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奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- 第35話 ふたりの世継ぎ

2018-06-12 11:00:00 | 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- あらすじ

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1話~11話はこちらで公開しています

 

※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります

 

 第35話 ふたりの世継ぎ 

 

婕妤キ・ヤンは 毎晩のように悪夢にうなされている

悪夢を見るばかりか 体に傷ができているのだ

まるで獣に噛まれたような傷痕を見て タルタルが表情を曇らせる

 

『身の回りと周辺を調査してください お札が隠されているはずです

その札には“死者”の名が書かれています おそらくヤン様の名前が…』

 

犬蠱術は どの呪術師でも出来るという呪いではない

捜すことは容易だというタルタル

トクマンの指揮により 徹底的に調査されたが お札は出てこない

 

キ・ヤンの怯えは 次第に怒りへと変わっていく

 

お札が発見されないまま 体の傷は増えていく

皇帝タファンは タナシルリの仕業に違いないと憤り

すぐにも怒鳴り込んでやめさせようとするが

確証がなければ シラを切るのは目に見えている

 

皇后タナシルリは 婕妤キ・ヤンを呼びつけ 体調を確認する

ヤンは隠すことなく 眠れぬ日々が続いていると報告した

 

その夜

 

ヤンの居所の周辺から とうとうお札が発見された

確証が得られた今 ヤンは 絞り込んだ呪術師らと直接会う

そして タナシルリと結託した呪術師を突き止めた…!

 

タナシルリは 毎晩のように 祭壇で呪いの呪文を唱え続けた

そうでもしなければ キ・ヤンの気力に押し返されてしまうだろう

しかし… 祈祷の途中で 皇帝タファンが現れた…!!!

 

ただマハの健康を祈っているだけ という言い訳が通じるはずもない

捕えられた呪術師とともに ソ尚宮とヨン尚宮らが連行される

拷問の痛みに耐えきれず 女官の1人が白状しようとするが

 

『偽りを申すでない! 皇后様の逆鱗に触れるぞ!!!』

 

ヨン尚宮の怒声に 呪術師がため息をつく

それではもう 皇后の差し金と告白しているようなものだ

 

ひとり残されたタナシルリは 慌てて兄タンギセを呼び

すぐにも拷問をやめさせてほしいと懇願する

誰かひとりでも白状してしまえば 丞相一族が崩壊してしまう…!

 

皇帝タファンは 皇太后に報告し ペガンとタルタルを交え協議する

たとえ呪いの事実が明らかになっても 丞相一族との闘いに勝算はない

長官らと結託しても 各行省は 都からあまりに遠い

進軍の途中で 丞相の軍隊に阻まれてしまうというのだ

 

唯一の方法として 兵を引き連れ大都に入る策があるというペガン

しかし 都の守備隊は強靭な兵の集団で 破ることは難しい

だからこそ 守備隊長としてワン・ユがいるのだというタルタル

ヤンには どういう意味なのか見当もつかない

 

ペガンは ワン・ユに復位を約束し 協力を請うべきだと進言する

皇帝の意を伝えるため ペガンとタルタルは 守備隊に向かう

ヨンチョルの私兵と称される守備隊である

ワン・ユは 守備隊長として まだ全体を掌握できずにいた

 

忠誠を誓う守備隊長ウォンジンが 降格されたことに反発し

既に100名以上が辞めていき 志願者を募ったが ろくな人材が集まらない

このままでは 挙兵の計画にも影響が出そうな事態であった

 

志願者たちのほとんどが 物乞いや逃げた奴婢など流れ者ばかり

すべては ウォンジンの嫌がらせで 集められた者たちだった

月々3両の給金があり 寝る場所もあって食い物にも困らないと…

ふざけるな!と怒り出すチョンバギ

しかしワン・ユは 皆に食事を用意しろと命ずる

この者たちを締め出し また募集したところで同じことだと

訓練所は たちまち集会所のようになった

精鋭を育て“別動隊”を作るという計画からは 程遠い者たち

その1人1人に話しかけ なぜ今のような境遇になったのかを聞くワン・ユ

 

聞けば 重い税に苦しみ逃亡した者

疫病で家族を失い 天涯孤独になった者

屋敷の奴婢だったが 主人に殺されそうになって逃げた者…

ワン・ユはさらに 牛と馬を潰し肉を食わせてやれという

国の禄を食む“武人”になるのだから それなりの待遇をせよと

 

パン・シヌたちは いくら訓練しても無駄だと抗議する

この者たちで精鋭部隊を作るなど とても無理だと…!

 

『彼らには 機会が与えられなかっただけだ

ここで機会を与えれば あの者らが いずれ私を復位させてくれるだろう』

 

皇后殿では

 

ようやく尋問から解放された ソ尚宮とヨン尚宮が戻っていた

厳しい拷問に よくぞ耐えてくれたと 涙ながらに感謝するタナシルリ

そこへ マハ皇子が麻疹にかかり重体だとの知らせが入る…!

