韓国ドラマ 散歩ガイド~散る花と咲く花がいつもここにある~

韓国ドラマを楽しむための解説ブログです
アメーバブログ「散る花と咲く花がいつもここにある」のブログと連携になっています

広開土太王 第14話 天軍の戦法

2018-06-06 14:00:18 | 広開土太王 あらすじ

“散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています

1話~5話はこちらの〈アメーバブログ〉で公開しています

6話より〈gooブログ〉からの公開となります

 

 広開土太王 第14話 天軍の戦法 

 

一体 何という光景を イ・リョン王に見せる羽目になったのか…

タムドクは 言葉を失い 目の前の争そいに息を飲む

 

『直ちに争いをやめよ! やめるのだーーーっ!!!』

 

タムドクの一喝に 天(チョン)軍の者たちが動きを止めた

王様が見ていると気づき 中央軍の者たちも凍りつく

呆れ果て 言葉もなく去って行くイ・リョン王

大将軍コ・ムも 忌々し気に兵士らを睨みつけ 行ってしまった

 

事の重大さに気づき 神妙な表情のファンフェ

しかし トルピスとヨソッケは 自分たちの何が悪い!と居直った

悪いのは中央軍の奴らなのに…! と 悪びれることなく主張する

 

タムドクは 真剣を持ち出し 両者の間に放り投げた

争そいたければ 真剣で戦えばいい! 思う存分殺しあえと…!!!

 

この異常な事態に ヨンサルタが進み出て タムドク王子の前にひざまずく

それに倣い 中央軍の 他の兵士たちも揃ってひざまずき不忠を詫びた

 

なぜ戦わないのかという問いに 我らは戦友であると答えたヨンサルタ

その答えに納得するかどうかは別として とにかく謝罪する中央軍

その光景を眺めながら 天(チョン)軍の者たちには 違和感しかなかった

 

ただひとり ファンフェだけが その違いに気づいていた

天(チョン)軍の者たちは ただただ相手が悪いと言い訳を繰り返したが

中央軍の兵士らは 王子に忠誠を誓い不忠を詫び 自らの過ちを認めたのだ

 

『とにかく あの場では我々が負けたのだ』

『何だと?! 戦ってもいないのになぜ負けるんだ!』

『次こそ徹底的に叩きのめしてやる!!!』

 

こうなることを承知で 天(チョン)軍に招き入れたのだが

トルピスとヨソッケには 中央軍のような教養など微塵もない

ただ血気盛んなだけであり 今回のことを納得させることは難しい

ファンフェは あまりに情けなく 涙ぐんで諭し始めた

 

『お前たちは 王様の前で 王子様に恥をかかせたのだぞ

中央軍の者たちは 先に戦友だと認め 潔く謝罪した

それなのにお前たちは まだ戦う気だと喚いている…!

我々を直に見たいと 足を運んでくださった王様の前で

王子様の顔に泥を塗ったのだと なぜ分からないのか!!!』

 

宮廷内で 敵ばかりの王子なのに 今回の事態はまさしく

王子を糾弾するきっかけを作ってしまったのだと…!

ファンフェの怒りの言葉に ようやく理解し うなだれる2人

 

“戦友”とは 戦場で後方を任せられる仲間という意味を持つ

天(チョン)軍と中央軍は 互いにそうあらねばというタムドク

2人を許し 今回のことは 学ぶためのいい機会だったと励ますが

その瞳の奥には 深刻な翳りがあった

 

朝廷では さっそく天(チョン)軍を弾劾する声が上がる

しかし 彼らが自らの命を懸け 国の存亡を救ったことも事実である

イ・リョン王は 彼らに“軍職”を与えていないことも一因だと考え

軍職に就くことで 責任ある行動をするだろうという

 

これを受け 元は匪賊やだった者に 軍職など言語道断!

高句麗(コグリョ)は笑い者になると 反対の声が上がる

 

ここでタムドクが 契丹(コラン)族や靺鞨(マルガル)族といった

荒くれ者と戦う際には 彼らのような存在が必要だと進言する

厳しい軍律や 過酷な訓練は受けていないが 実践の中で生き抜いてきた

その奔放な戦い方は 訓練では身につかない独特なものであると

 

大将軍コ・ムもまた 大臣たちの反対の声にも理解を示しつつ

別動隊で縦横無尽に動ける特殊軍として 彼らの機動力が必要だと進言した

そして軍職については 両軍に“腕比べ”をさせ 決めるのが妥当であると

 

この決定を さっそくファンフェたちに知らせるタムドク

軍職に就くということは 手柄により 家や土地をもらえることでもある

妻を娶り 家族を持つことも夢ではなくなるのだ

これまでの人生を思えば それこそ夢のような話だが

ファンフェは 単に両軍の競い合いでは済まされないと危惧する

 

勝てば幸いだが もし負けてしまえば 軍職を逃がすだけでなく

またしてもタムドク王子の足を引っ張りかねないと…

 

後燕の首都 中山(ちゅうざん)では

 

タムドクの友人コ・ウンが 部下の知らせでタムドクの生存を知る

というのも 父ケ・ヨンスから 後燕の内情を調べろとの命令が届いたのだ

部下は 国相(ククサン)からの命令書と共にタムドクの手紙も持参していた

 

※国相(ククサン):現在の国務総理

 

ウンにとっては 父の命令書より友の手紙の方が重要だった

その手紙には 後燕の企みが詳しく記されていた…!

 

皇太子 慕容宝(モ・ヨンポ)と 弟の慕容煕が戻り

また 靺鞨(マルガル)族長ソルドアンの報告の裏付け調査が進み

柵城(チェクソン)の戦で タムドクが采配を揮ったことが事実と分かった

 

慕容煕の怒りは プンパルへと向けられる

プンパルは馬小屋の掃除を命じられ かつての部下にも蔑視されていた

この男さえ タムドクの暗殺に成功していれば…!

この男が 襲った現場に号牌(ホペ)を落とさなければ…!!

 

※号牌(ホペ):朝鮮時代の身分証

 

柵城(チェクソン)は今頃 後燕のものになっていたし

兄弟で このような屈辱を味わうこともなかったのだと…!!!

 

その夜 国内(クンネ)城では

 

競い合いに備え 訓練場で必死に訓練する天(チョン)軍

しかし ファンフェのやり方に音を上げ たちまちやる気をなくす兵士たち

そもそも 木刀での訓練に何の意味があるのかと

トルピスが不満を言い出し ヨソッケも やってられない!と座り込む

 

実戦しかしたことのない彼らには “訓練”という概念がない

どんなに剣の腕前があろうと それだけで敵を倒せるわけではないと!

自分より強い相手でも また大きい相手でも

そして 多勢に無勢であったとしても 勝てる方法ならいくらでもあるという

 

トルピスの話を聞き なるほどと感心するファンフェ

天(チョン)軍には 天(チョン)軍にしか出来ない戦術があると気づき

考えを改めるとともに 初めて勝機を見い出すファンフェだった

 

競い合いの当日

 

ヨソイの号令により いよいよ両軍の戦いが始まる

たった1人でも 最後に残った軍の勝利となる

中央軍は ヨンサルタの号令により“方陣”を組む…!

 

※方陣:兵を一定の形態に配置した陣

 

それに対抗する天(チョン)軍は ファンフェの掛け声で身構える…!

華麗に方陣を組む中央軍の守りは固く 全く歯が立たない

天(チョン)軍は 攻撃を仕掛けられないばかりか 徐々に追い詰められていく

 

訓練により 徹底的に方陣が叩きこまれている中央軍は

状況に応じて法人の形を変化させ 守りと攻撃を使い分けていた

しかし天(チョン)軍には ひとつの作戦もなく 闇雲に戦うだけであった

 

無駄な攻撃で体力を消耗し 苛立ち 焦っていく天(チョン)軍

中央軍の兵士たちには 余裕の笑みさえこぼれている

 

やがて 睨み合いの状態になり 戦い方を見失う天(チョン)軍

するとファンフェが前に出て 中央軍に向かい木刀を投げつけた…!

 

『おいお前たち! 靺鞨(マルガル)との戦いを思い出せ!

これまで命を惜しんで戦ったことがあるか? 木刀で戦ったことが?

俺たちに こんな戦いは似合わない! 木刀なんか必要ない!』

 

ファンフェの叫びに やっと本来の自分を思い出し

天(チョン)軍の兵士たちは 使い慣れない木刀と盾を放り投げた!

威勢のいい飛び蹴りの応酬に 中央軍の方陣が破れていく…!

 

卑怯だ!無礼だ!と喚き散らすヨソイ

それを叱りつけるイ・リョン王は すっかり競い合いを楽しんでいる

 

ヨンサルタは 3人ひと組の方陣を組ませ 地道に倒していく作戦に出る

負けじとファンフェが 対抗策を命じていく

 

トルピスの 虎退治の時には風を読むという話や

暴れる馬をおとなしくさせるには 目隠しをするという話から

中央軍の陣を崩すための秘策を考え付く…!

 

『上着を脱いで風上に立て! 上着で地面を叩き埃を舞い上がらせろ!』

 

いかに緻密な方陣を組み 攻守を整えたとしても

埃が舞った目隠しの状態では どうすることも出来ない

この兵法など無視した戦い方に なす術もなく全滅させられる中央軍

こんな卑怯な戦い方を 認めることは出来ないと叫ぶ中央軍の兵士

ヨンサルタも まだ戦えるし まだ負けてはいないと叫ぶ

 

『あなたたちは この国の名誉ある武将ではないのですか!

事態を受け入れずに 意地で戦を続ければ

あなたたちに従う 多くの兵士たちが無駄死にする!

負けを認めるべきだ! 兵士の命ではなく自尊心の方が大事なのですか!』

 

ファンフェの言葉に 負けを認めるしかないヨンサルタ

 

イ・リョン王は 両軍の戦いは勝敗に関わらず素晴らしかったと絶賛し

天(チョン)軍の兵士たちに 酒と食事を振る舞うという

そして明日 約束の軍職を授けると明言した…!

 

ご馳走と酒を振る舞われ 大いに酔いしれるヨソッケたち

ファンフェは これからが始まりなのに… とため息をつくが

先を憂いて不安がっていても始まらないと考え直す

兎にも角にも あの中央軍に勝ったのだ 今はこの勝利を祝おうと…!

 

悔しさと怒りに打ち震え 夜の訓練場で独り稽古するヨンサルタ

そこへ タムドクが現れ ヨンサルタが投げた木刀を拾う

 

『その怒りと悔しさが 己の弱さのためなら 今の怒りを楽しむことだ

しかし つまらない自尊心のための怒りならば 今すぐ鎮めよ

戦友になる彼らを 身分で見下してはならない

国を守るということは いかなる差別も許されないのだ

心の壁を取り払わずして 彼らと戦友にはなれない 共に汗を流すことだ』

 

翌日 天(チョン)軍の兵士たちに 軍職が授けられることとなった

コ・ム大将軍が 今まさに王命を読み上げようとしたその時…!

国相(ククサン)ケ・ヨンスが 軍職は授けられない!と叫ぶ

 

『天(チョン)軍を率いるファンフェは 大罪を犯した罪人です!

しかも 国法に背く逆賊なのです…!!!』

 

にほんブログ村 テレビブログ 韓国ドラマへ
にほんブログ村


広開土太王 第13話 対立の火種

2018-05-16 16:45:00 | 広開土太王 あらすじ

“散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています

1話~5話はこちらの〈アメーバブログ〉で公開しています

6話より〈gooブログ〉からの公開となります

 

 広開土太王 第13話 対立の火種 

 

大幢主(テダンジュ)ヨソイと 城主カンデの会話から

タムドクは 自分を殺そうとした人物が 後燕のプンパルだと知る

そして 全てを知りながら 国相(ククサン)ケ・ヨンスが隠蔽したと…!

 

※大幢主(テダンジュ):現在の国防長官

 

なぜそのようなことになったのか 苦渋の決断であったと代弁するヨソイ

高句麗(コグリョ)と後燕が戦に陥らぬよう 国益を守るためであったと!

 

『何? 国益と申すか! 一国の王子が命を狙われながら

それをもみ消すことの 何が国益だというのだ!!!』

 

王子タムドクは 生死も分からぬ状態であり 半ば絶望視されていた

そんな王子の敵を討つために 戦を起こすより 国の将来を見据えたと!

 

『王子様 過ぎたことはお忘れください 朝廷内の争い事が不快なら…』

『争い事だと?! 王子に向かって言いがかりをつけるのか!!!』

 

怒りに震え ヨソイを斬り捨てようとするタムドク!

城主カンデが 必死に思いとどまらせるのであった

 

国内(クンネ)城

 

イ・リョン王のもとへ タムドク王子生存の知らせが届き

生きていたばかりか 息子の戦功を知り 歓喜する

国相(ククサン)ケ・ヨンスは どういうことかと怒り狂う…!!!

 

※国相(ククサン):現在の国務総理

 

大逆罪にも問われかねない事態に 怖気づく大臣たち

しかしケ・ヨンスは 決して間違ってはいなかったと豪語する!

一歩間違えば 死を以って責任を取らねばならない

ヨソイは 後燕との戦を回避し 国を救ったのであり

決して裏切り行為ではないと言い切るのだった

 

『王様には 事実を伏せるべきです』

『しかし 王子が黙ってはいないでしょう!』

 

タムドクの出方次第で この場の重臣たちはすべて逆賊となる

それでも ケ・ヨンスには絶対の自信があった

イ・リョン王が 朝廷と王子の どちらを頼るかは明白であると…!

