韓国ドラマ 散歩ガイド~散る花と咲く花がいつもここにある~

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武士ペク・ドンス 第10話

2017-11-30 07:00:00 | 武士ペク・ドンス あらすじ

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 武士ペク・ドンス 第10話 

 

沙彌尼ユ・ジソンの背中に彫られた「北伐の計」は

絵師キム・ホンドによって 3枚の絵に描き分けられた

1枚目の絵には平安道(ピョンアンド)から北京へ最短で行ける行路図

人・荷車・馬車の配置で道の広さを表現し 大軍が通れる道かを示している

 

2枚目の絵には 戦闘するうえで重要な 脱出路・監視路などの基点を示し

さらに3枚目の絵では 辺境7城及び12関門の秘密行路が示されていた…!

 

熢燧台では

 

二度と宮廷に戻れないようだと知り 落ち込むドンス

あの恋しい沙彌尼に 二度と会えなくなるのかと…

ソ・ユデは そんなドンスに 恋情が幼過ぎるから苦しいのだという

 

『武人になることも理屈は同じだ

剣を振り回し ただ斬り殺すことだけを考える者は 真の武人になれない

人を救う剣を持つ者こそが 真の武人になれる』

 

初めてまともなことを口走るユデを チョリプがからかう

それでもユデは 目に涙を浮かべて話を続けた

その心に 熱き思いを抱く者でなければ 真の武人にはなれないと…

 

チャンミの酒幕(チュマク)に

 

何かに理由をつけ 何度もジンジュが顔を出していた

今夜は 身寄りのない子らを泊めてくれと チャンミに泣きつく

ファン・ジンギは 何度来たところで ここにドンスは来ないという

ドンスが 熢燧台に配属されたと聞かされ 戸惑いを隠せないジンジュだった

 

そんなジンジュを見つめ 地(カオク)に似ているというグァンテク

もう20年も過去のことなのに まだ忘れられないのかと聞くジンギ

 

『まったく兄貴は… 女心が分かってない!

こうして戻ってるのに 一度も会いに来ない女だぞ』

 

一方 天(チョン)に斬られ一命を取り留めた人(イン)テウンは

兵曹判書(ピョンジョパンソ)ホン・デジュの屋敷に身を寄せていた

 

※兵曹判書(ピョンジョパンソ):軍事を司る官庁の長官

 

デジュが なぜテウンを助けようと思ったのか…

いずれにしても まだ人(テウン)の命運は尽きなかった

 

キム・グァンテクは 黒紗蝋論(フクサチョロン)の砦に単身乗り込み

地(カオク)に会いたいと 談判する

 

※黒紗蝋論(フクサチョロン):清の殺人集団

 

全てを捨て 一緒に旅立とうと 再び共に生きようというグァンテク

拒絶する地(カオク)に 即答はしなくていいと告げる

剣仙(コムソン)と呼ばれたほどの男が 地位や名声より

栄華を極めるよりも ひとりの女と生きる道を選んだのだ

 

※剣仙(コムソン):朝鮮一の武士の称号

 

叶わぬと知りながらも 愛する女を選ぶ盟友に 天(チョン)は言葉もない

ただ酒を酌み交わし そんな盟友を背中で見送るのだった

 

チャンミの酒幕(チュマク)では

 

早朝から大量の料理を作り せっせと荷造りするチャンミ

ミソを叩き起こして手伝わせ ジンジュに 早く宿代を払ってと催促する

子供たちと泊まったジンジュが目覚めると お金と子供たちが消えていた

親切で引き取ろうとしたのに 全財産を持って行かれたのだ…!

 

チャンミは 宿代が払えないジンジュにも手伝わせ 熢燧台へ向かう

思いがけなくご馳走にありついた3人は 夢中で食べ始めた

ジンジュは 荷物運びばかりか 食後の皿洗いまでさせられる

そんなジンジュに 何ともそっけないドンス

いつまで経っても昔を思い出さないドンスに ジンジュは苛立つ!

 

東宮殿に クヒャンという芸妓が呼ばれた

 

清国で医術を学んだというクヒャンに 入れ墨を消せるかと問う世子

クヒャンは ジソンの入れ墨を確認し3回の施術で消えると答えた

しかしそれには 耐え難い苦痛が伴うと…!

 

夕方が迫る熢燧台では

 

ご馳走に満足した3人が チャンミたちを見送っている

空になった荷物を持ち 仏頂面で帰りを急ぐジンジュ

すると…

 

『おーい ファン・ジンジュ! 久しぶり!!!』

 

ドンスは 言わないだけで ちゃんとジンジュに気づいていた

気づいているからこそ 昔のように遠慮なく 乱暴に接していたのだ

途端に元気を取り戻し 夢中で手を振るジンジュは 嬉しくて笑いが止まらない

 

女3人を見送った後 急に膝が痛いと言い出すユデ

快晴の空なのに 雨が近いと言われ とても信じられないドンス

しかしその夜 雨は降った…

一番に起きたチョリプは 辺りを見回し顔面蒼白になる…!

 

ホン・デジュの屋敷では

 

息子サヘが 直起人の3人について報告している

イム・スウンが連れて来た3人は 後から来て物凄く生意気だったと!

 

※直起人:初試を免罪された士大夫の子女

 

デジュは スウンが連れて来たなら おそらく世子が関与していると考える

そして 3人が配属された熢燧台は何処かが気になる

 

第一炉熢燧台と聞き そういうことか…! と高笑いするデジュ

そしてイム・スウンの執務室に行き 今すぐ第一炉熢燧台を試験しろという

 

“試験”とは 架空の非常事態を設定して合図し

熢燧台が的確に狼煙を上げられるか その機能を試すのだ

 

ホン・デジュは 3人の直起人のうち “ペク・ドンス”という名が気にかかる

そして 部下から20歳と聞き ますます気になり考え込む…!

 

ハッとして 宮中の世子を捜すデジュ!

思悼(サド)世子は 修練場で弓を射ている

 

将軍ソ・ユデが 突然歩兵に降格され 第一炉熢燧台へ配属された

そこへ 直起人の若者が3人配属された

この事実をご存知かと デジュは 思悼(サド)世子に問う

 

その熢燧台に対し 試験を実行するが 万が一任務を果たせぬ時は

ユデと直起人の若者3人は 即刻斬首となることをご存知かと…

 

『宮廷には いつまで熢火が届けばよいのだ?』

『開城(ケソン)からですので… 半日程度はかかるかと』

 

熢燧台のドンスは チョリプに急かされて薪を探していた

毎日何もすることがない日々で 試験の重大さも分かっていないドンスは

まるで遠足気分に浸りながら 楽しそうに薪を探す

台風一過の山の木は使い物にならず 麓の村で薪を分けてもらった

 

そして帰り道 狼煙が上がったのを目撃し 青ざめるドンス!

いくらドンスでも どんな事態かは理解できる

慌てて戻る途中に雨が降り出し またしても薪が濡れてしまった!

 

もう絶望的だと 頭を抱えて半ベソになるチョリプ…!

