韓国ドラマ 散歩ガイド~散る花と咲く花がいつもここにある~

韓国ドラマを楽しむための解説ブログです
アメーバブログ「散る花と咲く花がいつもここにある」のブログと連携になっています

奇皇后-ふたつの愛 涙の誓い- 第38話 終わりなき争い

2019-04-05 17:50:00 | 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- あらすじ

“散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています

1話~11話はこちらで公開しています

 

※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります

 

 第38話 終わりなき争い 

 

鉱山の近く 廃坑を捜索して4日が過ぎていた

坑道の奥深くまで探しても 金塊はどこにも見つからない

父ヨンチョルより 譲ると明言されたにもかかわらず

タンギセは 金塊のひと欠片さえ見つけられずにいた

 

そこへ 父ヨンチョルが処刑されたとの知らせが届く

しかもその亡骸は 弟タプジャヘの亡骸と共に 市中を引き回されたと!

タンギセは 誰はばかることなく大声を上げて泣き叫ぶ

もはや妹タナシルリも無事では済むまい

家族の危機に 何の援護も出来なかった自分の不甲斐なさを恥じた

 

大都では

 

ヨンチョルとタプジャヘの亡骸を引き回す行列に 群衆が怒号を浴びせていた

行列の後方には 馬上の皇帝と婕妤キ・ヤン そして皇太后の輿が続く

 

『皇帝陛下 万歳!』

『キ・ヤン様 万歳!』

 

憎き丞相を倒したのは キ・ヤンの功労であることを 民はよく知っていた

惜しみなく贈られる称賛の声を 皇太后は複雑な思いで聞いていた

この国の諸悪の根源を退治したのは無論のこと

ヤンにとってヨンチョルは 無残に父を殺した敵

とめどなく流れる涙は ようやく父の無念を晴らせたという思いでもあった

 

冷宮では

 

父と兄の死を知り タナシルリが取り乱していた

そこへ 皇帝タファンが現れる

もはや皇帝に対し ひとつの礼も尽くさず悪態をつくタナシルリ

自分がしたことの善悪を 何ひとつ理解せず 今はただ被害者然としている

身内を殺されたという その憎しみだけで正気を保っているのだ

 

タファンは じっとその恨み言を聞く

仮にも妻であった者の おそらく最期の叫びとなるであろうと…

 

『追って毒薬をつかわす』

『ええ殺せばいい! 殺してください! 失うものはもう何もない!』

『死ぬ前に 一度でもいい 自分が殺した者たちへ許しを請うがいい

犯した罪を悔いよ それが…人の道理である』

 

もはや何を言おうと 伝わることはないだろう

タファンは タナシルリの返答を聞くことなく去って行った

 

やがて毒殺される身のタナシルリは 息子が敵を討ってほしいとつぶやく

この母がどんな扱いを受け どのように殺されたか

生々しく伝えよと ソ尚宮に命ずるのだった

 

皇帝タファンの親政が始まった

キ・ヤンのもとへは 各行省から次々と贈り物が届けられる

皇太后は それをただ苦々しく傍観するしかなかった

 

贈り物の中に 高麗(コリョ)からの物があり 中には密書が隠されていた

もともとキ・ヤンは 国の政策により 貢女として元の国に連れて来られた

高麗(コリョ)出身の側近たちは 何を今さら!と憤る

 

※貢女:高麗(コリョ)が元への貢ぎ物とした女性

 

同じ時 ワン・ユのもとへも父王より密書が届けられる

高麗(コリョ)の女人が 皇后の座を目前にしていると聞き

今後の援助を請うためにも 協力を惜しまないようにとしたためてある

パン・シヌたち側近は もうキ・ヤンには関わらぬ方が…と意見する

命懸けで どれだけの犠牲心で尽くしてきたことかと…!

 

そこへ ペガンたちが ヨンチョルの屋敷を捜索しているとの報告が!

タンギセ同様 ペガンもまた秘密資金の行方を追っていた

まだ任命も受けていないのに ペガンは 我が物顔で屋敷を使っている

次の丞相は 当然のごとく自分であると決めつけていた

 

『そなたも高麗(コリョ)に戻り 復位するのであろう?

