記

下記の記事はダイアモンドオンラインからの借用(コピー)です

若い女性が、経済的に余裕のある男性と食事などで一緒に時間を過ごして金銭を得る活動を、最近は“パパ活”というらしい。ただ、パパ活をする女性に焦点が当てられることはあっても、パパ側の気持ちが語られることはあまりない。パパ活沼にハマる男性の心理とはどのようなものか。パパ活沼から抜け出した男性に話を聞いた。(フリーライター 武藤弘樹)
“パパ活”が匂わせる悲哀
パパのゴールはどこにあるのか
“パパ活”という言葉は数年前から聞かれるようになり、2017年にはこのタイトルのドラマまで放送された。ドラマの方は未視聴だが、各所で伝え聞くパパ活においては明暗それぞれあるようだ。中には生活費や学費のため、やむなくパパ活を始める女性もいるという。利用する男性にとっても同様に有益なものなのであろう。
 筆者は「一緒に食事するだけで数万円を渡すなどして小娘を調子に乗せたくない」と思ってしまう吝嗇家(りんしょくか)なのでパパ活には否定的だが(理由は他にもたくさんあるが)、需要と供給が成立したからこそ生まれた闇のビジネスであり、闇のビジネスのくせに“パパ活”などと妙に柔らかい響きのネーミングになっているからまた不気味だ。
 パパ活のゴールはどこにあるのか。「若い女性とライトに食事するだけ」をゴールと割り切れるなら、男性自身に悲哀はほぼないかもしれない。
 しかし、「軽く食事をする」行為だけをゴールと定められる男性が、はたしてどれだけいるであろうか。食事のその先の、心や体のつながりを求めてしまうのが人のさがではないのか。金銭を媒介にビジネスライクでスタートした関係であるから、心が満たされる可能性は順当にいって低く(男性が一方的な自己満足に浸ることはできる)、金銭を対価として渡し、体を求めれば違法である(※売春防止法 第2、3条)。
 前置きが長くなったが、本稿はこのような主観を抱く筆者に一筋の光を感じさせてくれた“おじさんの成長の記録”である。
 あるパパが“パパ活”に出合い、ハマり、そしてその沼を抜け出したドキュメントだ。
変質していく結婚願望
己の欲求により忠実に
 Aさん(43歳男性)は結婚願望を持て余していたが、これまで縁なく独身のままであった。
 彼はマッチングアプリに登録して、結婚を前提にお付き合いできる女性を探すことにした。自分より年下の、38歳以下の女性を希望して数人会ったが、先方の結婚願望の強さに尻込みさせられることになった。その結果、「最初はもう少し肩の力を抜いたお付き合いから始めたい」と、ターゲットを比較的結婚を焦っていなさそうな年齢の20代女性を中心に改めた。
するとマッチングは成立しなくなったが、Aさんはむしろ自分が新たに取ったスタンスに満足していた。そもそも若い女性の方が好きなのである。結婚相手を探すのだから条件を妥協せず、最初から20代の女性を希望すればよかったのだと思い直していた。このときAさんの尊敬する人物は加藤茶であった。彼のように、夢のような年の差婚をぜひともものにしたい。
 ようやく一人の女性と会えることになり、Aさんは意気揚々と待ち合わせに向かった。
 すると、相手の女性は、注文したコーヒーが出てくる前に自分がパパ活の相手を探していることを伝えてきた。ついでに料金体系も「お茶や食事が2万円、映画館などは拘束時間にもよるが1万円から」だと聞かされた。
 「その気はない」とAさんは答え、さっそうと席を立ったが、帰宅してから悶々とした。だまされたと思うのも悔しいが、もっと悔しいのは若い女性と血の通った会話が交わせなかったことであった。Aさんは、若い女性とたくさんお話しするつもりで、わざわざ美容院に寄ってまでして出向いたのである。
 「しかし…」とAさんは考えた。キャバクラで飲むことを考えれば、パパ活の相手に援助するのも金銭的に大差ないのではないか。パパ活の方が時間内で相手をより独占できる分、自分のニーズにかなっているのではないか。ならばパパ活もアリではないか。そして、フィーリングが本当に合う相手に出会えたら、きっかけがパパ活であろうとも結婚に至れるのではないか…。