 

この時代の麻疹といえば 救いようのない病である

神に祈るしかないと言われ すぐに陛下を呼べと命じるが…

 

婕妤キ・ヤンの居所では

 

皇帝タファンが 感慨深げに ヤンと語らっていた

丞相に怯え 操り人形として生き永らえるしかなかった日々

ヤンが側室になるまでは 長官らと結託し 丞相一族と戦おうとは

これまで 夢にも思わないタファンであった

 

『決戦は 遠い未来ではありません

タルタル将軍は戦略を考え ペガン長官は 精鋭を育てている

陛下は 更なる威厳を備えるべく 精進してください』

 

そこへ 侍従コルタが マハ皇子の病状を伝えに現れる

すぐにも駆けつけた方が… と促すヤンだが タファンは行こうとしない

 

『正直 マハには情というものが湧かないのだ

ただ皇后の息子であり 丞相の孫というだけで 息子という気がしない』

 

訪ねて来ないタファンに憤慨し ヤンの居所へ乗り込むタナシルリ

しかし 皇帝が訪室している側室の居所へは

たとえ皇后でも立ち入ることは許されないと 侍従コルタが行く手を阻む

 

タナシルリは コルタの頬をしたたかに打ち 中に向かって叫ぶ

息子が病気というのに 側室と戯れるとは あまりに不謹慎だと!!!

この騒ぎに 怒るタファンをなだめ 自ら部屋の外へ出るヤン

 

『皇子様のご病気は 皇后様のせいでは?

私が呪いに打ち勝った場合 呪術師はどうなると言いましたか?

父や兄妹 もしくは息子 身内に撥ね返ると聞きませんでしたか?

ゆえに 皇子様のご病気は 皇后様のせいであり 自業自得でしょう!』

 

ヤンの言葉に衝撃を受けたタナシルリは 歩くのもままならない

そんなタナシルリに ソ尚宮が 喝を入れるように進言する

 

『どうか落ち着いてください! 跳ね返るのは血縁の身内にです!

皇子様とは 血縁の仲ではございません!』

 

『黙れ! マハは私が産んだのだ! 私の息子なのだ!!!

皇子を侮辱するとは… そなた命が惜しくないのか!』

 

完全に狂っていると 感じずにはいられない2人の尚宮

皇后様には もはや現実が見えなくなっているのではないかと…

 

タナシルリは マハが 腹を痛めて生んだ我が子であると錯覚していた

マハの存在だけが 皇帝の心を繫ぎ止め 自分の存在を固持できると

水乞いの荒行で身を清め マハの快復を祈祷するタナシルリであった

 

同じ時 丞相ヨンチョルは 悪夢にうなされ正気を失っていた

夢の中で 自らの死体を見せつけられ 不敵に笑うタファンがいた

 

『お前を殺す! 父親同様!殺してやる!!!』

 

父親の叫びに驚き 何事かと駆けつけた2人の息子

その手に握られた剣で ヨンチョルは 息子たちに向かって斬りかかる!

 

『私を殺しに来たのか! この権力を奪おうというのかぁーーーっ!』

 

絶叫したまま気絶するヨンチョル

タンギセとタプジャヘは 初めて見る父の姿に動揺し うろたえる…!

 

一夜明け マハ皇子の熱が下がり始めたと聞き 安堵するタナシルリ

自らの命を懸け 快復してほしいという祈りが通じたと

さらにマハへの執着は強まり 血縁ではないという現実が見えなくなっていく

 

一方 守備隊の宿舎では

 

志願兵たちの腹ごしらえも終わり 本格的な訓練が始まろうとしていた

訓練をやり通した者だけが 兵籍簿に名を記され 軍服が着られる

脱落者は罪人となり 奴婢にされ 辺境で労役をさせられると聞き

動揺した志願者たちは 志願を取り下げると言い出した

 

冗談じゃない!と憤慨し 奴婢になるなんて真っ平だという志願者たち

ワン・ユは 虫けら同然に生きてきた過去を清算する機会だと叫ぶ!

訓練を耐え抜き 武人としての未来を手に入れるか

これまでと同じく 虫けらのように生きるか 今こそ選ぶ時だと…!

 

9つの山を 全員で駆け抜ける

1人でも脱落する者がいれば また最初からやり直し

脱落者が出るたび その者たちを責めてばかりの志願者たち

 

ワン・ユもまた 足のマメが潰れ血が滲んでいる

休むようにと懇願するシヌたちに 自分もまた“脱落者”だとつぶやく

 

『私もまた“脱落者”の1人ゆえ 廃位させられた

彼らと何も変わらぬ だからこそ諦めたくない

この訓練すら乗り越えられないなら ここで一緒に死ぬまでだ』

 

野営地の静かな夜に ワン・ユの言葉だけが響き

志願者たちは その思いを知り深く考え込む

 

翌日から 皆の意識が変わり始め 脱落者を助けるようになる

励まし合い 少しでも前へと進む志願者たち

 

無事に訓練を乗り越え ようやく武術の修練に入るが

そのへっぴり腰を 鼻で笑うウォンジン

丞相の私兵と称された守備隊が このような素人集団に成り下がったと

いずれワン・ユが 隊長の座から引き摺り下ろされる日も近いとほくそ笑む

 

そして 9ヶ月の時が経ち

 

婕妤キ・ヤンは 出産の時を迎えていた

そして タナシルリの祈祷も虚しく ヤンは 元気な男の子を産んだ

落胆のあまり 腰が抜け むせび泣くタナシルリ

皇帝に疎まれ続け 冷遇され マハへの愛情も得られない

一心に寵愛を受ける 婕妤キ・ヤンの男児出産は まさに“脅威”であった

 

