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奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- 第30話 それぞれの道

2018-01-30 07:00:00 | 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- あらすじ

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1話~11話はこちらで公開しています

 

※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります

 

 第30話 それぞれの道 

 

メバク商団のフクスが捕えられ 大都に護送される

捕えられたのは フクスだけではない

ワン・ユは ヨンビスも一緒に 大都へ連行するつもりだった

 

遼陽を発って最初の野営地

 

タルタルは 口封じにフクスを殺してしまう

丞相に会わせれば フクスが献上品を贈った事実が嘘と知られ

毒入りのナツメを仕掛けた犯人が 別にいると分かってしまうのだ

続いてヨンビスをも殺そうとするタルタルを ワン・ユが止める

 

構わず殺そうとするタルタルに チェ・ムソンが剣を向け

パン・シヌも 我らの主がやめよと仰せだ!と息巻く

廃王とはいえ 今は丞相の身内に当たるワン・ユに 逆らうことは出来ない

タルタルは 問題が起きたら責任を問うと言い捨て剣を置く

 

大都では

 

皇后タナシルリが 冷宮へ送られようとしていた

王妃の衣を脱ぎ その身を飾るすべての宝飾品が外される

傍らには ソ尚宮がマハ皇子を抱き 涙ながらに見守っている

 

※冷宮:罪を犯した王族を幽閉する場所

 

そこへ 皇太后と才人キ・ヤンが現れ 皇子は連れて行けないと言い渡す

罪を償うべき者が 皇子の世話は出来ないと…!

息子を奪われそうになり 逆上して泣き叫ぶタナシルリ

皇太后は その頬を力いっぱいに殴りつけた!!!

 

『しっかりするのです!』

『寺に追いやられたことを恨み このような仕打ちを?!!!』

『愚かな母親から 皇子を守るだけのこと!

冷宮で自らの罪を自覚し 心から償うことだ!!!』

 

トクマンが マハ皇子を抱き 退室していく

才人キ・ヤンは 我が子の名を呼び 泣き叫ぶタナシルリを見つめる

 

(ただ 冷宮で過ごす間だけの別れではないか… 我が子は永遠に戻らぬ

二度と声を聞くことも この手に抱くことも出来ないのだ…!)

 

目の前の皇子こそが 奪われた我が子とは 夢にも気づかないヤンだった

 

冷宮へ向かう途中 タナシルリの前に 兄タンギセが現れる

この事件の真犯人は 才人キ・ヤンだと訴えるタナシルリ

たとえ証拠がなくとも ヤンのあの目を見れば分かると…!

 

タンギセは キ・ヤンに会い 人払いをという

そして 側室パク・オジンは自分が殺したと言い放った

 

『身の程も知らず 陛下のお子を身ごもったから殺されたのだ

お前も… 貢女の分際で側室になるとは 殺されても仕方ないだろう!

とはいえ ここまで我ら一族を追い詰めた者は お前の他にない

しかしここまでだ! お前の復讐ごときで倒れる一族ではない!!!』

 

※貢女:高麗(コリョ)が元への貢物とした女性

 

『勘違いしている』

『何?』

 

『私はまだ 始めてさえいない』

『…何だと?』

 

『冷宮に送っただけで復讐だなどと… 私は仲間の亡骸を抱き泣いたのだ

お前も… 父と妹の亡骸を抱き 血の涙を流すことになるだろう

そうしてこそ! それが私の復讐だ!』

 

ギロリと睨まれ 何も言い返せないタンギセ

身も凍るようなキ・ヤンの目つきは それほどまでに迫力があった…!

 

冷宮に着いたタナシルリは 茫然とする

皇后が使うからと 掃除されているわけでもなく 埃と蜘蛛の巣だらけである

冷え冷えとしていて暖房の設備さえなく 寝具すら用意されてはいなかった

 

これまで 大事に育てられてきたタナシルリにとっては 最大の屈辱だが

必ずここでの暮らしに耐えて戻り 皇太后とキ・ヤンに復讐すると誓う…!

 

恐ろしい皇后がいなくなり 後宮は風通しが良くなった

側室たちは皆 安堵の笑顔で談笑している

密かに協力し合ったヤンとソルファは 視線を合わせ笑みを浮かべた

 

※後宮:后妃や女官が住む宮中の奥御殿

 

そこへ 皇后の印章を受け取った皇太后が現れる…!

 乱れ切った後宮の規律を正し 豊かに過ごせるようにしたいという皇太后

側室同士が睦まじく過ごしてこそ 子孫繁栄につながるのだと…

 

才人キ・ヤンは 皇帝が字を習っていることも もう声が出ることも

そのすべてを 皇太后に明かした

毎晩のようにヤンを寝殿に呼ぶことも その色香に狂っているのではなく

ひたすらに字を覚えようと努力していたのだと…

そして 丞相が譲位を考えていることを伝え

今回の件で 早まる可能性があると話す

 

一方 タンギセは 父ヨンチョルに会い

皇后が冷宮送りにされたのは すべて才人キ・ヤンのせいだと報告する

ヤンを側室として送ったペガンも いずれ裏切るかもしれないと…!

 

そこへ タルタルの一行が到着したと ヨム・ビョンスが伝えに来た

タルタルは フクスが護送の途中で自害したと報告する

 

丞相ヨンチョルは そのままタルタルを下がらせた

ペガンが裏切るかどうかは 譲位を発表した時に判明すると

タルタルもまた 丞相の視線に疑いの色があったと気づく

今後の行動は 慎重に慎重を期さなければと…!

 

一方 ワン・ユは

 

この宮殿に スンニャンがいると思うと落ち着かなかった

ムソンとチョンバギは スンニャンに会うべきだというが…

自分から会いに行き スンニャンを苦しめたくないと答える

 

『王様だって 十分に苦しまれたではないですか!』

『今 パン内官が会いに行ってます』

『何?! 勝手なことを…』

 

今は“才人キ・ヤン”と呼ばれるスンニャン

パン内官を取り次ぐのは 宦官になったパク・ブルファだった

 

※宦官:去勢を施された官吏

 

パン・シヌは 昔の仲間のよしみで 王様との仲を取り持とうとした

しかし “才人キ・ヤン”は 皇帝の側室という立場で厳しく諫める

宦官の分際で 皇帝の側室に他の男と会えとはどういうことかと!!!

 

『私に会いたくば 大明殿において皇帝陛下に謁見せよ!

密会などということは 決してあり得ないとお伝えください』

 

※大明殿:元の皇居の主殿

 

顔面蒼白で ヤンの居室を出るパン・シヌ

その目には涙が滲んでいる

慌ててブルファが後を追い ヤン様のお立場を考えてほしいと取り成す

シヌは 自分の浅はかな行動を反省した

今の態度が スンニャンの本心ではないと 痛いほど分かっている

どんなにか辛い思いで突き放したかと 涙が止まらぬシヌだった

 

シヌは ヤンの言葉をそのまま報告する

まるで人が変わってしまったと 激怒するチョンバギ!

しかしワン・ユには ヤンの想いが伝わっていた

そして ヤンの言う通り 正式な形で皇帝に謁見するという

 

こうしてワン・ユは 皇帝タファンに謁見する

 

タファンの横には “才人キ・ヤン”が寄り添っている

声が出ない皇帝に代わり ヤンが代弁するのだ

ヤンは ワン・ユと2人きりで話したいと願い出た

2人の関係を知るタファンは 不安の表情でヤンを見つめる

 

『陛下が望まないのであれば 無理にとは申しません

私を信じていただけるのでしたら どうかお許しを』

 

密会という形ではなく 堂々と会う道を選んだヤン

今はもう“王様”ではなく “ワン・ユ殿”と呼び 立場の違いを示す

ワン・ユもまた 自分の中のスンニャンは死んだと明言するのであった

 

互いに訣別の言葉を言い合う2人

立ち去ろうとするワン・ユの背に 思わず『お許しを』というヤン

しかしワン・ユは 謝罪の言葉を受け入れず

今度は 堂々と我が道を… と答えるのだった

 

『私も 我が道を行くことにします

苦しむことなく 恨むことなく もう二度と過去を振り返らず…!』

 

これが スンニャンの選んだ道なのだ

自らの想いだけを優先し ワン・ユと幸せになることは

無念に死んでいった仲間を思えば 到底選べる道ではなかった

また その想いを受け止めることこそが ワン・ユの愛であった

 

タファンは 落ち着かぬ思いでヤンを待っていた

するとそこへ 丞相ヨンチョルが 息子たちを従え現れる

寝殿の卓上には 字を習うための道具が広げられたままである…!

 

侍従コルタが 大声で丞相の来訪を告げ危険を知らせた!

慌てて道具を片づけたタファンは 酒席の卓上で酔ったふりをする

相変わらずの情ない姿に 呆れて舌打ちをするヨンチョル

そして タファンをどこかへ連れて行こうとする…!

 

たとえ丞相であれ 行き先も告げずに皇帝を連行するとは許せない行為!

コルタは 命懸けで制止するが…

 

『そんなに心配ならば そなたもついて来るがよい!』

『え?』

 

丞相ヨンチョルは タファンを書庫に連れて行く

コルタが同行を許されたのは その門前までであった

 

タファンを前に 文書を書き始めるヨンチョル

それは マハ皇子に譲位するという内容であり

幼いマハが成長するまで 皇后が“垂簾聴政”するというものであった

 

※垂簾聴政:幼い皇帝に代わり 皇太后や皇后が摂政政治をすること

 

以前は 何が書かれているのか分からず また関心もなかったタファン

しかし今は文字を理解し その内容が分かり 次第に蒼ざめていく…!