 Aさんは本腰を入れて、パパ活相手を探すことにした。その日会った女性より好みのタイプの女性がいるかもしれない。パパ活目線で見渡すと、パパ活志望の女性は結構いるようだった。Aさんは複数のマッチングサイトに登録して、将来の花嫁候補を探し始めた。
運命の出会い
搾り取られていくパパ
 年収が約500万円のAさんは、自分が結婚したい男性として条件的に優位性を持っていないことをきちんと自己分析していた。ならば狙うは「フィーリングが合う出会い」、その一点のみだ。その道の先に加藤茶になれる未来があるはずである。
 Aさんはなるべく多くの花嫁候補とパパ活を展開した。一度だけ食事に行ってみて、フィーリングを確かめるのである。当然先方も営業だからその場ではこちらを悪い気にはさせず、むしろAさんはそうしたデートを楽しんだが、自分のフィーリングには厳密に向き合って審査していった。Aさんなりの婚活がスタートして2カ月、ある女性と会ってみてビビッと来た。早い話が恋に落ちたのである。
「『お互いフィーリングがすごく合う』と思って興奮したが、今思えばそれも相手の手のひらの上だった」と後日Aさんは語る。自称“病院事務”をしているという20代半ばの相手女性はやり手であった。
 月に2回のペースでデートを重ねて半年。手をつなぐところまではこぎ着けた。きちんとした交際関係を結ぼうと何度か試みたが、のらりくらりとかわされた。そのかわし方が絶妙だったそうである。
 「こちらに気を持たせるのがうまかった。『Aさんはすごく信頼できる人だけど、パパ活で知り合ったから…。私がAさんから信頼されている自信がない。ちゃんと信頼関係がないと付き合うことはできない。その関係を焦らず築いていきたい』という風に。
 年長の僕は余裕を持って、君が信頼関係を確信できるまで見守るよ…という気になる。本当は余裕なんてないのにカッコつけたかった」(Aさん)
 Aさんは相手女性にどっぷりのめり込んでいった。「資格の予備校に通うお金が必要」と聞いて現金10万円を渡したこともあった。
パパ活からの生還
自分を見つめなおした今
 Aさんを彼岸の彼方から呼び戻したのは旧友であった。飲み仲間の中学の同級生と集まって飲んだ際、Aさんは自分の恋愛事情をいくらか自慢げに披露した。ある程度予想していたことではあったが、予想をはるかに超えて一座から「やめた方がいい!」の制止がかかった。「200%だまされている」というのである。
ある友人は予備校10万円のくだりを聞いて怒り狂い、「電話させろ」と暴れた。Aさんは全体的に面白くなかったが、「付き合うか見極めるためにデートするなら、もう金銭の授受はなくてもいいでしょ」という指摘には一理あると思った。
 そこで次回のデートでは意を決して、関係性を次のステップに進めるための提案を相手女性に持ちかけたのであった。「もうお金はナシにしてお互いの関係を見つめてみないか」と。この言い回しがいかにもおじさんらしくて個人的には応援したくなる。
 相手女性は「お金がないと予備校が苦しい」とか「別の仕事を始めなければならないだろうからAさんと会う時間もなくなる」などと述べたが、実はこれらの返答もAさんの友人らが「おそらくこう言ってくるぞ」と予想したものとほぼ同じだったため、Aさんは一層冷静になって情に流されることなく、「考えてみてほしい」と恋する相手に告げてその場をあとにした。
 以降、先方から連絡がなくなり、1週間後にAさんから連絡すると「少なくともまだあと半年はパパ活の関係でいたい」と来たので、Aさんが「君は十分魅力的なんだから自分を切り売りするパパ活なんかやめて――」と伝えた。それが年長者の説教くささもあって逆鱗に触れたらしく、「偉そうに言うな」「何が付き合うだ、気持ち悪い」と結構な罵詈雑言が返ってきたという。
 Aさんはその後しばらく粘着して連絡をし、恋する相手をおもんぱかってパパ活を辞めて正道に戻るよう説いたが、相手からすれば大きなお世話で、最終的にLINEをブロックされて恋は終わった。
 久しぶりの失恋にAさんは大ダメージを負ったが、徐々に冷静さを取り戻していく中でいかに自分が浮かれていたかを思い知っていった。そしてどうやら人としてやや成長したようである。