するとソ・ユデが 狼煙が上げられないなら走ればいいだけのことだと言う

 

開城(ケソン)で上がった試験の狼煙は 各熢燧台を中継し宮廷に届く

普段は暇でも この狼煙を中継出来なければ 大逆罪で斬首になるのだ

 

しかし 次の熢燧台までは30里以上!

狼煙を確認してから すでに時が過ぎ ただでさえ遅れている

ならば宮廷熢燧台に行くまで!というドンスに チョリプが激怒する!

都まで 山道を80里走るなんてもっと無理だと!!!

 

『だったら何もせずに死ぬのか?!』

 

絶望して文句ばかり言うチョリプに 今度はドンスが怒り出す!

要するに 日没まで宮廷に到着すればいいいんだと

ドンスの言葉に ウンが苦笑する

楽天的というべきか… その真っ直ぐな考えは昔から変わらない

 

話し合っている時間なんてない!

思いついたら即行動のドンスが 行くぞ!!!と立ち上がった…!

ウンは チョリプに ここにいろと言い 面白そうに後を追う

 

ドンスはひたすら山道を走り ウンも黙って後をついて行く

すると目の前に突然崖が…!!!

ドンスは チラっとウンを振り返り あっという間に視界から消えた!

回り道をするとか 険しい崖を下り谷に降りて…などとは考えず

勢いよく谷に向かって飛び込んだのだ!

 

水面から突き出た岩の すぐ横に落下したドンス

命を懸けたという意識もなく 先に行ってるぞ!と叫び泳ぎ出す

 

「狼煙を上げ損ねたら死ぬ… 死ぬんだ!」

 

ユデの言葉が頭をよぎる

ドンスも まったく不安がないわけではない

でも今は走るしかないのだ

この世に不可能はないと 自分に言い聞かせ ひたすら走るドンスだった!

 

ようやく山を下り 町中に入ったドンスは とうとう力尽きて倒れ込む

すると目の前に ウンが1頭の馬を連れて立っている…!

考えなしに谷底へ飛び込み 突き進んだドンス

しかしウンは 地形を読んで先回りし 早馬兵から馬を奪ったのだ!

 

『馬を盗んだって死罪じゃない でも狼煙が遅れたら斬首だ』

『お前… だんだん俺に似てきてないか?』

『だからって お前よりは優秀だ 行こう!』

 

チャンミの酒幕(チュマク)では

 

グァンテクとフクサモが ファン・ジンギを待っていた

3人はここで待ち合わせていたが 約束の時間に遅れて現れたジンギ

 

ジンギは 山越えの途中で狼煙が上がるのを見た

そして ウンが早馬兵から馬を奪うところに遭遇したのだ

矢を構える兵士を止めなければ ウンは間違いなく射殺されていただろう

あれはきっと 試験の狼煙だというジンギに 2人は黙り込む

まさかとは思うが台風の後だ ドンスたちは任務を果たせたのか…

ウンが早馬を奪ったのなら 間違いなく何かが起きたのだ…!

 

夕陽が迫る頃になり ドンスとウンは ようやく宮廷熢燧台に到着した

しかし 門番に冷たく追い返されてしまう…!

 

同じ時 東宮殿の一室では

 

沙彌尼ユ・ジソンが 芸妓クヒャンの前で衣を脱いでいた

世子から 消してほしいと頼まれた入れ墨は 目を見張るほど背中一面に…

両班(ヤンバン)の家に生まれながら 少女の頃に彫られたこの入れ墨により

まるでが烙印されるような 惨めさを味わってきたジソンであった

 

※両班(ヤンバン):朝鮮時代の上流階級

 

見知らぬ者たちが この背中の入れ墨を捜し 追いかけて来るのだと…

なぜ自分にそんな話をするのか… クヒャンは 隠し持つ短剣を懐へ戻す

 

一方 ドンスとウンは 門番に 馬をやるからと 必死に交渉していた

門番は “武科初試生が来ても絶対に門を開けるな”と命じられている

しかし 賄賂の馬に目が眩む門番

2人はとうとう見張り台の上へ…!

 

この見張り台から 4つの熢燧台に火矢を撃つ

4本の狼煙が上がれば 試験は合格となるのだ

 

最初の火矢が命中し まずは一つ目の狼煙が上がった

修練場から狼煙を確認した思悼(サド)世子は 安堵の表情になる

 

『1つ目が上がっただけです まだ分かりません!』

『兵判は 不合格を願っているのか?』

『いえ まさかそんな…』

 

3つ目の狼煙が上がったところで また雨が降り出した

残りの矢も少なく 次第に強くなる雨脚に 失敗するほど望みは薄れていく

最後の矢を射ることが出来ず ドンスは ウンに弓を渡す

ドンスと見つめ合い 覚悟を決め 渾身の矢を放つウン…!

一瞬は失敗したように思われたものの 4つ目の狼煙が上がる!!!

 

第一炉熢燧台では ユデとチョリプが 放心して見ていた

そして修練場の思悼(サド)世子は デジュを一瞥して去って行く

 

東宮殿では

 

クヒャンが 苦痛のあまり意識を失っている沙彌尼を見つめていた

その体ごと生きたまま… それが無理なら 殺して皮を剥いででも

沙彌尼を連れ帰れと ホン・デジュから命じられている

 

の烙印のようだと この沙彌尼は言った

遠い昔 自分の背中に烙印された“奴”の入れ墨を消してくれたのは

黒紗蝋論(フクサチョロン)の天(チョン)である

 

クヒャンは もとから妓女だったわけではない

謀反の罪を着せられた両班(ヤンバン)の娘であった

しかし の烙印を消せば 手伝った者も斬首される

 

『謀反に原則などはない 捉え方次第で謀反だ』

 

なぜ?と問うクヒャンに 悔しくないのか?と…

天(チョン)の言葉を思い出し クヒャンは 短剣を鞘に納めた

 

無事 入れ墨を消したジソンは しばらく東宮殿で静養することになった

不自由はないかと世子に気遣われ 外の空気が吸いたいというジソン

東宮殿から出ないと約束し 月夜の庭を歩く

 

同じ時 ドンスとウンは

 

イム・スウンの執務室で これまでの経緯を緊張しながら報告する

何の理由であれ どんな方法であれ 任務を遂行するのが軍人だと

スウンは よくやったと褒めてくれた

そして 任務を遂行できず 馬まで奪われた早馬の兵士は叱責を受ける

どんな理由で ウンの前に早馬が現れたのか… 任務とは何だったのか

スウンは その兵士をそれ以上は咎めず ただ 口外するなとだけ命じた

 

二度と戻れないと思っていた宮廷に こんな形で戻って来るとは…

ドンスは 緊張感から解放され 宮廷内を散策する

すると向こうから 恋焦がれた沙彌尼が…!

 

ホン・デジュの屋敷

 

クヒャンは 沙彌尼自身ではなく 3つの絵を持ち帰った

デジュはそれに満足し 今夜にも“大会合”を開くと言い放つ…!