いつものように 玉璽を押せと命じられても すぐには応じられなかった

 

ヨンチョルをはじめ タンギセが タプジャヘが

そしてヨム・ビョンスが兵を従え監視している

やむなく玉璽を押すしかないタファン

 

そしてさらにヨンチョルは 行省の長官らに会ってはいけないと釘を刺す

最近 反発し始めている長官たちと タファンを結託させないためであった

 

※行省:

モンゴル王朝である元が 中国地方統治の最高単位として設置した行政機関

 

密かに文字を習ったのも 皇帝としての真の力を得るため

そして 譲位を宣言する丞相の前で 声が出ることを明かすつもりであった

しかし今となっては すべての努力が無になったと落胆する皇太后

 

才人キ・ヤンは ペガン長官が これを阻止する策をご存知だという

 

ペガンによれば 丞相の譲位宣言に 皇帝がこれを否定し

すべての長官が皇帝に賛同すれば 譲位詔書を覆せるのだという

 

だからこそ ヨンチョルは 長官らの謁見を拒めと命じたのだ

丞相の権力を恐れる長官たちを抱き込み 全員を納得させるのは難しい

しかしそれしか この事態を収拾する道はないのだ

 

詔書を手に狂喜するヨンチョル

その宴席の場に ワン・ユの姿があった

丞相の姪の婿となり 今は丞相一族となったのである

宴が終わり タンギセは スンニャンの件を知ってるか?と切り出す

側室気取りで すっかり人が変わったと 冷たく答えるワン・ユ

貢女上りが権力を得たらそうなると 吐き捨てるように言うタンギセだった

 

殺されたフクスと共に 大都まで連行されたヨンビスは

チョクホに監視され 暗号で書かれた帳簿の読み方を白状しろと迫られる

 

ヨンビスは 暗号の解読に条件を出す

どうせ解放されても メバクに として売り飛ばされる運命

だから この場で殺してほしいと…!

しかしワン・ユは それを受け入れなかった

殺しはしないし にもさせないという

 

ヨンビスは観念し 帳簿の暗号を解いてみせる

暗号は 秦の国で用いられた数字なのだという

「千字文」を10個ずつ100行にして書く

 

※「千字文」:四言古詩250句の千文字からなる手習い書

 

数字の暗号は2つでひとつの文字を示すのだという

つまり 行と列から文字を特定する暗号なのだと

 

冷宮では

 

寒さに震え 空腹で倒れそうになっても

その性根が直らないタナシルリの姿があった

唯一手に入った食事さえ 気に入らぬと投げ捨ててしまう

そうしていながら 夜になると泣きじゃくるタナシルリ

寒さや空腹は我慢出来ても 我が子に会えぬ寂しさがつらいという

 

マハ皇子は実の子ではないのに… と言おうとして 口をつぐむソ尚宮

今やタナシルリの中では マハは実の子になっているようだ

得体の知れぬ捨て子を拾い それを知る尼僧たちを皆殺しにした

そういう事実を無かったことにして ただ母性だけが心を占めていた

 

才人キ・ヤンは すべての長官たちを抱き込む策を練っていた

側室の父である4人の長官は それぞれの長官たちと懇意にしており

皇太后が 晩餐会を催して長官たちを招いては?と提案するタファン

密会という手段で会うよりは 最も危険がない方法と言える

 

この情報を察知したヨンチョルは 同じ夜に宴席を設けるという

長官らが 皇太后と丞相のどちらを選ぶのか… 実に見ものであると…!

 

宴の夜 長官たちが選んだ行き先は 大明殿ではなく丞相の屋敷であった

娘を側室として差し出している4人の長官たちさえ… である

長官たちは皆 丞相に借金があった

譲位の際 この借金をすべて帳消しにするという条件に目が眩んだのだ

 

ペガンの他には誰ひとり参加しない宴席で 皇帝タファンは絶望する

そんなタファンを見つめ こんなことは小敗でしかないというヤン

 

『私たちが挑む敵は こんなにも強大です

それでも挑み続ける私の思いが 分かりますか?

陛下を信じているからです 小敗に絶望などしないでください

ここに 陛下を信じる臣下がいるではありませんか

どうか私のためにも 諦めないでください』

 

そうであったと… 心からそうであったと思うタファン

ヤンがそばにいれば ただそれだけでと 落ち着きを取り戻すのだった

 

ワン・ユは あらためて丞相の財力の凄さを思い知っていた

メバクさえ潰せば… というシヌ

そこへ チョクホが 解読された帳簿を持ち飛び込んでくる!!!

 

帳簿を開いてみると それは いわゆる商売上の“帳簿”ではなく

各行省に派遣された メバクの間者の名前であった…!

 

ワン・ユは この名簿を タルタルに託す

譲位を覆せる唯一の証拠として 皇帝側に渡したのである

深夜の大明殿に長官らを呼び これを説得するのは皇帝の役目であった…!

 

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武士ペク・ドンス 第11話

2018-01-25 07:00:00 | 武士ペク・ドンス あらすじ

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1話~5話はこちらで公開しています

6話より〈gooブログ〉からの公開となります

 

 武士ペク・ドンス 第11話 

 

『王妃様 いよいよこの時が参りました』

『天命には逆らえぬ 肝に命じよ 失敗は決して許さない…!』

 

思悼(サド)世子の命を狙うのは 王妃と老論(ノロン)派の一味だった

その陰謀渦巻く宮中で ペク・ドンスと沙彌尼が再会する

 

言葉を交わそうとしたその時 怪しい影が近づく…!

 

咄嗟に逃げる沙彌尼を庇い ドンスも一緒に走り出す!

沙彌尼を安全な場所へ逃がし 囮になって追っ手をまくドンス

ようやく2人になると ドンスの質問攻めが始まった

 

なぜ青厳寺ではなく 宮中にいるのか

思悼(サド)世子とは どんな関係なのか

なぜ怪しい影に追われているのか

 

ドンスの質問に簡潔に答えながら その胸の玉佩に気づく沙彌尼

それは ドンスが少年の頃 両班(ヤンバン)の少女が落としたもので

天(チョン)に斬りつけられた時 命を守ってくれたものであった

 

※玉佩:儀式の際 礼服に付ける玉製の装身具

※両班(ヤンバン):朝鮮時代の上流階級

 

それは自分のものだという沙彌尼

あの時の少女こそ ここにいる沙彌尼ユ・ジソンなのであった

 

兵曹判書(ピョンジョパンソ)ホン・デジュのもとに届けられた「北伐の計」

それは 黒紗蝋論(フクサチョロン)から清国に渡されるべきものだ

デジュは その前にしばし貸していただきたいと 天(チョン)に請う

世子を倒すためには どうしても必要であった

 

※兵曹判書(ピョンジョパンソ):軍事を司る官庁の長官

※黒紗蝋論(フクサチョロン):清の殺人集団

※「北伐の計」:孝宗(ヒョジョン)王が残した北伐の兵法書

 

天(チョン)が望むのはあくまでも本物

“生きている「北伐の計」”であった

必ず捕え 引き渡すと約束するデジュであった

 

天(チョン)が砦に戻ると 地(カオク)の表情が暗い

カオクには分からなかった

あれほど自由を欲していた天(チョン)なのになぜ…

その行動は 望む生き方とは 到底相反するものなのだ

 

一方 ドンスとウンは 見事に任務を果たし熢燧台に戻っていた

宮廷で 全てを知った2人は ユデに脅されたことが許せない

ここに派遣される期間は たったの10日間なのだ

そうとは知らず 二度と宮中へは戻れないと絶望していたドンス

きっとユデは知っていたのにと思うと どうにも怒りがおさまらなかった

 

さらにウンが なぜ将軍だった方が歩兵に?と切り出す

ユ・ソデの前職は 兵馬節度使という 従二品の将軍だったのだ

 

※兵馬節度使:各道の軍を統率した武官

 

分かったらひざまずけというユデに 今は何者で?と返し

どんな命令も聞くものか! と怒るドンス

邪険に扱われても なぜかソデは嬉しそうだった

命懸けの任務を果たしたドンスが いつか大業を成すような気がしていた

 

チャンミの酒幕(チュマク)では

 

ドンスが命を落としそうだったという話に 驚くフクサモ

わざわざクッパを届けに行ったチャンミたちに 感謝してもし足りない

“女の心遣い”がどれだけ大切か… と婚姻を勧めるチャンミ

しかし その想いがフクサモに届くことはなかった

 

チャン・ミソが チャンミの料理を グァンテクのもとへ運ぶ

亡きテポの娘を見つめ 座れと促す

ミソはもう二十歳になっていた

親友の娘は 自分にとっても娘のようだと言われ

亡き父を思うミソだった

 

熢燧台では

 

いよいよ宮廷に戻れることになり 3人は感慨深く夜空を眺める

翌朝 世話になったソ・ユデに別れを告げる

最後まで憎まれ口を言い合うユデとドンス

ウンだけが 礼を尽くして頭を下げた

 

再び1人きりになったユデ

するとそこへ 役人が兵士を引き連れ現れた…!

ユデは突然 “謀反人”の罪で捕えられてしまう!!!

 

その頃 ファン・ジンギは

 

聞き分けのないジンジュを叱りつけていた

いくらドンスに会いたいとはいえ “盗賊”が宮廷に行くのかと…!

 

ペク・ドンス ヨ・ウン ヤン・チョリプの3人は

思悼(サド)世子を護衛する任務に就くこととなる

いつものように軽口を叩くドンスを ギロリと睨むイム・スウン

もはや ドンスのはったりが通用するような状況ではなかった

たとえ宮廷内であっても 世子は 常に危険と隣り合わせなのだ

 

兵曹判書(ピョンジョパンソ)ホン・デジュは

人(イン)テウンが失った左腕に 鉄製の義手を用意する

そして 世子側につく礼曹判書(イェジョパンソ)の暗殺を命じた

 

※礼曹判書(イェジョパンソ):儀礼や祭事・外交などを担当する官庁の長官

 

同じ時

 

天(チョン)は 東宮殿に忍び込み 思悼(サド)世子と対峙する

殺しに来たのではなく 話したくて来たという天(チョン)

 

『“北伐”などという叶わぬ夢など 捨ててはいかがです?

この朝鮮が 清国を倒すなど 可能でしょうか』

『この私を侮っているのか?』

『だというなら 既に殺していたでしょう』

 

思悼(サド)世子は 天(チョン)に 人間らしく生きるべきだという

それは 世子に反する考えの者は すべて人ではないということか…

ならば自分にとっても世子は 獣のごとくであるという天(チョン)

どんな問答をしようと “北伐”を諦めるつもりはないという世子

 

『頑固な方だ…』

 

次に会う時は 剣を向くことになるだろうと予告し

天(チョン)は 音もなくその場から立ち去るのだった…!

