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未来の選択 第16話(最終話) 最高の選択
Ζ 9時のニュース キム・シンがお届けします Ζ
シンの運命を左右する本番が始まった
病室で 固唾を飲んで見守るミレ
シンが選んだ原稿は 予定通りの時事問題だった
失望する後輩たちの視線を感じながら シンは 無表情で原稿を読む…!
病院では
ナ・ジュヒョンが 2人の謎の男と話している
意識不明の状態では未来に戻れない 無理に戻れば命を失うという…!
このまま この世界で暮らすことは出来ないかというジュヒョンだが
未来でご主人が待っているという…!
『亡くなったと聞いてますが…』
『ミレさんが過去に来た直後 息を吹き返したんです
キム・シンさんが 彼女を待っています!』
病室では
“未来のミレ”が意識を取り戻し 半狂乱で帰りたいと叫んでいる
自分は32歳だと言い張り 自分はオバサンじゃないと…!
診断によれば “未来のミレ”は 逆行性健忘という病気だという
耐え難い苦痛を忘れるため 一部の記憶を失ったのだと
“未来のミレ”は 自身を守るため最も幸せだと思う時期に戻った
とにかく今は 安静にするしかない
そのタイミングで ジュヒョンとミレは 会長イ・ミランに呼ばれた
ただの食事会だと思ったのに ミランはいきなり結婚をと切り出す
社内とマスコミが 孫の交際相手にうるさいから黙らせるのだと…!
シドロモドロになりながら まずは婚約をというジュヒョン
ならそれでもいいと ミランは簡単に引き下がる
ミレは セジュに 会長に呼ばれ 仕事を辞めるように言われたと話す
仕事を辞めたら ミレが幸せになれないことを
セジュは 十分に理解していた
“未来のミレ”は 2人がいない病室に キム・シンを呼ぶ
32歳の頃に逆行していながら “未来のミレ”の外見は老婆のようになっている
シンが経験していない ミレとの出会い
ソ・ユギョンと事故を起こしたが 本当は ミレが事故に遭うはずだった
ケガをして入院したミレを 毎日見舞ううちに2人はつき合うようになる
『君は 過去の自分に逃げ 僕は運命から逃げようとしている
でも結局は こうして同じ場所にいるんだ』
『そうね 運命から逃げるってことは結局 運命に縛られてるってことね』
NTNでは 加湿器殺菌剤の件を隠蔽し 報道しないことへの批判が高まり
公正な報道を求める抗議行動が過熱していた
その件には関わらないよう 目と耳を塞ぐキム・シン
一方 ミレは 制作会社に掛け合い 何とか報道できないかと訴える
しかし 番組を納品するだけの制作会社に そんな力はない
こんな時 彼ならどうするだろう… ミレの心に浮かぶのはひとりしかいない
キム・シンは 自分の中の“正義感”と闘っていた
そんなシンの前に ひとりの老紳士が現れる
『報道するのか?』
『あなたは?』
『君に人生を壊された者だ 35年先の君自身だよ
もっと正確に言うなら… 最後まで報道しなかった場合の君』
“未来のシン”は 35年間 後悔し続けたという
代わりに得たのは地位と名誉だ
キャスターから報道局長 そして報道本部長へ…!
NTNにとどまらず 大臣の地位まで昇り詰めたというキム・シン
次の瞬間 “未来のシン”は消えていた
いつものように 用意された原稿を読む キャスターキム・シン
しかし 本番の最後 CMが終わり 締めの挨拶の数分間に
シンは禁断の原稿を読み上げる…!
そして 自らの言葉で語り始めた
上からの圧力により これまで報道しなかったことを視聴者に謝罪し
正しい報道が出来るよう 力を貸してほしいと呼びかけた…!
放送を観ていた“未来のミレ”は 画面に向かって絶叫する!
自分は 未来で夫を破滅させ 過去の世界でもまた同じことをしたと嘆く
ミレは あんな数分間で シンを破滅させたくなかった
この世界のシンは 自分が必ず守ると “未来のミレ”に約束したのだ
まずは資料を集め 取材し YBSの兄に掛け合う
ソ・ユギョンとぺ作家にも協力を求め イ・ジェスたちにも頼み込む
大企業と放送局の癒着
真実を伝えようとしたキャスターの解雇
公正な報道の阻止 死を招く商品の隠蔽
そのすべてを暴き報道することで 外側からキムアナを救う…!
違約金と借金を負うことを承知で
キャスター生命が絶たれることを承知で
正義を貫いたキムアナを救うことこそが パンドラの箱の希望だと…!
失敗すれば 全員のクビが飛ぶかもしれないが ミレは必死に訴えた
しかし…
最終的に セジュが企画に反対する
テグクグループは YBSの最大のスポンサーでもある
そのスポンサーを弾劾すれば YBS自体が存続できなくなるかもしれない
『テグクの金で 局が運営できていると言っても過言じゃない
社員の給料も 作家の原稿料も… すべてだ
正義感は大事だけど それだけでは企業を運営できないんだ』
『……分かったわ』
『キムアナのために?』
『いいえ これは私がすべきことだから
あなたなら理解してくれると思ってた あなたは会長とは違うもの』
考え抜いた末 セジュは 放送を許可した
この決断が どういう結果を招くのか 知らないわけではない
ミレに言われて セジュもまた 自分がすべきことを貫いたのだ
YBSの報道により キム・シンは 一躍時の人となった
“信念を貫く言論人”として 各メディアに取り上げられ
シンを解雇したNTNには批判が殺到した
イ・ミランは 孫の愚かさを罵倒し そそのかしたミレを非難する
そして 移籍してまでYBSを裏切ったキム・シンを罵った
『それじゃ僕も… 裏切り者ってことだね』
セジュは 辞表を差し出し 席を立つ
放送許可を出すと決断した時から 覚悟していたことだった
キャスター生命を懸け 正義を貫いたキム・シン
他のみんなも それぞれの道を断たれる覚悟で放送に臨んだのだ
辞表を出したセジュは ユギョンに会う
深刻な状況なのに 辞表を出すのは癖なの?とからかうユギョン
リポーターから抜け出たいユギョンのため 司会は?と提案するセジュ
でももう ユギョンは 留学すると決めていた
国費奨学生に選ばれたと 誇らしげに報告する…!