そうなったら 元の属国として十分に協力してもらうぞ!』

 

あのヨンチョルでさえ 高麗(コリョ)を“属国”などと公言しなかった

シヌたちは ペガンがヨンチョル以上の丞相になるのでは?と囁き合った

 

ワン・ユが庭園を通って戻ろうとした時 向こうから婕妤キ・ヤンが来る

もう長いこと 私的に言葉を交わすことはなかった

 

『ペガンに警戒を… あの者は蒼き狼の末裔として 血統を重んじている

高麗(コリョ)出身のあなたを いつか排除しようとするでしょう』

 

さらにワン・ユは 公の行事を避けるようにと助言した

やがては皇后となり 権力を揮うであろうヤンに 敢えて苦言を呈したのだ

 

『多くの支持者を得るということは 一方で敵も増えるということです

過ちを犯せば その支持者さえ一瞬で寝返るでしょう

あなた様は非常に賢いが 権力というものについてはまだ詳しくない』

 

宦官ブルファは 王様の助言に耳を傾けるべきだと進言する

しかし この時のヤンにとって ペガンは最大の恩人であり

側室になれたのも 彼の養女になったからこそなのだ

 

婕妤キ・ヤンの思いとは裏腹に 大臣たちの思惑は違っていた

キ・ヤンが皇后の座に就き 養父ペガンを丞相にするのは間違いだと考える

ペガンは 確かに今回の功労者だが 長官としては新参者

長官の中の最年長者が丞相の座に就くべきだと主張する

 

雲南行省長官オガンは ヤンの思惑に期待していた

権力を得れば 実の親でも殺めるもの ましてやヤンは養女ではないかと

 

長官たちが 豪華な贈り物をした意図は 論功行賞に向けて…であった

あくまでもペガンを推すなら すべての長官を敵に回すことになる

会合では オガンを丞相に…という進言があからさまに行われた

 

しかし 婕妤キ・ヤンは 自分が決めることではないと受け流す

すべてを決めるのは 陛下であるという姿勢を崩すことはなかった

 

皇帝タファンは 論功行賞について 何も決められないでいた

親政を執るとはいえ タファンもまた 得た権力の使い方を知らない

悩む皇帝に 言葉を選びながら助言していくヤン

 

そこへ やはり論功行賞を按じて皇太后がやって来る

まさに皇太后が助言したかったことを 既にヤンが行っていた

それは 皇太后が考えるよりはるかに素晴らしい案であり

誇らしげにヤンを称える皇帝を 恨めしく見つめ引き下がるしかなかった

 

チャン・スニョンは 側室が政(まつりごと)に口を出すとは!と憤る

皇太后は ヤンが決めた論功行賞を 妙案だと褒めたが

権力を操る政(まつりごと)は “画策”程度では解決出来ないとほくそ笑む

今回の論功行賞が 明らかに波紋を呼ぶと確信したのだった

 

遼陽行省長官ペガンは 思惑通り丞相に任命された

そして 雲南行省長官オガンは “太師”

嶺北行省長官プサギは“太傳”

四川行省長官ソルトガンは“太保”

さらには ワン・ユの“復位”を許可すると言明されたのだった

 

この決定に 真っ先に不服を申し出たのはペガンであった

既に廃された“昔の官職”を なぜ復活させたのかと…!

誰もが欲する丞相の座を 分け合うことは出来ない

これはまさに “権力”ではなく“名誉”を分けた英断と言えるだろう

 

(ペガンがどう出るのか…)

皇太后が按じる点はそこにあり ペガンの表情がそれを物語っている

 

皇帝タファンは 続いてキ・ヤンを皇后にすると発表するつもりだった

これを阻んだのは皇太后であり 既に廃されたとはいえ

現皇后タナシルリの処刑が済んでいないという主張は無視出来ない

 

丞相と同等の官職を復活させてまで 自分を牽制する皇帝…いや婕妤キ・ヤン!

ペガンは 望み通りになったにもかかわらず憤りを隠せない

さらには皇后になる行く手を阻む皇太后

ヨンチョル一族を倒してもまだ 争いの終わりは見えてこない

 

婕妤キ・ヤンは タルタルに会う

復活させた3公はあくまでも“名誉職” 昔のような権限はなく

丞相ペガンの権力は安泰なのだと説明する

しかしタルタルは 名誉職だからこそ いかようにも捉えられる

ペガンは 何としても承服しないだろうという

 

それでもヤンは ペガンを信じ切っていた

必ずや理解してくれるだろうし タルタルにもそのように説得をと頼む

 

同じ時

 

皇太后はペガンに会い ヤンを皇后にしてはならぬと焚き付けていた

この論功行賞はすべてヤンが仕組んだことであり

アユルシリダラが皇位を継げば 高麗(コリョ)の血に国を奪われると…!