 

義禁府(ウイグンブ)では

 

連行されたソ・ユデが 惨い拷問を受けていた

ユデを捕えたのはホン・デジュである

世子が 自ら軍を動かしたという事実を ユデに白状させるためであった

 

※義禁府(ウイグンブ):重罪人を扱う検察のような機関

 

咸鏡道(ハムギョンド)の軍は あくまでも王様の軍であり

世子は関与していないというユデ

 

ユデの自白が取れなくても デジュには何の問題もなかった

世子が ユデと共謀し謀反を図ったと 王の前で報告したのである…!

 

ホン・デジュが ここまで強気に出るのは “確たる証拠”があるからだ

沙彌尼のもとから持ち帰った あの「北伐の計」の地図が…!

老論(ノロン)派は この機に 世子を追い詰めるつもりであった

 

知らせを受けた世子は すぐにもユデに会うという

このまま ユデを犠牲にすることだけは出来なかった…!

しかし 断じて会ってはならないと イム・スウンが止める

 

兵曹判書(ピョンジョパンソ)が ここまで強硬なのには何か理由があると…

ハッとして 書棚の中の箱を開ける世子!

沙彌尼の身体から写し取った地図が 白紙の巻物に代わっていた…!!!

あの芸妓クヒャンが 沙彌尼の入れ墨を消す際に持ち去ったのだ

 

ホン・デジュは 世子が北伐を企んでいると弾劾!

朝廷の場に呼ばれていた清の使臣が これは謀反であると叫ぶ…!

 

デジュが示す“謀反”とは 朝鮮の王に対してではなく 清国に対してであった

思悼(サド)世子は 朝鮮は清国の属国ではない!と言い放つ

かつて 清国の領土の半分は 朝鮮の領土であったと

それを取り戻す行為は 決して謀反ではないと…!!!

 

三田渡(サムジョンド)の盟約を持ち出す清の使臣

丙子胡乱の屈辱について 口論する使臣と世子

それに耐え切れなくなったのは ほかでもない英祖(ヨンジョ)であった

 

※三田渡(サムジョンド)の盟約:

朝鮮第16代国王 仁祖(インジョ)が清の皇帝の前で三顧の礼を行い

明の属国から転じ 清の属国となった

 

その時 ひとりの重臣が割って入る

 

世子の衣を指さし 七爪龍の龍袍は 皇帝だけが許される紋様だという

北伐が云々という前に 皇帝の龍袍を身に纏った時点で“大逆人”だと…!

ふと 自身の衣の刺繍に目をやり 蒼ざめる世子!

 

それは 貞純(チョンスン)王妃から贈られた龍袍だった

母親から贈られた龍袍を ただ息子が身に纏っただけ…ではなかったのだ

 

英祖(ヨンジョ)は 臣下が見守る中 世子を廃庶人とした

そして その場で靴を脱ぎ 冠を取るよう命じたのである

 

※廃庶人:身分と特権を奪い庶民にすること

 

思悼(サド)世子の目に みるみる涙が滲んでいく

世子である人間が 臣下の前でこのように言い渡されることは

“公開処刑”とも言える 屈辱的な仕打ちであった

 

老論(ノロン)派の者たちは 心地よい宴の後のようにはしゃいでいた

その頂点に立つホン・デジュは 大空に向かって高笑いする

 

貞純(チョンスン)王妃は 英祖(ヨンジョ)王に対し

世子への王命を取り消すよう願い出る

今回の企みの首謀者であり 老論(ノロン)派の長として暗躍する王妃

弾劾された龍袍も こうなることを念じて贈ったのである…!

 

いかにも 息子を思う母を演じる貞純(チョンスン)王妃

年老いた王のもとへ嫁いだ王妃には 跡目を継ぐべき子がない

英祖(ヨンジョ)亡き後の“居場所”を求め 老論(ノロン)派と結託し

世子を 亡き者にしようとしているのである

 

ドンスたちは 世子の身に何が起きたのかも知らず

沙彌尼を 宮外に逃がす任務を任されていた

山中に逃げると フクサモと仲間たちが出迎えてくれた

ようやく壮勇衛(チャンヨンウィ)の修行を終え 入宮する予定の仲間たち

 

そこへ あの人(イン)テウンが現れた…!

 

テウンの標的は沙彌尼だった

ホン・デジュは 絵に起こした地図と共に 生きた「北伐の計」を手に入れ

思悼(サド)世子に とどめを刺そうとしているのであった

 

若者たちを守ろうと 自ら剣を抜くフクサモ!

しかし次の瞬間 テウンの短剣が脇腹に突き刺さる!!!

 

倒れたフクサモを庇い 剣を抜く若者たち!

いかに壮勇衛(チャンヨンウィ)の精鋭とはいえ テウンは強い

このままでは 皆殺しになるかもしれない…!

ウンは 黒紗蝋論(フクサチョロン)での因縁から 戦いを挑もうとする

 

すると背後から 剣仙(コムソン)キム・グァンテクが現れた!

グァンテクは以前 テウンの指を落とし 次には腕を斬り落とした

なぜあの時 命を奪わなかったかと 後悔するグァンテクだった

 

負け惜しみの言葉を吐き捨て 姿を消すテウン…!

今はまだ グァンテクを相手に出来るほど回復していないテウンなのだ

 

慌ててフクサモのもとへ駆け寄るグァンテク!

大丈夫だと強がりを言うフクサモだが 傷は深いようだ

 

義禁府(ウイグンブ)の牢に イム・スウンが訪れ世子に挨拶する

王に呼ばれた以上 無事に済むとは言えなかった

もはや 思悼(サド)世子を守り抜くことは難しい

 

フクサモは ファン・ジンギの根城に担ぎ込まれた

すぐに手当てを受けたが 今夜が峠だというジンギ

父親代わりとして育ててくれたフクサモに付き添い 涙が止まらないドンス

そんなドンスに寄り添い そっと励ます沙彌尼ユ・ジソン

 

こんな事態でも 世子から命ぜられた任務は果たさねばならない

この砦で 何としても沙彌尼を守り抜かなければ…!

ジンジュに沙彌尼を託し ジンギは フクサモの看病に専念する

しかし 瀕死のフクサモを見ていられず 外へ飛び出すドンス

 

誰もが その嘆きを思いやり 言葉もかけられなかったが

グァンテクは 厳しい言葉でドンスに気合を入れた

ぶつけようのない怒りを吐き出すかのように 戦いを挑むドンス!

 

自らの片腕と引き換えに その命を助けたのだ

グァンテクにとっては かけがけのないドンスの命である

そして 生き延びたからには 男として立派に生きてほしいと

容赦なく剣の相手をするグァンテクだった

 

『分かったか 今のお前の実力では誰にも勝てぬ!』

『では 私に戦い方を教えてください フクサモの敵を取ります!!!』

『いかに剣の腕を磨こうと “怒りの剣”では何も斬れぬ!』

 

グァンテクは 徹底的にドンスを打ちのめした

そして己の実力のなさを 思い上がりでしかない自信を打ち砕く!

 

『剣は心で動かすのだ ただ切実な思いがあればこそ 剣を操れる』

 

ドンスに続き ウンが 戦いを挑む

ウンが操る剣に 恐ろしいまでの殺気を感じ取るグァンテク…!

 

ようやく落ち着きを取り戻したドンスに 沙彌尼が近づく

そして 自らの生い立ちを話し始めた

生まれた時から 沙彌尼になる運命を負っていたジソン

ただ両班(ヤンバン)のお嬢様としてではなく 孤独な日々を送ってきたのだ

 

『世子様が守ってくださらなければ…』

『今後は 俺が守ってみせます いや その…

世子様は 宮廷を離れられないので』

 

ジソンは ドンスの気持ちに感謝しながらも 丁重に断った

ファン・ジンジュが ドンスに想いを寄せていると知り 気を使ったのだ

これ以上 自分のせいで誰かが傷つくのは見たくないと…

 

ドンスは 運命なんて信じないという

人が運命で生きるというのなら 今の自分は四肢が不自由なままだったと

運命なんてぶち壊せることを 自分が証明してやると言い放つドンス!

 

ファン・ジンギが 懸命にフクサモを看病していた

ドンスは その枕元に寄り添い 祈りを込めて手を握る

両親のいないドンスにとって 身内と呼べる人はフクサモだけだった

 

すると…

 

その思いが伝わったのか フクサモの意識が戻る…!

 

同じ時

 

イム・スウンは 英祖(ヨンジョ)王のもとへ呼ばれ

ヨ・ウンは 天(チョン)に会う

 

キム・グァンテクと剣を合わせ どこかで勝てる気がしているウン

しかし天(チョン)は そんなに甘い相手ではないという

 

『俺が あいつと剣を交えない理由はただひとつ

奴は どんな時も全力を出さない たとえ俺を相手にしてもだ』

 

その理由は何かと聞かれ 強いからだと答えるウン

しかし 天(チョン)の考えは違っていた

天(チョン)は グァンテクの剣には“殺気”がないという

殺気のない者は決して勝てないし そんな奴に勝っても嬉しくないと

 

『そこで命令だ 奴を殺気立たせてみろ!』

 

天(チョン)の指令を受け ウンは フクサモの肉屋へ向かう

そこには 壮勇衛(チャンヨンウィ)の仲間が2人寝入っている

共に修行し 明日はいよいよ入宮する仲間である

 

ウンは 暗闇の中で静かに剣を抜く

そして…! 容赦なく仲間に剣を突き立てた!!

 

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奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- 第29話 毒には毒を

2018-01-15 07:00:00 | 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- あらすじ

 “散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています

1話~11話はこちらで公開しています

 

※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります

 

 第29話 毒には毒を 

 

薬湯を飲み干し ニヤリと笑う才人キ・ヤン

最後に 器の底に残るナツメを口に入れ… 指先を舐めた

そして次の瞬間…! 苦しみだし倒れてしまう!!!

 

『毒です! この薬湯には毒が…!!!』

 

駆け寄った宦官ブルファが 銀の匙を口の中に入れ

黒くなった匙を掲げて叫んだ…!