皇帝タファンは 生まれた皇子を“アユルシリダラ”と命名する

 

この慶事は ワン・ユのもとへも報告された

ようやく形になってきた兵士たちを見ながら ワン・ユは過去を思い出す

互いに違う道を行くと決め 思いを断ち切ったあの日

そうでもしなければ 互いを守ることが出来なかった2人だった

 

兵士たちは チェ・ムソンとチョンバギにこそかなわぬものの

いつの間にか 戦場でも立派に戦えるほどの武術を身につけていた

日々の鍛錬の中で 自然と礼節も備わり ワン・ユへの忠誠心も育っている

 

同じ頃 丞相ヨンチョルは 疑心暗鬼に捉われ正気を失いつつあった

忠心を誓う側近たちが 夜な夜な裏切る夢を見る

“秘密資金”が奪われるという 最悪の事態を按じ 眠ることも出来ない

タンギセは 変わり果てた父親を 涙ながらになだめるしかなかった

 

『ヨム・ビョンスが 秘密資金を狙っている あの者を殺せ!』

『では私が代わりに管理します』

『お前もか! お前も狙っているのだな!!!』

『父上 何を仰るのです』

『本性を現せ! そんなに私の金が欲しいのか!』

 

自分に向けられた剣を 素手で握りしめるタンギセ

その手からは 鮮血が滴り 床を赤く染める

父親のこんな姿を見るくらいなら いっそここで殺してほしいと…!

息子の悲痛な叫びを聞き ようやく正気を取り戻すヨンチョル

 

『こんな… こんな心境になるとは… 私に死期が迫っているのか…?』

 

タファンは 皇子アユルシリダラを可愛がり ひと時も離れようとしない

マハ皇子の快復の宴すら 気が進まないと言い出す

長官たちも揃う宴に 出ないわけにはいかぬと ヤンに説得されるが…

 

宴に参列する尼僧たちの中に 顔に火傷痕が残る者がいる

それに気づいたソ尚宮は 言い知れぬ不安を感じるのだった

 

やがて宴が始まると 主役のマハ皇子を無視し

産まれたばかりの アユルシリダラを我が手に抱くタファン

将来は 2人の皇子を競わせ 勝った者を皇太子にすると宣言した…!

 

タナシルリが何かを言う前に 兄タンギセが立ち上がる!

嫡男が後継ぎになることは フビライ皇帝の遺志であると…!

 

『おかしなことを言う 丞相は 私の弟を皇帝にしたではないか

まさか忘れたか? 私の意思は以上だ!もう何も言うな!』

 

同じ時 ソ尚宮とヨン尚宮は 尼僧のひとりひとりを確認していた

しかしいくら捜しても 顔に火傷痕のある尼僧は見当たらない

 

ソ尚宮が捜す尼僧は トクマンに匿われ 婕妤キ・ヤンに謁見していた

 

『私は 皇覚寺の尼僧でした 皇后様が滞在した尼寺です

マハ皇子様は… 皇后様が産んだお子ではありません…!

拾い子を 我が子に仕立てたのです!!!』

 

『何? 皇子は偽者なのか?!』

 

『皇后様は 秘密を隠そうと 尼僧たちに毒を盛り 寺に火をつけました!

私だけが生き残り… こうしてお知らせに来たのです!』

 

『なぜ 私に知らせたのだ』

 

『皇子様をお産みになったのでしょう?

偽の皇子を 世継ぎにするわけにはいかぬと思い… 伝えに来たのです』

 

『そのことを 皆の前で証言してくれるか?』

 

『もちろんでございます!!!

無残に殺された仲間のためにも 真実を公表したいのです!』

 

『何か証拠は…? 証拠はありますか?』

 

『偽皇子には 皇后と乳母だけが知る体の特徴が!

それを私が知っていることこそ証拠です 偽皇子の足の甲に…』

 

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大王の夢~王たちの戦争~ 第60話 百済(ペクチェ)の涙

2018-06-09 07:00:00 | 大王の夢~王たちの戦争~ あらすじ

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1話~49話はこちらで公開しています

50話より〈gooブログ〉からの公開となります

 

 第60話 百済(ペクチェ)の涙 

 

新羅(シルラ)第29代王キム・チュンチュは 泗沘(サビ)城に入り

正式に 廃主ウィジャの降伏宣言を受け入れる

百済(ペクチェ)王室の玉璽を受け取った瞬間

プヨ氏の子孫は 新羅(シルラ)の民に帰属する

百済(ペクチェ)朝廷は廃され 新たな官府が設けられることとなるのだ

 

ようやく 三韓一統の礎を築いたことに安堵してはいられない

すぐにも蘇定方が 百済(ペクチェ)を植民地化しようとするであろう

唐軍の援軍がなければ成し得なかった 百済(ペクチェ)討伐ではあるが

三韓を植民地化しようという 唐軍の野心をも抑え込まなければならない

 

しかしまた 高句麗(コグリョ)を征伐するその時までは

何としてでも羅唐同盟を存続させねばならぬのだと…!