 

『ここで断言してもいい 世子の命は… もうこの手の中にある!』

 

“世子に王位を譲位せよ”

清国皇帝よりの勅書は ホン・デジュにより処分された

しかし 勅書の存在が事実である限り 世子を排除するしかない

もし世子が王位を継いだら この老論(ノロン)派で生き残れる者はいないのだ

老論(ノロン)派の崩壊は 朝鮮の崩壊だというデジュ

 

『王妃様 いよいよこの時が参りました』

『天命には逆らえぬ 肝に命じよ 失敗は決して許さない…!』

 

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奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- 第25話 側室選び

2017-11-25 07:00:00 | 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- あらすじ

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※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります

 

 第25話 側室選び 

 

ワン・ユは 婚姻しても尚 スンニャンを失った悲しみが癒えなかった

シヌが 言いにくそうに 元でも交鈔による被害が出ていると報告する

丞相ヨンチョルは 皇帝を操るだけでなく金脈まで牛耳っていると…!

 

※交鈔:元の紙幣

 

帰国するというタンギセに 自分はまだ帰れないというワン・ユ

婚姻したばかりでは仕方ないと タンギセは 何の疑いも持たず旅立つ

ワン・ユは チョンバギに命じ すぐに遼陽へ行くという

 

元の都 大都では

 

側室選びの場で 皇帝タファンが動揺していた…!

娘らの最後尾には キ・ヤンの姿があり 思わずヤンを呼ぶタファン!

そこへ 皇后タナシルリが現れ 審査に加わりたいと言い出す…!

 

掟では 皇后は参加出来ないことになっているが

異論があれば丞相に… と言われ 認めるしかない皇太后

 

やがて側室候補の娘たちは 小部屋へ案内される

トクマンは 最後尾のヤンを 別の小部屋に連れて行き 叱責する

せっかく苦労して逃がしたのに なぜ舞い戻ったのかと…!!!

 

たった1人で 復讐など出来るはずがない!

また新たな災いをもたらすことになるだけだと 強く反対するトクマン!

 

殺された者たちは 故郷の家族にと ヤンに手紙を託した

それを読んだヤンは このまま自分だけが助かるわけにはいかなかったのだ

この世に貢女が存在する限り こうした無念の死は途絶えることがないと…!

 

※貢女:高麗(コリョ)が元への貢物とした女性

 

『高麗(コリョ)の人間の誰かが この元で権力を握り

丞相一族と戦わねばならないのです!

パク・オジン様は そうした理由で側室になったのではないのですか!

私に 協力してくださらなくても結構です

ですが側室になりたいのは 栄華を望むからではないと信じてください』

 

トクマンもまた 高麗(コリョ)の出身である

殺された者たちの手紙を読み ひとり涙するのだった

 

その夜

 

タファンは コルタに命じ 密かにキ・ヤンを連れて来いという

コルタに案内され タファンのもとへ行くヤン

声を取り戻したということは くれぐれも内密にと コルタが念を押す

 

ヤンは どうしてもタファンに伝えねばならなかった

側室になり ヨンチョル一族への復讐を果たす

それは 自分の復讐でもあり 皇帝と皇太后の復讐でもあると…!

 

『協力してくだされば 側室として心からお仕えします

陛下は 私に償いたいと仰いました これこそが償いとなるのです』

 

タファンに対し 微塵の想いも見せないヤン

自分と同じ思いをすれば 誰でもこうなると… 冷たく答えるだけだった

タファンの答えを待たずに ヤンは 部屋に戻る時間となる

 

遼陽行省では

 

市場のあちこちに “メバク商団の護衛兵募集”という貼り紙がされていた

ワン・ユら一行は“ホン”という男が酒を納めている妓楼に入る

この妓楼で ホンが偽の交鈔を売りさばいているというのだ

 

ワン・ユらは 妓楼を出たホンを尾行する

偽造場所を吐かせようと チョンバギがホンを締め上げる…!

しかしワン・ユは 有無を言わさずホンを斬り捨ててしまった!!!

そして こんな小物相手ではなく 直接商団の長と話をするというのだ…!

 

『2日後 護衛兵選抜の日 こいつの遺体を商団に送りつけろ』

 

元の都 大都では 皇后殿に皇太后が訪ねて来ていた

試験では 自分も課題を出すというタナシルリ

審査に参加することすら反対していた皇太后が 寛大にも快諾する

 

側室候補の控室では ヤンが 苛めの対象となっていた

貢女出身であると どこからか伝え聞いた娘が 話を広めたのだ

皇后の前では震えていた長官の娘たちであったが

自分より身分の低い者には タナシルリと同じように冷酷になる…!

 

中には ヤンを庇う娘もいたが 大半はその身分を蔑み

同等に扱われて競い合うなど 屈辱も甚だしいと怒り出す…!

そこへ 皇后タナシルリが現れ 初めてキ・ヤンに遭遇する

 

『なぜお前がここにいる…!』

 

驚いたのはタナシルリだけではない

ソ尚宮も ヨンファも ヤンの姿に凍りつく…!

 

そこへ 皇太后が余裕の表情で現れ 遼陽行省ペガン将軍の推薦だという

候補者については長官らに一任しているため 気づかなかったと…

それが何か?という態度で 試験の開始を宣言する皇太后

第1次試験は「人相」で選抜するという

 

しかし 皇太后が呼んだはずの人相見の者は現れない

皇后タナシルリが 代わりに絵師を呼んだという

それぞれ娘たちの肖像画を描かせ それを人相見の者に提出するというのだ

後宮の中で 最も美しいのが自分でなければ気が済まない

タナシルリは 娘たちの中から醜い者だけを選ぶようにと画策していた

 

やがてトクマンが 1次試験で選ばれた7名の娘の名を読み上げる

 

雲南行省 ソルファ嬢

嶺北行省 ウヒ嬢

陜西行省 モラン嬢

四川行省 ミラン嬢

甘粛行省 キエ嬢

江西行省 チラン嬢

 

そして最後 7人目に名前を呼ばれたのは…

遼陽行省 キ・ヤン嬢であった…!

 

なぜ画策の通りにならなかったのか!

ソ尚宮を ギロリと睨み付けるタナシルリ

 

ヤンは タルタルに 皇后が審査に加わることを告げていた

そしてどんな事態になっても対応できるよう

皇太后が選出したい娘にだけ 共通の髪飾りをつけさせていたのだ

 

皇太后は 皇帝のもとへ行き 1次試験の結果は上々だと報告する

そして 遼陽行省のキ・ヤンも 無事通過したと…

 

『あの者は 陛下の命を救ったと聞きました 非常に賢い…!

今回の試験がうまくいったのも あの者の知恵があったからです』

 

この側室選びを前に タファンは 丞相の企みを聞いていた

まるで抜け殻のようになったタファンを無視し 枕元でも平気で話す

ヨンチョルは マハが1歳になった時 譲位させようと企てていた

その時のためにも 側室という“人質”が必要というわけだ

 

ところで… と切り出す侍従コルタ

 

皇帝タファンは 声が出るようになったことを皇太后にも隠す

なぜ味方の皇太后様にまで秘密に?