そして ヤンを背負い その場から搬送する

 

居合わせた皇太后は チャン・スニョンを調査の責任者にすると言い

タナシルリは ヨン尚宮も責任者に!と言い出す

先日の調査では 薬湯に問題ないことが証明されているのだ

ヤンが倒れて驚きはしたものの 至って冷静に振る舞っている

 

自分に疑いがかかるとは 夢にも思っていないタナシルリだった

おそらく キ・ヤンだけが皇帝に寵愛されていることを嫉み

側室の誰かが毒を盛ったに違いないと…!

先日も オ・ソルファを狙ったのではなく キ・ヤンを狙ったのだとすれば…

この機会に 側室らを追放することが出来るかもしれないとほくそ笑む

 

報告を受けたタファンは すぐにもヤンのもとへ行こうとする

しかし 侍従コルタが 今は行くべきでないと必死に止める!

そこへトクマンが駆けつけ 皇太后からの伝言を耳打ちする

あまりにヒソヒソ声で コルタにも内容は聞き取れなかった

 

才人キ・ヤンは 今回の計画を 事前に皇太后に告げていた

 

「そなたの目的は? なぜ命懸けでそこまでするのだ

もしやそなた… 皇后の座を狙っているのか!!!」

 

「すべては… パク・オジン様のためです」

 

ヤンの口から オジンの名が出て 皇太后はハッとした

雑用係としてオジンに仕えていたヤンが 敵を討とうとしている

そう信じた皇太后は ヤンの策に乗ることに…

それは 再び後宮を我がものにしたいという 皇太后の野望と合致していた

 

医官の診察により ヤンの口の中から“ナツメ”の欠片が見つかる

いずれにしても ヤンは瀕死の状態であった

この毒に負け命を失えば 復讐そのものが露と消える…!

 

眠ったままのヤンのもとへ ようやく駆け付けたタファン

コルタが人払いし ペガンとタルタル そしてブルファが退室する

 

(自ら毒を飲まねばならぬほど そなたの戦いは切実なのか…

そうとも知らず… まったく愚かだった私を どうか許してくれ…!)

 

先日と同じように 調査官が薬湯を調べる

薬湯そのものに毒は検出されず ホッとして笑みを浮かべるタナシルリ

しかし… ヤンの口から採取したナツメの欠片に毒が…!!!

 

『毒は 薬湯ではなく ナツメの中に!!!』

 

確かに薬湯は用意させたが ナツメを入れたのは医官の指示だと

怯えながら報告するヨン尚宮

 

ここでもタナシルリは ナツメの出所を自ら調査すると言い

皇太后は 是非そうなさいませと答える

側室の居所と女官部屋 そして宦官の部屋に至るまで

後宮の隅々を調べよと命じていく…!

 

遼陽では

 

就寝中のワン・ユに襲いかかったヨンビスが 逆に抑え込まれていた!

覆面を剥ぎ取られ ワン・ユに正体を知られてしまう

 

『メバクの手下だったとは… 見損なったぞ! 部族再興の夢はどうした!』

 

気配に気づき パン・シヌが駆けつける

ワン・ユは ヨンビスを役所に引き出せと命じた

おそらく 暗殺に失敗したヨンビスは殺されるだろう

今のヨンビスにとっては 役所こそが最も安全な場所だと…!

 

一夜明け

 

ヨンビスと ワン・ユの一行が突然に姿を消した

それを察知したフクスは すぐに追っ手を差し向ける!

 

しかし逃げたと見せかけ ワン・ユは ヨンビスと共に役所内にいた

ひと思いに殺せと喚くヨンビスに 時が来れば望み通りにしてやるという

 

一方 パン・シヌは

 

チョクホを奴隷として買い受け メバク商団から救い出していた

そしてシヌは チョクホをワン・ユに引き渡す前に

口止めしなければならなかったのだ…!

 

『王様には スンニャンの赤子のことは言わないでくれ』

『まさか… 王様のお子なのか?!』

『王様には 懐妊したことすら報告していないんだ

どうせ報告するなら 本人の口から言わせてやりたい…!』

 

ムソンとチョンバギは すぐにヨンビスを殺すべきだと進言する

しかしワン・ユは 味方につけてメバクの内情を聞き出す考えだった

2人は ヨンビスはしたたかで 忠誠を誓うような者ではないと言うが…

 

大都では

 

タナシルリ自らが 後宮の隅々まで調査していた

側室の部屋は ヤンの部屋を残すだけとなったが 本人は戻っていない

まだ意識が戻らないのだろうと 次の場所へ移動するタナシルリ

 

才人キ・ヤンは 皇帝の寝所で目覚める

意識が戻らないヤンを タファンが命じ移動させたのだ

 

二度と会わぬと 互いに言い合い 会わなくなってから長い時が過ぎた

タファンはヤンの手を握りしめ そばにいてほしいと懇願する

その心が 他の男のものであっても 自分が復讐の道具でしかなくても

それでもいいからそばにいてほしいと… 優しくヤンを抱きしめる

 

パク・ブルファとイ・ホンダン以外 宮中の者はすべて連行された

そして医官はヨム・ビョンスが 女官はヨン尚宮が拷問する

真相を吐かせるというよりは 誰かに側室の名を言わせる魂胆のようだ

 

ここまで皇后が暴走するとは… とため息をつくタファン

しかしヤンは “自縄自縛”だと答え

宦官ブルファに ペガンを通じて長官らを動かせと命じた

事を大きく騒ぎ立てれば立てるほど 皇后が背負う罪も大きくなるのだと…!

 

拷問の途中で ビョンスは ヨン尚宮を呼び出し

医官と女官をひとりずつ買収し 側室の名を言わせようと持ちかける

両者の証言が一致すれば 皇后の望み通り側室を追い出せるというのだ

 

やがて 側室たちの父である長官らが 宮廷に駆けつけ抗議する

これを受け 丞相ヨンチョルは 事を荒立てるなと釘を刺す

いずれかの側室が犯人と分かれば 長官の座も危ういのだと…!

 

タナシルリは 皇太后殿に出向き調査しようとする

そこには 起き上がれるまでに快復した才人キ・ヤンが挨拶に来ていた

 

『犯人捜しに奔走しておられるとか 必ずや捕らえてくださいませ』

『もちろんだ 捕えたらただでは済まさぬ 八つ裂きにしても足りない!』

 

掖庭宮をすべて調べ 残るは皇太后殿しかないというタナシルリ

余裕の笑顔で 拒んで見せる皇太后

しかしタナシルリは すべての疑念を晴らすためだと強行する…!

 

※掖庭宮:后妃・妃嬪が住む宮殿

 

ここまでするからにはもう引き下がれない

タナシルリは 自分でも気づかないまま 自身を追い込んでいるのだ

 

こうして タナシルリによる調査は終わった

いずれの居所からも 証拠の物は見つからず あとは尋問の結果を待つのみ

退室しようとするタナシルリを 才人キ・ヤンが呼び止める

 

『まだ調査は終わっていません』

『どこが終わってないというのだ』

『皇后様の居所です』

『そなた… 誰に向かって!』

『皇太后様の居所も調べたのです すべては皇后様のため

疑念をすべて晴らすのではないのですか?』

 

調べたところで何も出るはずがない

タナシルリは 才人キ・ヤンを 証人として同行し 自らの居所へ向かう

 

構わず隅々まで調べよ!と 女官たちに命じるタナシルリ

ヨン尚宮が 棚の奥から出した箱には 珍しい装飾品が入っていた

それを見咎めたヤンが 箱を奪い取り中を調べる

メバク商団からの献上品であり やましいことはないが

タナシルリが ヤンの手から箱を奪おうとしてもみ合いになる…!

 

2人の手から滑り落ちた箱が床に転がり 装飾品の奥からナツメが!!!

 

『なぜ 宝石箱にナツメを?』

『私は知らない!』

『ならば… ここで召し上がってください』

『……』

『なぜ召し上がらないのですか? やはり中には毒が?』

 

見かねたソ尚宮が ヤンの手からナツメを奪い 自らの口に放り込む!

平気な素振りで飲み込んだソ尚宮だったが まもなく苦しみだし倒れてしまう!

 

ナツメは宝石箱に戻され 宦官ブルファが運び出す

自分は何も知らない!と叫ぶタナシルリ

 

『なぜ私に弁解を? その必要はありません』

 

丞相ヨンチョルは 長官らをもてなす宴を開いていた

ここで機嫌よく帰らせ 事を荒立てないようにするつもりだった

そこへ ビョンスが慌てふためいて飛び込んでくる…!

 

『丞相だけにお話が…』

『構わぬ 皆の前で話せ!』

 

いずれの側室の仕業としたのか…

予想より早かったが 早く言えと急かすヨンチョル

ビョンスは 皇后が犯人だったと 言いにくそうに答えるしかなかった

 

『フクスが贈った献上品の宝石箱に 毒入りのナツメが…』

『うぬぅ…!!! 直ちにフクスを捕えよ!!!』

 

宴は中断され ペガンは タルタルを遼陽に行かせる

ヨンチョルが手を下す前に 商団ごと潰し資金を奪えと…!

 

遼陽では

 

ワン・ユが ヨンビスの尋問を始めていた

高麗(コリョ)国内に偽の交鈔を流通させ 大量の人参を手に入れたのは

ヨンビスの仕業に違いないと…!

 

『メバクの資金は ヨンチョルに流れている

丞相は 部族を壊滅させた敵ではなかったのか?』

『関係ない 部族の再興には資金が要る』

 

火矢で窮地を救われたワン・ユ

ヨンビスは 否定しなかったが 助けたことは間違いだったと吐き捨てた

 

そこへ タルタルが戻ったと知らせが入る

留守中に異変はなかったかと 部下の報告を聞くタルタル

部下によれば ワン・ユとキ・ヤンが想いを寄せ合っているという…!

 

タルタルは 報告した部下に固く口止めするにとどまった

今は メバク商団の壊滅が先決なのだ

フクスを捕えるため ワン・ユの協力が必要であり

ワン・ユもまた メバクの資金を狙っているのだった

 

フクスは 皇后に 宝石箱を献上した憶えなどない

すべては タルタルが キ・ヤンに命じられてしたことであった

丞相を後ろ盾に持つ自分をなぜ!!! と激怒するフクス…!