「パパ活は少なくとも婚活相手を探す場ではないということがわかった。若い女性と結婚したいという気持ちは今でも変わらない。しかし自分に都合よく相手を見るのはもうやめにしたい。気づきのきっかけをくれた友人たちには感謝していて、今後もアドバイザーとして意見をあおぎたい」(Aさん)
 暴走していたAさんであったが、こうした素直さがあったからこそパパ活沼を脱出できたのであろう。
 パパ活を礼賛する気は微塵(みじん)もないが、痛ましい体験も捉え方次第で前向きに消化できることがある。パパ活における失恋が結果的に、将来Aさんに良いご縁を招いてくれることを願ってやまない。Aさんは四十肩に翼を生やして、今未来へと飛び立ったのである。
武藤弘樹:フリーライター


“痛い”を黙殺するのは「今の時代にマッチしない」…医師が“無痛”乳がん検査を開発した理由

2021-04-22 13:30:00 | 日記

下記の記事は文春オンラインからの借用(コピー)です  記事はテキストに変換していますから画像は出ません

 35歳で大腸がんになってから、実にいろんな検査・検診をしてきました。「中」を診るわけですから、切ったり、刺したり、入れたり、浴びたりと、必ず身体に何らかの侵襲(ダメージ)を受けます。
 当然、メンタルにも負担がかかります。はじめてCT検査をした時は、造影剤を入れる「ドデカ注射マシーン」のようなものがあまりに恐ろしく、子どものように泣きました。
 検査前から「造影剤は身体に良くないけど、いいね?」という同意書にサインをしなくてはならず、検査後も素早く体外に造影剤を排出するために「水分をたくさんとってね」的な注意書きを渡される……そんなものを体内に入れるのです。怖くないはずがありません。
 私の場合、すでに病気が判明していたためやむなくでしたが、これが健康を保つための「検診」なら、あれこれ言い訳をつけて回避したいと思うのも納得です。
「技師さんに、『この検査はそんなに痛くないですから』と言われたりしますよね。そりゃあ我慢できないことはないかもしれないけど、実際痛みを感じているのに、それを『痛くない』と処理されてしまうのって、今の時代にマッチしない気がするんです」
 こう語るのは東海大学教授で、放射線科専門医の高原太郎先生。『世界一受けたい授業』で「医師が今注目する検査」として取り上げられた「ドゥイブス・サーチ」を開発した先生です。東海大学教授(放射線科専門医)の高原太郎先生。
服を着たままで、痛みもない「新しい」乳がん検診法
 変わったネーミングの「ドゥイブス(DWIBS)」とは、画像診断法「Diffusion-weighted Whole body Imaging with Background body signal Suppression」の頭文字を取ったもので、MRIを用いた革新的な乳がん検診法のことなのです。
 40歳以上の女性が無料で受けられる自治体の乳がん検診では、「マンモグラフィ」が使われています。
 冷たい台にペトっと乳房を乗せ、上からぎゅうぎゅうと板で押さえつけておっぱいを薄く、平らにする。人前では決してさらさない部分を蛍光灯の下でぺろんと露出し、さらにそれをプレパラートのように挟んで顕微鏡で観察する理科の実験のような扱いを受けるマンモグラフィ。私はいつも心のどこかを「OFF」にして臨んでいました。
 そんな、健康維持のために「当たり前」のものとしてのみ込まなければいけなかった乳がん検診の「負」の部分を取り去ってくれたのが、ドゥイブス・サーチと言えます。
「がんの検査というと造影剤を使ったCTやPET検査がありますが、ドゥイブス・サーチは磁気を使ったMRIでの検診になります。そのため造影剤の注射もいりませんし、X線による被曝もありません。痛みなし、肌をさらす必要なし、被曝なし、注射なし、待ち時間なし、豊胸術後でもOK、高濃度乳房でもOKというのが、ドゥイブス・サーチの大きな特長です」(高原先生。以降「」内、同氏)