タファンの中で 何かが違って来ていた

声が出るということは コルタとヤンしか知らない事実だった

 

第2次試験は 皇后タナシルリが出題することになっている

皇太后は 試験を楽しみにしていると話し すれ違いざまにつぶやく

 

『皇覚寺での火災をご存知ですか?』

 

ギクリとして振り向くタナシルリ

ソ尚宮は 青ざめてその場に凍りつく…!

 

『誰の仕業かは存じませんが…

きっとその者には 天罰が下るに違いありません 南無阿弥陀仏…』

 

皇太后が立ち去ると 疑われているのか?と動揺し始めるタナシルリ

尼僧たちは皆死に 証拠となる物もないと 懸命に励ますソ尚宮だった…!

 

皇太后とて 確たる証拠があるわけではない

皇后が 皇覚寺で不妊治療をしていたとの情報もある

しかしどうにも疑わしくて仕方がない きっと皇后が関与しているはずだと

詳細に調査するよう チャン・スニョンに命じていく

 

遼陽の酒場では

 

チェ・ムソンが 自らメバク商団に潜入すると申し出ていた

命懸けの任務になるが 誰かがやらねば… と

浪人の“チェ”と名乗って剣の腕を披露し フクスに取り立てられるムソン

 

遠くから その様子を見守っていたワン・ユは

フクスと同席している者に注目する

笠を深く被る怪しげな人物の正体は あのヨンビスなのだが

ワン・ユの位置からは 暗くてよく見えない

 

そこへ ホンの遺体が担ぎ込まれる…!

ホンと手下の遺体を確認し 歯噛みするフクス

そして 奪われた交鈔には目印がついている 使えばすぐに足がつくと!

 

大都では いよいよ第2次試験が行われていた

出題者の皇后は 娘らの心根を見る試験だという

宮中で 最も貴重な食べ物をと… それがタナシルリの課題だった

 

娘たちは 先を急いで厨房へ走る…!

するとヨンファが ヤンの行く手を阻んだ

女官から尚宮になったヨンファは ヤンの凄みに負けまいと虚勢を張る!

 

睨み付けるヤンの頬を打ち 殴り返せるなら殴れと言い放った

自分には皇后様がついているから 何をしても無駄だと…!

 

『側室になりたいなんて… 身の程を知りなさい!

それが実現するなら この手に焼き印しても構わないわ!』

『……その言葉を 忘れないで』

 

ヤンの野望に比べれば ヨンファの虚勢など問題外だったが

今は この意地悪さえ命取りになる

ヤンは ホンダンに付き添われ とにかく厨房を目指した!

 

しかし厨房は ヨンファの指示で中から施錠されている

限られた時間で 他の候補者たちは順調に料理を完成させていた

ようやく厨房の扉が開いた時には 時間も食材もほとんど残っていない…!

 

ヤンが戻らないまま それぞれの料理の審査が始まろうとしていた

トクマンが 開始の宣言をしようとした直前 ヤンが現れる

忌々しく舌打ちするヨンファ

タファンは ホッとした表情で笑みを漏らし

皇太后が 早く席へと促した

 

審査には間に合ったものの 一体何を作ったというのか…

ホンダンは 不安そうにヤンを見つめながら 自分の場所へと戻る

 

審査をするのは 皇太后様と皇后様! とトクマンが宣言すると

コルタが 陛下も審査に加わると付け加えた

 

それぞれの側室候補たちが 最高の食材で作った料理を披露する

 

皇太后と皇帝は 料理の説明を聞きながら 真摯に審査していくが

皇后タナシルリは 優れた娘にこそ 最低点をつけた

そして最後に キ・ヤンの名が呼ばれた

 

ヤンが 覚悟を決めて 皿を覆う布を取ると 誰もが驚き絶句した

皿の上に乗っているのは 料理ではなく ただの“塩”だった…!

娘たちは 蔑むようにクスクスと笑い出し ホンダンは絶望して目をつぶる

 

どんな素晴らしい料理にも それぞれ“塩”が使われている

疲れた体には “塩”が不可欠だと 説明を始めるヤン

 

『民たちは皆 陛下の善政とご慈悲を求めております

陛下 すべての料理に“塩”が不可欠であるように

この国の民に寄り添う ご慈悲を施し下さいませ』

 

詭弁に過ぎないと 声を荒げるタナシルリ!

それに反論する皇太后…!

“貴重な食べ物”という出題に 見事 理にかなっていると

 

皇太后も皇帝も もちろん ヤンに満点の評価を下すが

タナシルリは 自分の出題をないがしろにされたと騒ぎ出す…!

何の努力もしていない者は 満場一致で落第点にすべきだと!!!

 

第3次試験に向け 学者たちが難問を作成している

皇后は ヨム・ビョンス率いる親衛隊を差し向け 徹底して監視させた

問題が漏洩しないよう そして皇太后が画策できぬように…!

 

タファンは心配でならなかった

貢女だったヤンが そんな難問を解けるはずがない

2次試験も落第点だったのに これでは側室になれるわけがないと…

 

しかし ヤンほど賢い娘はいないと コルタが励ます

賢いことと 試験の難問が解けるかは別だと 深くため息するタファンだった

 

第3次試験では 側室候補の娘たちの前に 1枚の絵が提示された

この絵に隠されている深い意味を書けという 極めて難問だった

 

娘たちは 答えを書いて次々に席を立つ

しかしヤンは 絵を食い入るように見つめ まだ筆すら持っていない

 

絵は 農家の情景を描いている

牛を飼い 米を炊き それを見つめる仏の姿が書き込まれている

まさに“天下泰平”の情景に見え 娘たちの答えもそれだった

 

後方で見守るペガンは ヤンが何を迷っているのか分からない

誰が見ても“天下泰平”なのに 何を迷うのか…

しかしタルタルは “天下泰平”が答えではないという

 

しびれを切らしたタナシルリが これ以上は待てぬと苛立ち

トクマンが 早く答えを書くようにと促す

ヤンは 夜ごとタファンの枕元で読まされた書物の中の一節を思い浮かべ

何かに気づいたように表情を明るくし 筆を持った…!

 

同じ時

 

ようやく高麗(コリョ)から戻ったタンギセに ビョンスが駆け寄り報告する

スンニャンが生きていて なぜか側室候補に加わっていると…!

 

タンギセとタプジャヘは スンニャンを推薦したペガンのもとへ!!!

血書を捜し 丞相を脅かした者を側室候補にするとは!

 

それは貢女出身のヤンが 手柄を立てたかっただけのこと

姪が急病で候補に困り どうせなれなくても候補だけは立てなければと

偶然に転がり込んだヤンを 候補に仕立てたまでのこと

それがどうしたのだ?と 涼し気に答えるペガン

そして… そういえば ヤンから伝言を預かっていると切り出した

 

“側室パク・オジン様の死の真相については 決して口外しません” と…

 

ギクリとするタンギセ

タプジャヘも そしてビョンスとチョチャムも 同様にうろたえる

全員共犯か?と 軽々しく言い放つペガンに タンギセが逆上する…!