『私のことより 今後はどうする? また済州島へ?』
『まあね』
『ミレさんは?』
即答できないセジュの様子に ユギョンはすべてを察する
そして もし自分と先に出逢っていたら… 好きになってくれたかと聞いた
その答えがNOでもYESでも 今の状況が変わるわけじゃない
2人は 互いに見つめ合い苦笑した
孫の辞表提出に憤慨したイ・ミランは ミレを呼び出した
『今すぐ別れてちょうだい!』
『これは セジュさんの意思です』
『別れないなら キム・シンを破滅させる! この業界から追放するわ!』
『そんな脅しに屈しません!
会長 お金や権力で人の心は買えません 失礼します!』
ミレは強くなった
大企業と放送局を弾劾すると決めた時から 覚悟は決まっていた
こんな脅しに… 権力に 決して怯まないという思いで…!
おそらく行き場のないセジュを ミレは自宅に招いた
手料理を食べながら セジュは 留学して勉強したいと切り出す
どんなに虚勢を張っても 祖母に守られて今の地位がある
御曹司として当然の権利を使い それなりに頑張ってきたセジュだが
やはり勉強不足 経験不足 何もかもが足りないと実感したのだ
『したい事じゃなく すべき事に追われる毎日だった
商業的価値を超える 真の意味で“いい番組”を作りたい
僕と一緒に… 留学しないか?』
『ごめんなさい』
きっと そんな答えが返ってくると どこかで分かっていたセジュ
でも 『このままでは自分がダメになる』という言葉は 思いがけなかった
『セジュさんには 与えてもらうばかりで 私からは何もあげられない
あなたは何でも持っているから あげられるものがないの
きっとこのままじゃ 自分で自分が嫌いになる
いつか あなたに何かをあげたい
時間をかけて そんな自分になりたいの』
別れの言葉ではなかったが ミレは 受け取った指輪を薬指から外した
待っててほしいなんて言えないと 再び出会えたらまたこの指にはめてと…
セジュは受け取らず ミレの手の中に指輪を残す
たとえどんなに時が経っても ミレへの想いが変わることはないと…
“未来のミレ”が 帰る日になった
老化が進み いつ命尽きるとも限らない深刻な状況だ
ここに残って一緒に暮らそうというジュヒョン
でも “未来のミレ”は 夫のそばで死にたいという
兄妹は 未来へ続く“エレベーター”の前で別れを惜しむ
“未来のミレ”の手に 鍵を握らせるミレ
『パンドラの箱の鍵 家の門のそばに埋めておくから
おばさん 過去は変えられなくても 今から変わればいいと思う』
ミレが 最後に出した答えに “未来のミレ”は涙ぐんで微笑んだ
そして“エレベーター”は 静かに閉じた
私物の箱を抱え NTNを去るキム・シン
抗議団体の一同が 拍手で声援し シンも笑顔で応える
そして 歩いて行く先には ナ・ミレが…
『会社を解雇されて さらに10億の借金 今のお気持ちは?』
『応援してくれる人もいるさ』
『じゃあ 私がいなくても大丈夫よね』
立ち止まり ミレを見つめるシン
YBSの報道を見て シンの方から会いに行くつもりだった
『オバサンは未来へ戻った 未来のキム・シンは 生きているそうよ』
『そうか』
『だとしても あなたとはつき合わない 10億の借金なんて…』
『すべて返済したら つき合うのか?』
『分からない もう 未来を思って悩みたくない
まだ起きてもいないことで… 未来のために今を生きるなんて…』
『成長したな』
出逢った頃のように シンは ミレの頭に手を置く
去って行く後姿を見送り シンもまた 別の道を行くのだった
3年後
ソ・ユギョンは トーク番組の司会を務めていた
ゲストには 放送作家であり “ベストセラー作家”のナ・ミレ
本番を終えた2人は イブについて語り合う
そう 今日は12月24日 奇跡が起こるかもしれないイブなのだ
帰宅したミレは コートを脱ぐのも忘れ 赤ちゃんを抱きしめる
ようやく伴侶を得た 兄ジュヒョンの息子ゴン ミレの甥っ子だ
キム・シンは 長い裁判で NTNに勝訴した
“信念を貫く言論人”の弁護を務めた弁護士は 誇らしげに握手を求める…!
書店で 新刊“未来の選択”を手に取るミレ
背を向けたその時 キム・シンが 同じ本を手に取る
ミレは シンに気づくことなく出て行った
- クリスマスには 誰もが奇跡を期待する
- ケンカした友人と和解したり 別れた恋人から連絡が…
ミレが去った書店に 今度はパク・セジュが現れる
シンはまだ 新刊のコーナーに佇んでいる
すると 外へ出たミレが 思い直したように再び中へ…!
- どんな奇跡が起きても不思議じゃない
- 必ず奇跡が起きるとは限らなくても それでも期待してしまう
回転扉を過ぎ 視線の先の人物に 懐かしく微笑むミレ
ミレが再会したのは 果たしてどちらだろうか…
未来では
門のそばを掘り返し “パンドラの箱”を開けるナ・ミレ
中には 幼子を抱くミレの写真が入っている
愛おしそうに写真を手にするミレ
そして その手を優しく握る もうひとつの手が…