 

今回の戦いで キム・ユシンは 唐軍の野心と戦ってきた

同盟を結びながらも 真の敵は唐軍ではないかと錯覚するほどに…!

高句麗(コグリョ)へ攻め入る前に 一度唐軍と戦わねばというユシン

 

しかし武烈王は あくまでも同盟の大義名分を掲げ

唐軍の野心を抑え込み続けねばならないのだと主張する

 

次男キム・インムンは 父王の考えに賛同し

太子ボムミンは 武人として 伯父ユシンの考えに傾倒していた

政治を取り扱うキム・チュンチュと 骨の髄まで武人であるキム・ユシン

今は亡き猛将ケベクが指摘した 両者の決定的な違いなのであった

 

蘇定方は 廃主ウィジャと捕虜たちを 長安へ護送しようと考えている

これはまさに 唐の皇帝の命ずる皇命であり

これに逆らう者は 武烈王であっても逆賊になり得ると…!

 

蘇定方の側近たちは それにしてもこれは難儀なことだと憂える

新羅(シルラ)軍の抵抗を交わし 1万もの捕虜を護送することは

あまりに無謀で 現実的ではないことであると…

 

その夜

 

勝利の宴が催され 蘇定方が 廃主ウィジャを呼べと叫び

新羅(シルラ)王に酒を注げと命じた

一国の王が戦に負け 国を失い また王座も奪われた

戦勝国の王に酒を注ぐことは 当然のことである

 

蘇定方は 太子と大将軍にも酒を注がせ 最後に自らの盃を差し出す

あまりの屈辱に 廃主ウィジャは震え出し 酒をこぼしてしまう

『無礼者!』と突き飛ばされ 無様に転がる廃主ウィジャ!

長子プヨ・ユンが 声を上げて泣き 弟王子たちもむせび泣く

廃主ウィジャは 気がふれたように笑い出し

その笑いは 次第に泣き声へと変わっていく

 

誰はばかることなく オイオイと声を上げて泣く廃主ウィジャ

武烈王は 思わず立ち上がり そばに座り込み語りかけた

 

『あの日 お前が私を信じてくれさえしたら…

新羅(シルラ)と百済(ペクチェ)が同盟を結んでさえいたら

このように惨めな思いはせずに済んだであろう

過ぎ去った日々が まことに恨めしい』

 

すると将軍トチュンが 突然に叫び出した!

 

たとえ敗勝の王であっても 礼を尽くすのが道理だと!

そしてなぜ 百済(ペクチェ)の官僚であった者が宴の席につき

かつて仕えていた王の 惨めな姿を傍観しているのかと!!!

 

蘇定方は 将軍トチュンを睨みつけ 外で斬首しろと叫ぶ

トチュンは 兵士の剣を奪い 裏切り者チュンサン公の胸に突き刺した!

一瞬の出来事に 誰も止めることが出来ず チュンサン公は絶命する

 

黄山ヶ原で 猛将ケベクと共に散るはずだったトチュンである

しかし ケベクから 王様を守れと命じられ泗沘(サビ)城に戻ったのだ

これ以上の恥辱を味わうよりは…!

トチュンは チュンサン公を斬った剣で 自らの命を絶つ!!!

 

騒然となった宴は中断された

 

武烈王は この泗沘(サビ)城において 民に蛮行を行う者は

たとえ誰であろうと許さず 厳罰に処すと言明した

これを受け 蘇定行は 皇帝への報告のため長安に帰るという

その際に 廃主ウィジャを連行したいと申し出た

 

武烈王は即答を避け 朝廷で審議したうえで返答するという

 

太子ボムミンは 決して廃主を渡してはならないと主張する

朝廷の総意として 廃主の引き渡しに反対すべきだと!

 

そこへ 唐軍の宴の席に ユシンとボムミンが招待される

なぜ 反目している2人を招待するのか… 訝しむインムン

ユシンは いっそ何か仕掛けてくれれば 相応に対峙する!と息巻く

 

事を荒立てるべきではないというインムンに ボムミンが憤慨し

副総官の任を受け 唐軍に染まったのかと怒鳴りつける…!

何かにつけ興奮して ケンカ腰になる兄に対し インムンは声を荒げる

そのような了見で 太子として次期王座に就き 国を治められるのかと!

いずれにしても 張り詰めた緊張感の中で 宴は始まるのである

 

一方 武烈王は

 

廃主ウィジャに直接会い 腹を割って話そうと試みていた

百済(ペクチェ)の辺境では いまだ反発する民衆が存在し

国が滅びたことを受け入れられないまま 抵抗を続けている

百済(ペクチェ)王の 最期の務めとして 民衆を説得してほしいと…!

百済(ペクチェ)の民は 今後 新羅(シルラ)の民として生きる

抵抗すれば それだけ多くの血が 無駄に流れることになると説得する

 

しかし廃主ウィジャは これを受け入れない

真に衷情を示す 多くの臣下の命が消えていった

奸臣により 偽りの太平に酔いしれた 自分の不甲斐なさを嘆くばかりで

今後も生きていかねばならない民のことまで 思いやる余裕が無かった

 

このままでは 生き残った百済(ペクチェ)の民は

唐の奴隷になって生きることになるかもしれない

そうならないよう 救ってやりたいという武烈王だが

ウィジャは どの国の奴隷になろうが 奴隷は奴隷だと嘆くばかりだった

 

『三韓一統の大義のため 百済(ペクチェ)という国を滅ぼしたが

たとえ国が滅びようと 民までが滅びるわけではない!