 

靺鞨(マルガル)族の陣営では

 

大族長ソルゲチュが危篤状態で 駆けつけたソルドアンと対面している

高句麗(コグリョ)を掃討し 必ずや靺鞨(マルガル)の国を…!と言い遺し

ソルゲチュは 無念のうちにこの世を去る

ソルドアンには 叔父の死を悲しんでいる余裕はない

再び内紛に陥らぬよう 多くの部族をまとめていかねばならないのであった

 

一方 タムドクは 天(チョン)軍を率いて凱旋する

 

頭に過ぎなかったヨソッケは 英雄になった気分で手を振っている

トルピスは この上ない歓迎ぶりに どうしていいか戸惑っている

ファンフェは この素晴らしい事態にさえ 警戒を怠らなかった

 

イ・リョン王をはじめ 王族が顔を揃え タムドク王子を出迎える

 

ケ・ヨンスは タムドクの言動に先立ち 王子の復権を提案した

つまり 一兵卒として柵城(チェクソン)に左遷されたタムドクを

再び国内(クンネ)城に戻し 元の軍職に復帰させようというのだ

 

この提案に異を唱えることもなく 喜んで受けるというタムドク

特にここで 国相(ククサン)と争う気はないようだ

しかしイ・リョン王は タムドクに これまでの経緯を話せと命じる

いつどこで何者に襲撃され 今までどうしていたか…である

 

ホッとしたのも束の間 大臣たちは 固唾を飲んで王子の言葉を待つ…!

 

襲った者の正体は分からないと答えるタムドク

これでもう 事の真相を明らかにしようとする者はいない

しかしタムドクは 真実はいつか明らかにされるとだけ申し添え

ケ・ヨンスと大臣らに対し 警告するのであった

 

その夜 コ・ム大将軍の屋敷では

 

あらためて祝勝の宴が開かれ 王子の生還を心から喜んだ

国相(ククサン)の一派が 王子に何をするか分からないという話題に

コ・ムは 武将たるもの政(まつりごと)に関与してはならないと釘を刺す

 

一方 ケ・ヨンスの屋敷でも

 

大臣らが集まり タムドク王子についての議論がなされていた

決して これで事が収まったとは思っていないケ・ヨンスだが

今は王室の方々を 刺激すべきではないという考えのようだ

 

そこへ タムドク王子が訪ねてきたと 使用人が知らせに来た

ケ・ヨンスは 大臣らを帰し 単独でタムドクと対峙する

 

護衛として同行したトルピスは まるで宮殿だと目を丸くし

ヨソッケは 王宮に呼べばいいのに なぜ一国の王子が出向くのかと首を傾げ

ファンフェは 王子様を立ったまま待たせるとは… と憤慨する

 

それでもケ・ヨンスは タムドクを出迎え

丁重な挨拶で屋敷内に招き入れた

 

無意味な挨拶を省略し タムドクは用件だけを告げる

自分が襲撃された場所で見つかったという プンパルの号牌(ホペ)

それを返してもらいたいだけであると…!

 

※号牌(ホペ):朝鮮時代の身分証

 

その号牌(ホペ)は すでに後燕の皇太子に渡したというケ・ヨンス

しかし そうすることで賠償金を請求することが出来 戦も回避できたと

王子様の命を軽んじたのではなく あくまでも国を救ったと主張する

 

タムドクは それが問題なのではない! と突っぱねた

 

なぜすべてを 王と朝廷に公開し 王の判断を仰がなかったのか

なぜすべての采配を 国相(ククサン)ひとりの独断で決めるのか

それは即ち 一国の王を軽んじる大逆罪であり

国同士の交渉であるべき内容を 国相(ククサン)相手にまとまた後燕は

今後 我が国と この国の王を軽んじることだろうと…!

 

みるみる表情が変わり 蒼ざめていくケ・ヨンス

苦々しい表情で いずれこの問題の是非は 民が判断するだろうと答える

 

いつの日か その所業を… 国相(ククサン)に罪を問うべきであると

必ず民が願う時が来ると言い残し タムドクは去って行く

 

王の信頼を得て 全てを思いのままにしてきたケ・ヨンスは

これほどまでに侮辱されたことはなかった

 

靺鞨(マルガル)の 新たな大族長となったソルドアンは

高句麗(コグリョ)を討つため 協力を得ようと 後燕に向かっていた

策士パンチョは 大国に協力を求めるのは得策ではないと進言する

また 使臣を立てるべきであり 大族長が 直接出向くべきではないという

 

しかしソルドアンは どんな手を使ってでも高句麗(コグリョ)を倒すと言い

そのためには 自らが行って思いを伝える方が早いと言って譲らない

戦場で暴れてきたソルドアンは 政(まつりごと)を知らない

直感だけで 一瞬一瞬を戦って生き抜く 戦士の考えだけが全てであった

 

奴隷商の根城で ソルドアンに面識のある慕容煕が

皮肉にも タムドクの生存を互いに証明することとなった

 

慕容宝(モ・ヨンポ)は プンパルさえタムドクを殺していれば…!と悔やみ

今更ながらに激怒し 牢獄のプンパルを殴りつけた

本人が望むように殺すだけでは どうにも気が収まらず

戦略家としての誇りを奪う 後燕で 最も卑しい職に就かせろと命ずる!

 

国内(クンネ)城では

 

タムドクと共に凱旋したヨソッケたちが 迫害を受け憤っている

天(チョン)軍と 軍隊名こそ立派だが その身なりは物乞いのようだった

 

『お前らには軍職もないのだ! 大きな顔をせずどこかへ消えろ!』

 

兵士として 訓練する場さえ与えられない事態に

ファンフェが 懸命に交渉を続ける

武将同士の規律の心得があるのは ファンフェだけなのである

 

そこへ 大幢主(テダンジュ)ヨソイが現れ 何事だ!と怒鳴る

両者がそれぞれに状況を説明するが ヨソイは聞く耳を持たず

王子の命令と言えども 天(チョン)軍を認める気はなかった

 

ヨソイは あの状況だからこそ 急ごしらえの軍が必要だったのだと

今更 烏合の衆に助けを請う気はないと吐き捨てる…!

 

『その言い草はなんだ!!!』

 

タムドクが現れ ヨソイを一喝した

しかし 中央軍を率いるヨソイも 簡単には引き下がれない

由緒ある中央軍が 鍛錬するための神聖な訓練場に

卑しい者の集まりを 勝手に入れられては困ると言い返す!

 

『この者たちは私の戦友であり 共に戦い柵城(チェクソン)を守った!

この高句麗(コグリョ)を守るため 命懸けで戦った者たちである!

彼らの志の どこが中央軍より卑しいのだ!!!』

 

あくまでも抵抗したかったヨソイではあるが

襲撃の件で負い目を感じていることもあり 天(チョン)軍を認めざるを得ない

軍事を司る立場のヨソイが 天(チョン)軍を認めたと 高らかに宣言し

今後は天(チョン)軍も 高句麗(コグリョ)の立派な軍隊であるというタムドク!

 

しかしこの一件で 他の大臣らに責められることとなってしまう

天(チョン)軍は あくまでの王子の私兵であると 大臣の誰もが思っていた

 

好きにさせるべきではないという声が上がるが ケ・ヨンスは鼻で笑う

威張るなり何なり せいぜい好きにさせるがいいというのだ

いずれ 天(チョン)軍を名乗る彼らが 王子の足を引っ張ることになると…

 

タムドクは 天(チョン)軍の者たちを 奔放に教育していく

厳しい軍律の中で鍛錬する 中央軍の者たちには それが我慢ならない

しかし 今は馴染めなくとも いずれ戦場で助け合える仲になれるという

 

第一王子タムマンは そんな弟の考えに釘を刺す

中央軍は 名家の子息が多く 自尊心の高さも相当である

氏素性の知れぬ者たちと同等にされることに 必ず反発するだろうと

 

確かに 兄やコ・ム大将軍の懸念も分かるが

生きるために学んだ剣術や武術は 基本の型にはない力があり

きっと戦の時に役立つというタムドク

 

その言葉に 是非彼らの実力を見てみたいというイ・リョン王

それなら今すぐにでも! と 訓練場へ父王を案内するタムドクだが

中央軍と 天(チョン)軍の間で 今にも揉め事が起きようとしていた…!

 

にほんブログ村 テレビブログ 韓国ドラマへ
にほんブログ村


広開土太王 第12話 友と敵

2018-04-09 07:00:00 | 広開土太王 あらすじ

“散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています

1話~5話はこちらの〈アメーバブログ〉で公開しています

6話より〈gooブログ〉からの公開となります

 

 広開土太王 第12話 友と敵 

 

『たとえ友でも 我が高句麗(コグリョ)を攻撃する者は許さぬ!』

『もう友でも何でもない! 降参せねば首を取る!!!』

 

そこに 退却命令を知らせる靺鞨(マルガル)族のほら貝が鳴り響く…!

 

柵城(チェクソン)城主カンデ率いる援軍が駆けつけ

ソルドアンは ほら貝の命令に従い 撤退するしかなかった

陣営に戻ったソルドアンは なぜ退却命令を出したのかと憤る

大族長ソルゲチュは 隊列が乱れ 策士パンチョが判断したと説明する

高句麗(コグリョ)の王子を人質に出来たのに!と悔しがるソルドアン

 

ソルゲチュは 明日にも柵城(チェクソン)に総攻撃だと息巻く

策士パンチョもまた 明け方を狙い奇襲をかけると言い出す

これまでのタムドクを見てきたソルドアンは 遅すぎる!と一喝し

王子は どんな策士もかなわぬほどの切れ者であり

たとえ一刻でも 策を練る時を与えてはならぬと叫ぶ…!

 

どんなに言われても ソルゲチュの考えは変わらない

策士パンチョに 絶対的信頼をおいているのだ

実際に接した者でなければ タムドクの凄さが分からない

これまで見たこともない知恵で 敵をも仲間に引き入れ数を増やし

不可能を可能に変えていく豪胆さは 凡人には予測もつかない

 

『叔父上! タムドクを 絶対に甘く見てはなりません!

奴は本当に…! 恐ろしい男なのです!!!』

 

柵城(チェクソン)では

 

天(チョン)軍と名乗る兵士の中に 見知った顔がいると気づくカンデ

ファンフェは 李春城(イチュンソン)の副将だった者であると

なぜこの場にいる!と 声を荒げ剣を抜く!!!

 

『この者は 横領容疑で手配中の者ですぞ!』

 

直ちに捕らえよ!と部下に命ずるカンデ!

しかしタムドクは この者と匪賊がいたからこそ命を救われたという

天(チョン)軍というから城内に入れたのに その正体が匪賊とは…!

 

ファンフェは カンデの前に直立不動し 受け入れてほしいと訴える

無実の罪を着せられ 仕方なく匪賊となったが 王子に助けられた

靺鞨(マルガル)族や 周辺の地理に詳しい者たちであると…!

 

タムドクが 天(チョン)軍を率いて加勢に来なければ

柵城(チェクソン)は 靺鞨(マルガル)族によって陥落されていただろう

城主カンデは 間違いなく斬首され 絶命していたに違いない

 

今は 少しでも多くの兵が欲しいというタムドクに

それでも…! と決心がつかないカンデ

するとファンフェが 鞨(マルガル)族に勝つ策があると言い出す…!

 

『敵は我が軍の3倍の数なのだぞ! それをどうやって勝つというのだ!』

 

靺鞨(マルガル)族の陣営では 策士パンチョ宛てに密書が届く

ソルドアンは タムドクの罠だとすぐに気づいたが

大族長ソルゲチュは 密書の内容に心が揺らぐ

 

〈今夜の奇襲は予定通り行う 約束した通り協力を頼む〉

 

パンチョを疑うより まず疑念を持った大族長を説得するソルドアン

ソルゲチュは 大族長の座を奪われはしないかと 疑心暗鬼になっている

すると戦士ハタが あの突然の退却命令の指示も妙だと言い出した

高句麗(コグリョ)の王子を人質に出来たのに…と!

 

明け方の奇襲を狙っているのに 夜襲をかけられたらひとたまりもない

すぐにも攻撃をというハタに それこそ敵の思う壺だというソルドアン…!

 

しかし 口論をしている間にも ソルチが 敵襲だと叫んで知らせに来る!

 

靺鞨(マルガル)の見張りが敵襲だと思い込んだのは

ファンフェが先頭に立つ 匪賊の者たちであった

少数の人数で 太鼓や鐘を打ち鳴らし 暗闇の中を大騒ぎで歩いている

トルピスとヨソッケは これで見つかったら殺される!と怒り出す

 

『敵からいくら貰ってこんなことをする!』

『お前らは 金のためなら何でもするんだろ!』

 

すると前方から 靺鞨(マルガル)の軍勢が現れる

ファンフェは 2人に黙るように言い 暗闇の敵に向かって叫んだ

 

『パンチョ将軍!話が違うぞ! 後方に回り大族長を捕えるのでは?!

俺はファンフェだ! 武器を横流ししてくれて助かったぞ!』

 

そういえば 後燕からの戻り道 匪賊に襲われたと話すソルチ

それでは… やはりパンチョは敵と通じていたというのか…!

 

『パンチョ将軍! なぜ返事をしない!

大族長を捕えたら 火矢で合図を送るんだろ!!!』

 

怒り狂ったソルゲチュは 皆殺しだ!と叫ぶ

敵に計画がバレたぞ!と叫び ファンフェは一目散に逃げ出した

 

『一体どうなってるんだ! これじゃ勝てるわけがない!』

『トルピス! 死にたくなかったら今は逃げるしかない!』

 

トルピスとヨソッケは 何が何だか分からないまま ファンフェの後を追う

ファンフェは 敵に見つかりやすい場所に 持参した剣を捨て走り去る

その剣は 以前 匪賊に奪われたはずの 後燕の剣であった

 

こうなっては ソルドアンも 罠だとは言い切れなくなった

陣営に戻ったソルゲチュは 直ちにパンチョを捕えた

敵が 仲違いさせようと 離間策を使ったのだと訴えるパンチョ!

しかし パンチョが 匪賊に奪われたと言っていた後燕の剣を

なぜ高句麗(コグリョ)の兵士が持っていたのか…!

ソルゲチュは この剣を裏切りの証拠として パンチョを斬首するという!