その事実は 父である丞相には内密に 皇后の命令でしたことなのだ

事を荒立てれば タンギセが 父親から怒りを買うことになる

 

『ヤンが口外しないと誓っても 私は口が軽い!

互いのためを思うなら これ以上騒ぐべきではない そうだろう?』

 

試験の会場では

 

他の娘たちが“天下泰平”と回答した中で ヤンだけが違う答えを書き

なぜその答えに至ったのか… 学者に その説明を求められていた

 

この家には 薪がないと答えるヤン

かまどで米を炊いているが 軒下の薪は底を突き 家を壊して薪にしている

そして飼っている牛の横には この家の主と牛飼いの姿があり

生活に瀕した主が 牛を売ろうとしているのだという

 

『牛を売ってまで税金を納めようとしている

そして 家を壊さねば火をおこせない

来たる年の備えなどに考えも及ばず ただその場を凌ぐだけの生活

“白衣の仙人は御堂の中で安泰”

蘇東坡の詩が答えです』

 

※蘇東坡:中国北宋代の政治家・詩人・書家

 

貢女出身だと見下げてきた娘たちは ヤンの博識にに驚き

学者たちは キ・ヤン嬢だけが正解を書いたと発表する

満点の答えを書いたヤンに 皇后も文句のつけようがない

学者たちを監視し 試験の公平性を示したのは 皇后自身なのだ

 

その頃 命を取り留めたパク・ブルファは…

 

トクマンのもとで養生していた

スンニャンを守るため 宦官になる決心を固めていたが

2次試験で落第点を取ったと聞き 側室になるのは絶望的と諦めかけていた

これでは 宦官になっても何の意味もないと…!

 

そんな中 ヤン1人だけが 見事に難問を解いたのだ

トクマンは これで希望が出てきたと 晴れ晴れとした表情になる

 

遼陽行省では

 

メバク商団の会合に行こうと ヨンビスが準備している

綺麗に化粧を施し 艶やかな女姿のヨンビス

 

一方 ワン・ユは 商団に潜入させたムソンに指示を出し

シヌには 長官ペガンを訪ねるようにと命じていく

しかし ペガンは大都へ行っているというシヌ

皇帝タファンの側室選びがあることを この時初めて知るワン・ユだった

 

妓楼の前を歩いていると 向こうから 見覚えのある顔が…

 

しばし考え 思わず『パトルか?』と呼び止めるシヌ

西の辺境で ヨンビスは“猛将パトル”と呼ばれていた

なぜここにヨンビスが… ワン・ユは 思いがけない再会に驚く

 

大都では

 

いよいよ側室となる娘が選ばれることとなった

皇帝より 褒美の袋を渡された娘は不合格 そのまま帰るしかない

そして花束を受け取った娘こそが 晴れて側室となれるのだ

 

自信ありげな娘たちが 次々と褒美の袋を渡され退場していく

7人の娘のうち とうとう6人までが不合格になった

最後に残ったヤンのことなど 誰も受かるはずがないと思っている

イ・ホンダンは 側室選びと言いながら 合格者無しなのかと訝しむ

 

誰も側室に選ばれないのであれば タナシルリにとっても幸いなことだった

最後の側室候補者 キ・ヤンが 皇帝の前に進み出る

果たしてヤンが受け取るのは 褒美の袋か 花束か…!

 

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広開土太王 第10話 脱走

2017-11-20 07:00:00 | 広開土太王 あらすじ

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 広開土太王 第10話 脱走 

 

慕容煕が見物する中 タムドクとトルピスが戦うこととなった

タムドクは 絶対に剣を抜くなと トルピスの耳元で囁く

こんなバカげた戦いは 絶対にしてはならないと…!

 

奴隷商頭ムカプが この者らは皆脱走しようとした者たちで

ひとりの奴隷の密告により 危うく砦が焼かれるのを防げたと話す

これを聞いた慕容煕が その密告した者は誰かと興味を持った

そして 裏切り者のヨソッケが高句麗(コグリョ)人と知り

奴隷として買うと言い出した…!

もう自分は奴隷じゃないと言い返すヨソッケだが

ムカプは 即座に銀10両!と叫んだ

 

密告の条件として 奴隷を解放され 砦で働きたいと言っていたヨソッケ

しかし次の戦いは すべての奴隷に恨まれているヨソッケが

その奴隷たちと順番に戦うことを提案する慕容煕

すでに慕容煕に買われたヨソッケは ただ従うしかないのだ

 

まずはタムドクとトルピスの戦いだ

予告通り タムドクは戦意を示さない

まだ死にたくないと 真っ先に剣を抜いたトルピス!

しかし その喉元に剣を突き付けても タムドクは微動だにしない

結局トルピスは タムドクに対し 剣を振り下ろすことが出来なかった

 

『ああ分かった 一緒に死のう!』

 

またしても面目が潰れてしまったムカプは 2人を自ら斬り殺すと叫ぶ

すると慕容煕がそれを止め この自分が斬り殺してやると言い出す…!

やはり高句麗(コグリョ)人は 仲間を売るような卑劣な奴なのだと

憎しみをあらわにする慕容煕!

 

その時! 奴隷たちが口々に『殺すな!』と騒ぎ出す

見張りに殴られようが その抗議の叫びは次第に激しくなっていく…!

 

一方 戦う時まで投獄されることになったヨソッケだが

見張りの隙を突き 反撃して牢の鍵を奪う…!

そして 投獄されているソルドアンたちに 逃げろと叫んだ

 

奴隷の身分から何とかして脱却しようと 仲間まで売ったヨソッケ

しかし今度こそ ムカプは信じるに値しない奴だと悟る

次から次へと牢を破り 大勢の奴隷たちを逃がしていく…!

 

そうとも知らず 慕容煕は 犬闘を拒否する2人に

銀300両を賞金にするからと言い出した

 

『戯言を! お前の言いなりになどなるものか!』

『何だと?! ならばこの場で殺してやる!!!』

 

慕容煕が吐き捨てた言葉は 突然の奇声にかき消された!

ヨソッケとソルドアン そして多くの奴隷たちが武器を手に雪崩れ込む!

咄嗟に慕容煕の剣を奪うトルピス!

タムドクも ムカプに反撃し 剣を奪い取った!!

 

『お頭!』

『皇子様!』

 

2人を人質に取られ 身動きできなくなる兵士たち

タムドクは 自分が盾になるから逃げろと叫ぶ!

あるだけの馬にまたがり 残りは必死に走って逃げる奴隷たち!

 

しかし 先頭を走っていたソルドアンとトルピスが突然にたずなを引く!

無言で目配せした2人は 踵を返して砦に戻る!

それを見たヨソッケも 覚悟を決めて引き返した!

 

たとえ自分が死んでも 民を救うのが長だと タムドクは言っていた

今まさに それを実行しようとしている

ソルドアンたちは その思いに気づき タムドクのもとへ戻った…!

 

『なぜ戻ってきた!』

 

『一緒に死ぬと言ったろう!』

『お前だけ死なせないぜ!』

『もう裏切らない! 一緒に死のう!』

 

とは言っても騎乗の者は僅か 走って逃げてもすぐに捕まってしまう!