 さまざまな検査・検診で泣きをみてきた筆者からすると、服を着たままで、痛みもなく、身体的ダメージもない検診というのはにわかに信じがたいほどの驚きが。実際ドゥイブス・サーチを体験した人は筆者と同じような感想を持つ人が多いそうで、最新の調査では、受診者の7割がはじめて乳がん検診を受けた人か、3年以上未受診の人で占められていたそうです。
ドゥイブス・サーチを体験してみた
 現在、ドゥイブス・サーチを受診できる施設は全国で25箇所(4月30日時点)。価格は病院によって異なりますが、2万円余りのところが多くなっています(筆者が体験した武蔵野徳洲会病院も税込2万2000円でした)。無料検診も存在する中での2万は高く感じるかもしれませんが、値段に代えがたい価値がドゥイブス・サーチにあることを、後に筆者は実感することになります。
 ということで、武蔵野徳洲会病院でドゥイブス・サーチの体験をさせてもらうことにしました。
 私は体内に避妊リング(ミレーナ)を入れており、矯正中で口腔内に金属部品あり&大腸がんの経過観察中でもありましたが、事前問診ではどれも問題ないとのこと。
 問診後、検査着に着替えたら服を着たままうつ伏せでMRI装置に入っていきます。この時、寝る台の乳房に当たる部分がくり抜かれているので、そのくぼみにおっぱいを入れるだけで準備完了。CTやPET検査のような食事制限もなく、造影剤の注射もなし。待ち時間もなく、筒型の機械の中で寝ているだけで15分の検査が終了しました。問診や着替え、会計などをあわせてもトータル1時間ほどで終わるかと思います。
 痛みや裸体を見られるストレスは本当に皆無でした。が、閉所恐怖症の方は注意が必要かもしれません。筆者はいざ筒の中に入ると、作動音から耳を保護するためのヘッドフォンで周囲の音が感知できず、うつ伏せで視界がない状態もあいまってプチパニック状態に。恥も外聞もなく「怖い怖い」と訴えると、放射線技師の方が検診中ずっと手を握っていてくれました……。皆さんも少しでもなにか感じたことがあれば気軽に技師の方に相談してみてください……!
 そして後日送られてきた検診結果レポートがこちらです(一部、省略しています)。
【所見】
 拡散強調画像(DWIBS法)の全体像において、両側乳房には小さな結節が散見されます。これはがんではなく、良性の病理学的変化と思われ、現時点では特に心配は要りません。
「右わきにしこり(副乳?)」とのことですが、画像上は特に問題となるものはないようです。このためこの点については安心してよいと思われます。乳腺は豊富で、マンモグラフィーを撮影した場合、デンスブレスト(高濃度乳房)になると思われます。
「問診表に『右脇にしこりを感じる。生理前は痛い』と書かれていましたよね。検診受診者の不安や疑問に対し、ドゥイブス・サーチでは結果レポートで必ず返事を書きます。こういった手のかかるサービスを実施している検診はあまりないのではないでしょうか」
 先述したように、私はがん患者であるために同年代の中でもかなりいろんな検査・検診を定期的に受けている方です。それでも、こんなに丁寧で優しい検診に出会ったことはありませんでした。検診当日、肉体的・心理的な負荷がほとんどなかったことに加え、抱えていた不安に対して専門家から「手紙」として返事がくる。「自分」をきちんと見てくれているという安心感があり、値段以上の価値を感じました。黒い点のように見えるのは「結節」といって、「良性のしこり」だという。筆者の場合、このしこりが通常の人よりも多く、今後悪性にならないとも限らないため、1年に一度の検診をおすすめされた。一般のレポートの場合3D映像はつかないが、写真が同封される。「ドゥイブス・サーチがすごいのは、素人目でもどこにどれくらいの大きさの“しこり”があるかが直感的にわかるところ」という高原先生の言葉にも納得。(画像提供:高原太郎先生)