百済(ペクチェ)の民は “三韓の民”として生きていくのだ…!』

 

『たとえ天に見限られ 王座を奪われても 操り人形にはなりたくない!』

 

『天が見限ったのではない! お前が天意に背いたことで

百済(ペクチェ)が滅びたことが なぜ分からぬ!

三韓の民を救いたいと 大志を抱いていたお前なのに…!

もはやお前には 君主としての資格が無い!!!

そんな者に 協力を求めようとしたとは…!』

 

武烈王の申し出を受けるほどの器であれば 国は滅びなかっただろう

廃主ウィジャが 名君となり得る機会は いくらでもあったのだ

何度も挫折しながら 王座に就いたキム・チュンチュ

盟友キム・ユシンとの間でも 政策の違いから何度も衝突してきたのだ

この2人の君主の明暗は 果たしてどこで分かれてしまったのであろうか…

 

唐軍の宴の席では

 

ユシンと太子ボムミンが 歓待され 居心地の悪さを味わっていた

そこで蘇定方は ひとつの書簡をユシンに渡す

書簡には 百済(ペクチェ)を平定した喜びを表す詩が書かれている

先帝は 遼東征伐の折に“功績碑”を建てたのだという

今回もまた 百済(ペクチェ)征伐を記念し “功績碑”を建てるという蘇定方

 

そこに刻む詩だというが その詩には 新羅(シルラ)の文字が無い

唐の皇帝を称え ただただ唐軍の兵士の功績を称えている

まるで唐軍が 単独で百済(ペクチェ)を滅ぼしたかのような内容であった

 

2人は これに激怒し猛抗議した

それにより 宴の席は一変し 互いに剣を構え一触即発の状況になる!!!

 

蘇定方は 2人を惨殺せよと命じ

門の外に待機していたプミルが 太子と大将軍を守れ!と号令する

数のうえでは 圧倒的にユシン側が有利であり 力の差も歴然である

蘇定方は あっという間に剣を突き付けられてしまう!

 

キム・ユシンが 今にも蘇定方を斬首しようとしたその時!!!

武烈王が 兵を率いて現れ 寸前でユシンの剣を止めた!

 

『ユシン! なぜ羅唐同盟に背くのだ!』

『陛下 この者を斬らねば 三韓が 唐の植民地と化してしまいます!

たとえ王命に背いた罪に問われようと構いません!』

 

これは 国と国との誇りを懸けた争いではなく

これ以上 三韓の民を苦しめないための闘いであるという武烈王

同盟に背き 蘇定方を斬首すれば 100万の唐軍との戦になる

それによって またしても苦しむのは 三韓の民なのだと…!!!

 

怒りに震えながらも 理性を振り絞り剣を下ろすユシン

するとその直後!!! 武烈王が剣を抜き蘇定方に突き付ける!!!

 

いかに蘇定方でも 王から剣を突き付けられては たじろぐばかりである

あくまでも皇命に従っただけで 他意はないと弁明する蘇定方

 

ここで武烈王は 蘇定方に対し“生きるか死ぬか”を選べという!

 

同盟に背いた罪により この場で斬首されるか

それとも 廃主を連行して帰国し 皇帝を説得するか… である

 

武烈王の気迫に 帰国して皇帝を説得すると答える蘇定方

 

『戻って皇帝陛下に伝えよ! 新羅(シルラ)王の意思は固く

また従う忠臣も剛健で 100万の兵でも植民地化することは難しいと!!!』

 

キム・ユシンは 武烈王の前にひざまずき 王命に背いた不忠を詫びるが

たとえこの身が斬首されようと 蘇定方を斬るべきとの考えは変わらぬと!

太子ボムミンも その隣にひざまずき 伯父に加勢した不忠を詫びつつ

それでも 唐軍と戦うべきという考えを曲げられないという

 

2人の手を取って立たせ 何を恐れているのか承知しているという武烈王

しかし 新羅(シルラ)の兵力だけでは 三韓一統の大業を成すのは難しく

百済(ペクチェ)の残党と戦うことさえままならないのが現実であると…!

 

大業を成すため 援軍を受けつつも 唐の野心をくじかねばならぬ!

そのためにも 太子とユシンの力が必要なのだという武烈王であった

 

『時機が来れば 必ずや唐軍と戦わねばならぬ

しかし今は その時ではないのだ! 私を信じて従ってくれぬか!』

 

西暦660年9月

廃主ウィジャと太子 そして90余人の王族と臣僚ら

そして1万2千余人の民が 捕虜として唐に護送された

捕虜となった民は ほとんどが技術者や学者であったと伝えられている

廃主ウィジャは 戦を引き起こしたことを 皇帝から厳しく叱責された

その後 赦免されたが まもなく病死したと伝えられている

 

高宗は 廃王ウィジャの葬儀を行い 碑を建てて弔った

ウィジャ王は 武(ム)王の長子であり

太子の頃は“海東曽子”と称され 中原や倭国にまで名を轟かせた

在位期間は20年であり 三韓の覇権を争い戦い続けた

晩年はほとんど政(まつりごと)をせず 奸臣に踊らされ民心を失った

 