しかし 自分を捕えよと命じたのは その丞相だと知り 愕然とする!

 

タルタルはフクスを捕え ワン・ユは 商団が保管している偽の交鈔を探す!

するとパン・シヌが 壁の隠し棚から 暗号で書かれた帳簿を発見する

この暗号の解読が出来れば メバクを壊滅させるかもしれないのだ…!

 

大都では

 

いよいよ 皇后タナシルリが 大明殿に呼ばれた

宦官ブルファは 危うく命を落とすところだったと嘆く

 

※大明殿:元の皇居の主殿

 

それにしても 皇后に贈った宝石箱に 毒入りのナツメとは…

しかし 医官が入れたというナツメには どうやって毒を?

 

ブルファの疑問に “入れた” のではなく “塗った” のだと答えるヤン

 

皇后の前で薬湯を飲み干した時 才人キ・ヤンは 最後にナツメを頬張った

タナシルリを睨みつけながら ゆっくりとナツメを口に入れ

ナツメをつまんだ指先まで 丹念に舐めてみせた

実は その指先にこそ毒を“塗って”いたのである

ゆえに ヤンがナツメをつまんだ瞬間に “毒入り”のナツメが完成したのだ

 

大明殿では

 

娘を殺されそうになった行省の長官らが 口々に皇后の廃位をと訴える

側室を殺しかけ その罪を さらに側室に着せようとした罪は大きい

 

タンギセは このままでは廃位になってしまうと

父である丞相に 救うべきだと訴える 妹は嵌められただけなのだと…!

ヨンチョルは 嵌められたことが悔しくてならないのだ

今度ばかりは助けたくても あまりに娘が愚か過ぎた

 

大きくため息をつき 親衛隊の出動を命じるヨンチョルであった

 

いよいよ皇后の廃位を決する時が迫る

タナシルリは 無実だと叫ぶが それさえ皇太后にたしなめられてしまう

 

そこへ ヨム・ビョンス率いる親衛隊が乱入し 長官たちを取り囲む…!

続いて現れた丞相ヨンチョルが 皇后は無実だと叫ぶ!

この国の法と原則を無視するのかと抗議する長官たちだが

ヨンチョルは そんな長官の面前に仁王立ちし ギロリと睨む!

 

『法と原則を守ってさえいれば 皇室が存続できると?

数々の困難を乗り越えてきたのはなぜか!

皇后の無実が証明された時! 長官らはどうするつもりで?!!!』

 

皇太后は ならばどう無実を証明するのかと迫る

すると丞相が 『皇后を“冷宮”へ送る』 と言い放った…!

 

※冷宮:罪を犯した王族を幽閉する場所

 

“廃位”させるのか それとも“冷宮”へ送るのか

丞相は その決断を皇太后に委ねる

 

皇太后は “印章を預けて冷宮へ” もしくは“廃位”と答え

逆に 丞相が選べと委ね返したのである

 

“廃位”であれば 一族にとって致命的な結果となる

しかし 皇后の全権威である“印章を預けて冷宮へ” でも同じことであった

 

同じ時

 

ワン・ユは スンニャンの現状を知らされていた

しかも ペガンが仕組んだわけではなく 自ら望んで側室になったと…!

生きていたと喜んだのも束の間 絶望の底に沈むワン・ユであった

 

そして大都では

 

冷宮へ送られることが決まった皇后の前に 才人キ・ヤンが現れる

怒りに震え 頬を打とうとするタナシルリ!

しかし もはや黙って打たれるヤンではなかった

 

『冷宮は 寒くて寂しい所ですが

もっと寒くて寂しい場所に 横たわっている人々がいるのです』

 

タナシルリが振り上げた手を握り 動きを止めると

真正面から見つめ 怒りを抑えた低い声で話すヤン

 

『皇后様に殺された パク・オジン様とお付きの者たちは

冷たい土の中で 今も眠っているのです…!』

 

『すべて… お前の仕業なのだな!!!』

 

遼陽のワン・ユは

 

自分と生きる道より 復讐の道を選んだスンニャンに衝撃を受け

ぶつけようのない怒りを堪え 馬を駆っていた

タルタルが言い放った最後の言葉は ワン・ユの胸に深く突き刺さる!

 

「ヤン様はもう あなたの“想い人”などではない

あの方を苦しめることは この私が許さない…!!!」

 

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広開土太王 第11話 王子の人望

2018-01-10 07:00:00 | 広開土太王 あらすじ

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6話より〈gooブログ〉からの公開となります

 

 広開土太王 第11話 王子の人望 

 

今にもタムドクの首を斬ろうとする匪賊の頭!

その剣を止めたのは ファンフェという男だった

たかが奴隷に 300両の身代金とは 絶対に何かある

まだ殺さずに待っていれば もっと値が上がるというのだ

 

『必ず2倍… いや3倍にはなるはずです!』

『何だと?! 3倍?!!!』

『ひょっとしたら 10倍になるやも!

もはや“3,000両”は我が手にある 殺してはなりません』

 

金づるのタムドクさえ手に入れれば 他の者に用はない

しかし口外され 他の匪賊に知れぬよう 全員を捕えては?というファンフェ

もはや頭は ファンフェの言いなりだった

 

トルピスとヨソッケは ここで戦っても勝てないと悟り 言いなりになる

しかしタムドクは 同じ高句麗(コグリョ)人を売るのかと叫ぶ!!!

 

『俺たち罪人は 国を追放された“匪賊”なんだ!

捕まればどうせ殺される! 国なんて関係ないんだよ!!!』

 

隠れ家に着くと ファンフェが タムドクに剣を突き付ける!

なぜ後燕の皇子が 身代金まで懸けて捜すのか その正体が気にかかる

するとヨソッケが横入りし こいつはただの狩人だという

 

“高句麗(コグリョ)の王子”だと聞いて あり得ないと笑ったが

身代金の額から言って 本当なのかもしれない

そう思ったヨソッケが 咄嗟に庇ったが ファンフェは信じない

たかが奴隷にも ただの狩人にも 300両の身代金は有り得ないのだ

 

するとファンフェが 柵城(チェクソン)周辺の村へ行き

タムドクの正体を突き止めて来るという

真の正体を知らねば 後燕の皇子に対し 値を吊り上げられないと…!

 

村で タムドクの人相書きが貼られているのを目撃するファンフェ

そこで タムドクを捜しているのは後燕の皇子だけではないと知る

貼り紙には “行方を知る者は柵城(チェクソン)に知らせよ” とあったのだ

 

一方 奴隷商の根城では

 

慕容煕がしびれを切らし ムカプを怒鳴りつけている…!

そこへ 見張りの目を盗み忍び込んだファンフェが 聞き耳を立てる

なぜ“高句麗(コグリョ)の王子”だと隠して捜すのか…

いくら特徴を書いても それだけで捜すのは難しいというムカプ

 

『高句麗(コグリョ)の王子を300両で捜せるか! 10倍の値でも難しい!

この後燕の皇子が 高句麗(コグリョ)の王子を狙っていると知れたら?

高句麗(コグリョ)の匪賊が 王子を庇うこともある!』

 

それについては心配無用!というムカプ

金のためなら何でもするのが匪賊! 庇うことは決してないと断言する

 

そこまで盗み聞いたところで ファンフェは見張りに見つかってしまう!

ムカプは 慌てて逃げ出す後姿が ファンフェであると気づく…!

 

隠れ家に戻ったファンフェは 何も分からなかったと報告するが

大々的に報じられたタムドクの貼り紙は 既に頭の手にあった

高句麗(コグリョ)の王子なら 1万両の価値はあると言い出す

皆に握り飯が配られる中 “尊いお方”にはお膳が用意された

その扱いで ヨソッケたちは タムドクの正体が知られたと気づく

 

だが頭は タムドクが王子と知っても 乱暴に殴りつける!

命こそ奪わないが 丁重に扱う気はさらさらなかった

 

『無礼者め! だがお前のような匪賊を野放しにしたのは私の罪!

このような目に遭うのは当然のことと理解しよう!

だがよく聞け! 私を売った金で生涯を生きるか

それとも 私と一緒に柵城(チェクソン)へ行くか!

たとえ一度でも 高句麗(コグリョ)の民だったなら

再び高句麗(コグリョ)の兵士になる機会を得るのだ!!!』

 

罪を犯し国を追われ 匪賊に身を落とした頭は 容易に信じない

しかしファンフェは 必ず約束を守るという言葉に 心が揺れ始めていた

 

王子と知り 1万両でも請求できると豪語する頭

しかし 柵城(チェクソン)へ行って 兵士になれるという保証はない

後燕の皇子に引き渡し 確実に300両を得れば それでも一生安泰なのだ

匪賊となり 辛酸をなめ尽くした頭には 目先の300両の方が重要であった

 

ここでトルピスが 涙ながらに叫ぶ

自分たちは 王子を守り名誉の死を遂げられるが

王子を売るお前たちは 一生逆賊の汚名を着て生きるのだと…!

 

殴りつけられるトルピスを庇い ヨソッケも抗議する!

この俺のような者でも 王子様に救われ改心したのだと…!

 

奴隷商の根城では

 

ファンフェに盗み聞きされたと知り 怒り狂う慕容煕!

奴はきっと タムドクを捕えていると…!

 

慕容煕が 隠れ家に迫っているとも知らず

ファンフェは タムドクたちの話を盗み聞く

王子と確信したヨソッケとトルピスは 急に敬語を使いかしこまった

そんな2人に 俺たちは友だというタムドク

 

『いいか たとえ貴族の息子でも私の友とは呼ばせない

お前たちだからこそ 私の友と呼べるのだ

私のために命を懸けてくれた だからこそお前たちは私の友なのだ!

大臣も将軍も成し得なかったことを お前たちはしてくれた

だから自分を蔑むな! お前たちだけが 私の友の資格を持つ!』

 

このまま慕容煕に差し出されれば タムドクの命はない

ヨソッケとトルピスもまた 奴隷の身分に逆戻りするか 殺されるかだ

しかしタムドクは 死の瞬間まで諦めるなと 一同を励まし続ける…!