胸を「見られたくない」はわがままか
 日本の乳がん検診率は47.4%にとどまっていますが、罹患率は年々増加の一途をたどり、約20年前には30人に1人だった罹患リスクが今では9人に1人にまで増えています。
 高原先生によると、病院などで「なぜ乳がん検診を受けないのか」とアンケートを取ると、「多忙」や「痛み」がその理由の上位を占めるといいます。一方で、ドゥイブス・サーチを使った乳がん検診の“いいところ”を聞くと、「見られないこと」という答えが返ってくるそう。
 考えてみると、「忙しさ」や「苦痛」は受診しない理由として“それらしい”から言いやすい。でも、「胸を見られたくない」という思いは「わがまま」として処理されがちで、「健康のためにはそれくらい我慢するべき」というプレッシャーから声を上げにくいのかもしれません。高原先生(右)と筆者(左)。この日は取材に際して特別に、検診後すぐに自分の画像を見ながら診断していただいた。「がんではないと思うけど……」という言葉にヒヤリとする。(※通常の受診では医師からの直接説明はありません)
 そして「高濃度乳房(デンスブレスト)」であると思われる結果となった筆者ですが、日本女性の半数が高濃度乳房にあたるそうで、基本的に30代は全員がデンスブレストだといいます。さらに高濃度乳房の場合、マンモグラフィではがんの発見率が半分になるというデータもあるということなので、無料検診を受けているからといって、その結果を真に受けていいかは大いに疑問が残ります。
大切なのは早期発見、300施設・受診30万人増が目標
「アメリカでは検診受診者に乳腺濃度を伝えることが法律で義務化されました。しかし日本では自治体の検診で乳腺濃度を記録しているにもかかわらず、それを告知してもらえるかどうかは自治体判断になっているのが現状です」
 高濃度乳房の弊害を知っている方で、すでにエコー(超音波)検診をされている方も多いかもしれません。しかしエコーも万全ではなく、技師によって精度に差が出やすいといいます。そしてやっぱりおっぱいをさらしてグリグリと乳房を押されるので、痛みや恥ずかしさからは逃れられないんですよね……。(画像提供:高原太郎先生)
「ドゥイブス・サーチは乳腺濃度の影響をほとんど受けないので、マンモグラフィに比べてがんの発見が容易です。上の画像を見ていただくとわかりやすいですが、乳腺が発達しているとマンモグラフィでは真っ白に写ってしまって、がんが見つけにくい。まるで雪山で白ウサギを探すようなものですが、ドゥイブス・サーチでは乳腺に阻害されることなく、しっかりとがん細胞が見つけられるのです」
 高原先生は2012年にがんでお父さんを亡くされています。がんがわかったときには、すでにステージ4でした。高原先生はこの経験からがんの“早期発見”の重要性を身に沁みて感じたと話します。
「女性の乳がんは30代後半~50代で罹患率が高い。つまり働き盛りや、子育て世代がなるがんなんです。特にシングル家庭の場合、長期にわたって母親が働けなくなると、一気に家計が危うくなります。でも、ステージ1で発見できれば1ヶ月で社会復帰でき、9割の方が完治可能です。そうすれば金銭的・キャリア的なダメージも最小限ですむ。だから、“早期発見”が大切なんです。
 経営側にとっても、社員の健康を守ることは会社の価値を高めることにつながるでしょう。経験豊富な社員が病気で離職してしまったり、長期的に休んでしまうような事態はビジネスにとっても損です。
 今、40代以上の女性の半数が乳がん検診を受けていません。その数は約300万人と言われています。そのうちの10分の1、つまり30万人にドゥイブス・サーチを受けてほしいと思っています。それが達成できたら乳がん検診率は5%上がります。痛い、胸を見せたくないという理由で検診から遠ざかっている方のためにも、あと300箇所は受診施設を増やしていきたいです」