 

ソルドアンは 叔父ソルゲチュに対し 慎重を期すよう進言する

パンチョという男は 自らの部族を説得し 靺鞨(マルガル)に合流した

この者を殺せば 大族長は信頼を失い 離脱する者も多く出てしまうと…!

 

ソルゲチュは 斬首を諦め パンチョを投獄するが

それでも パンチョを解放しろと騒ぎ出す者が大勢現れ

靺鞨(マルガル)の陣営では 内紛が起き始めた

 

あらゆる部族が結集して 靺鞨(マルガル)族が作られた

したがって 大族長の座は すべての部族が狙っているともいえる

内紛を起こさせることは 実は容易いことだったのだ

 

『今の靺鞨(マルガル)族は 大族長が力づくで統括している

しかし部族間の信頼は薄く 頼ってきた策士を捕えたということは

今後 混乱を治めるのは容易ではないということです』

 

ファンフェの説明に納得し カンデは これで援軍の到着を待てるという

しかしタムドクは すぐにも攻撃すると言い出した

団結できぬなら ただの烏合の衆だが あらたに結束すれば強敵となる

そうなる前に 先制攻撃を仕掛けるというタムドク…!

 

『ファンフェの策は命懸けだった! 私も自ら命を懸け先頭に立つ!

そなたはどうする! 共に先頭に立つか!それともここで見ているだけか!』

 

決断を迫られたカンデは 即答できずに考え込む

 

靺鞨(マルガル)族の陣営では 内紛が本格化していた

パンチョを投獄した 大族長への怒りが爆発したのである

そこへ 敵襲の知らせが入り 出陣せよと命じる大族長ソルゲチュ!

しかし命令に従わず 陣営から逃げ出す部族が後を絶たない!

 

ソルドアンは 妹ソルチに大族長を逃がせと命じ

時間稼ぎのため 自ら戦いの最前線へ躍り出る!!!

 

ここで再び タムドクとソルドアンが 剣を交え戦うことになるのだった!

一度は友と認めたソルドアンを タムドクは殺したくなかった

しかし もう後には引けないソルドアン…!

 

一方 ソルチの護衛で逃走した大族長ソルゲチュは

ファンフェの追撃を受け 胸に矢を受け落馬してしまう…!

大族長を守ろうと ファンフェに斬りかかるソルチ!

 

決死に戦うソルチだが 絶体絶命となってしまう…!

そこへ現れ 窮地を救ったのは 策士パンチョであった

ソルゲチュは すべてが誤解だったのだと気づき 策に嵌められたと嘆く

戦いをパンチョに任せ ソルチは 深手を負った大族長と共に逃走する

 

タムドクは ソルドアンを斬らず 生け捕りにした

かつては共に戦った トルピスとヨソッケが連行していく

 

後燕の皇宮では

 

帰還した慕容煕が タムドクは生きていると報告し

慕容垂(モ・ヨンス)は 激怒して皇太子を怒鳴りつける!

確かに毒矢を撃ち込んだというプンパルに

タムドク本人と剣を交えてきたのだぞ!と憤慨する慕容煕

 

王命を果たせないはかりか 高句麗(コグリョ)への賠償を約束させられ

殺したと豪語していたタムドクは 生きているという

王子を狙ったことが 高句麗(コグリョ)に知れれば ただでは済まない

何ひとつ期待に応えられない皇太子に 深く失望する慕容垂(モ・ヨンス)

今回の責任を取る形で プンパルは 官職を剥奪され投獄された

 

柵城(チェクソン)では

 

軍馬600頭と 千人もの捕虜を得て 城主カンデは狂喜していた

タムドクは 逃げた残党を深追いはするなと命じる

高句麗(コグリョ)の勝利は 遊牧民が噂で広めてくれるはずだと

 

要は 勝利したことであり これ以上の争いは恨みを買うだけだとし

大族長を取り逃がしたファンフェに対しても よくやったと称賛する

ファンフェの策がなければ 今回の勝利はなかったからである

 

靺鞨(マルガル)族の大族長 ソルゲチュを騙せた要因には

ファンフェが持っていた剣が関係している

その剣は 明らかに後燕で作られたものであった

この戦に後燕が関わっているという 証明にもなるのだ

それを知り 表情が曇る城主カンデであった

 

そこへ コ・ム大将軍率いる援軍が到着する

 

国内(クンネ)城では タムドクの生死は もはや絶望視されていた

まさかここで 元気な王子の姿を目にするとは 思いもしない一同…!

一体 誰の仕業で身に危険が及んだのか…!

モ・ドゥヨンとモ・ドゥルの父子が 激怒して聞く

タムドクは この場での明言を避けた

 

王子の生存と戦の勝利 そして 天(チョン)軍の旗印

満足そうにうなずくコ・ム大将軍

しかし 大幢主(テダンジュ)ヨソイは 複雑な表情になるのだった

 

※大幢主(テダンジュ):現在の国防長官

 

コ・ム大将軍は 捕虜を国内(クンネ)城へ護送せず この場で断罪するという

そして 処分の決定権を 城主カンデとタムドクに託す…!

天(チョン)軍の援護がなければ勝てぬ戦であったことから

カンデは タムドクに一任し 従うことを誓った

 

ソルドアンは 戦に負けたのだから さっさと殺せ!と喚き

かつて友だった者の命を 奪うことは出来ないというタムドク

王子に対し無礼な口を利くソルドアンを 斬れと命じるカンデだが

タムドクは 決して斬らせはしないと叫ぶ…!

 

大幢主(テダンジュ)ヨソイの急報で タムドクの生存を知るケ・ヨンス

王子暗殺の企てが 後燕の仕業であると 大臣たちは知っていた

“邪魔者”が消えてくれたことを利用し 後燕に賠償を約束させたのだ

タムドクに追及されれば 反逆罪に問われても仕方ない

邪魔な王子を柵城(チェクソン)に追いやったことも弾劾されるだろう

大臣たちは 全てを知る柵城(チェクソン)城主の口封じを画策する!

 

柵城(チェクソン)では

 

タムドクが すべての靺鞨(マルガル)族を解放すると言い放つ…!

あり得ない処分に カンデが猛反対する

将軍コ・チャンも 全員の斬首を!と叫ぶ…!

 

『この者たちを殺せば 我が国への非難が高まる!

この果てない戦を終わらせるには 高句麗(コグリョ)の民にすべきだ!』

 

ソルドアンにとっては 生き恥を晒すような処分である

コ・ム大将軍は この決定の成り行きを 冷静に見守っている

 

『靺鞨(マルガル)の者たちよ!よく聞くのだ

高句麗(コグリョ)は 何事も暴力に訴えるようなことはしない!

私は国王の 常に民を慈しめという教えに従う!

しかし! また同じことを繰り返せば今度こそ! 誰であろうと許さない!』

 

命懸けで戦い ようやく捕えたのに 解放するとは…!!!

トルピスたちは この決定を どう受け止めていいのか戸惑うばかり

解放せよ!と叫ぶタムドクだが すぐに従えない兵士たち

タムドクは 自ら進み出て ソルドアンの縄を切る!

 

『この縄のように 我々の悪縁も断ち切るべきだ!』

 

ただ 縄を切っただけではない

タムドクは 奪っていた剣を差し出し ソルドアンに渡した

 

『この剣を使い 全部族を守ってやるのだ そして馬も返そう!

狩りをして 牧畜で暮らしていくために必要であろう

二度と我が国を攻めず 生きていくがいい!』

 

『随分と… 余裕があるのだな!』

 

度量の大きさを見せつけられ ソルドアンは 誇りを傷つけられていた

立ち去ろうとしていたタムドクが振り返り じっとソルドアンを見据える

不信感の塊でしかないソルドアン その心を変えたいのだと…!

 

『ここで今 解放したことを 必ず後悔させてやる!!!』

 

決して心を開かない ソルドアンの言葉を受け止め

その後姿を いつまでも見つめるタムドクであった

 

こうしたタムドクの判断に 唯一理解を示したのは ファンフェだった

小部族が結集し 構成されている靺鞨(マルガル)族

この巨大な部族を 武力で制することは到底できないのだと

 

天(チョン)軍を率い 国内(クンネ)城へ戻ろうとするタムドク

城主カンデに挨拶しようとして 中から聞こえる会話にハッとする…!

ヨソイが ケ・ヨンスの意向を伝えに来ていたのだ

タムドクが襲われた場所に プンパルの号牌(ホペ)が落ちていたことは

決して口外してはならないと 釘を刺すためである

 

※号牌(ホペ):朝鮮時代の身分証

 

全てが明かされれば ケ・ヨンスたちは 間違いなく反逆の罪に問われる

しかしカンデは 後燕の悪事を王様に伝えるべきだと主張する!

これを聞いたタムドクは激怒し 扉を蹴破った!!!

 

『一体 国相(ククサン)は何を知っているというのだ!!!』

 

にほんブログ村 テレビブログ 韓国ドラマへ
にほんブログ村


広開土太王 第11話 王子の人望

2018-01-10 07:00:00 | 広開土太王 あらすじ

“散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています

1話~5話はこちらの〈アメーバブログ〉で公開しています

6話より〈gooブログ〉からの公開となります

 

 広開土太王 第11話 王子の人望 

 

今にもタムドクの首を斬ろうとする匪賊の頭!

その剣を止めたのは ファンフェという男だった

たかが奴隷に 300両の身代金とは 絶対に何かある

まだ殺さずに待っていれば もっと値が上がるというのだ

 

『必ず2倍… いや3倍にはなるはずです!』

『何だと?! 3倍?!!!』

『ひょっとしたら 10倍になるやも!

もはや“3,000両”は我が手にある 殺してはなりません』

 

金づるのタムドクさえ手に入れれば 他の者に用はない

しかし口外され 他の匪賊に知れぬよう 全員を捕えては?というファンフェ

もはや頭は ファンフェの言いなりだった

 

トルピスとヨソッケは ここで戦っても勝てないと悟り 言いなりになる

しかしタムドクは 同じ高句麗(コグリョ)人を売るのかと叫ぶ!!!

 

『俺たち罪人は 国を追放された“匪賊”なんだ!

捕まればどうせ殺される! 国なんて関係ないんだよ!!!』

 

隠れ家に着くと ファンフェが タムドクに剣を突き付ける!

なぜ後燕の皇子が 身代金まで懸けて捜すのか その正体が気にかかる

するとヨソッケが横入りし こいつはただの狩人だという

 

“高句麗(コグリョ)の王子”だと聞いて あり得ないと笑ったが

身代金の額から言って 本当なのかもしれない

そう思ったヨソッケが 咄嗟に庇ったが ファンフェは信じない

たかが奴隷にも ただの狩人にも 300両の身代金は有り得ないのだ

 

するとファンフェが 柵城(チェクソン)周辺の村へ行き

タムドクの正体を突き止めて来るという

真の正体を知らねば 後燕の皇子に対し 値を吊り上げられないと…!

 

村で タムドクの人相書きが貼られているのを目撃するファンフェ

そこで タムドクを捜しているのは後燕の皇子だけではないと知る

貼り紙には “行方を知る者は柵城(チェクソン)に知らせよ” とあったのだ

 

一方 奴隷商の根城では

 

慕容煕がしびれを切らし ムカプを怒鳴りつけている…!

そこへ 見張りの目を盗み忍び込んだファンフェが 聞き耳を立てる

なぜ“高句麗(コグリョ)の王子”だと隠して捜すのか…

いくら特徴を書いても それだけで捜すのは難しいというムカプ

 

『高句麗(コグリョ)の王子を300両で捜せるか! 10倍の値でも難しい!

この後燕の皇子が 高句麗(コグリョ)の王子を狙っていると知れたら?

高句麗(コグリョ)の匪賊が 王子を庇うこともある!』

 

それについては心配無用!というムカプ

金のためなら何でもするのが匪賊! 庇うことは決してないと断言する

 

そこまで盗み聞いたところで ファンフェは見張りに見つかってしまう!

ムカプは 慌てて逃げ出す後姿が ファンフェであると気づく…!

 

隠れ家に戻ったファンフェは 何も分からなかったと報告するが

大々的に報じられたタムドクの貼り紙は 既に頭の手にあった

高句麗(コグリョ)の王子なら 1万両の価値はあると言い出す

皆に握り飯が配られる中 “尊いお方”にはお膳が用意された

その扱いで ヨソッケたちは タムドクの正体が知られたと気づく

 

だが頭は タムドクが王子と知っても 乱暴に殴りつける!

命こそ奪わないが 丁重に扱う気はさらさらなかった

 

『無礼者め! だがお前のような匪賊を野放しにしたのは私の罪!

このような目に遭うのは当然のことと理解しよう!

だがよく聞け! 私を売った金で生涯を生きるか

それとも 私と一緒に柵城(チェクソン)へ行くか!

たとえ一度でも 高句麗(コグリョ)の民だったなら

再び高句麗(コグリョ)の兵士になる機会を得るのだ!!!』

 

罪を犯し国を追われ 匪賊に身を落とした頭は 容易に信じない

しかしファンフェは 必ず約束を守るという言葉に 心が揺れ始めていた

 

王子と知り 1万両でも請求できると豪語する頭

しかし 柵城(チェクソン)へ行って 兵士になれるという保証はない

後燕の皇子に引き渡し 確実に300両を得れば それでも一生安泰なのだ

匪賊となり 辛酸をなめ尽くした頭には 目先の300両の方が重要であった

 

ここでトルピスが 涙ながらに叫ぶ

自分たちは 王子を守り名誉の死を遂げられるが

王子を売るお前たちは 一生逆賊の汚名を着て生きるのだと…!

 

殴りつけられるトルピスを庇い ヨソッケも抗議する!

この俺のような者でも 王子様に救われ改心したのだと…!

 

奴隷商の根城では

 

ファンフェに盗み聞きされたと知り 怒り狂う慕容煕!

奴はきっと タムドクを捕えていると…!