 

『我々はまだ ここにこうして生きている! 決して諦めるな!』

 

タムドクの言葉に励まされ 決して死ぬものかと誓う一同

その姿に満足し笑い出すタムドク 皆もまた つられて泣き笑いするのだった

 

翌朝

 

タムドクたちは 奴隷商の根城に向かって護送された

命からがら逃げた道を 匪賊に囲まれて移動する

 

ヨソッケとトルピスは 途中で用を足したいと言い出し

道から外れ草むらに入ると そのまま見張りを倒し武器を奪う…!

そしてたった2人で戻り 王子を解放しろと叫ぶのだった

 

あまりに命知らずな行動を タムドクが止める

しかし 他の無力な者たちも黙ってはいなかった

タムドクの周りを囲み 人柱になって守ろうとする…!

 

怒り狂った頭は 王子以外を皆殺しにしろと叫ぶ!!!

たとえ斬られようとも 王子を守れと絶叫する者たち!

 

その時!

 

ファンフェが 頭の喉元に剣を突き付けた!!!

突然の仲間割れに タムドクたちも戸惑う

 

『身を隠そうとして 匪賊に身を落とした私だ

しかし 他国の皇子に王子様を売って 国を裏切ることなど出来ない!!!』

 

ファンフェは 辺境の部隊からの脱走兵だった

生き延びるために匪賊になったが このまま匪賊として生きるつもりはない

共に脱走兵として逃げ延びた仲間に向かって 必死に呼びかける!

王子様と共に柵城(チェクソン)へ行き 兵士に復帰しようと!!!

 

後ろ手に捕えていた頭を突き離し 自らの剣をも放り投げるファンフェ

そして仲間たちに 自分で選べと叫ぶ!

 

剣の脅しで従わせるのではなく どう生きるのかを自分で選択させるのだ

汚い金で一生を楽に生きるか 王子と共に行き 再び兵士に戻るのかを…!

 

長い時間を迷っていた者たちが それぞれに剣を拾い始めた

 

『俺は 子供たちが待つ高句麗(コグリョ)へ帰る!』

『俺もだ! 王子様に向かって剣を抜くことは出来ない!』

 

甘い言葉に騙されるなと叫ぶ頭!

戻れば その場で逆賊として殺されると…!!!

 

『私は 高句麗(コグリョ)の民を殺したりはしない!』

 

頭だけが その言葉を信じ切れず 最後は王子に斬りかかり

ファンフェによって斬り殺されてしまった

皆で柵城(チェクソン)へ向かおうとしたその時!

トルピスが 馬の蹄の音が近づいていることに気づく

一向は ファンフェの案内で安全な道に逃げ込んだ…!

 

案内された洞窟には 靺鞨(マルガル)族の武器が隠されていた

ファンフェによれば それらの武器は 後燕から手に入れたものだろうという

 

なぜ後燕の皇子がこの地に来たのか…

靺鞨(マルガル)族に武器を運び 奴隷市場に立ち寄ったのではないかと…!

 

『この武器の他に 馬が60頭ほどいます

高句麗(コグリョ)のために役立ててください!』

 

身を隠すために匪賊になったというファンフェ

タムドクは この者が何者なのかと興味を持つ

 

『私の名はファンフェと申します

李春城(イチュンソン)の城主に仕える副将でした

無実の罪を着せられ 匪賊になって生き延びました!

どうか 私と部下たちを受け入れてください!!!』

 

そこへ 偵察に出ていたファンフェの部下が戻る

ムカプと慕容煕は 匪賊の隠れ家を焼き討ちしたが

慕容煕だけは そのまま後燕に戻るようだという

タムドクを諦め 突然に後燕へ戻るなどあり得ない…!

 

『戦が起きるとのことです!!!』

『何? 戦だと?!!!』

 

靺鞨(マルガル)族は 手に入れた武器で 柵城(チェクソン)へ向かい

戦を始めようとしていたのだった…!

2万の兵を率い 柵城(チェクソン)を攻撃していた!!!

 

高句麗(コグリョ)の王宮では

 

いつの間にか勢力を拡大していた靺鞨(マルガル)族に驚き

たった5千の兵力しかない柵城(チェクソン)が奪われれば

国を揺るがしかねない事態だと 慌てて軍議を開く…!

そして大幢主(テダンジュ)ヨソイが 援軍を率い向かうこととなる

 

※大幢主(テダンジュ):現在の国防長官

 

タムドクは 寝具の布で粗末ながらも軍旗を作り

結成したばかりの“我が軍”を 天(チョン)軍と命名する

そして 忠誠を誓ってくれたファンフェの部隊を仲間に加え

高句麗(コグリョ)を守るべく進軍しようとしていた…!

 

『お前たちはもう奴隷や匪賊ではない!

私と共に戦う天(チョン)軍の兵士となったのだ!

柵城(チェクソン)に向かい 靺鞨(マルガル)族を撃退しよう!!!』

 

靺鞨(マルガル)族の砦では

 

大族長ソルゲチュのもとへ ソルドアンが帰還していた

ソルゲチュは ソルドアンの叔父であり 亡き父の跡を継いでいた

高句麗(コグリョ)人に殺された父の恨みを晴らすべく

柵城(チェクソン)を手に入れ 靺鞨(マルガル)の国を再興しようと!!!

 

柵城(チェクソン)では 城主カンデが 必死に持ちこたえ

援軍はいつ来るのかと喘いでいる!

しかし 国内(クンネ)城からの援軍は 豪雨で足止めされ到着していない

援軍を得る前に 城が陥落しそうな事態に陥っていた

 

兵を率い現れたソルドアン!

最後の柵を突破すれば 柵城(チェクソン)の陥落は時間の問題である

 

その時!!!

 

タムドクが 新たに結成した軍を率い 駆けつける!

“天(チョン)軍”の旗印を見たカンデは 見たことのない軍名に驚く

しかし 援軍であることは間違いないようだ

息を吹き返したように反撃する高句麗(コグリョ)軍!

 

激しい戦いの中 ついにタムドクとソルドアンが対峙する!!!

 

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奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- 第28話 大いなる企て

2018-01-05 07:00:00 | 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- あらすじ

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※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
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 第28話 大いなる企て 

 

キ・ヤンが 飲まず食わずで「内訓」を書き写し もう3日が過ぎた

駆けつけた皇帝タファンが もう出ようと言っても聞こうとしない

自分に出来ることなら何でもすると そばに寄り添うタファンだが…

 

※内訓:仁粋(インス)大妃が編纂した婦女子の修身書

 

『陛下に何が出来ますか? 隣りで「内訓」を読む?でなければ代筆を?

それとも あの者たちを退けてくださるのですか?!

ただ怖いからと その座をお捨てになる陛下に 出来ることはないのです

この私も 陛下のために出来ることはないし その気もありません』

 

書庫の外には 皇后タナシルリが来ていた

後宮の処罰に干渉し 皇帝の威厳を貶めるのかと叫んでいる

タファンは 才人キ・ヤンに拒まれ 皇后に責められ立ち尽くす…

 

※後宮:后妃や女官が住む宮中の奥御殿

 

ひとしきり考えると タファンは 勢いよく書庫の扉を開け放ち

皇后を無視してその場から離れていく…!

取り残されたヤンは 無表情のままポロポロと涙を流し筆を走らせる

無視されたタナシルリは 憎々し気にタファンの後姿を睨むのだった

 

夢中で歩きながら 次第に決意の表情を見せるタファン

そして侍従コルタに 自分は間違っていたと告白する

 

しばらくして 「内訓」百条を百冊書き終えたヤンが 書庫から出てきた

 

『これで 後宮の掟の厳しさが分かったであろう』

『はい皇后様 すべては皇后様のおかげでございます』

 

言葉こそへりくだってはいるが ヤンの目の奥は怒りに満ちている

今にも気を失いそうになりながら 気丈に皇后の行列を見送るのだった

 

皇帝タファンは ヤンがいなくても自発的に文字を学んでいた

すべてを投げ出してヤンと逃げることが 最良の道だと思っていたが

真の意味で力を持ち 皇帝の座を守ってこそ ヤンを守れるのだと

ようやく気づいたタファンであった

 

そこへ コルタが駆けつけ ヤンが無事に書庫を出たと知らせる

タファンは 文字を学んでいることは内密にしろという

ヤンを驚かせ そして喜ばせたいという皇帝の心に触れ コルタも満足げだ

 

『いつまで お声が出ないフリを?』

『丞相が 周囲に譲位を告げる時までだ そこで“ならぬ!”と叫ぶ』

『は… はい王様! 是非ともそうしてくださいませ!!!』

 

遼陽では

 

スンニャンの生存を知ったワン・ユが その居場所はどこかと按じていた

愛するスンニャンを残し 高麗(コリョ)に戻ったあの日

手を振り続けていたその姿が 今も脳裏に焼き付いている

 

心でスンニャンを按じながらも チェ・ムソンの消息を捜すワン・ユ

ムソンは ヨンビスとフクスの前で拷問されていた

密偵として この商団に送り込んだ黒幕を吐けと 執拗に迫るフクス

しかし 痛みに耐えかねて主の名を明かすムソンではない

そうでなければ 自ら密偵に志願するはずがないのだ

 

商団に 奴隷として捕らわれているチョクホが ムソンの居場所を捜し

ついに拷問されている場所を見つけることに成功する

情報は チョクホからシヌ シヌからワン・ユへ報告された

 

ムソンが死にそうだと聞き ワン・ユは 今から商団に行くという…!

策を練るのではなく “正攻法”でいくというのだ

 

商団では

 

おそらくムソンは 死んでも口を割らないだろうというヨンビス

フクスは 最後に火矢を放った者が気にかかるという

この付近で火薬を持っているのは この商団だけ

つまり 商団の中に“裏切り者”がいるのではないかと…!