国を失い 王座を追われた廃主ウィジャには諡号さえ与えられず

洛陽北部に埋葬されたと伝え聞くばかりである

結局 百済(ペクチェ)は 建国から678年で滅亡したのであった

 

唐の第3代皇帝 高宗は なぜ百済(ペクチェ)を植民地とし

徐羅伐(ソラボル)を攻めなかったのかと 厳しく蘇定方を責め立てた

蘇定方は 武烈王とその臣下が いかに手強いかを報告し

まずは高句麗(コグリョ)へ侵攻すべきだと進言する

これに納得した高宗は 百済(ペクチェ)を統治した後

高句麗(コグリョ)へ侵攻するよう 新たな皇命を下すのであった…!

 

高句麗(コグリョ)では

 

第28代宝蔵(ポジャン)王は 百済(ペクチェ)王の末路を知り

いつ羅唐軍が 平壌(ピョンヤン)に攻めて来るかと 気が気ではない

しかし 莫離支(マンニジ)ヨン・ゲソムンは 余裕の構えである

 

※莫離支(マンニジ):高句麗(コグリョ)の政策を総括する最高官職

 

奸臣に惑わされ 油断したゆえに 百済(ペクチェ)は滅亡したが

この高句麗(コグリョ)に限っては 断じてあり得ないと豪語する

 

まずは 百済(ペクチェ)辺境で いまだ暗躍する抵抗勢力と結託し

打倒羅唐軍の動きに加勢すれば 必ずや勝機はあると…!!!

 

百済(ペクチェ)辺境で 抵抗し続ける将軍ボクシンのもとへ

ゲソムンの命により 高句麗(コグリョ)から援軍が派遣された

将軍ボクシンは 卑怯にも羅唐軍に寝返った裏切り者から始末すると息巻く!

 

唐軍の蛮行により 全滅させられた地域を視察するサンヨン公

滅亡を余儀なくされる百済(ペクチェ)の未来を按じ

自ら投降し 新羅(シルラ)人として生きる道を選択したが

百済(ペクチェ)再興を願う 将軍ボクシンの剣に倒れ 絶命する

 

白昼堂々 抵抗勢力に襲われるとは…! 武烈王が激怒するものの

蘇定方の帰国後 泗沘(サビ)城を任された劉仁願は

警備にはまったく関心がなく 百済(ペクチェ)王族が残して行った

財宝を探すことに兵力をつぎ込んでいるのだという…!

 

反抗勢力は 羅唐軍に投降する民を許さず 皆殺しにしていく

唐軍の蛮行で命からがら生き残った者たちは

三韓に唐軍を招き入れた武烈王を憎み 新羅(シルラ)軍を恨んでいた

 

武烈王が成そうとする 三韓一統の大業への道のりは険しく

キム・ユシンは 唐軍が蛮行を続ける限り 大業は遠のくだけだという

 

『今からでもまだ遅くはない 百済(ペクチェ)の地から唐軍を追い出せば

陛下は 百済(ペクチェ)の民心を取り戻せるはずだ

唐軍に百済(ペクチェ)の地を奪われるか あるいは唐軍と戦うか

いずれは決断を迫られることになるだろう』

 

そこへ 唐より 百済(ペクチェ)を治める都督が派遣されたと報告が入る

 

これはまさに 百済(ペクチェ)を植民地化するという唐の魂胆であると

ユシンをはじめとする将帥らが 攻撃命令を!と口々に叫ぶ

その中で 兵部令(ピョンブリョン)キム・ジンジュが

ただひとり 唐の皇帝の真意を探るのが先決だと反論する

 

※兵部令(ピョンブリョン):軍事を担当する中央官庁の長官

 

親唐派が兵権を握っている限り 唐に舐められるばかりだと叫ぶユシン!

ジンジュは 今は羅唐軍が分裂している時ではないと言い返した

武烈王の一喝が 両者の激論を止める

 

羅唐同盟の大義を守り抜くという 武烈王の意思は固く

キム・ジンジュが正しいのだと言い置き 退座しようとする

 

キム・ユシンは そんな武烈王に『待たれよ!』と叫んだ…!

 

『あくまでも 大王陛下が 唐の手先になるというのなら!

朝廷と このキム・ユシンは 大王陛下に立ち向かい

唐軍との決戦に臨むことを ここに言明致します!!!』

 

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広開土太王 第14話 天軍の戦法

2018-06-06 14:00:18 | 広開土太王 あらすじ

“散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています

1話~5話はこちらの〈アメーバブログ〉で公開しています

6話より〈gooブログ〉からの公開となります

 

 広開土太王 第14話 天軍の戦法 

 

一体 何という光景を イ・リョン王に見せる羽目になったのか…

タムドクは 言葉を失い 目の前の争そいに息を飲む

 

『直ちに争いをやめよ! やめるのだーーーっ!!!』

 

タムドクの一喝に 天(チョン)軍の者たちが動きを止めた

王様が見ていると気づき 中央軍の者たちも凍りつく

呆れ果て 言葉もなく去って行くイ・リョン王

大将軍コ・ムも 忌々し気に兵士らを睨みつけ 行ってしまった

 

事の重大さに気づき 神妙な表情のファンフェ

しかし トルピスとヨソッケは 自分たちの何が悪い!と居直った

悪いのは中央軍の奴らなのに…! と 悪びれることなく主張する

 

タムドクは 真剣を持ち出し 両者の間に放り投げた

争そいたければ 真剣で戦えばいい! 思う存分殺しあえと…!!!