助かる道はないものかと考えるタムドクに ヨソッケが動く!!!

砦を知り尽くしているヨソッケは 何がどこに在るか熟知していた

そして ムカプのお宝がある建物から火をつけていく…!

 

次々に砦から火の手が上がり 皇子を守るどころではなくなるムカプ!

身の危険を感じた慕容煕は 後燕の皇子に何をする!と叫んだ

それを聞いたタムドクは ほほう?と笑い出す

 

『お前の父 慕容垂(モ・ヨンス)は 鎧兜を捨て逃げて行った!

兄慕容宝(モ・ヨンポ)は 私の足に縋って命乞いしたぞ!

あの無様な姿は忘れられん! ウワッハッハッハ…!』

 

ここでタムドクは 自分が高句麗(コグリョ)の王子であると明かす

ただ者ではないと感じていたが まさか王子様だったとは…

ソルドアンたちは 驚きのあまり言葉を失くす

 

慕容煕を守る兵士の中に タムドクの顔を思い出した者がいた

確かに皇太子は タムドクの息の根を止めたと言っていたのに…!

 

『我こそが北方の死神将軍! 高句麗(コグリョ)の王子タムドクだ!』

 

一瞬の隙を突いて タムドクから離れた慕容煕は 部下の方へと逃げた!

しかし 後燕の皇室を侮辱された憎しみで見境がつかなくなる!

部下の剣を奪い タムドクに挑みかかる慕容煕!

 

『剣が得意のようだな しかしお前に私が倒せるのか?

お前の父と兄を倒したこのタムドクに お前が勝てるわけがない!!!』

 

その言葉通り タムドクは 慕容煕の腕に斬りかかる!

負傷した慕容煕は 半狂乱になりタムドクに向かって行こうとするが

部下たちが必死にそれを止めるのだった

 

こうしてタムドクは 砦から脱出する

必死に走ってついてくる者たちを励ましながら 山越えをしたその時

突然に 馬を手放すと言い出すタムドク

どんなに遠くへ逃げようとも 蹄の跡で追跡されてしまうというのだ

そして無人の馬たちだけを 走らせてしまう

 

とても正気な考えとは思えず どうするのだと詰め寄るヨソッケ!

タムドクは あろうことか来た道を引き返し 砦の反対方向へ逃げるという

我々を追っていて 砦には僅かに人がいるだけ むしろ安全だと…!

 

タムドクの考えに いち早く賛成し 従うと言ったのはトルピスだった

 

『今からお前を大将と呼ぶ! 俺は大将に従う!』

『大将の考えには一理ある 俺も従う!』

 

全員の意見を聞いている暇はなかった

追っ手の蹄の音が大きくなり 咄嗟に茂みの中に隠れる一行!

 

慕容煕を先頭に ムカプたちも追っ手に加わっている

蹄の跡を辿れ!と叫ぶムカプ まさにタムドクの言ったとおりだった

最後まで迷っていたヨソッケは あらためてタムドクに忠誠を誓う…!

 

結局は タムドクらを取り逃がし 激怒して砦に戻る慕容煕

ムカプは 匪賊に声をかけ 必ず奴隷たちを捕えると約束するが

慕容煕にとって他の奴隷はどうでもよかった

憎きタムドクさえ捕えられれば…! 必ずやこの手でタムドクを倒すと!

 

高句麗(コグリョ)国内(クンネ)城では

 

タムドク王子の葬儀をという声が高まり イ・リョン王は絶句する

1ヶ月が過ぎ 絶望的だとは承知知りつつも 遺体もないまま葬儀とは…

やはり納得できないと 葬儀を拒否するイ・リョン王

そして第1王子タムマンが ろくに捜しもせず…と口走る

 

これに反論したのは 大幢主(テダンジュ)ヨソイだった

王子の捜索だけに 兵力を向けてはいられない

靺鞨(マルガル)族が東北の国境を脅かしているのだと…!

 

※大幢主(テダンジュ):現在の国防長官

 

イ・リョン王は 我が子の捜索さえ自由にならない身を悲しみ

コヤ王妃もまた 生死も分からない我が子を思い涙する

 

奴隷商の根城では 匪賊たちが集められていた

ムカプは タムドクという奴を捕えた者に 黄金300両を出すという

人相書きを手に それぞれ出て行く者たち

そんな匪賊の中に ファンフェという男がいる

 

ファンフェは 闇雲に歩いて捜し回らず

タムドクという頭の切れる男が どう考えるかを想像してみる

そして 砦の近くに潜み 追っ手の裏をかいたのではないかと推察した…!

 

その頃 タムドクたちは 高句麗(コグリョ)の国境近くまで来ていた

 

ソルドアンの部下が 今のうちに高句麗(コグリョ)の王子を殺そうという

靺鞨(マルガル)族にとって 宿敵となる国の王子を殺せる好機だと!

しかしソルドアンは そんな部下を一喝する

恩義ある者を殺すなど 2度と口にするなと…!

 

ここで別れようというソルドアンに タムドクも頷く

靺鞨(マルガル)族の長ソルドアンは 高句麗(コグリョ)の敵である

互いに命を助け合い 2度と忘れられぬ友となったが

それぞれの居場所に戻れば 事情も変わって来るのだ

それを承知しながら 別れを惜しむ2人であった

 

ソルドアンが 靺鞨(マルガル)の民を引き連れて去った後

残った者たちは タムドクと共に国境を目指す

国境を目前にしたその時 もう歩けない!と座り込むヨソッケ

長居は出来ないが 皆の疲労を思い 休憩を取るタムドク

 

するとトルピスが 本当に王子なのか?と聞く

慕容煕に対抗し 高句麗(コグリョ)の王子だと言っただけだろうと…

 

どう見ても王子の顔じゃないと ヨソッケが笑い 皆も笑い出す

タムドクは 本当に王子だとは言い張らず 笑いに任せて頷いた

 

もっと休憩させてやりたいが 国境に入るまでは安心できない

タムドクは 皆を励ましながら歩き出す

すると 行く先の地面に次々と矢が撃ち込まれた…!!!

 

一向は たちまち匪賊に囲まれてしまった

ファンフェは 他の者たちに用はないと言い タムドクは名乗れ!と叫ぶ

そして 前に出たタムドクを押さえつけひざまずかせた…!

匪賊の頭が ファンフェの後方から出てきて タムドクに剣を向ける!

 

『今からお前の首を斬り 後燕の皇子様に差し出す!!!』

 

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奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- 第24話 覚悟の帰還

2017-11-15 07:00:00 | 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- あらすじ

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12話より〈gooブログ〉からの公開となります

 

※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります

 

 第24話 覚悟の帰還 

 

(血書だ…!)

 

スンニャンは 気配で起きたチョクホに 血書を見せる

ただ一人 チョクホだけが本物を見分けられるのだ

やがて捕えられた者たちは 広間に集められ食事が振る舞われる

奴隷として売り飛ばすためには 健康でなければならなかった

2人は 一日も早く売られるため 懸命に食事を頬張り始める…!