 

そこへ ワン・ユという者が訪ねて来たと見張り番が知らせに来た

 

“高麗(コリョ)の廃王”が 何の用だと訝しむフクス

ワン・ユは 『部下を救いに来た』と 真正面から要求し

このひと言で すべてを察したフクスは 険しい表情になる

 

しかしフクスは 忍ばせた密偵を 堂々と引き取りに来るという

有り得ない廃王の行動に 度肝を抜かれてもいた

だからと言って仲間を殺され 交鈔を奪った者を許すことは出来ない

 

※交鈔:元の紙幣

 

たちまち取り囲まれ剣を突き付けられるワン・ユ

同行したシヌとチョンバギも その場で取り押さえられた

しかしそれでも ワン・ユは冷静だった

 

『そなたたちは 私を殺せぬ』

『命が惜しくないのか! …殺せ!!!』

 

『ちょっと待てーーーっ!!!』

 

叫んだのはパン・シヌとチョンバギ

この方をどなただと思って!!! と訴える2人だが

ワン・ユが 高麗(コリョ)の廃王だということは 既に知っているフクス

しかしそうではなかった

今やワン・ユは 元の丞相ヨンチョルの 姪の婿なのだ

フクスに 決して自分は殺せぬと言い放った確信は そこにあった…!!!

 

今すぐ殺せと命じたその口で 無礼を詫び ひざまずくフクス

廃王であることは取るに足らないが “丞相の一族”となれば話は違う

 

『早くこの方の部下を解放して差し上げろ!!!』

 

しかし ワン・ユがただ部下を引き取りに来たのではないと察するフクス

是非本題をお話しください!と その場にかしづくのであった

 

大都では

 

快復した才人キ・ヤンが ペガンとタルタルに会っていた

後宮にあれば 皇后の嫌がらせは永遠に続くというタルタル

ヤンは ならば自分の方から 闘いを挑みたいと言い出す

 

『“他を以って過と為す”という教えがあります』

『皇后に 自ら罪を犯させるのですね』

『大罪を犯させ 皇后の座から引き摺り下ろし 印章を奪います

あの者が持つ すべての力を奪い取るのです』

 

タルタルは 十分な準備をし 時を選ぶべきだという

しかしペガンは 戦いに準備などというものはないという

憤りが頂点に達した時 兵士は弓を引き剣を抜くと…!

そして戦うからには 必ず勝たねばならないという

 

ペガンの言葉に満足し 退室するヤン

タルタルは ペガンの考えに納得していない

今のヤンにはまだ 力がなさ過ぎると懸念するが…

 

『すでに我々は ヤンと結託した その力量を信じるべきだ』

 

ヤンは 徹底的にタファンを無視し タファンもまたそれに耐えた

「千字文」をすべて覚えるまでは 独学していることを隠すつもりなのだ

 

イ・ホンダンが 慌ててヤンのもとへ駆けつける

他の側室たちがみな 皇后殿に向かったという

実家から贈られた献上品を 皇后に渡すためだというのだ

 

側室たちには下心があった

毎朝飲まされる薬湯を 是非ともやめていただきたいと懇願する

薬湯を飲み続けていては 決して懐妊できないからだ

しかし ヤンのように拒む勇気がない4人の側室たちは

実家を頼りに 献上品で聞き入れてもらおうとしたのだ

 

しかしこの行為は かえってタナシルリを激怒させる

側室たちは ヨン尚宮に賄賂を渡し 薬湯をすり替えてもらうことに

 

ヨン尚宮は快く引き受け 賄賂を受け取る

しかし これが皇后に知れたら命はないと 賄賂だけを受け取り

側室たちの願いなど はじめから実行する気はなかった

 

才人キ・ヤンは 同じ側室の 才人オ・ソルファに近づき

尚宮に賄賂を渡したことは 大きな過ちだと耳打ちし その場を去る

その言葉に不安を感じたソルファが 自らヤンを訪ねる

 

ヨン尚宮は 誰に従うのが得か 十分に承知している

たとえ賄賂を受け取っても 要求には応じない

側室たちの企てを報告し 賄賂は受けたが言いなりにはならなかったと言えば

むしろヨン尚宮は 皇后に褒められるだろうと

 

才人ソルファは 次第に蒼ざめていく

皇后に知られれば 確実に宮廷から追い出されてしまうと…!

ではどうすれば?

そう聞くソルファの頬を ヤンは 思いっ切り平手打ちする!!!

 

『何するの!!!』

『どうすべきかを 教えて差し上げたのです』

 

ヨム・ビョンスが メバク商団から後宮への献上品を預かってきた

タンギセは そのすべてを皇后タナシルリのもとへ運ぶ

“メバク商団のフクス”の名で献上させたのは 他でもないタルタルである

送り主は誰でもよかった 目的は “献上品”を皇后の手に渡すこと

 

フクスは 才人キ・ヤンを奴隷として売り飛ばした男である

ヤン様はさぞかし憎かろうと タルタルが気を利かせたのであった

 

輝かしい財宝に目を奪われるタナシルリ

その中のひとつでも 側室たちに分け与えるなど 考えもしない

 

そこへ ソ尚宮が 側室の居所で騒ぎが起きていると報告する

タナシルリが駆けつけると 才人キ・ヤンとソルファが殴り合っている

激怒したタナシルリは 側室たちを皇后殿に集めた

 

そこでまた薬湯を飲ませ 当然のごとく飲まないキ・ヤンを

今度こそ皇太后に邪魔されず 死ぬまで痛めつけるつもりでいた

 

皇后殿に行く前 側室たちのもとへ干し柿が届けられる

才人キ・ヤンからの 謝罪を込めた干し柿だと ホンダンが説明する

もとは 貢女出身だとバカにされたヤンが怒り ソルファと喧嘩になったのだ

 

※貢女:高麗(コリョ)が元への貢物とした女性

 

何を今さら!と激怒し 食べようとしない側室たち

しかしソルファは 『朝から何も食べていない』と言い 真っ先に食べた

これこそが ヤンと打ち合わせした策なのであった

 

皇后殿に集められ 薬湯を飲まされる側室たち

いつもであれば飲まないヤンも 思いがけなく飲もうとして器を口元へ

すると突然 才人ソルファが苦しみだし 意識を失って倒れてしまう…!

 

ギョッとするタナシルリ!

薬湯を運んだヨン尚宮も その場で凍りつく!

銀のかんざしを!と叫ぶトクマン

才人ソルファの口に入れたかんざしは黒くなり 毒があることを示した

 

皇后が 側室に強制して飲ませた薬湯に 毒が入っていたとなれば

いくら皇后でも その罪からは逃れられない

皇帝の側室を毒殺すれば 当然のごとく大罪である

 

その騒ぎの中に 皇太后が現れる

そして この件は自らが調査し 真相を突き止めると宣言するのであった

 

皇太后が立ち去ると タナシルリの怒りはヨン尚宮に向けられた

確かに命令は下したが すべてを用意したのはヨン尚宮なのである

しかし ここで騒いだところで解決するはずもない

駆けつけた丞相ヨンチョルは 安心して落ち着かれよ!と娘をなだめる

ヨンチョルは すべて皇太后の企みだと推察していた

 

大明殿に すべての関係者が集められ

ソルファが飲み残した薬湯を 調査官が調べたが 毒は検出されなかった

 

当然のごとく皇后を追求できると思っていた皇太后

しかしこの結果により 皇后が権威を取り戻し

疑いが晴れた今 自ら捜査し 真犯人を追及するという…!

 

ヤンの居所では

 

ペガンとタルタルがうろたえていた

毒まで仕込みながら 皇后の仕業に出来なかったと蒼ざめている

しかし ヤンは余裕の表情で落ち着き払っている

そもそも毒が出ただけでは 皇后のせいには出来なかったと…

 

『“苦肉の計”を使います』

『それは… ヤン様がご自分で犠牲になるというのですか?』

『皇后は 私を犯人にしたいことでしょう

私が囮になってこそ 皇后の印章を奪うことが出来ます』

 

ソルファが毒に倒れたのは ただの伏線に過ぎなかったのだ

 

ヤンの推察通り タナシルリは ヤンを犯人に仕立てようとしていた

罪というのは犯すもの しかし罪人は作るものであると

常日頃から 父である丞相が言っていたことである

 

ヨン尚宮の調べによれば 才人キ・ヤンが 側室たちに干し柿を贈り

ヤンと激しく争っていた才人ソルファだけが 食べたのだという

残りの干し柿は女官たちが食べてしまい 証拠はなくなっている

だからこそ 罪人を仕立てるには都合がいいというタナシルリ

 

『宮中に噂を広めるのだ 信じる者が多いほど 噂は真実味を帯びて来る』

 

<貢女出身とバカにされたヤンが ソルファと争い

その後贈った“毒入り干し柿”で ソルファが倒れた>

 

十分に噂が広まったところで ヤンは 皇太后に謁見する

そして噂通り 毒を仕込んだのは自分だと明かした

 

チャン・スニョンが皇太后殿に出向くと 才人キ・ヤンが帰るところであった

皇太后は 何とも感服した表情で ただただ笑い出すのであった

 

遼陽の妓楼では

 

ワン・ユが フクスを伴い妓楼に現れ ヨンビスに紹介する

2人は いかにも初対面のように挨拶を交わす

 

この妓楼でフクスをもてなすのは メバク商団の頭に会いたいからである

しかし 商団の誰も頭に会ったことはなく フクスでさえ顔を知らないという

ワン・ユとの宴が終わり フクスはヨンビスのもとへ…!

そして頭より届いた“密命”を差し出した

 

<ワン・ユを殺せ>

 

それが 商団の頭から ヨンビスに下された“密命”であった

動揺する気持ちを抑え ヨンビスは夜を待つ

そして この妓楼を宿としているワン・ユの部屋へ向かう…!

 

翌朝 大都では

 

才人キ・ヤンを犯人に仕立てるための 朝礼が始まろうとしていた

いつものように薬湯が運ばれ 側室たちが器を受け取っていく

他の側室たちと同じように ヤンもまた薬湯を飲み干した

 

その様子を じっと睨みつけているタナシルリ

ヤンは 一瞬 ニヤリと笑みを浮かべ… 急に苦しみだし倒れた!!!