 

慕容煕が 隠れ家に迫っているとも知らず

ファンフェは タムドクたちの話を盗み聞く

王子と確信したヨソッケとトルピスは 急に敬語を使いかしこまった

そんな2人に 俺たちは友だというタムドク

 

『いいか たとえ貴族の息子でも私の友とは呼ばせない

お前たちだからこそ 私の友と呼べるのだ

私のために命を懸けてくれた だからこそお前たちは私の友なのだ!

大臣も将軍も成し得なかったことを お前たちはしてくれた

だから自分を蔑むな! お前たちだけが 私の友の資格を持つ!』

 

このまま慕容煕に差し出されれば タムドクの命はない

ヨソッケとトルピスもまた 奴隷の身分に逆戻りするか 殺されるかだ

しかしタムドクは 死の瞬間まで諦めるなと 一同を励まし続ける…!

 

『我々はまだ ここにこうして生きている! 決して諦めるな!』

 

タムドクの言葉に励まされ 決して死ぬものかと誓う一同

その姿に満足し笑い出すタムドク 皆もまた つられて泣き笑いするのだった

 

翌朝

 

タムドクたちは 奴隷商の根城に向かって護送された

命からがら逃げた道を 匪賊に囲まれて移動する

 

ヨソッケとトルピスは 途中で用を足したいと言い出し

道から外れ草むらに入ると そのまま見張りを倒し武器を奪う…!

そしてたった2人で戻り 王子を解放しろと叫ぶのだった

 

あまりに命知らずな行動を タムドクが止める

しかし 他の無力な者たちも黙ってはいなかった

タムドクの周りを囲み 人柱になって守ろうとする…!

 

怒り狂った頭は 王子以外を皆殺しにしろと叫ぶ!!!

たとえ斬られようとも 王子を守れと絶叫する者たち!

 

その時!

 

ファンフェが 頭の喉元に剣を突き付けた!!!

突然の仲間割れに タムドクたちも戸惑う

 

『身を隠そうとして 匪賊に身を落とした私だ

しかし 他国の皇子に王子様を売って 国を裏切ることなど出来ない!!!』

 

ファンフェは 辺境の部隊からの脱走兵だった

生き延びるために匪賊になったが このまま匪賊として生きるつもりはない

共に脱走兵として逃げ延びた仲間に向かって 必死に呼びかける!

王子様と共に柵城(チェクソン)へ行き 兵士に復帰しようと!!!

 

後ろ手に捕えていた頭を突き離し 自らの剣をも放り投げるファンフェ

そして仲間たちに 自分で選べと叫ぶ!

 

剣の脅しで従わせるのではなく どう生きるのかを自分で選択させるのだ

汚い金で一生を楽に生きるか 王子と共に行き 再び兵士に戻るのかを…!

 

長い時間を迷っていた者たちが それぞれに剣を拾い始めた

 

『俺は 子供たちが待つ高句麗(コグリョ)へ帰る!』

『俺もだ! 王子様に向かって剣を抜くことは出来ない!』

 

甘い言葉に騙されるなと叫ぶ頭!

戻れば その場で逆賊として殺されると…!!!

 

『私は 高句麗(コグリョ)の民を殺したりはしない!』

 

頭だけが その言葉を信じ切れず 最後は王子に斬りかかり

ファンフェによって斬り殺されてしまった

皆で柵城(チェクソン)へ向かおうとしたその時!

トルピスが 馬の蹄の音が近づいていることに気づく

一向は ファンフェの案内で安全な道に逃げ込んだ…!

 

案内された洞窟には 靺鞨(マルガル)族の武器が隠されていた

ファンフェによれば それらの武器は 後燕から手に入れたものだろうという

 

なぜ後燕の皇子がこの地に来たのか…

靺鞨(マルガル)族に武器を運び 奴隷市場に立ち寄ったのではないかと…!

 

『この武器の他に 馬が60頭ほどいます

高句麗(コグリョ)のために役立ててください!』

 

身を隠すために匪賊になったというファンフェ

タムドクは この者が何者なのかと興味を持つ

 

『私の名はファンフェと申します

李春城(イチュンソン)の城主に仕える副将でした

無実の罪を着せられ 匪賊になって生き延びました!

どうか 私と部下たちを受け入れてください!!!』

 

そこへ 偵察に出ていたファンフェの部下が戻る

ムカプと慕容煕は 匪賊の隠れ家を焼き討ちしたが

慕容煕だけは そのまま後燕に戻るようだという

タムドクを諦め 突然に後燕へ戻るなどあり得ない…!

 

『戦が起きるとのことです!!!』

『何? 戦だと?!!!』

 

靺鞨(マルガル)族は 手に入れた武器で 柵城(チェクソン)へ向かい

戦を始めようとしていたのだった…!

2万の兵を率い 柵城(チェクソン)を攻撃していた!!!

 

高句麗(コグリョ)の王宮では

 

いつの間にか勢力を拡大していた靺鞨(マルガル)族に驚き

たった5千の兵力しかない柵城(チェクソン)が奪われれば

国を揺るがしかねない事態だと 慌てて軍議を開く…!

そして大幢主(テダンジュ)ヨソイが 援軍を率い向かうこととなる

 

※大幢主(テダンジュ):現在の国防長官

 

タムドクは 寝具の布で粗末ながらも軍旗を作り

結成したばかりの“我が軍”を 天(チョン)軍と命名する

そして 忠誠を誓ってくれたファンフェの部隊を仲間に加え

高句麗(コグリョ)を守るべく進軍しようとしていた…!

 

『お前たちはもう奴隷や匪賊ではない!

私と共に戦う天(チョン)軍の兵士となったのだ!

柵城(チェクソン)に向かい 靺鞨(マルガル)族を撃退しよう!!!』

 

靺鞨(マルガル)族の砦では

 

大族長ソルゲチュのもとへ ソルドアンが帰還していた

ソルゲチュは ソルドアンの叔父であり 亡き父の跡を継いでいた

高句麗(コグリョ)人に殺された父の恨みを晴らすべく

柵城(チェクソン)を手に入れ 靺鞨(マルガル)の国を再興しようと!!!

 

柵城(チェクソン)では 城主カンデが 必死に持ちこたえ

援軍はいつ来るのかと喘いでいる!

しかし 国内(クンネ)城からの援軍は 豪雨で足止めされ到着していない

援軍を得る前に 城が陥落しそうな事態に陥っていた

 

兵を率い現れたソルドアン!

最後の柵を突破すれば 柵城(チェクソン)の陥落は時間の問題である

 

その時!!!

 

タムドクが 新たに結成した軍を率い 駆けつける!

“天(チョン)軍”の旗印を見たカンデは 見たことのない軍名に驚く

しかし 援軍であることは間違いないようだ

息を吹き返したように反撃する高句麗(コグリョ)軍!

 

激しい戦いの中 ついにタムドクとソルドアンが対峙する!!!

 

にほんブログ村 テレビブログ 韓国ドラマへ
にほんブログ村


広開土太王 第10話 脱走

2017-11-20 07:00:00 | 広開土太王 あらすじ

“散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています

1話~5話はこちらの〈アメーバブログ〉で公開しています

6話より〈gooブログ〉からの公開となります

 

 広開土太王 第10話 脱走 

 

慕容煕が見物する中 タムドクとトルピスが戦うこととなった

タムドクは 絶対に剣を抜くなと トルピスの耳元で囁く

こんなバカげた戦いは 絶対にしてはならないと…!

 

奴隷商頭ムカプが この者らは皆脱走しようとした者たちで

ひとりの奴隷の密告により 危うく砦が焼かれるのを防げたと話す

これを聞いた慕容煕が その密告した者は誰かと興味を持った

そして 裏切り者のヨソッケが高句麗(コグリョ)人と知り

奴隷として買うと言い出した…!

もう自分は奴隷じゃないと言い返すヨソッケだが

ムカプは 即座に銀10両!と叫んだ

 

密告の条件として 奴隷を解放され 砦で働きたいと言っていたヨソッケ

しかし次の戦いは すべての奴隷に恨まれているヨソッケが

その奴隷たちと順番に戦うことを提案する慕容煕

すでに慕容煕に買われたヨソッケは ただ従うしかないのだ

 

まずはタムドクとトルピスの戦いだ

予告通り タムドクは戦意を示さない

まだ死にたくないと 真っ先に剣を抜いたトルピス!

しかし その喉元に剣を突き付けても タムドクは微動だにしない

結局トルピスは タムドクに対し 剣を振り下ろすことが出来なかった

 

『ああ分かった 一緒に死のう!』

 

またしても面目が潰れてしまったムカプは 2人を自ら斬り殺すと叫ぶ

すると慕容煕がそれを止め この自分が斬り殺してやると言い出す…!

やはり高句麗(コグリョ)人は 仲間を売るような卑劣な奴なのだと

憎しみをあらわにする慕容煕!

 

その時! 奴隷たちが口々に『殺すな!』と騒ぎ出す

見張りに殴られようが その抗議の叫びは次第に激しくなっていく…!

 

一方 戦う時まで投獄されることになったヨソッケだが

見張りの隙を突き 反撃して牢の鍵を奪う…!

そして 投獄されているソルドアンたちに 逃げろと叫んだ

 

奴隷の身分から何とかして脱却しようと 仲間まで売ったヨソッケ

しかし今度こそ ムカプは信じるに値しない奴だと悟る

次から次へと牢を破り 大勢の奴隷たちを逃がしていく…!

 

そうとも知らず 慕容煕は 犬闘を拒否する2人に

銀300両を賞金にするからと言い出した

 

『戯言を! お前の言いなりになどなるものか!』

『何だと?! ならばこの場で殺してやる!!!』

 

慕容煕が吐き捨てた言葉は 突然の奇声にかき消された!

ヨソッケとソルドアン そして多くの奴隷たちが武器を手に雪崩れ込む!

咄嗟に慕容煕の剣を奪うトルピス!

タムドクも ムカプに反撃し 剣を奪い取った!!

 

『お頭!』

『皇子様!』

 

2人を人質に取られ 身動きできなくなる兵士たち

タムドクは 自分が盾になるから逃げろと叫ぶ!

あるだけの馬にまたがり 残りは必死に走って逃げる奴隷たち!

 

しかし 先頭を走っていたソルドアンとトルピスが突然にたずなを引く!

無言で目配せした2人は 踵を返して砦に戻る!

それを見たヨソッケも 覚悟を決めて引き返した!

 

たとえ自分が死んでも 民を救うのが長だと タムドクは言っていた

今まさに それを実行しようとしている

ソルドアンたちは その思いに気づき タムドクのもとへ戻った…!

 

『なぜ戻ってきた!』

 

『一緒に死ぬと言ったろう!』

『お前だけ死なせないぜ!』

『もう裏切らない! 一緒に死のう!』

 

とは言っても騎乗の者は僅か 走って逃げてもすぐに捕まってしまう!

助かる道はないものかと考えるタムドクに ヨソッケが動く!!!

砦を知り尽くしているヨソッケは 何がどこに在るか熟知していた

そして ムカプのお宝がある建物から火をつけていく…!

 

次々に砦から火の手が上がり 皇子を守るどころではなくなるムカプ!

身の危険を感じた慕容煕は 後燕の皇子に何をする!と叫んだ

それを聞いたタムドクは ほほう?と笑い出す

 

『お前の父 慕容垂(モ・ヨンス)は 鎧兜を捨て逃げて行った!

兄慕容宝(モ・ヨンポ)は 私の足に縋って命乞いしたぞ!

あの無様な姿は忘れられん! ウワッハッハッハ…!』

 

ここでタムドクは 自分が高句麗(コグリョ)の王子であると明かす

ただ者ではないと感じていたが まさか王子様だったとは…

ソルドアンたちは 驚きのあまり言葉を失くす

 

慕容煕を守る兵士の中に タムドクの顔を思い出した者がいた

確かに皇太子は タムドクの息の根を止めたと言っていたのに…!

 

『我こそが北方の死神将軍! 高句麗(コグリョ)の王子タムドクだ!』

 

一瞬の隙を突いて タムドクから離れた慕容煕は 部下の方へと逃げた!

しかし 後燕の皇室を侮辱された憎しみで見境がつかなくなる!

部下の剣を奪い タムドクに挑みかかる慕容煕!

 

『剣が得意のようだな しかしお前に私が倒せるのか?

お前の父と兄を倒したこのタムドクに お前が勝てるわけがない!!!』

 

その言葉通り タムドクは 慕容煕の腕に斬りかかる!

負傷した慕容煕は 半狂乱になりタムドクに向かって行こうとするが

部下たちが必死にそれを止めるのだった

 

こうしてタムドクは 砦から脱出する

必死に走ってついてくる者たちを励ましながら 山越えをしたその時

突然に 馬を手放すと言い出すタムドク

どんなに遠くへ逃げようとも 蹄の跡で追跡されてしまうというのだ

そして無人の馬たちだけを 走らせてしまう

 

とても正気な考えとは思えず どうするのだと詰め寄るヨソッケ!

タムドクは あろうことか来た道を引き返し 砦の反対方向へ逃げるという

我々を追っていて 砦には僅かに人がいるだけ むしろ安全だと…!

 

タムドクの考えに いち早く賛成し 従うと言ったのはトルピスだった

 

『今からお前を大将と呼ぶ! 俺は大将に従う!』

『大将の考えには一理ある 俺も従う!』

 

全員の意見を聞いている暇はなかった

追っ手の蹄の音が大きくなり 咄嗟に茂みの中に隠れる一行!

 

慕容煕を先頭に ムカプたちも追っ手に加わっている

蹄の跡を辿れ!と叫ぶムカプ まさにタムドクの言ったとおりだった

最後まで迷っていたヨソッケは あらためてタムドクに忠誠を誓う…!

 

結局は タムドクらを取り逃がし 激怒して砦に戻る慕容煕

ムカプは 匪賊に声をかけ 必ず奴隷たちを捕えると約束するが

慕容煕にとって他の奴隷はどうでもよかった

憎きタムドクさえ捕えられれば…! 必ずやこの手でタムドクを倒すと!