 

今回の件に不満はあったが ペガンもまたヤンを信じていた

しかし すべてがヤンの思惑とすれば… 心が揺らぐペガンだった

 

一方 掖庭宮では

 

トクマンとパン・シヌが会っていた

2人はもともと高麗(コリョ)の出身であり 旧知の中である

シヌは マハ皇子の処遇について聞く

マハがタナシルリの実子でないことは 一部の者しか知らない

ましてやマハが ヤンが産み落とし奪われた子であることは

シヌのほかには誰ひとり知る者がない事実だった

 

タナシルリが処刑され ヤンが皇后になれば…

そう思うと はっきり確かめずにはいられないシヌだった

そしてトクマンに頼み込み マハ皇子の足の甲に3つのホクロを確認し

やはりマハは 王様とスンニャンの子だと知り絶句する!

 

皇太后は冷宮に赴き タナシルリに会う

 

タナシルリは 皇太后の前にひれ伏し マハの命だけはと懇願する

ソ尚宮とヨン尚宮に マハの面倒を見させてほしいと…!

マハが拾い子だということは 百も承知の2人である

しかし マハを実子と思い込むタナシルリの涙に ひれ伏さずにはいられない

皇太后は まるで汚らわしい者に触れられたかのように

足元に縋りつくタナシルリの手を振り払った…!

 

ペガンは 皇太后の言葉をあらためて噛みしめる

あくまでもキ・ヤンを信じたいが 皇太后の話も一理ある

さらに皇太后は 皇室の姻戚になることを提案してきたのだ

キ・ヤンではなく 我が姪を皇后に据えれば…

たとえ3公の復活により権力が分散されても 立場が盤石なものになると!

 

真夜中 タルタルが呼ばれた

 

ペガンはキ・ヤンを 『たかが高麗(コリョ)の女が!』と吐き捨てる

そして 姪のバヤンフトに皇后教育をさせると言い出すのだった!

 

『叔父上!』

『強固な国造りを阻む者は たとえキ・ヤンでも斬り捨てる!!!』

 

すでに権力欲に溺れているペガンを タルタルは茫然と見つめる

丞相の座を手にする前と後では こんなにも人が変わってしまうものかと

 

やがてタナシルリは トクマンの指示により刑場へ連行される

はじめに運ばれた毒薬を 力任せに投げつけ 陛下を呼べと喚き散らす

そこへ皇帝タファンが 毒薬の器を持つ10数人の者たちを従え現れた

次の器も また次の器も叩き捨て ついにはタファンの胸に投げつける!

 

『すでに父上と兄上を殺し 敵を取ったではありませんか!

なぜ私まで殺す必要が? 理由をお聞かせください!!!』

 

『理由だと? 何人もの尊い命を奪ったことを もう忘れたか?』

 

『一体誰が… 誰がそうさせたのですか?

私をこんな風にしたのは陛下だと なぜ分からないのですか!!!』

 

『最期まで 己の罪を認めぬのだな』

 

『陛下も罪人ではありませんか! なぜ私だけが死なねばならないと?

マハには… どう説明を? マハの命をも奪う気なのですか!!!』

 

『黙れ』

 

そう一喝し 人だかりの後方から進み出たのは キ・ヤンであった

そして 『このような極悪人を毒薬で殺すのは生ぬるい!』と言い放つ

市中を引き回し 民の面前で絞首刑が妥当であると…!!!

 

居合わせた側室たちは青褪め タナシルリも凍りつく!

かつては皇后の地位に君臨していた者が このように処刑されるなど

これ以上の屈辱はないが すべてはタナシルリが招いた結果でもある

 

皇帝タファンは キ・ヤンの命じたままにと言い残し去って行く

一転してしおらしくなるタナシルリ

せめて殺される前に もう一度だけ我が息子に会わせてほしいと懇願する

そんなタナシルリを引き寄せ 耳元で囁くキ・ヤン

 

(息子など… 産んでいないのでは? マハは… 偽者

尼僧らを皆殺しにして奪った… 血の繋がらない偽者では?)

 

タナシルリは マハが我が子であるという幻想から 次第に目覚めていく

 

(お前の死後 マハは偽者だと公表され 一族は根絶やしとなる

あの世で その様を見届けるがよい…!)

 

城門の前に刑場が設けられた

タナシルリは 黒い頭巾を被せられ処刑台に引き摺られていく

見守る群衆の中には 兄タンギセの姿があった

哀れな妹のもとへ 今にも駆け出そうとするタンギセ

ビョンスとチョチャムが 両脇を抑え込み必死に食い止めている

 

(ここで見つかれば 我々も殺されてしまう!)