 

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大王の夢~王たちの戦争~ 第54話 出征

2018-01-01 08:15:00 | 大王の夢~王たちの戦争~ あらすじ

“散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています

1話~49話はこちらで公開しています

50話より〈gooブログ〉からの公開となります

 

 第54話 出征 

 

百済(ペクチェ)の王宮で 奇妙なことが起きていた

真夜中に鬼が現れ <百済(ペクチェ)が滅ぶ!>と叫んで消えた

そして鬼が消えた場所には 文字が刻まれた甲冑が埋められていたという

 

“百済同月輪 新羅如月新”

~百済(ペクチェ)は満月のようであり 新羅(シルラ)は新月のようなもの~

 

つまり 満月の百済(ペクチェ)は 欠けていくのみ

いつか国運が尽き 滅びゆく運命であると

しかし新羅(シルラ)は 次第に満ちていく月 繁栄していく国であると

 

神宮の巫女は 甲冑の文字を読み解き 大王が酒色に溺れていることを諫める

忠臣をないがしろにし 奸臣を側に置く大王に 天が啓示を授けたと…!

 

もはや 巫女の言葉を真摯に受け止めるウィジャ王ではない

怒り狂ったウィジャ王は 巫女をその場で斬り殺してしまった…!

奸臣たちは 百済(ペクチェ)が栄えるという意味だという

そこでようやく機嫌を直すウィジャ王だった

 

これに対し忠臣フンスは 天の啓示などではないと進言する

百済(ペクチェ)を滅ぼそうとする輩の画策であり

鬼の正体を 徹底的に調べるべきだと…!

 

この進言により フンスは官職を奪われ流刑の身となった

今や 正しいことを進言する忠臣は すべて排除されてしまう

ウィジャ王は 耳に心地よい言葉だけを信じ 酔いしれるばかりだった

 

『誰が何と言おうと 今は太平の世である!!!

この王座に挑む者は皆 大逆罪人なのだ! ウワァッハッハッハ…!』

 

鬼の正体は サムグァンとグングァンであり

ユシンの命令で 謎の甲冑を埋め 流言飛語を流したのだ

百済(ペクチェ)の奸臣たちは既に買収されており

ウィジャ王を翻弄し続けているのだ

 

流刑地へ護送されていくフンスの前に ケベクとファシが現れる

百済(ペクチェ)の現状に絶望したフンスは すべてをケベクに託す…!

 

新羅(シルラ)では

 

上大等(サンデドゥン)クムガンが 病床で危篤となっていた

クムガンは 武烈王の即位に反対した不忠を詫びる

 

※上大等(サンデドゥン):新羅(シルラ)の高級貴族階層の最高官職

 

そんな自分を それでも上大等(サンデドゥン)に任命した武烈王

その聖恩に報いるべく 御霊になっても三韓一統を祈り続けると言い遺し

武烈王に見守られながら この世を去るのだった

 

武烈王は 空席となった上大等(サンデドゥン)の座を

閼川(アルチョン)に要請するが 閼川(アルチョン)は固く辞退し

キム・ユシンこそが その座に相応しいと進言する

ユシンは 閼川(アルチョン)に なぜ拒んだのかと問う

 

『私は 4代の大王に仕え 既に臣下としての道理は果たした

今後は朝廷を離れ 風流を友に余生を送りたい

ユシン公 大業を成すべく大王を補佐してほしい…!』

 

かつては権力の欲に駆られ 道理を見失った閼川(アルチョン)であった

しかし今 そうした“束縛”から解き放たれ 真の意味の衷情を悟ったのだ

 

西暦660年5月

武烈王は キム・ユシンを 出征軍の総大将に任じた

そして5万の兵を率い 百済(ペクチェ)征伐のため 自らも出征する

今まさに 三韓一統を成すための戦いが幕を開けたのであった

 

これを受け 唐の高宗は 蘇定方を大総官 キム・インムンを副総官とし

13万の兵を援軍として派遣する

この当時 最強大国であった唐の出征により

後に 三韓と倭国が参戦する大戦争へと繋がり

東アジアの歴史が 大きく変動していくことになる

 

新羅(シルラ)の出征を受け 百済(ペクチェ)の王宮では

奸臣らがウィジャ王を持ち上げ 敵は恐るるに足らずという

しかし 唐軍が13万の派兵をしたことが気にかかるウィジャ王

 

『チュンチュが唐の力を借りるというのなら

我らは高句麗(コグリョ)と手を組み さらには倭国の兵を呼び寄せる!

今こそ 新羅(シルラ)を滅ぼす絶好の機会なのだ!!!』

 

高句麗(コグリョ)では

 

援軍を請いに来たケベクとプヨ・ユンを迎え ヨン・ゲソムンがいきり立つ!

ゲソムンは 羅唐軍が狙うのは高句麗(コグリョ)だと主張し

高句麗(コグリョ)軍が派兵するのではなく むしろ百済(ペクチェ)軍が

派兵するべきだというのである

 

将軍ケベクは これに真っ向から反対する

ここで莫離支(マンニジ)が判断を誤れば 高句麗(コグリョ)もまた

厳しい立場に追い込まれるだろうと…!

 

※莫離支(マンニジ):高句麗(コグリョ)の政策を総括する最高官職

 

ゲソムンは はっきりとした物言いをするケベクと会談する

そこで 援軍を送ったら 百済(ペクチェ)は何をしてくれるのかと問う

 

『なぜ大義を無視し 実利だけを追求するのですか

派兵を拒むというのであれば 百済(ペクチェ)はそれ以上無理強いはしない

自力で羅唐軍と戦い 百済(ペクチェ)の国運を立て直すまでです!』

 

ケベクの気概を大いに称賛し 我が高句麗(コグリョ)の将帥であればという

しかしケベクは…

 

『私が高句麗(コグリョ)の将帥だったとしたら

まずは君主の命を奪った莫離支(マンニジ)を排除し

王権の立て直しを図るでしょう』

 

ヨン・ゲソムンは 一気に表情を変える

しかし ここで百済(ペクチェ)の将軍とケンカをするわけにはいかない

 

まずは百済(ペクチェ)と手を組み 羅唐軍を撃退し

その上で ケベクの無礼を処断する考えであった

 

百済(ペクチェ)国境付近 新羅(シルラ)陣営では

 

武烈王が 速やかに泗沘(サビ)城を陥落させよと命じていた

戦いを長引かせず 一刻も早くウィジャ王を捕えてこそ

民の苦しみが最小限に済むことを 徹底的に兵士らに周知させよと…!

 

キム・ユシンと太子キム・ボムミンは 唐軍を迎えるべく徳勿島へ向かう

 

蘇定方は 長い船旅の疲れを労うボムミンに なぜ手ぶらなのだと問う

わざわざ助けに来た唐軍に 贈り物も用意していないのか!と一喝し

粗相に扱うなら 今すぐ兵を率いて撤兵するというのだ…!

 

この態度に激怒し いきなり剣を抜くキム・ユシン!!!

新羅(シルラ)の太子に無礼を働き 財物を要求し

皇命を無視し 兵を撤退すると脅迫したことは斬首に値する重罪だと!!!

 

蘇定方は 共に船に揺られてきたキム・インムンになだめられ

ようやく冷静さを取り戻し 部下に剣を下ろせと命ずる

新羅(シルラ)は あくまで属国であるという認識があり

また 考えがあって高飛車な態度で振る舞ったが

ここで撤兵など出来ないことは よく承知しているのだ

 

キム・ユシンもまた ボムミンになだめられ 怒り心頭ながら剣を下ろす

両者が互いに我慢をし 今回のことは不問に付すこととなったが

いかに同盟を結んだとはいえ その結束力は盤石とは言えなかった

 

表向きは 百済(ペクチェ)を討つための援軍だが

おそらく唐の皇帝は 三韓を奪うつもりなのだというユシン

 

その読みは 見事に当たっていた

蘇定方は 皇帝より勅命を受け 三韓を奪うことを念頭に置いている

百済(ペクチェ)を陥落させることが勝利ではなく

すぐにも徐羅伐(ソラボル)へ進軍し 三韓を手に入れるつもりであり

わざと因縁をつけ キム・ユシンと 太子ボムミンの度量を試したのだった

 

※徐羅伐(ソラボル):新羅(シルラ)の首都 現在の慶州(キョンジュ)

 

問題は いかにして唐軍との合流を果たすかであった

唐軍は船で合流地点に向かうが 新羅(シルラ)軍は峡谷を通っていく

そこで百済(ペクチェ)軍の奇襲に遭えば ひとたまりもないのだ

 

将軍フンスは 流刑地からウィジャ王に上奏文を送る

唐軍と平地で戦うことは 自殺行為となるだろう

峡谷で奇襲をかければ 十分に勝算はあると…!

しかし 奸臣たちの手により この上奏文は否定的にとらえられてしまう

流刑の身のフンスは 勝つ方法を知っているのにもかかわらず

ただ百済(ペクチェ)が滅びゆくのを見ているしかないと嘆くのだった

 

唐軍の分の兵糧を持ち 何としても期日までに合流地点に到着せねば

また蘇定方が問題視し 指揮権を奪おうとするのは必至だった

 

フンスから話を聞き 策を練ったはずのケベクは

峡谷ではなく 敢えて平地で勝負を決めると言い出す

おそらく最後になるであろうユシンとの戦いに卑怯な戦法を使いたくない

正々堂々と勝負し勝利したいという ケベクなりの思いがあったのだ

 

出征を前に ケベクは 妻子のもとを訪ねる

これが何を意味する帰省なのか 妻にはすべて分かっていた

世にその名を轟かす将軍ケベクという人物を愛したその時から

妻はどこかで この日が来ることを覚悟していたのかもしれない

 

やがて出征の時

 

ユシンの軍勢が いよいよ峡谷を通る

ここで伏兵に襲われれば たとえ勝つことが出来たとしても

期日まで合流地点に到着することが難しくなる

 

しかし妙であった

必ずここに伏兵を置くべきことは ケベクも承知しているはずなのに

一向に伏兵が現れることもなく 偵察隊は 何の情報もなく戻って来る

 

すると 進行方向からファシが現れ ケベクからの届け物を差し出した

 

ユシンが その包みを開けると 中から血染めの衣服が…!

ファシによれば その衣服は ケベクの妻子のものだという

ケベクは 思いを残さず存分に戦おうと

後ろ髪を引く存在である妻子を 自らの剣により亡き者にしたのだ!!!

 

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