 

高句麗(コグリョ)国内(クンネ)城では

 

タムドク王子の葬儀をという声が高まり イ・リョン王は絶句する

1ヶ月が過ぎ 絶望的だとは承知知りつつも 遺体もないまま葬儀とは…

やはり納得できないと 葬儀を拒否するイ・リョン王

そして第1王子タムマンが ろくに捜しもせず…と口走る

 

これに反論したのは 大幢主(テダンジュ)ヨソイだった

王子の捜索だけに 兵力を向けてはいられない

靺鞨(マルガル)族が東北の国境を脅かしているのだと…!

 

※大幢主(テダンジュ):現在の国防長官

 

イ・リョン王は 我が子の捜索さえ自由にならない身を悲しみ

コヤ王妃もまた 生死も分からない我が子を思い涙する

 

奴隷商の根城では 匪賊たちが集められていた

ムカプは タムドクという奴を捕えた者に 黄金300両を出すという

人相書きを手に それぞれ出て行く者たち

そんな匪賊の中に ファンフェという男がいる

 

ファンフェは 闇雲に歩いて捜し回らず

タムドクという頭の切れる男が どう考えるかを想像してみる

そして 砦の近くに潜み 追っ手の裏をかいたのではないかと推察した…!

 

その頃 タムドクたちは 高句麗(コグリョ)の国境近くまで来ていた

 

ソルドアンの部下が 今のうちに高句麗(コグリョ)の王子を殺そうという

靺鞨(マルガル)族にとって 宿敵となる国の王子を殺せる好機だと!

しかしソルドアンは そんな部下を一喝する

恩義ある者を殺すなど 2度と口にするなと…!

 

ここで別れようというソルドアンに タムドクも頷く

靺鞨(マルガル)族の長ソルドアンは 高句麗(コグリョ)の敵である

互いに命を助け合い 2度と忘れられぬ友となったが

それぞれの居場所に戻れば 事情も変わって来るのだ

それを承知しながら 別れを惜しむ2人であった

 

ソルドアンが 靺鞨(マルガル)の民を引き連れて去った後

残った者たちは タムドクと共に国境を目指す

国境を目前にしたその時 もう歩けない!と座り込むヨソッケ

長居は出来ないが 皆の疲労を思い 休憩を取るタムドク

 

するとトルピスが 本当に王子なのか?と聞く

慕容煕に対抗し 高句麗(コグリョ)の王子だと言っただけだろうと…

 

どう見ても王子の顔じゃないと ヨソッケが笑い 皆も笑い出す

タムドクは 本当に王子だとは言い張らず 笑いに任せて頷いた

 

もっと休憩させてやりたいが 国境に入るまでは安心できない

タムドクは 皆を励ましながら歩き出す

すると 行く先の地面に次々と矢が撃ち込まれた…!!!

 

一向は たちまち匪賊に囲まれてしまった

ファンフェは 他の者たちに用はないと言い タムドクは名乗れ!と叫ぶ

そして 前に出たタムドクを押さえつけひざまずかせた…!

匪賊の頭が ファンフェの後方から出てきて タムドクに剣を向ける!

 

『今からお前の首を斬り 後燕の皇子様に差し出す!!!』

 

にほんブログ村 テレビブログ 韓国ドラマへ
にほんブログ村


広開土太王 第9話 犬闘

2017-10-05 07:00:00 | 広開土太王 あらすじ

“散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています

1話~5話はこちらの〈アメーバブログ〉で公開しています

6話より〈gooブログ〉からの公開となります

 

 広開土太王 第9話 犬闘 

 

突然に暴れ出したタムドクに抑え込まれ 手下に武器を下ろせというムカプ

しかし一瞬の隙を突き タムドクは再び捕えられた

怒りに任せ タムドクを斬り殺したいムカプだが…

やはり“商品”を傷つけることは出来ない

 

我に返り 他の奴隷たちは皆おとなしいから… と宣伝するが

あの凶暴なタムドクを見てしまうと どうにも手が出ない

買い手たちは ここはダメだ!と言い捨て 帰ってしまった

 

ムカプの怒りの矛先は 人選したヨソッケに向けられる

主人に刃向かう奴隷なんか 売れるわけがないと!!!

 

すぐにも タムドクとヨソッケを 打ち首にしろと喚くムカプ

ヨソッケは 殺されたくない一心で “犬闘”をさせてほしいと懇願する

それは 2人が死をかけて戦うことだった

この“犬闘”で ヨソッケは 何人もの奴隷を殺してきたのだ

奴隷商の頭ムカプは この“犬闘”だけは認めていた

どちらが勝つかを賭けさせ しっかりと儲けられるからだ

 

いよいよ“犬闘”が始まった

土俵の真ん中には剣が突き刺してある

その剣を手にした方が 圧倒的に有利になる

 

ヨソッケは “犬闘”に慣れているだけあって 何度も剣を手にする

しかし タムドクの抵抗に なかなか勝敗を決することが出来ない…!

そしていよいよ タムドクが剣を手にした時 『殺せ!』という怒号が響く

ヨソッケに恨みを持つ奴隷たちも 口々に『殺せ!』と叫んだ

 

蚊の鳴くような声で 命乞いするヨソッケ

タムドクは 振りかざした剣を ヨソッケの頭スレスレに突き刺し

これで勝敗は決したとして 土俵から去ろうとする

 

命を救われたヨソッケは タムドクが捨てた剣を拾い 後方から襲いかかる!

あまりに卑怯なヨソッケに ムカプさえ顔をしかめた

気配を感じたタムドクが 振り向きざまに蹴りを入れ 再び剣を奪う!

しかしタムドクは 卑怯なヨソッケを殺さず 剣を用水路に捨ててしまった

 

人と人とが殺し合う試合に金を賭け 大喜びで見物する者たち

主催する者も異常なら それを喜び『殺せ!』と叫ぶ者も異常である

 

こんなことはすべきじゃないと叫ぶタムドク!

ムカプは 手下に命じ タムドクを殺せと叫んだ!!!

 

すると “犬闘”に金を賭けた者たちが

殺すことはないだろう!と騒ぎ出す

タムドクの勇気に心を打たれた奴隷たちも 殺すなと叫び始めた

トルピスは この流れに乗じ 騒ぎを扇動していく!

 

今にも暴動が起きそうな雰囲気に ムカプは引き下がるしかなかった

 

奴隷市は中断し “犬闘”でも儲け損ね

ムカプは 2人を拷問して憂さを晴らす!!!

 

『簡単には死なせないぞ!』

 

逆らい続けるタムドクも憎いが

そもそも“犬闘”を言い出し 勝てなかったヨソッケが許せない!

これまで 奴隷頭として優遇してきたが お前も売り飛ばしてやる!と叫ぶ

 

散々に痛めつけられた2人は 奴隷収容所に戻された

すると 奴隷たちはヨソッケを無視し タムドクの前にひざまずく!

今この瞬間より 収容所の大将はタムドクだと…!

 

タムドクは ひざまずく奴隷たちに 人は皆 平等なのだと説く

立場を失ったヨソッケに 襲いかかる者にも 仕返しはするなという

傷を負っている者を さらに痛めつけてはならないと…

 

『我々はただ 奴隷商に捕まっただけだ

人は誰も 生まれた時から奴隷のはずがない

同じ立場の者たちが 殺し合ってはならないのだ!

皆で団結し 頭ムカプに討ち勝ち 本来の居場所へ帰るのだ!!

何としてでも… 何としてでも! この地獄から抜け出そう!!!』

 

国内(クンネ)城では

 

未だ柵城(チェクソン)から連絡がなく イ・リョン王が心配している

すると 太大使者ケピルが 後燕の仕業かもしれないと言い出す

 

これを厳しく叱責したのは国相(ククサン)ケ・ヨンスだった

せっかく賠償させるまでに交渉を進めたこの時期に

再び両国の関係を壊す気かと…!

 

※国相(ククサン):現在の国務総理

 

後燕では

 

当初の使命を果たさず まんまと賠償の約束をして帰国した皇太子に

慕容垂(モ・ヨンス)が激怒していた

第7皇子慕容煕が タムドクを殺したことは戦功だと取り成し

ようやく落ち着きを取り戻す慕容垂(モ・ヨンス)

 

『確実に殺したのか?!』

『はい陛下! プンパルが猛毒の矢を 奴の胸に打ち込みました!』

 

タムドクを殺したことは戦功だが

その事実を国相(ククサン)に知られたことで

ケ・ヨンスが要求する賠償を 支払う羽目になった

自らの立場を考えれば ケ・ヨンスが口外するわけがない

しかし どう考えても怒りが込み上げてくる慕容垂(モ・ヨンス)であった

 

奴隷収容所では

 

ヨソッケが 再び幅を利かせて凶暴になり それにへつらう者が出てきた

収容所は またしてもヨソッケが牛耳ることになったが

タムドクはそれを無視し ひたすらに逃げ出す方法を考えていた

 

トルピスは 到底脱出など成功するはずがないと 離れてしまう

ソルドアンだけが タムドクと行動を共にする

しかし タムドクが 奴隷全員を連れて逃げる気だと知り 呆れ果てる

自分たちだけでも成功するか分からないのに 全員で逃げるなど…!

 

絶対に無理だというソルドアンに 本当に靺鞨(マルガル)の長か?という

たとえ自分が死んでも 民を救うのが長の役目だというタムドク

君主のような考えに タムドクはただ者でない と気づくソルドアンだった

 

ヨソッケが眠りについた深夜 少しずつ仲間を増やしていく2人

そして ヨソッケにへつらう者の中にも 仲間になりたいという者が現れる

着々と準備を進めるタムドクに ずっと傍観していたトルピスが助言する

この砦の内情に詳しいトルピスが加われば 成功率も上がるというものだ

 

決起の当日

 

靺鞨(マルガル)の戦士が ソルドアンを呼び止め

なぜ高句麗(コグリョ)人のタムドクに従うのかと詰め寄る…!

靺鞨(マルガル)の 多くの民は 高句麗(コグリョ)に恨みを抱いている

ソルドアンの両親も 高句麗(コグリョ)に殺されたのだ

 

ソルドアンも 心からタムドクを信頼しているわけではない

しかし今は タムドクに従わなければ脱出できない

ここを出るまでは 従うしかないのだと…!

 

タムドクに対し 一体お前は何者なのかと聞くトルピス

教養が見え隠れするタムドクの言葉に トルピスも 何かを感じ始めていた

今の状況では 自分の立場を明らかにすることは出来ないタムドクであった

 

そこへ ヨソッケが近づき 自分も仲間に入りたいと言い出す…!

 

何のことだ? と 必死に動揺を隠すトルピス

何度も何度も裏切り 卑怯極まりないヨソッケを 信じることなど出来ない

今やヨソッケも いつ売り飛ばされてもおかしくない立場にあった

その不安を打ち消そうと 虚勢を張って暴れてはいるが

昨夜の話し声を盗み聞き 是非にも仲間になりたいのだという

 

『断るなら 全部お頭に話してやる!!!』

 

どこまでも卑怯なヨソッケを 無視することは出来ない

タムドクは 仲間になりたいなら 砦の鍵を持って来いという

 

さらに 決行はいつだ?と聞いてくるヨソッケに

真実を話すかどうか迷う2人

もしこれが罠だったら… 計画はご破算になってしまうのだ…!

まだ信じてもらえないと判断したヨソッケが 今夜 鍵を入手するという

それで 罠ではないと信じてほしいというのだ

 

その夜

 

鍵を手に入れたヨソッケが タムドクのところへ来た

トルピスとソルドアンは ヨソッケを殺すべきだという

さすがにタムドクも ヨソッケが裏切りはしないかと迷っていた

 

するとヨソッケが 驚きの行動に出る

見回りの兵士を呼び止め 柵越しに捕えて首をへし折り殺してしまったのだ!

そこからは ヨソッケが先頭に立ち 見張りを次々に倒していく…!

 

タムドクとヨソッケ トルピスとソルドアンが 二手に分かれて行動する

すると 完全に別れたところで… いきなりヨソッケが叫び出した!!!

 

『逃げるぞ! 奴隷が逃げるぞぉーーーっ!!!』

『おのれぇ…! ヨソッケ!!!』

 

首謀者として名を挙げられたタムドクが 真っ先に縛り上げられた!

逃亡し損ねた者は 皮を剥がれてオオカミの餌になる

ムカプが 今にも剣を振り上げようとしたその時!

後燕の皇子 慕容煕が来たとの知らせが入る

 

慕容煕は 第7皇子だが 父慕容垂(モ・ヨンス)から目をかけられ

靺鞨(マルガル)族に武器を届けるという大役を任された

そして その途中にある奴隷商の砦に 立ち寄ったというわけだ

 

ムカプと親交のある慕容煕は 久々に“犬闘”が見たいと言い出す

目の前に大金をバラまかれ ムカプは 脱走者の拷問どころではなくなる

高句麗(コグリョ)人同士を戦わせよという命令に 慌てて準備をする!

 

刑場に戻ったムカプは 直ちにタムドクの縄をほどく

タムドクとトルピスの襟首をつかみ これから“犬闘”しろと言い放つ

奴隷には想像もつかない高貴な方が それを見物なさるのだという

どちらかが死ぬまで戦えば 生き残った者を解放すると…!

 

にほんブログ村 テレビブログ 韓国ドラマへ
にほんブログ村


広開土太王 第8話 奴隷収容所

2017-08-31 07:00:00 | 広開土太王 あらすじ

“散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています

1話~5話はこちらの〈アメーバブログ〉で公開しています

6話より〈gooブログ〉からの公開となります

 

 広開土太王 第8話 奴隷収容所 

 

柵城(チェクソン)城主カンデが駆けつけた時

タムドクの一行は 刺客に襲われ全滅していた…!

おびただしい血痕が断崖絶壁へと続き タムドクの死体だけがない

 

確かに毒矢を タムドクの胸に打ち込んだプンパルは

タムドクの死を確信し 慕容宝(モ・ヨンポ)のもとへ戻る

 

一時は大喜びしたものの 首を持ち帰っていないと知り

確実に殺したとは言えないと激怒する慕容宝(モ・ヨンポ)

何度タムドクに騙されたことかと 声を荒げる!!!