 

キ・ヤンが 喚き散らすタナシルリの 頭巾を取れと命じた

一体 誰が処刑されるのかと見物していた群衆が 一斉に怒号を浴びせる

ヨンチョルの娘だと知り 哀れみのため息が罵声へと転じていく

タナシルリはもう 泣き喚く気力さえなくなった

 

首に縄がかけられ ハラハラと涙を流し怯えるタナシルリ

 

キ・ヤンは 亡きパク・オジンや 共に惨殺された高麗(コリョ)の女性たち

さらには 生き別れたままの我が子 ピョルに思いを馳せる

この女に奪われた多くの尊い命を思い 涙するキ・ヤンであった

 

いかにも哀れそうに 処刑されようとしているタナシルリ

まるで被害者のごとき恨み言を喚き散らすタナシルリ

群衆の中に わが兄タンギセを見た瞬間 足場が外された

 

タナシルリが処刑され 後宮は キ・ヤンを中心に廻り始める

大明殿において 正式に皇后となるのも時間の問題であった

あのヨンチョル一族を掃討し 皇帝タファンが親政を行えるのも

すべてはキ・ヤンの功績であると 誰もが知るところである

 

しかし…

 

皇太后は “高麗(コリョ)の血を引く者”の存在を否定する

モンゴルの血を引くマハ皇子こそが皇太子になるべきだと…!

 

大明殿の外で 声高らかに反対の意を叫ぶ皇太后…!

髪を下ろし 皇太后の衣を脱ぎ 白装束姿でムシロに座っている

断じて高麗(コリョ)の女を皇后にしてはならぬと

皇帝に対し 席藁待罪(ソッコテジェ)の構えで抗議するのであった!

 

タファンは どうせ皇太后の難癖だと高を括っている

三公と大臣らが認めているのだから 必ずヤンが皇后になれる筈だと…!

 

※席藁待罪(ソッコテジェ):喪服を着て藁の筵に跪き王の許しを請う行為

※三公:官制において最高位に位置する3つの官職

 

そこへ 丞相ペガンとタルタルが現れる

タルタルは 皇帝の前に1冊の名簿を差し出した

皇后の座には モンゴルの血を引く者が就くべきであり

キ・ヤンを皇后にしてはならないという上奏の名簿なのだという

 

『新たな皇后が決まるまで 禁婚令を敷くべきです』

『私はもう用済みだから 捨てるということですか?』

『キ・ヤン様の目的は ヨンチョル一族に対する復讐だったはず

目的はもう果たされたのではありませんか? それ以上の欲はお捨てに』

『…わかりました』

 

皇后ではなく ただの貴嬪となるべきだというペガン

キ・ヤンは その先を論じることなく引き下がる

あの時 ワン・ユが言ったとおりの結果になろうとしている

いつか必ずペガンは敵となる キ・ヤンを排除しようとすると…!

 

丞相ペガンの姪バヤンフトが入宮する

皇帝タファンは それを冷ややかに出迎えた

バヤンフトは実に美しく ペガンが推すだけあり 自信に満ちていた

優雅に挨拶するバヤンフトであったが タファンは…

 

『バヤンフト そなたが皇后になることは 万にひとつもあり得ない!』

『いいえ 陛下はきっと私を皇后になさいます』

 

皇帝の冷遇にまったく動じず 笑顔を崩さないバヤンフト

その光景を遠くから見つめるキ・ヤン

宦官ブルファが ヤンの耳元で驚くべき事実を報告する

丞相ペガンが 高麗(コリョ)に対し貢女300人を差し出すよう要求したと!

 

その夜 キ・ヤンは密かにワン・ユと会談する

高麗(コリョ)王からの密書には 高麗(コリョ)のために協力をとあった

父王の意志は 無視してほしいというワン・ユ

しかしキ・ヤンは 思いがけないことを口にする…!

 

『どうぞ私の手をお取りください』

『……』

『父の恨みを晴らそうとして あの者らの本性を忘れていたのです

この国で苦しむ高麗(コリョ)の民のため そして何より自分のためにも

今後は戦わねばなりません どうか協力してください…!

我が子を皇帝にし 権力の最高位まで昇り詰めます

そのためにも 私の手をお取りください…!』

 

にほんブログ村 テレビブログ 韓国ドラマへ

にほんブログ村