眞子さまが結婚に向けて望まれる3つの流れ…二人揃っての会見など

2021-04-22 11:00:00 | 日記

下記の記事はデイリー新潮オンラインからの借用(コピー)です

決断のデッドラインが近づいている
 4月8日、小室圭さん(29)は、母・佳代さんと元婚約者との金銭トラブルに関する文書を公表した。他方、結婚については、「思いに変わりはありません」とだけ触れていた。かねて眞子さまは30歳までの結婚を望まれており、その誕生日を迎えられる10月まですでに半年となった。そんな中、眞子さまが結婚に向けて望まれる3つの事柄の中身が伝わってきた。
 ***
「コロナ禍もあってずれ込んできたことは否定できないのですが、眞子さまの結婚に関してはいよいよ決断のデッドラインが近づいていると見ています」
 と話すのは宮内庁担当記者。決断のデッドラインとは?
「そもそも眞子さまが30歳までに結婚ということを訴えられていて、それをそのまま受け取ると今年の10月ということになります。仮に10月までに入籍ということになるなら、それまでに国民に祝福される環境作りが必要なのかなと考えるのが自然ですよね」
 担当記者が言う「国民に祝福される環境作り」とは、これまで何度も報じられてきたことだが、秋篠宮さま、宮内庁長官、そして天皇陛下が言及されたことだ。
 加えて、必ずしもそういった状況にないから国民に理解を得られるような何らかの説明が必要であることも、眞子さまと小室さんは求められてきた。
 8日の文書公表は、そういったデッドラインを意識したものと見ることができるかもしれない。
「私が普段付き合って話を聞いている宮内庁の人たちは、現時点で、眞子さまのためには小室さんはふさわしくないのではないかという意見がほとんどです。秋篠宮さまや陛下が結婚に触れられたのは、そういった声を反映されてのこともあるでしょう」
 祝福されるべき国民には当然、これまで生活を支えてくれた宮内庁や秋篠宮家の面々が含まれているということなのだろう。
いざ会見ということになれば
 その一方で、
「眞子さまはコロナ禍が落ち着くならば、しかるべきタイミングで小室さんと揃っての会見を考えられています。8日発表の文書で金銭トラブルについての説明をしたわけですが、この件についてさまざまな反応があるでしょうし、結婚や今後の生活についての説明もまた求められていることではあります。仮に小室さん一人での会見だとその条件にもよりますが、過激な質問が飛び交うことも予想される。現場を殺伐としたものにしないためにもお二方一緒にというお考えのようです」
「小室さんと揃っての会見で説明」「その後に入籍」――。これが眞子さまの希望される流れその1と2だ。
 もちろん説明をしたとしても国民が納得するかは不明であるし、そもそも何をもって納得したと判断するのかは難しい問題だ。
「そうですね、どこまで行っても反対がゼロになるなんてことはあり得ないですし、このテーマで世論調査をするところもありませんから、あくまでも雰囲気・肌感覚で見るほかないですが、ここまで拡大した小室家への不信感を払拭するのは生半可なことではないでしょう」
 他方、デッドラインが近づいているというのは、宮内庁にとっては対応すべき案件が一つ増えることを意味するという。
「眞子さまがいざ会見ということになれば、宮内庁としてはどこかでそれを支えるべくシミュレートを始めなければなりません。まだそのような態勢を取り始めたという風には聞こえてきていませんが、近いうちにその日が来る可能性は高いと見ています」
早く会いたい
 想定される今後のスケジュールなどについて、別の記者に語ってもらうと、
「小室さんはNYの司法試験を7月下旬に受験した後、3ヶ月後の合格発表まで時間の余裕ができるため、日本へ帰国する可能性が濃厚です。その時の状況次第ですが、帰国後に隔離が求められるとしたら、小室さんは神奈川県の実家でその時間を過ごす予定で、その代わり、そこで生活する母・佳代さんと祖父はその間、別の場所に移ることになりそうです」
 小室さんは実家の環境をこよなく愛しているといい、一時期は眞子さまと結婚したら一緒に住みたいと考えていたこともあったという。
「警備上はホテルとかの方がベターではないかという意見もあるみたいですが、小室さんとしてはどうせ閉じこもるなら勝手知ったる場所が良いということなのかもしれません」
 そしてしかるべき隔離期間を終えた後は、
「できるだけ早く眞子さまと会うことになるでしょう。眞子はとにかく小室さんと会いたいという気持ちでいらっしゃるようですから」
「小室さんとできるだけ早く会う」――。これが希望その3だ。
 その賛否について様々な意見が出た、前例のない皇族の結婚。結論が出るまで、まだ半年あると見るか、もう半年しかないと見るか‥…。
デイリー新潮取材班