 

あの猛毒の矢に当たり崖から落ちたのだ

化け物でない限り 生きているはずがないと豪語するプンパル!

それどころか 崖下に降り首を持っていて高句麗(コグリョ)軍に見つかれば

元も子もなかったと言われ ようやく納得するのであった

 

タムドク王子が行方不明との知らせが 直ちに国内(クンネ)城に届く

我が子の死を確信せねばならぬつらさに 意識を失うイ・リョン王…!

コヤ王妃と タムジュ王女も 悲しい知らせに涙しながら

きっとどこかで生きていると信じ 互いに励まし合うのだった 

 

タムドクが意識を取り戻したのは 護送される荷馬車の中であった

 

誰に着せられたのか 古びた民の服を着ている

そしてその胸には ひび割れた鏡が入っている…!

イ・リョン王から賜った 先々代の故国原王より贈られた鏡が

タムドクの命を 猛毒の矢から守ってくれたのだ

 

荷馬車の列の横で ひとりの男が捕らわれようとしている

男は反撃し 自らを靺鞨(マルガル)の部族長ソルドアンだと叫ぶ

反逆者!と罵りながら殴りつけているのは 同じ靺鞨(マルガル)族の男たちだ

 

捕えられたソルドアンは タムドクの護送車に放り込まれた

誰彼構わず ここは高句麗(コグリョ)か!と叫ぶタムドクに

汚い高句麗(コグリョ)人め!と殴りかかるソルドアン!!!

 

大騒ぎする2人を鞭で打ち 足枷でつなぐ奴隷商

靺鞨(マルガル)族でも高句麗(コグリョ)人でも関係ない!

どうせ奴隷になる身なのだと 怒鳴りつける!

 

『何?! 奴隷だと?!!!』

 

タムドクは驚愕する…!

一国の王子に生まれながら なぜ奴隷に…!!!

 

奴隷商の根城に着くと 護送された者たちが一斉に降ろされる

お頭の登場に 怯えてひざまずく者たちの中 ソルドアンが暴れ狂う!

そばにいた見張りの剣を奪い 自分を捕えた奴隷商を人質にした…!!!

 

足枷でつながれたタムドクが 勝ち目はないから剣を捨てろと言うが

ソルドアンが逃げる以上 ついて行くしかない…!

 

しかしどんなに大暴れしようが まもなく2人は捕らわれてしまう

人質にされた奴隷商が怒り狂い 見せしめに殺すと息巻く!

それを止めたのは 奴隷商の頭ムカプだった

 

『そいつらを殺したら お前が身代金を払うか!』

 

奴隷商にとって奴隷は商品である

死なぬ程度に酷く痛めつけられた2人は 奴隷収容所に送られた

そこで 収容所の責任者ヨソッケに引き渡される

 

ヨソッケは 血まみれの2人を蹴りつけて

立てば座れと怒鳴り 座れば立てと殴りつけた

ここでは 全ての動きに対し俺に許しを請えと!!!

 

『これが… 人を扱う態度か!!!』

『人だと? 人と言ったか?!

お前たちは人でなく“奴隷”なんだ! 分かったか!!!』

 

ヨソッケの殴る蹴るが その日の終わりではなかった

次は 古株の奴隷たちの洗礼を受ける番であった

そして動かなくなる2人を見て 今度はヨソッケが焦り出す

いかに制裁を加えるかは ヨソッケに権限が与えられているが

ヨソッケもまた奴隷のひとりである

“商品”を死なせたら 今度はヨソッケが上から罰せられるのだ

 

動かなくなったタムドクを 抱きかかえて揺り動かすヨソッケ

その時!!! タムドクがヨソッケを締め上げ羽交い絞めにする!!!

一度は ヨソッケに半殺しの目に遭っている者たちである

タムドクの反撃に 小気味よさを感じる者はあっても 助ける者などいない

 

こうしてタムドクは ヨソッケを服従させてしまう

そして 同じ境遇の者を 誰も傷つけてはならないと叫ぶ…!!!

 

国内(クンネ)城 ケ・ヨンス邸に 早馬が到着する

タムドクが襲われた現場で 犯人の物と思われる号牌(ホペ)が発見された

 

※号牌(ホペ):朝鮮時代の身分証

 

確認すると 後燕の使臣プンパルのものであった

だとすれば タムドク王子を襲ったのは後燕!!!

 

居合わせた大臣らは すぐにも王様に報告すべきだと言うが…

ケ・ヨンスは このことは他言無用!王様にも隠すと言い出す!

誰の仕業であろうが もはや王子は生きてはいない

ならば今は 後燕との関係を重んじるべきだと…!

 

ケ・ヨンスの腹心であり 軍責任者であるヨソイが

これは反逆罪に当たると言い 王様に言うべきだと進言する!

 

『私は 喜んで反逆罪に問われるつもりだ!

再び国中を戦乱の火の海にするくらいなら 反逆の大罪人として死ぬ!

戦う兵力もない今 王様が後燕に戦を仕掛けたらどうなりますか!』

 

ケ・ヨンスは 必死の捜索で証拠を見つけた将軍に

捜索も程々にしておけと釘を刺す

これ以上証拠が見つかれば もう隠しようがないのだと…!

 

ケ・ヨンスの考えが間違いだと分かっていても

これを論破できる大臣は ひとりもいなかった

もっともらしいケ・ヨンスの論理に従うしかないのである

 

『たとえ王様に背く大罪を犯そうと すべては民と国のためである!』

 

奴隷収容所では 寝静まった宿舎に忍び込む者たちがあった

ヨソッケとその手下が タムドクを殺しに現れたのだ…!

寝込みを襲われ 首を絞められるタムドク!

 

誰もが気づきながら 助けることが出来ない

タムドクは ヨソッケを負かした初めての奴隷だが

もし救出に失敗すれば 恐ろしい報復が待っている…!

 

その時! ヨソッケを狙って小石を投げつける者があった

宿舎の隅で ずっとタムドクを睨み付けていた トルピスという男である

トルピスの加勢で息を吹き返したタムドクは 怒りの反撃に出る!!!

 

しかし決着がつかないまま 見張りが慌てて 看守の見回りを告げる

奴隷同士が また騒ぎを起こせば ヨソッケもただでは済まない

 

タムドクは 命を助けてもらったトルピスに 礼が言いたかった

しかしトルピスは それ以上の関りを拒み 次は助けないという

 

柵城(チェクソン)への道中 自分を襲った者が誰かも分からず

気が付けば奴隷商人に捕らわれ 収容所に放り込まれてしまった

ここがどこなのかも把握できないまま

タムドクは 自らの命を守ることに必死であった…!

 

国内(クンネ)城では

 

タムドクを始末したと思い込んでいる慕容宝(モ・ヨンポ)が

意気揚々と 再び使臣となって現れ ケ・ヨンスに会う

そして涼しい顔で 高句麗(コグリョ)が望む賠償はしないと言い放った

 

『それでは 皇太子様は二度と後燕には戻れません』

『まさか私を人質に? 後燕と戦でもするのですか?!』

 

後方で聞いているプンパルは 何かが変だと気づく

昨日までと あまりに様子が違うケ・ヨンスであった

 

そこでケ・ヨンスは プンパルを一瞥し

タムドク王子が襲われた件を持ち出す

そして 無言で プンパルの号牌(ホペ)を差し出した…!

 

『後燕の皇太子が 使臣としてやって来て

高句麗(コグリョ)の王子を暗殺したとなれば

これは 皇帝への最大の贈り物になりましょう!』

 

プンパルは 今にも泣き出しそうであった

同意書に印を押せば 王子暗殺の嫌疑は不問に終わる

しかしそれでは 今回の任務を遂行したことにはならず

どちらを選んでも 皇帝の怒りを買うことになるのだ…!

 

慕容宝(モ・ヨンポ)は 自分たちがこのまま打ち首になれば

後燕軍が黙ってはいないと怒鳴り散らす!

自分たちの失態を 何とか脅しで切り抜けようとしているのだ

 

城内には 北魏の使臣も滞在中である

ケ・ヨンスは 同盟国の北魏が その意思を知ればどうなるかとつぶやく

 

涙を呑んで 同意書に印を押すしかない慕容宝(モ・ヨンポ)

その姿を見て ただただ うなだれるプンパルであった

 

奴隷収容所のある夜

 

タムドクは 変な動きをしている者に近づいてみる

その者は ムシロの下の板を剥がし 夜ごと穴を掘り続けていた

靺鞨(マルガル)族部族長の ソルドアンである…!

 

タムドクは こんなことをたった1人では無理だと言い

みんなで協力しようと持ちかける

この奴隷の中には 靺鞨(マルガル)族もいるだろうし

その者は 部族長であるお前の民ではないのかと…!

 

しかし ソルドアンは協力を拒み この場の全員を殺してでも

自分だけは逃げ切ってやると言い放つ…!

 

このやり取りを盗み聞きしていたヨソッケが 翌朝 さっそく頭に密告し

ソルドアンは捕えられ 宿舎から引き摺り出されてしまう…!

おそらく 死ぬ目に遭うほどの拷問を受けるのだろう

 

タムドクは気に入らなかった

 

同じ奴隷でありながら 仲間を密告し それでも飽き足らず

またしても奴隷たちに屈辱を与え 痛めつけている

しかしそれが ヨソッケの生きる術であった

 

奴隷商の頭にへつらい 奴隷として連れて来られた者たちを

この収容所で十分に痛めつけ 人間としての尊厳を奪い

絶対服従の精神を植え付けるのが ヨソッケの役目なのだ

 

だとしても気に入らない!

そんなタムドクを やめておけと止めるトルピス

それには耳を貸さず 再びヨソッケに向かって行くタムドク!

 

国内(クンネ)城では

 

コ・チャン将軍をはじめとする タムドクを信頼する者たちが

大将軍コ・ムのもとへ集結し 自分たちで王子の捜索をしたいと嘆願する…!

しかし 捜索の責任者は国相(ククサン)ケ・ヨンスであり

ここで大将軍コ・ムが口を出せば 信頼関係にヒビが入るというのだ

 

※国相(ククサン):現在の国務総理

 

ケ・ヨンスが 捜索の手抜きをしていることは明らかであった

しかし それを指摘することは出来ない

一同の意見が腑に落ちるとしても 今は事を荒立てる時ではないと

その熱意を封じるしかないコ・ムであった…!

 

奴隷収容所では

 

瀕死の状態で宿舎に戻されたソルドアンに

すぐさま駆け寄り 介抱するタムドク…!

しかし他の者たちは ヨソッケの密告を恐れ手を出そうとしない

 

タムドクは 化膿し始めているソルドアンの傷口を舐め 膿を吸ってやる

その光景に思わず薬草を差し出す者が現れた

そしてトルピスも 一緒に薬草を噛み砕き始めるのだった

 

ヨソッケは ソルドアンを密告した褒美として 肉を頬張っていた

そこで奴隷商の頭ムカプが 近く鉄鋼山で使う奴隷を買いに来るという

つい先日も鉄鋼山に売ったが 坑道が落盤し皆生き埋めになって死んだという

次々に死ねば また奴隷が売れるのだから

こんな儲け話はない!と高笑いするムカプだった

 

宿舎に戻ったヨソッケは さっそく10人を指名した

10人の中には タムドクとトルピス そして回復したソルドアンも入った

 

いつになくトルピスが怯え 売られる前に逃げなければ!と言い出す

鉄鋼山に売られたら 二度とお日様を拝めず 地の底で死ぬだけだというのだ

宿舎の外では 奴隷市が開催され 頭ムカプが威勢よく“商売”を始めていた

 

1両や2両で 次々と買い手がついていく奴隷たち

そしてとうとう タムドクの番がやって来た

ムカプは 体格が良く威勢のいいタムドクに3両の値を付ける

 

タムドクは 人間を物のように売り買いする光景に 怒りが込み上げる…!

そして 怒りと同時に恐ろしさも感じ 足元がふらついてしまう

それを見た買い手たちが 見掛け倒しじゃないかと騒ぎ出し

ムカプは わざとタムドクに掴みかかり 反撃してみろと煽り始めた

 

とうとう怒り狂ったタムドクは 手枷の鎖でムカプを締め上げる!

その瞬間! 護衛兵の剣が一斉にタムドクに向けられた!!!

まさかここで…! と驚くソルドアン!

逃げなければ!とは言ったが トルピスもまた 怯んで後ずさりする!

 

『死にたくなかったら 奴隷たちを皆解放しろ! うわぁーーーっ!!!』

 

にほんブログ村 テレビブログ 韓国ドラマへ
にほんブログ村


広開土太王 第7話 猛毒

2017-06-30 07:00:00 | 広開土太王 あらすじ

“散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています

1話~5話はこちらの〈アメーバブログ〉で公開しています

6話より〈gooブログ〉からの公開となります

 

 広開土太王 第7話 猛毒 

 

戦略家プンパルは この猛毒でタムドクを殺し 北魏に罪を着せるという

そうすれば 北魏と高句麗(コグリョ)の同盟が崩れ去ると…!

 

※北魏:後燕と国境を隔てた後燕の敵国

 

狂わんばかりに激怒し 冷静さを欠いていた慕容宝(モ・ヨンポ)も

タムドクを亡き者に出来るならば どんな侮辱にも耐えてみせるという

 

皇太子として 我が国の旗を踏むということは 実に耐え難い

しかし プンパルの説得を受け 今にも歩もうとしたその時…!

高句麗(コグリョ)の王は 後燕の使臣には会わないと告げられてしまう

 

明日 北魏の使臣に接見した後であれば 時間を作ることは出来ると言われ

それでは遅すぎる!と叫ぶプンパル!

 

国相(ククサン)ケ・ヨンスは たとえ後燕の使臣が先に到着したとしても

北魏の使臣は こちらが招いた貴賓であると言い放つ…!