脱走するならば 売られた先の方が成功しやすいからだ

 

皇帝タファンは 生まれた子に会おうともせず臥せっていた

待ちきれず 赤子を抱き現れるタナシルリ

声が出ないタファンは 乱暴に皇后を突き飛ばす!

赤子ごと転びそうになったタナシルリは 激怒して退室した

 

側室パク・オジンの暗殺も スンニャンを殺したのも親衛隊であり

それを命じたのは 皇后タナシルリだと聞かされ

タファンの心には憎悪しかなかった

スンニャンが殺された悲しみで声を失い その心まで壊れそうになっていた

 

遼陽の地に メバク商団のフクスがやって来た

丞相ヨンチョルから預かった“招待状”を持っている

そして 商団の頭からだと ペガンの前に財宝を差し出した

 

今もヨンチョルの財源となっている巨大商団である

タルタルは 今後も親しくし いい関係を築くべきだという

 

高麗(コリョ)の市場に お触れの貼り紙がされ 人々が驚愕する

銀1枚で売り払った交鈔が 銀3枚出さないと交換できないというのだ

 

※交鈔:元の紙幣

 

絶望し泣き崩れる商人たちを眺め ヨンビスが通り過ぎる

そして人々が買い戻せなくなった交鈔を買い占め 人参を買えと命じた!

 

ヨンビスが滞在する宿の酒場に ワン・ユが来ていた

スンニャンの死を知り 絶望して酒を煽り続けている

別に ヨンビスの動きを察知して現れたわけではなかった

 

シヌたちは ワン・ユの心中を察しながらも 宮殿へ戻るようにという

ヨンチョルの姪を娶るようにと 元から書信が届いているのだ

これを断るにしても 一度 父王に会わねばと…

 

側近を追い返し とうとう酔い潰れてしまうワン・ユ

その部屋に 気配を消してヨンビスが入ってきた

共に戦った時 味方だと言ってくれたワン・ユである

少なからず想いはあるが やはり運命を共には出来ないヨンビスだった

 

元の都 大都では

 

皇子の誕生を祝うため 各地方の行省から長官らが集まった

皇太后は 長官たちに命じ その場で側室選びの提案をさせようと画策する

血書の存在が明るみになってから 丞相も長官らを無視できない

 

宴が始まって間もなく 雲南行省の長官オガンが立ち上がる

本来 皇帝は 皇后を始めとして4名の妃 9名の嬪

そして27名の世婦を迎えるものであるが 今の後宮は小さ過ぎると…!

是非とも側室を迎えるべきだと 臆面もなく言ってのけた

 

一瞬の沈黙が流れ 皇后タナシルリが悲鳴に近い叫び声を上げる

病気を患う皇帝の前で 側室の話など不謹慎であると!

 

しかし嶺北行省の長官プサギまでが 後宮の大きさは皇室の権威を示すという

側室という言葉に過剰反応する皇后を 小声で叱責するヨンチョル

丞相と言えども 長官らの正当な意見は無視できない

逆上して側室を否定する皇后の態度は “嫉妬”と取られかねない

タナシルリとて その道理は十分に心得てはいるのだ

 

長官らは 口々に賛成の意を示し 各行省から側室候補をと提案する

結局ヨンチョルは これを快諾するしかなかった

 

すでに 娘である皇后が世継ぎを産んでいるのだ

側室を何人迎えようと この先 何人の皇子が生まれようと

マハがいる限りは安泰だと ヨンチョルは余裕の表情を崩さない

 

ここでペガンが 側室選びは皇太后がするものだが… と切り出す

するとタナシルリは 皇后である自分が選ぶと答えた

 

これに対し また長官らが騒ぎ出し 皇后がすることではない!と叫ぶ

長官オガンが これを機に 寺にいる皇太后を呼び戻しては?と提案した

これこそ 皇太后が狙う「最も重要な提案」であった

寺に追いやられたものの 皇太后の罪を明らかにする確たる証拠はない

先の皇帝の正室であった皇太后でなければ 公正な側室選びは出来ないと…!

 

玉座に座るべき皇帝は 臥せっていてこの場にいない

その下に座る皇后と丞相 そして2人の息子たち

ヨンチョル一族は すべての長官たちの視線を浴び蒼ざめる

この場は 長官たちの提案を飲むしかなかった…!

 

やがて丞相の一族が退席し 宴の場は和やかな雰囲気となる

なぜ丞相が 長官らの要求を快諾したのか… ペガンには予測もつかない

つまり 両者の思惑が一致したのだというタルタル

皇室と姻戚関係を結びたい長官らの思惑

皇太后は その野心をうまく利用した

そして 長官らの娘を側室という“人質”にしたい丞相の思惑

互いに願ってもないことであり 皇太后はそれさえも利用したのだと…!

 

無論 ワン・ユのもとへ姪を嫁がせるのも そのためであった

いずれは高麗(コリョ)という国を廃し 遼陽行省の一部にと考えている

それを実現させるには ワン・ユを抱き込まねばならないのだ…!

 

高麗(コリョ)では

 

ワン・ユは父王に会い 婚姻を承諾していた

ただし婚礼を挙げた後は 妃を高麗(コリョ)に残し1人で元に戻るという

まずは丞相側の要求を飲み 懐に入る姿勢を見せ絶対的信頼を得る

そうしなければ ヨンチョル一族を滅ぼすことは出来ないと…!

ヨンチョルもまた 形だけの政略結婚で 姪の処遇など構うはずがないのだ

 

遼陽行省に戻ったペガンとタルタルは

 

メバク商団のフクスが連れている 奴隷の行列の中に

スンニャンとチョクホの姿を発見する…!

すぐに2人を解放しろと言うが フクスは聞き入れない

手に入れたければ 是非競売に参加を!と言うだけである

スンニャンには 特別に目をかけているフクスであった

どんな高値でも売れるはずだと 強気の姿勢を崩さない

 

ペガンは 恩義あるスンニャンを どうしても救いたかった

あの時 丞相が生きていることを知らされなければ 今の地位もない

咄嗟に寝返り 丞相側についたからこそ長官になれたのだ

 

その夜 メバク商団の競売が開かれた

チョクホには50両の値が付き 売られることとなった

命さえあればきっと再会できる

すれ違いざまのスンニャンに それだけを言うのが精一杯であった

 

続いてスンニャンが台に乗せられる

フクスが声高らかに 200両から!と叫んだ

売値が500までつり上がったところで タルタルは笠を被った女を見る

どうやら スンニャンを売らないよう仕組まれているようだ

タルタルに 構わず続けろと命ずるペガン

1000両になったところで もう払えないと耳打ちするタルタル

するとペガンが札を奪い取り 3000!と叫んだ

 

兵士たちの1年分の食糧費が吹き飛んだと ため息をつくタルタル

それでも スンニャンを助けたかったペガンであった

 

ペガンとスンニャンは 互いの身に起きたことを語り合う

皇后の悪行を知り 歯噛みするペガン

そしてスンニャンも 声を失ったという皇帝の心痛を思いやった

 

そこへ突然に タンギセとタプジャヘの兄弟が来たと報告が入る!