 

この異常な事態に ヨンサルタが進み出て タムドク王子の前にひざまずく

それに倣い 中央軍の 他の兵士たちも揃ってひざまずき不忠を詫びた

 

なぜ戦わないのかという問いに 我らは戦友であると答えたヨンサルタ

その答えに納得するかどうかは別として とにかく謝罪する中央軍

その光景を眺めながら 天(チョン)軍の者たちには 違和感しかなかった

 

ただひとり ファンフェだけが その違いに気づいていた

天(チョン)軍の者たちは ただただ相手が悪いと言い訳を繰り返したが

中央軍の兵士らは 王子に忠誠を誓い不忠を詫び 自らの過ちを認めたのだ

 

『とにかく あの場では我々が負けたのだ』

『何だと?! 戦ってもいないのになぜ負けるんだ!』

『次こそ徹底的に叩きのめしてやる!!!』

 

こうなることを承知で 天(チョン)軍に招き入れたのだが

トルピスとヨソッケには 中央軍のような教養など微塵もない

ただ血気盛んなだけであり 今回のことを納得させることは難しい

ファンフェは あまりに情けなく 涙ぐんで諭し始めた

 

『お前たちは 王様の前で 王子様に恥をかかせたのだぞ

中央軍の者たちは 先に戦友だと認め 潔く謝罪した

それなのにお前たちは まだ戦う気だと喚いている…!

我々を直に見たいと 足を運んでくださった王様の前で

王子様の顔に泥を塗ったのだと なぜ分からないのか!!!』

 

宮廷内で 敵ばかりの王子なのに 今回の事態はまさしく

王子を糾弾するきっかけを作ってしまったのだと…!

ファンフェの怒りの言葉に ようやく理解し うなだれる2人

 

“戦友”とは 戦場で後方を任せられる仲間という意味を持つ

天(チョン)軍と中央軍は 互いにそうあらねばというタムドク

2人を許し 今回のことは 学ぶためのいい機会だったと励ますが

その瞳の奥には 深刻な翳りがあった

 

朝廷では さっそく天(チョン)軍を弾劾する声が上がる

しかし 彼らが自らの命を懸け 国の存亡を救ったことも事実である

イ・リョン王は 彼らに“軍職”を与えていないことも一因だと考え

軍職に就くことで 責任ある行動をするだろうという

 

これを受け 元は匪賊や奴婢だった者に 軍職など言語道断!

高句麗(コグリョ)は笑い者になると 反対の声が上がる

 

ここでタムドクが 契丹(コラン)族や靺鞨(マルガル)族といった

荒くれ者と戦う際には 彼らのような存在が必要だと進言する

厳しい軍律や 過酷な訓練は受けていないが 実践の中で生き抜いてきた

その奔放な戦い方は 訓練では身につかない独特なものであると

 

大将軍コ・ムもまた 大臣たちの反対の声にも理解を示しつつ

別動隊で縦横無尽に動ける特殊軍として 彼らの機動力が必要だと進言した

そして軍職については 両軍に“腕比べ”をさせ 決めるのが妥当であると

 

この決定を さっそくファンフェたちに知らせるタムドク

軍職に就くということは 手柄により 家や土地をもらえることでもある

妻を娶り 家族を持つことも夢ではなくなるのだ

これまでの人生を思えば それこそ夢のような話だが

ファンフェは 単に両軍の競い合いでは済まされないと危惧する

 

勝てば幸いだが もし負けてしまえば 軍職を逃がすだけでなく

またしてもタムドク王子の足を引っ張りかねないと…

 

後燕の首都 中山(ちゅうざん)では

 

タムドクの友人コ・ウンが 部下の知らせでタムドクの生存を知る

というのも 父ケ・ヨンスから 後燕の内情を調べろとの命令が届いたのだ

部下は 国相(ククサン)からの命令書と共にタムドクの手紙も持参していた

 

※国相(ククサン):現在の国務総理

 

ウンにとっては 父の命令書より友の手紙の方が重要だった

その手紙には 後燕の企みが詳しく記されていた…!

 

皇太子 慕容宝(モ・ヨンポ)と 弟の慕容煕が戻り

また 靺鞨(マルガル)族長ソルドアンの報告の裏付け調査が進み

柵城(チェクソン)の戦で タムドクが采配を揮ったことが事実と分かった

 

慕容煕の怒りは プンパルへと向けられる

プンパルは馬小屋の掃除を命じられ かつての部下にも蔑視されていた

この男さえ タムドクの暗殺に成功していれば…!

この男が 襲った現場に号牌(ホペ)を落とさなければ…!!

 

※号牌(ホペ):朝鮮時代の身分証

 

柵城(チェクソン)は今頃 後燕のものになっていたし

兄弟で このような屈辱を味わうこともなかったのだと…!!!