 

※国相(ククサン):現在の国務総理

 

『そなたらは 敗戦国として謝罪しに来たのであろう!』

 

慕容宝(モ・ヨンポ)は 皇太子であることも忘れひざまずく!!!

ただひたすらに謁見を請う熱意に負け 謁見を許すイ・リョン王

後燕皇帝 慕容垂(モ・ヨンス)からの親書には“不”とだけ記されている

 

この不可解な親書にどんな意味が込められているのか…

 

慕容宝(モ・ヨンポ)は 国境を越えたことに侵略の意味はなく

ただ契丹(コラン)族を掃討すべく 通ったに過ぎないというのだ

些細な争いで 後燕と高句麗(コグリョ)の信頼関係が崩れることは

我が皇帝も望んでいないと…

 

そこまで話したところで イ・リョン王に一喝され凍りつくプンパル…!

 

多大な損害が生じた今回の戦いは 決して“些細な争い”では片付けられない

後燕は 高句麗(コグリョ)の民を 生きたまま焼き殺しているのだ…!!!

 

激怒して我を失い 直ちに使臣を捕えよと命ずるイ・リョン王!

それを必死に鎮めようとするケ・ヨンス…!

使臣として来た皇太子を投獄したとなれば 国の権威が失墜する

 

しかしここで 慕容宝(モ・ヨンポ)もまた 言い返す!

皇太子である自分を投獄すれば 後燕の皇帝が黙っていないと!!!

タムドク殺害の為 どんな侮辱にも耐えると誓ったが

本来の性格は変えようもなく 皇太子としての誇りだけが前に出る

まるで脅迫するような言動に激怒し 直ちに首を撥ねよと叫ぶイ・リョン王!

 

プンパルは 何とかこの事態を収拾しようと 誠心誠意謝罪する

ケ・ヨンスは 今すぐ陛下に謝罪しろと叫ぶ!

一介の側近の謝罪ではなく 皇太子の謝罪が必要であった

 

ひれ伏したままのプンパルが 必死に目くばせし謝罪をと請う!!!

状況を把握した慕容宝(モ・ヨンポ)が ようやく謝罪を始めた

 

それでもイ・リョン王の怒りは収まらない

言葉でこそ謝罪の意を示しているが その目つきはギラギラと

悔しさを滲ませて この国の王を睨み付けているのである…!

 

どうにか和解に持ち込みたいケ・ヨンスは 賠償問題に言及する

そこで慕容宝(モ・ヨンポ)は余裕の表情になり

高句麗(コグリョ)の求めに応じ 十分な賠償をすると口にし

被害のほどを把握するためにやって来たのだと豪語した…!

 

ひと先ず落着を見て 使臣館に戻る途中

やはり高句麗(コグリョ)には 再び戦う余力がないと見る慕容宝(モ・ヨンポ)

だからこそ 国相(ククサン)が必死だったのだと

 

それよりプンパルは 皇太子が賠償問題を勝手に約束したことが気にかかる

しかし慕容宝(モ・ヨンポ)は まったく意に介さない

北魏との同盟を妨げることで そんなものはいつでも反故に出来ると…!

 

タムドクを殺し 北魏の使臣に濡れ衣を着せることは

他の側近には明かさない 慕容宝(モ・ヨンポ)とプンパルだけの密約であった

この計略が失敗すれば 生きて戻ることは出来ない…!

 

同じ時 第1王子タムマンが 弟タムドクに会っていた

後燕の皇太子に 晩餐に招待されたのだという

タムドクは その誘いは断るようにと告げる

 

しかしタムマンは 互いに次期王となる者同士であれば

将来の為に会っておくべきだという

ならば自分も同席すると言い 兄の考えを尊重するタムドクだった

 

使臣館に着くなり タムドクは不機嫌になる

自分が同席することは 急遽決めたことなのに

すでに3人分の主席が設けられているのはなぜかと…!

 

慌ててプンパルが 実は自分の分の席だったと釈明する

まずは2人の王子に酒を… と勧める慕容宝(モ・ヨンポ)

その酒を まずは自分から注ごうと タムドクが酒瓶を奪い取る

 

『この酒は 戦死した高句麗(コグリョ)の兵と民の魂を鎮める

鎮魂の思いを込めたもの』

『実に情け深い! では私の弟の魂も鎮めてほしい…!』

 

タムドクにより 弟を目の前で殺された慕容宝(モ・ヨンポ)の恨みは深い

一触即発の慕容宝(モ・ヨンポ)とタムドク!

飲ませるつもりが 酒を注がれて飲むことになってしまう慕容宝(モ・ヨンポ)

 

するとタムドクが 盃に酒を溢れさせこぼしてしまう…!

慌てて盃を引っ込める慕容宝(モ・ヨンポ)!

こぼれた酒が銀の匙にかかり その匙を睨み付けるタムドク

しかし 匙の色は変化せず 毒を疑っていたタムドクの疑惑は晴れた

 

酒宴を終えて使臣館を出る2人の王子

見送る慕容宝(モ・ヨンポ)が それぞれに贈り物の品を渡す

後燕で特別に作らせた 音色の美しい笛だという

 

2人の王子を見送ると プンパルがほくそ笑む

これでタムドクは すでに死んだも同じことだと…!

一体 どのような策でタムドクを殺そうというのか…!!!

 

やがて夜も更けて

 

しきりに使臣館の外の様子を窺うプンパル

慕容宝(モ・ヨンポ)は なぜ笛の音が聞こえないのだと怒鳴り散らす!

タムドクの笛には 猛毒が塗られているのだ

口についたその瞬間に死ぬほどの猛毒である

第2王子が死ねば 王宮内が大騒ぎになることは間違いないのに…!!!

 

明日 到着する使臣の寝所に この猛毒を密かに置くというプンパル

歌舞を好む高句麗(コグリョ)の者が 笛を吹かずに放置することはないと

必ずやタムドクは 美しい音色の笛を吹くと豪語するプンパルだった

 

小亭の池のほとりで 笛を吹こうとしているタムドク

 

するとそこへ 幼馴染のヨナ姫が現れ声をかける

いかにも見事な笛に気づくヨナ

タムドクは ヨナを相手に自分の中の不安を口にする

敵国の皇太子に 突然 宴席に招かれ この笛をもらったと

憎んでも憎み切れないであろう自分に笑いかけ 贈り物をくれたのだと…

 

ヨナの答えは明確であった

そんな者が贈る笛の音が 美しいはずがないと

たとえその笛を吹いて美しい音色が出ても 死んだ者の魂は癒されないと…

ヨナの言葉に迷いが吹っ切れたタムドクは 池に笛を投げ捨てた…!

 

すると翌朝…!

池の魚が大量死しているとの報告が入る!!!

 

自分が投げ捨てた笛のせいだと すぐに気づいたタムドクは

ハッとして兄のもとへ駆けつける!

まだ笛は吹いていないという兄タムマンに安堵し 使臣館へ!!!

 

兄から預かった笛を 慕容宝(モ・ヨンポ)に差し出し

自分は武骨者で吹き方を知らないから 吹いてみせてくれと…!

 

これに 激しく動揺したのは プンパルの方であった

無理やり 慕容宝(モ・ヨンポ)の口に 笛を加えさせようとするタムドク!

プンパルは 身を挺してこれを防ぎ 皇太子を守ろうとする!!!

 

さらにタムドクは 怒りを剥き出しにする慕容宝(モ・ヨンポ)に

力一杯の頭突きを食らわせ すべてお見通しだと怒鳴りつけた!

 

騒ぎを聞きつけたケ・ヨンスと 大臣らが駆けつけ タムドクを抑え込む

他国の使臣に それも皇太子に暴力を揮うとは…!

自分が捨てた笛で 池の魚が死んだのだと!

この者らは 笛に毒を塗って王子の自分を殺そうとしたと叫ぶタムドク!

 

その時…!

 

疑いを晴らそうと プンパルが笛を奪い取り吹き始めた!!!

何事もなかったように タムドクの手に笛を渡し 余裕の表情のプンパル

毒を塗ったのは タムドクの笛だけだった

池に捨てたのならば 今持っているのはタムマン王子のものと

咄嗟に気づいたプンパルの機転であった

 

ケ・ヨンスは タムドクを睨み付け 賠償問題について話し合うとして

慕容宝(モ・ヨンポ)の一行を連れて行ってしまう

 

この経緯は すぐに大将軍コ・ムの耳に入った

たとえ王子の推察が正しくとも 後燕の謀略が真実だとしても

他国の使臣に暴力を揮うことは間違いだというコ・ム!

 

『王子は 何の理由もなく暴力を揮いません!!!』

 

きっと笛に問題があったのだと タムドクを慕う将軍らが抗議する

しかし何の証拠もないものを 笛のせいだと断定することは出来なかった

仮に 池に投げた笛から 毒が見つかったとしても

それが慕容宝(モ・ヨンポ)の仕業だとは言い切れないのだ

 

それでも 一国の王子が暗殺されかけたのに…! と憤る将軍たち

コ・ムは一喝し 全員を黙らせた!

しかし後燕のやり口に 誰より怒り心頭なのは コ・ム自身なのである

 

国相(ククサン)ケ・ヨンスは イ・リョン王に謁見し

一刻も早くタムドク王子の処遇を決めるべきだと進言する

 

『東北の柵城(チェクソン)へ行かせてはどうでしょう?』

 

柵城(チェクソン)とは 後燕と真逆の方向にある僻地である

何かにつけて後燕の皇太子とぶつかるタムドクを 引き離すというケ・ヨンス

 

『柵城(チェクソン)か… あの柵城(チェクソン)なのか』

 

イ・リョン王は 柵城(チェクソン)に対し特別の思いがあるようだ

よりによって 彼の地に王子を送ることになるとは…と

 

弟に対する処分を聞き 激怒するタムマン王子

国境もなく 靺鞨(マルガル)族が略奪を繰り返す荒れた僻地に

なぜ弟を送らねばならないのかと!!!

 

タムドクは この処分を甘んじて受けるつもりだった

自分を擁護することで 兄の立場が揺らぐことがあってはならないのだ

 

旅の支度を整え 父王に挨拶するタムドク

明日にでも出発するという息子に コヤ王妃がため息をつく

しかし イ・リョン王は 早々に発つのが良かろうという

後燕との交渉を穏便に進めるためにも タムドクは離れる方がいいと…

 

我が息子の功績を 誰より評価しているイ・リョン王である

しかし 王である自分が 第2王子のタムドクを高く評価すれば

その分だけ大臣たちの タムドクへの風当たりが強くなるのだ

生きて僻地へ送られるどころか 命までも奪おうとするだろう

冷酷な父と思われようと 息子を救うにはこの方法しかないのだった

 

二度と戻れぬかもしれぬ旅立ちである

タムドクは 今生の別れと覚悟し礼を尽くす

イ・リョン王は 先々代の故国原王より贈られた鏡を 息子に持たせる

王室の大事な宝を 惜しげなく渡すことで 父の愛情を示すイ・リョン王

 

いかに功績を上げようと その気性の荒さで災いを呼んでしまう息子

常に鏡を見て我が身の姿を整え その行いを振り返るようにと

戒めの思いを込めて息子を送り出すのだった

 

後燕では

 

皇帝 慕容垂(モ・ヨンス)が 未だ成功の知らせがないことに焦っている

慕容宝(モ・ヨンポ)の弟 慕容煕が そんな父王をなだめていた

 

高句麗(コグリョ)の使臣館では 慕容宝(モ・ヨンポ)が苛立っている

 

高句麗(コグリョ)と北魏の使臣を仲違いさせ 早々に帰国させる

それでこそ父王の計画が実行に移せるというのに…

タムドクを殺し損ない 嫌疑まで懸けられている

しかもタムドクは まもなく僻地に送られてしまうのだ!

 

まだ タムドクの命を狙う機会はあると 余裕を見せるプンパルだが

ことごとく失敗を繰り返すプンパルが 信じられなくなる慕容宝(モ・ヨンポ)

 

今度こそはと 自ら考えた秘策を話し出すプンパル

密かにここを出て 柵城(チェクソン)へ向かうタムドクを殺すという…!

左遷する身のタムドクが 軍勢を率いて行くわけがない

だからこそ 命を奪う好機なのだと!!!

 

すでに 国内(クンネ)城からの抜け道を把握しているプンパルは

城外で待機する兵の中から精鋭を集め タムドクを待ち伏せるべく急ぐ…!

 

翌早朝

 

タムドクは コヤ王妃との別れを惜しんでいた

幼くして遼東城へ送られたタムドクは 母の傍で育ったわけではない

コヤ王妃にとっては やがて後を継ぐタムマン王子も

手元で愛してやることが出来なかったタムドク王子も

どちらも愛してやまない息子なのであった

 

旅立ちの前に 皆と別れを惜しむタムドクの前に

不敵な笑みを浮かべ 慕容宝(モ・ヨンポ)が現れる

 

『もしも王室と兄上に何かしたら… お前を決して許さない!』

 

そう言い捨て行こうとするタムドクを ケ・ヨンスが呼び止める

そして 王子様のすべての言動が国益に影響を与えていると諫めた…!

 

ただただ国を思い 忠誠を誓うケ・ヨンスは

タムドクの存在そのものを容認できない

それを知っているからこそ 今回の処分を受け入れたタムドクなのだ

 

柵城(チェクソン)へ向かう途中

 

タムドクは プンパルの襲撃を受け断崖絶壁に追い詰められる…!

そして プンパルが放った毒矢を胸に受け 谷底へ!!!

 

にほんブログ村 テレビブログ 韓国ドラマへ
にほんブログ村


広開土太王 第6話 国相(ククサン)の警戒

2017-05-30 08:00:00 | 広開土太王 あらすじ

“散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています

1話~5話はこちらで公開しています

 

 広開土太王 第6話 国相(ククサン)の警戒 

 

国相(ククサン)ケ・ヨンスと コ・ム大将軍が 遼東城を守り抜き

玄兎(ヒョント)城をも取り戻した

 

※国相(ククサン):現在の国務総理

 

イ・リョン王は 2人の功績を称え喜ぶが

多くの兵と民を失い 国は悲しみに満ちているという

 

タムドクが 敵の本陣から奪った後燕皇帝の旗は

大殿(テジョン)の入り口に敷けと命じられた

これを毎日踏みつけることにより 積年の恨みを晴らすと…!