90代でも元気な人は「歩き方」がちがう

2021-04-22 08:30:00 | 日記

下記の記事はプレジデントオンラインからの借用(コピー)です  記事はテキストに変換していますから画像は出ません

土日はとにかく寝ていたい。近場でもついタクシーを使ってしまう。階段とエレベーターなら間違いなくエレベーターを使う……。このような運動不足が肥満、高血圧、脳卒中、さらには寝たきりにつながる可能性もある。『寝たきり老後がイヤなら 毎日とにかく歩きなさい!』(すばる舎)を理学療法士の中山恭秀氏と共著で上梓した医師の安保雅博氏は、「簡単な運動で脳卒中のリスクを軽減できる」と話す――。
寝たきり原因の1位は実は「脳卒中」
寝たきりというと、「加齢により足腰が弱って」というイメージを持たれる方が多いようです。もちろんそれもありますが、実は脳卒中が一番の原因です。
介護を受けるようになるには、必ず原因があります。
要支援者では「関節疾患」が17.2%でもっとも多く、次いで「高齢による衰弱」が16.2%となっています。ひざが痛くて歩行が困難、年齢とともに体が動かなくなってきた、というのはイメージがつきやすいでしょう。
一方、要介護者では「認知症」が24.8%でもっとも多く、次いで「脳血管疾患(脳卒中)」が18.4%となっています。
さらに、要介護の中でも介護度の一番高い要介護5は、ダントツで「脳卒中」です。要介護5はまさしく、ほぼ完全な寝たきり状態と言えます。
また、その下の要介護4も、要介護5ほどではありませんが、歩行や立ち上がりがほとんどできず、日常生活すべてに介護が必要な状態です。多くの時間を布団の上で過ごしており、移動は車いすだったりと、「準寝たきり」と言えます。
要介護4では、第1位の認知症と第2位の脳卒中は僅差ですから、脳卒中は寝たきり(に近い)状態の最大原因と言うことができるでしょう。
脳にダメージが加わっても9割は助かる
脳卒中の患者はどんどん増えていくと言われています。
2000年の脳卒中発症者が約24万人でした。2025年がピークで約33万人、2050年が約30万人と、2000年~2050年までの将来予測が立てられています。
2025年には二人に一人が脳卒中(月刊『臨床雑誌内科』2013年5月号 到来 二人に一人脳卒中時代)と言われるようになっています。
脳卒中とは、ひと言で言えば、脳の血管が切れたり詰まったりする病気です。
脳は人の体をつかさどる中枢であり、もっも大事な部分です。けれども、脳卒中によって脳にダメージが加わっても、実は死亡率は高くないのです。
図表2は死因別死亡率推移を示したものです。長い間、死因死亡率の第1位は脳血管疾患(脳卒中)でしたが、現在は減少しています。
約10%が脳卒中で死亡する状況になっています。つまり、9割は助かるのです。
「脳卒中では死ななくなった」と言われます。たしかに、それは事実です。しかし、助かる代わりに、何らかの後遺症が残ることが多いものです
アルツハイマーの次に多い脳血管性認知症
脳卒中になると、障害を受けた脳の場所により、片麻痺(へんまひ)や失語症など多彩な症状が出ます。脳卒中発症から5年後の追跡調査として、「3分の2の人に麻痺など障害が残っている」「20%の人が脳卒中を再発している」とされています。
脳という重大な部位へのダメージは、仮に少しの出血でも、場所によって大きなものになります。
もちろん、脳卒中を発症しても、全員が麻痺で寝たきりになるということでは決してありません。また、適切なリハビリテーションを行っていけば、確実に症状は改善されていきます。
しかし、寝たきりを避けるためには、そもそも脳卒中にならないようにすることが、一番の近道と言えるでしょう。
脳卒中は脳の血管の病気ですが、実は寝たきり原因第2位の認知症も、脳血管性のものが多いのです。
認知症というと、アルツハイマー型認知症を想像する方が多いと思いますが、脳血管性認知症はその次に多くなっています。現在は、病理学的所見から両方を合併している例も多いという見解が示されています。
90代でも元気な人は何が違うか
脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などによって脳の血管にダメージを受けた結果、起こる認知症です。つまり、脳卒中がそのまま認知症の原因となっているのです。実際、脳卒中発症から5年後の追跡調査として、「22~25%の人が認知症になっている」と言われています。
脳卒中になると認知症になりやすくなるというのは、間違いないことだと思います。
ここまでの話を読んで、みなさんは絶対に脳卒中にはなりたくないと思っていらっしゃるでしょう。
病気はどれでもそうですが、脳卒中にはなりやすくなる危険因子があります。それは「修正できない危険因子」と「修正できる危険因子」に分けられます。
修正できない危険因子としては、年齢(55歳以上で10歳ごとにリスクは2倍に)、性別(男性は女性よりハイリスク)、脳卒中の家族歴があることです。
高齢になるほど脳卒中になりやすくなり、要介護になりやすくなる。それは仕方がないことでもあります。けれども、そこには個人差があります。80代や90代になっても、脳卒中になることなく、元気な方もいます
脳卒中の「修正できる危険因子」に有効
ここで重要になってくるのが、修正できる危険因子です。
修正できる危険因子としては、高血圧、糖尿病、高脂血症、心房細動などの心疾患、肥満、喫煙、運動不足、過度の飲酒などがあげられます。
脳卒中にならないためには、この修正できる危険因子をコントロールしてあげることがカギになります。
ではどうしたら、脳卒中の「修正できる危険因子」をコントロールすることができるのか。
高血圧にならないようにし、糖尿病にもならないようにし、高脂血症にもならないようにし、肥満にもならないようにする。なっても、悪くならないようにうまくコントロールする。
実は、これらすべての予防や治療に有効なものがあります。しかも無料です。何だかわかりますか?
「運動」です。適切な運動です。
運動は、寝たきり原因の第3位である「骨折・転倒」予防にも有効です。
骨折は、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)という骨がもろくなる状況になると、起こりやすくなります。