 

その夜 国内(クンネ)城では

 

競い合いに備え 訓練場で必死に訓練する天(チョン)軍

しかし ファンフェのやり方に音を上げ たちまちやる気をなくす兵士たち

そもそも 木刀での訓練に何の意味があるのかと

トルピスが不満を言い出し ヨソッケも やってられない!と座り込む

 

実戦しかしたことのない彼らには “訓練”という概念がない

どんなに剣の腕前があろうと それだけで敵を倒せるわけではないと!

自分より強い相手でも また大きい相手でも

そして 多勢に無勢であったとしても 勝てる方法ならいくらでもあるという

 

トルピスの話を聞き なるほどと感心するファンフェ

天(チョン)軍には 天(チョン)軍にしか出来ない戦術があると気づき

考えを改めるとともに 初めて勝機を見い出すファンフェだった

 

競い合いの当日

 

ヨソイの号令により いよいよ両軍の戦いが始まる

たった1人でも 最後に残った軍の勝利となる

中央軍は ヨンサルタの号令により“方陣”を組む…!

 

※方陣:兵を一定の形態に配置した陣

 

それに対抗する天(チョン)軍は ファンフェの掛け声で身構える…!

華麗に方陣を組む中央軍の守りは固く 全く歯が立たない

天(チョン)軍は 攻撃を仕掛けられないばかりか 徐々に追い詰められていく

 

訓練により 徹底的に方陣が叩きこまれている中央軍は

状況に応じて法人の形を変化させ 守りと攻撃を使い分けていた

しかし天(チョン)軍には ひとつの作戦もなく 闇雲に戦うだけであった

 

無駄な攻撃で体力を消耗し 苛立ち 焦っていく天(チョン)軍

中央軍の兵士たちには 余裕の笑みさえこぼれている

 

やがて 睨み合いの状態になり 戦い方を見失う天(チョン)軍

するとファンフェが前に出て 中央軍に向かい木刀を投げつけた…!

 

『おいお前たち! 靺鞨(マルガル)との戦いを思い出せ!

これまで命を惜しんで戦ったことがあるか? 木刀で戦ったことが?

俺たちに こんな戦いは似合わない! 木刀なんか必要ない!』

 

ファンフェの叫びに やっと本来の自分を思い出し

天(チョン)軍の兵士たちは 使い慣れない木刀と盾を放り投げた!

威勢のいい飛び蹴りの応酬に 中央軍の方陣が破れていく…!

 

卑怯だ!無礼だ!と喚き散らすヨソイ

それを叱りつけるイ・リョン王は すっかり競い合いを楽しんでいる

 

ヨンサルタは 3人ひと組の方陣を組ませ 地道に倒していく作戦に出る

負けじとファンフェが 対抗策を命じていく

 

トルピスの 虎退治の時には風を読むという話や

暴れる馬をおとなしくさせるには 目隠しをするという話から

中央軍の陣を崩すための秘策を考え付く…!

 

『上着を脱いで風上に立て! 上着で地面を叩き埃を舞い上がらせろ!』

 

いかに緻密な方陣を組み 攻守を整えたとしても

埃が舞った目隠しの状態では どうすることも出来ない

この兵法など無視した戦い方に なす術もなく全滅させられる中央軍

こんな卑怯な戦い方を 認めることは出来ないと叫ぶ中央軍の兵士

ヨンサルタも まだ戦えるし まだ負けてはいないと叫ぶ

 

『あなたたちは この国の名誉ある武将ではないのですか!

事態を受け入れずに 意地で戦を続ければ

あなたたちに従う 多くの兵士たちが無駄死にする!

負けを認めるべきだ! 兵士の命ではなく自尊心の方が大事なのですか!』

 

ファンフェの言葉に 負けを認めるしかないヨンサルタ

 

イ・リョン王は 両軍の戦いは勝敗に関わらず素晴らしかったと絶賛し

天(チョン)軍の兵士たちに 酒と食事を振る舞うという

そして明日 約束の軍職を授けると明言した…!

 

ご馳走と酒を振る舞われ 大いに酔いしれるヨソッケたち

ファンフェは これからが始まりなのに… とため息をつくが

先を憂いて不安がっていても始まらないと考え直す

兎にも角にも あの中央軍に勝ったのだ 今はこの勝利を祝おうと…!

 

悔しさと怒りに打ち震え 夜の訓練場で独り稽古するヨンサルタ

そこへ タムドクが現れ ヨンサルタが投げた木刀を拾う

 

『その怒りと悔しさが 己の弱さのためなら 今の怒りを楽しむことだ

しかし つまらない自尊心のための怒りならば 今すぐ鎮めよ

戦友になる彼らを 身分で見下してはならない

国を守るということは いかなる差別も許されないのだ

心の壁を取り払わずして 彼らと戦友にはなれない 共に汗を流すことだ』

 

翌日 天(チョン)軍の兵士たちに 軍職が授けられることとなった

コ・ム大将軍が 今まさに王命を読み上げようとしたその時…!

国相(ククサン)ケ・ヨンスが 軍職は授けられない!と叫ぶ

 

『天(チョン)軍を率いるファンフェは 大罪を犯した罪人です!

しかも 国法に背く逆賊なのです…!!!』

 

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