懐かしい場所に立ちよってみた。幼稚園から一緒だった幼馴染みと遊んだ神社。ぐるりと回って大きな木を眺めた。中学になってからはギターをひいて遊んだ。彼の実家の外からその部屋の様子を思い出した。16才で亡くなった彼のお墓で手を合わせた。近くにいた知らないおばあさんと座って話をした。友達だったことを告げると覚えてくれててありがとうと何度もいわれた。
ずっと昔のことを思い出しながら海沿いの道を走った。高校のときいつも弁当を食べてた丘にいってみた。文化祭が終わってクラス全員で歩いた土手も走ってみた。家出をしてすごした洞穴や夜中こっそりもちだしたバイクでたむろってた自販機の前にもたちどまった。
思い出せないケンカの原因なんかを考えながら走った。
きらきら光る春の海を眺めてたら、そろそろいかなきゃって思った。