運動で血流が良くなり、骨形成が活発に
骨の強さは、外側の骨密度と骨の中の質が重要であると言われています。
「骨密度が高く骨質の良い人」に比べて、「骨密度が高くても骨質が悪い人」は1.5倍骨折しやすく、「骨密度は低いけれど骨質が良い人」は3.6倍、「骨密度も低く骨質も悪い人」は7.2倍骨折しやすいというデータを、慈恵医大の整形外科の齋藤充先生たちは示されています。
骨粗鬆症があると、寝たきり確率が2倍近くになるともされています。
ではどうやって、骨密度を高くし、骨質を良くするのか。それには運動なのです。
骨は常に、「骨吸収(破壊)」と「骨形成(再生)」をくり返しています。これを「骨代謝」と言い、サイクルは約4カ月です。
運動することで血流が良くなり、骨形成が活発になり、骨がつくられやすくなります。その結果、骨量を増やすことができるのです。
また、骨の材料であるカルシウムを骨に沈着させるには、運動により骨に圧力をかけることが重要です。
スポーツ苦手でも大丈夫
骨を丈夫にする運動は、同時に筋肉を鍛えることにもなります。運動によって骨を鍛え、筋肉を鍛えれば、寝たきりはどんどん遠ざかっていきます。
要支援の原因で上位にくる、関節疾患も同様です。運動によって骨と筋肉を強くしていくことで、ひざの痛みなども改善されていきます。
運動だけでなく、もちろん「食事」も重要です。また、しっかりと「検診」を受けることも欠かせません。
しかし、食事を変えるだけでは筋肉はつかないし、骨も丈夫になりません。また、先にも述べたように、脳卒中のみならず多くの病気の原因である肥満も、食事改善だけではなかなかうまくいきません。
まずは運動です。運動すれば、自然と痩せていきます。リズムが整い、健康的な生活を送れるようになります。
とはいっても、「スポーツは苦手だから……」という方も多いかもしれません。
大丈夫です。ハードな運動は必須ではないのです。
一生続けていくことが重要
健康のための運動は、毎日続けてこそ効果があります。1カ月や半年など、決まった期間だけすればいい、というものではありません。ハードな運動はたいてい長続きしません。それよりは、「つらくない」運動を、それこそ死ぬまでずっと続けていくのが重要なのです。
そこでおすすめなのが、「歩く」ことです。ウォーキングです。
寝たきりとは、つまり歩けないということです。逆説的ですが、歩き続けることを目標にすれば、必然的に寝たきりになりません。歩いているかぎり、大丈夫ということです。
逆に、歩かなくなると、人は簡単に動けなくなります。リハビリテーション医療の現場でも、簡単に動けなくなるものだと実感しています。
脳卒中の代表的な後遺症は麻痺ですが、全身麻痺で寝たきりになるケースは少数です。けれども、たとえば片足麻痺や高次脳機能障害によって外出がおっくうになり、歩かなくなる。結果として、体がどんどん衰え、寝たきりに……という悪循環に陥ることも多いのです。
よく、大きな手術をした後も、病院ではすぐに歩かされるという話を聞きますね。それは寝たきりの状態だと、あっという間に身体機能が衰えてしまうからです。
これを「廃用症候群」と言います。
われわれの入院患者さんへのリハビリテーション治療も、主に廃用症候群を防ぐために行われます。
人間の体は、遠くに移動するようにできている
絶対安静で筋肉の伸び縮みをさせないと、1週間で筋力は10~15%落ちてしまうとされています。1カ月も寝たままだったら、筋肉は半分になってしまいます。
安保雅博(著)、中山恭秀(著)『寝たきり老後がイヤなら 毎日とにかく歩きなさい!』(すばる舎)
若い人なら、仮に筋肉が半分になっても、もともとの筋肉量があるので、回復も可能です。
しかし、もともとの筋肉量が少ない高齢者の筋肉が半分になってしまったら、元の状態に戻すのはかなり難しくなります。
体は動かさないと、あっという間に衰えていきます。けれども、動かし続けているかぎり、元気な体でいられます。
仮に要介護になったとしても、歩くことです。
高齢で元気な人というのは、たいていよく歩いています。元気だから歩いているのではありません。「歩くから元気」なのです。
人間の体は、遠くに移動するようにできています。
「歩く」ことこそ、人間の根源。「生きる」ことと同義です。
脳卒中のリハビリテーション医療の現場でも、それまで車いすでぼんやりしていた人が、自分の足で立ち上がり、歩き始めたとたん、急にしゃきんとするのを目の当たりにします。
自分で動ける=若さです。歩けているうちは若いのです。
ぜひとも、今日からたくさん歩き、いつまでも健康に長生きしましょう!
安保雅博(あぼ・まさひろ)
リハビリテーション科医
東京慈恵会医科大学附属病院副院長。リハビリテーション科診療部長。1990年東京慈恵会医科大学卒業。1998年~2000年までスウェーデンのカロリンスカ研究所に留学。2007年よりリハビリテーション医学講座主任教授。2016年、同病院副院長に就任。編著書、監修書に『脳卒中マヒが改善する! 腕と指のリハビリ・ハンドブック』『脳卒中の重度マヒでもあきらめない! 腕が上がる 手が動く リハビリ・ハンドブック』(以上、講談社)などがある。
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中山恭秀(なかやま・やすひで)
理学療法士
理学療法士/博士(リハビリテーション科学)。東京慈恵会医科大学附属病院リハビリテーション科技師長。1992年に東京都立医療技術短期大学卒業。1998年に明治学院大学卒業、2001年に筑波大学大学院リハビリテーションコース修了、2012年に筑波大学大学院人間総合学科研究科修了。2013年から分院技師長を経て現職。4つある附属病院の統括所属長として、多くの理学療法士や作業療法士等を束ねる。臨床経験27年、あらゆる領域の理学療法を担当。なかでも脳卒中後の片麻痺(かたまひ)やパーキンソン病など、「中枢神経系」の問題で生じる歩行障害や動作障害の改善について、三次元動作解析などをもとに研究。編著書に『臨床データから読み解く理学療法学』『3日間で行う理学療法臨床評価プランニング』(以上、南江堂)などがある