 

※大殿(テジョン):王が住む宮殿

 

『憎き後燕皇帝の蛮行と暴挙を 胸に刻み付ける!

また後燕には この戦に対する責任を問うことにする!!!』

 

後燕の皇宮では

 

慕容宙の葬儀が行われていた

弟を殺したタムドクへの 憎しみを新たにする慕容宝(モ・ヨンス)!

そこへ 高句麗(コグリョ)王から書状が届く

 

決して戦は終わっていないという後燕に対し

戦勝国を称する高句麗(コグリョ)王の書状は 命令口調で記されている

“直ちに入朝し ひざまずけ”と…!!!

 

言いがかりに過ぎないと激怒し 書状を燃やすという慕容宝(モ・ヨンポ)

しかし 慕容垂(モ・ヨンス)の怒りは高句麗(コグリョ)王ではなく

皇太子である息子に向けられた!

 

燃やしたところで慕容宙は生き返らない

屈辱を受けたくなければ 戦に勝つしかないのだと…!!!

 

天の子孫と誇る高句麗(コグリョ)王に対し

慕容垂(モ・ヨンス)は 一国を建国した創始者である

この書状を無視すより むしろ従ってやるという気概を見せ

皇太子に その任を命じた

 

戦略家プンパルは 決して皇太子を行かせてはならないと進言する

それは 後燕が高句麗(コグリョ)の臣下になるということだと…!

 

それに対し 臣下になるのではないと声を荒げる慕容垂(モ・ヨンス)!

自ら兵を率い 北魏を追い払う間の時間稼ぎをと

皇太子には 高句麗(コグリョ)でその任務を果たしてほしいというのだ

 

※北魏:後燕と国境を隔てた後燕の敵国

 

高句麗(コグリョ)の勝因は 北魏の協力があってこそである

両国を引き裂いてこそ 後燕の勝利があると考える慕容垂(モ・ヨンス)

慕容宝(モ・ヨンポ)は 父の真意を知り直ちに高句麗(コグリョ)へ向かう

 

高句麗(コグリョ)では

 

国相(ククサン)ケ・ヨンスが 凱旋の行進をして民に称賛を受けてる

その後方にはコ・ム大将軍も控え 久々に国内(クンネ)城に戻っていた

何より 大活躍したタムドク王子には大歓声が轟き まさに英雄の帰還だった

 

タムドクは 真っ先に兄タムマンのもとへ…!

第1王子タムマンは 物静かな青年であり 何より弟を可愛がっていた

小柄なタムマンが見上げねばならないほどに タムドクは長身であり

兄に見上げさせぬようにと 即座にひざまずくのだった

 

一方 大臣たちは ケ・ヨンスのもとに集まり

コ・ム大将軍が送ってきた功勲録を差し出し 抗議していた

記されている者の大半が 桂婁(ケル)部と王族側の将軍であると

 

大臣カラジの不満に ケ・ヨンスは取り合おうとしない

遼東城は代々 桂婁(ケル)部が守ってきたのだから当然であるという

大幢主(テダンジュ)ヨソイは それにしてもあんまりだと嘆く

 

※大幢主(テダンジュ):現在の国防長官

 

太大使者(テテサジャ)ヨン・ドプは ヨン・サルタの父である

兵糧と武器を与え 後方支援した部族の功績も大きいと声を荒げる…!

 

高句麗(コグリョ)の国は もともと部族間の勢力争いが絶えなかった

桂婁(ケル)部だけが勢力を伸ばすことは どうしても受け入れられない

桂婁(ケル)・消奴(ソノ)・絶奴(チョルロ)・灌奴(クァンノ)

順奴(スンノ)の5部族が協力して建国されたことから

1部族が抜きんでることを良しとしないのだ

 

ケ・ヨンスは 大臣たちを抑え 問題はそこではないという

自分は 国が混乱する火種となる光景を目撃したと…!

 

凱旋の行進の中 第2王子タムドクが 兄より さらに父王より勝る

多くの賞賛を受けていたという

世継ぎ以外の王子が称賛されれば 国の規律が揺らぐというケ・ヨンスだった

 

同じ時 2人の王子は弓場にいた

 

暗闇で 的がよく見えないといい 弓を引こうとしないタムドク

圧倒的に兄より優れた腕を持つタムドクは 兄に気を使ったのだ

タムマンとて 決して弓の腕前が劣るわけではない

しかし 戦場を経験していない自分の弓は 弓場でしか通用しないという

兄の自分の前では嘘をつかず 真の実力を見せよというタムマン

その声に励まされ タムドクは弓を構える…!

 

その瞬間 弓は真っ二つに折れた

偶然とはいえ タムドクは ようやく兄の重圧から解放されたのだった

 

そして数日後 今回の戦の功労者が発表される

第1功勲者 コ・ム大将軍

第2功勲者 コ・チャン将軍 モ・ドゥヨンとモ・ドゥル兄弟

 

続いて第3功勲者の10名が発表されたところで コ・ム大将軍が

国相(ククサン)と大幢主(テダンジュ)も第1功勲者だと進言する

自らの名を口に出来なかった心を察し イ・リョン王もこれを了承した

 

そこで太大使者ケピルが タムドク王子の名が抜けていると言い出す…!

ケ・ヨンスは 突然厳しい表情になり 王子は功勲者ではなく懲戒者だと叫ぶ

 

2度も軍令に背き 独断で200名もの兵を動かした

さらには捕虜の慕容宝(モ・ヨンポ)を敵に引き渡したと…!!!

規則によれば 軍令に背いた者は打ち首の刑であるというケ・ヨンス

 

タムドクが 敵軍を罠に嵌めて勝利に導いたことは周知の事実である

しかし功労があったとしても 罪が消えるものではないというのだ

王子だからと見逃せば 高句麗(コグリョ)の軍紀が乱れると…!

 

タムドクを擁護するのは ケピルただ一人であった

息子への弾劾に イ・リョン王は コ・ム大将軍の意見を求める

 

国相(ククサン)の意見は正論だというコ・ム

それをじっと聞いていたタムドクは 席を立ち王の前にひざまずく

自分のためにこれ以上事を荒立てるべきではなく

自分のせいで 多くの兵士が無駄死にしたことも事実であるという

 

階級を捨て 一兵卒から出直すという申し出に イ・リョン王は驚愕する

第2王子とはいえ 王族が一兵卒などとは有り得ないことであった

 

あまりに行き過ぎた国相(ククサン)の弾劾に憤るタムマン王子

それに同調した 大叔父コ・ム大将軍への怒りもおさまらない

 

父王イ・リョンは 些細なことで国相(ククサン)を疑うなと息子を諫める

 

国相(ククサン)は 弟の功績を無視し 過ちだけを指摘した

この国は一体 誰の国なのかと抗議するタムマン…!

 

功勲者となった将軍らが コ・ム大将軍の執務室に押しかけ抗議する

しかしコ・ムは あの程度で済んでよかったのだという

自分が王子を庇っていたら もっと重い刑に科しただろうと

 

一方 ケ・ヨンスの執務室には 息子コ・ウンが訪れていた

 

英雄タムドク王子を 国相(ククサン)が辺境へ送ろうとしている

そんな噂が駆け巡っていることで 父を心配するコ・ウン

 

タムドクを もう幼馴染の親友と思うな!と一喝するケ・ヨンス

私情に捉われているから判断力が鈍るのだと…!

 

決して王室を侮辱しているのではなく 国政を牛耳るためでもなく

王室の安全のため タムドク王子には城から出てもらうというケ・ヨンス

王室を後継しない王子は 辺境で外壁を守るのみだと!!!

 

神殿で ひたすら祈りを捧げるコ・ム大将軍

そこへタムドクが現れ コ・ムは“東明聖王”に挨拶せよと命じる

 

なぜ自分が辺境に追われるのか その意味を タムドクは理解していた

そして 昨夜の弓場での出来事を話し始める

兄より勝ってはいけないという思いがあり 弓を射ることが出来なかったと…

 

コ・ムは 故国原王の弟であり 王室を後継しない者として

生涯を戦場に投じてきた人間である

そしてタムドクもまた その存在を王宮においてはならない者なのだと察し

共に辺境の地に向かうことで その命を守ったのだ

 

コ・ウンは タムドクを訪ねずにはいられなかった

たとえ父親に反対されようと 一兵卒になるという親友に会いたかったのだ

自分が密偵として得た情報から タムドクは軍令に背く結果となり

我が父が その身を辺境へ送る形になってしまったのだ

 

そんな経緯より 中原の情報が知りたいと 目を輝かせるタムドク

するとそこへ 後燕から使者が来たと知らせが入る…!

あの後燕が 容易く降伏するとは意外だった

しかも 使臣として現れたのは 皇太子 慕容宝(モ・ヨンポ)であるという

慕容宝(モ・ヨンポ)は 使臣でありながら武装兵を連れて来た

 

タムドクは 正気の沙汰ではないと憤り コ・ウンと共に飛び出して行く!

 

後燕軍の行列は 高句麗(コグリョ)の民から罵声を浴びていた

家族を焼き殺された者の恨みは深く 激しい投石が行われ進めなくなってしまう

護衛兵が 泣き喚いて抗議する老婆を斬ろうとしたその時…!

タムドクが現れ 高句麗(コグリョ)の地で汚れた剣を振り回すなと叫ぶ!!!

 

戦略家プンパルは あくまでも皇太子を守る護衛兵であり

暴徒が皇太子に危害を加えたら 責任は取れるのかと息巻く!

 

我が民を“暴徒”と呼ばれたことで さらに激怒するタムドク

 

『暴徒とはお前らのこと言う! 戦に負け逃走したくせに

再び我々に刃向かうというのか!!!

武装した使臣を送るとは… 礼儀を学んでから出直せ!』

 

慕容宝(モ・ヨンポ)は 兵士に武装解除を命じるしかなかった

国としての礼儀を民の前で指摘されるとは これ以上の恥辱はない

このまま親書を届けずして引き返せば 父王の北魏攻めも失敗に終わってしまう

 

タムドクは 自ら慕容宝(モ・ヨンポ)の前に進み出て

皇太子が身につけている その宝剣をも預かるという

親書を届けるだけの使臣に武器は必要ないと 冷たい視線で睨むタムドク

あまりの屈辱に 思わず剣を抜き タムドクの首に突き付ける!!!

それでも微動だにしないタムドクは さらにあざ笑うように睨み付けた

 

ここで慕容宝(モ・ヨンポ)が タムドクを斬れば

武器を捨てた行列は たちまち民衆の手で殺されてしまうだろう

そして何より 武装した使臣がその国の王子を殺したとなれば

後世に国の恥を刻む蛮行となる

プンパルは 必死に皇太子を制止し 剣を下ろさせた

 

『後燕の使臣たちよ 私の後に続け!!!』

 

タムドクに導かれ 屈辱のうちに行進する慕容宝(モ・ヨンポ)の一行

それはまるで 連行されているかのような惨めな行列だった

さらに 慕容宝(モ・ヨンポ)とプンパルを驚愕させたのは

高句麗(コグリョ)王との謁見の場へ行く 途中に敷かれた旗であった

 

後燕皇帝の旗を無造作に踏み付けながら こちらへと促すケ・ヨンス

そのにこやかな笑みの下には 泥だらけの旗がある

親書を渡すためには 父王の旗を踏み付けねばならない…!

慕容宝(モ・ヨンポ)は あまりの事態に声も出なかった

 

『お前たちも 神聖なる高句麗(コグリョ)の地を踏みにじっただろう!』

『断じて入らぬ! 旗を片づけない限り中へ進めるものか!!!』

 

では 王様には会われないのですね?と 涼しげな顔で問うケ・ヨンス

まあどちらでも構わない とでも言うように すぐにも退席しようとする

それを止めたのはプンパルであった

後燕皇帝の策を成功させるためにも 今は覚悟を決めねばと

激昂している慕容宝(モ・ヨンポ)に耳打ちする

 

どんな説得にも応じず 使臣館にこもったまま食事も断つ慕容宝(モ・ヨンポ)

この事態を重く見た高句麗(コグリョ)の大臣たちは

イ・リョン王に対し 旗を片づけるべきだと進言する

 

しかしケ・ヨンスは たとえこれが火種となったとしても

後燕に 我が国を攻める余力はないと言い切る…!

調査したところ 後燕皇帝は 兵を率いて北魏に向かっているという

つまり 北魏と手を結ぶ我が国を恐れているのだと!

 

ならば今こそ好機!

すぐにも後燕に攻め入ろうという大臣たちだが

これに異を唱えたのは コ・ム大将軍であった

 

我が国も同様 多くの兵馬を失っている

戦に民を借り出せば 種まき時期の農作業に影響し国運が下がるという

 

ケ・ヨンスは 実際に攻める必要はないと言い返す

やがて到着する北魏の使臣を利用し 協力して後燕を攻めると脅すだけでいいと

これに恐れをなして後燕が賠償金を支払えば それで国運を立て直せるという

 

まさに どの国もギリギリの状況で策を講じようともがいている

 

使臣館では プンパルが 必死に皇太子を説得していたが

旗を踏み付けさせるという屈辱を どうしても受け入れられない皇太子に

胸元から 猛毒が入った小瓶を取り出す

それは 事態が悪化した時の為 後燕皇帝から賜ったもので

機を見計らい 北魏の使臣に飲ませ 両国を仲違いさせよとの密命だった

 

『しかしよく考えてみれば… 他の者に使ってもいいかと

この毒で… タムドク王子を殺します…!』

 

にほんブログ村 テレビブログ 韓国ドラマへ
にほんブログ村