タルタルは 咄嗟にスンニャンを隠した…!

 

兄弟は 従姉妹が嫁ぐための婚礼品を受け取りに来たという

そして嫁ぎ先は 高麗(コリョ)のワン・ユだと…!

物陰で聞いていたスンニャンは衝撃を受け 思わず声を上げそうになる…!

 

その夜

 

側室候補選びに 頭を痛めるペガン

各行省からひとり 側室候補を出すことになっており 出さねば恥となる

結局は姪を出すしかないが 今の皇室の状況では気乗りする話ではない

 

するとそこへ スンニャンが表れ 側室候補にしてほしいと言い出す

突然に何を言い出すのかと スンニャンを追い出そうとするタルタル

しかしペガンは なぜ候補になりたいのだと聞く

 

スンニャンは すでに死んだ者として扱われ 追跡する者もいない

このまま高麗(コリョ)へ帰れば 平穏な暮らしが出来るのに

何故また 大都へ戻ろうとするのか…!

 

自分の他に これほどヨンチョル一族を憎む者はいない

何としてでも復讐を成し遂げたいと訴えるスンニャン

しかし 憎しみだけで復讐は成し得ない

納得できるだけの策があるなら 側室候補にしようというペガンだった

 

まずは皇帝の威厳を取り戻し 丞相に対抗できるだけの力を蓄えさせるという

言うことはもっともだが 皇帝に気に入られていることで

もし色香でどうにかしようというなら 側室候補には出来ないというペガン

するとスンニャンは 袖口から“血書”を取り出した

文書の最後に蝶の絵が描かれている

皇帝だけが 本物と見分けられる証拠の印だった

蝶の印の話はチョクホから聞いた

つまり 丞相さえ知らない真偽の見分け方があったというのだ

 

色香ではなく “血書”こそが 陛下を正気に戻せるというスンニャン

しかし 常にスンニャンの力を認めていたタルタルが 今回だけは反対する

部下として仕えさせるなら 申し分なく優秀な人材だが

いざ側室となれば 自分たちの上位になりひざまずかねばならない

その時には スンニャンの力が “毒”にもなりかねないと…!

 

これまで 何度も丞相に挑もうとして失敗してきたペガンである

“血書”まで手に入れて挑む機会は 二度と巡っては来ないだろう

この時のタルタルは スンニャンに脅威すら感じていたが

ペガンは 所詮ただの高麗(コリョ)の娘だと思っていた

側室になったところで 何が出来るわけでもないと…

 

大都の宮殿に 皇太后が戻った

チャン・スニョンとトクマンが 涙ながらに出迎える

皇太后は 寝所にこもりきりだという皇帝のもとへ急ぐ…!

声を失ったタファンは 皇太后が戻っても 声を発することが出来ない

タファンの 心の穴を埋められる者は もうこの世にはいないのだ…

 

遼陽では

 

ペガンの意向を無視し 側室候補は諦めろと言うタルタル

スンニャンの復讐に 一族の命運を懸けるわけにはいかなかった

ペガンが スンニャンを恩人と思うように

スンニャンもまた 自分を買い戻してくれたペガンを恩人と思っている

しかし 恩人かどうかで 人は人を信じたり 裏切るわけではないという

タルタルは スンニャンが側室になった時

復讐を成すために… そのためなら容易く 一族を裏切ると見ているのだ

 

スンニャンは タルタルを無視し 来る日も来る日も側室教育に励んだ

品格と教養を身につけ 次第にその美しさが際立っていく…!

 

高麗(コリョ)では

 

ワン・ユとの婚礼を控え ヨンチョルの姪が到着していた

同行したタンギセが まさか一族の一員となるとは… と苦笑する

半島の小国の廃王が この婚礼を機にヨンチョル一族になるのだ

 

『スンニャンが… 死んだぞ』

 

そうつぶやくワン・ユに タンギセは驚きもしなかった

なぜ?と聞かれ 山賊に殺されたと答えるワン・ユ

 

『大都に戻ったら スンニャン殺しの犯人を捜し この手で殺す

一族の者として 私に協力してくれるか?』

『…ああ もちろんだ』

 

しらじらしい会話を続けながら 心に復讐の炎を燃やすワン・ユ

タンギセもまた ワン・ユの真意を測りかね表情を読まれまいとする

 

遼陽行省では

 

寝る間も惜しんで書物を読むスンニャンの姿があった

タルタルが様子を見に行くと スンニャンが読んでいるのは“兵法書”である

 

ある時 スンニャンがタルタルに質問する

孫子と呉子の兵法は どちらが正しく またどちらが効果的かと…

孫子は 敵の力を利用し間者を送れと説き 呉子は兵士の育成を勧める

 

タルタルは 兵法に成否はなく その効果も状況によると答える

しかし実戦でなら 孫子の兵法が より効果的であると

 

ならばなぜ 自分を側室候補にしないのかと問うスンニャン

まさに宮中は戦場のごとく 実戦に匹敵するからこそ兵法書を読んだ

側室を送り込み丞相一族を倒すことは 孫子の兵法そのものではないかと…!

 

タルタルは スンニャンに 「韓非子」という書を差し出す

そして なぜこれが必読の書であるかを読み取れという

「韓非子」には 人の心を読む術が書かれている

それを読み取ったスンニャンに 今度は「論語」を差し出すタルタル

「論語」には 人の心を治める術が記されていた

 

2つの書を読み解いたスンニャンに タルタルは もう書を読むなという

 

十分にスンニャンの実力を認めながら どうしても踏み切れないタルタル

そんな甥に ペガンは こんな自分にも考えがあるという

事を成す時には 危険がつきものだ

その野望が大きければ大きいほど 危険は増し 勇気が必要だ

まさに今がその時なのだと…

 

『恐れるばかりでは 結局 何も得られん』

 

皇帝タファンは 日に日に心が病んでいく

マハを抱き 幸せそうに笑う皇后が憎くてたまらない

スンニャンを殺した者を罰せず 野放しにする神さえ憎くなる…!

 

その思いは言葉にならず 奇声を上げて仏像を投げつけるタファン

侍従コルタの目から見ても 正気とは思えない状況であった

 

遼陽行省から スンニャンが旅立つ日が訪れた

輿に同行するのは タルタルである

同じ時 高麗(コリョ)では ワン・ユの婚礼が行われていた

共に生き 死んでも尚そばにいたいと願った2人は それぞれの道を行く

 

スンニャンは 流れる涙を静かに拭う

ワン・ユのために泣くのは これで最後にしようと…

 

ワン・ユもまた 力無き高麗(コリョ)の民のため 必ずや復位し

そして スンニャンの敵を取ると誓う

 

スンニャンは 自分のやり方で道を切り開き 復讐を遂げると誓う

 

各行省から側室候補がやって来て 大都の後宮は賑わっていた

長官の娘の分際で…! と不機嫌さを隠さないタナシルリ

しかも 遼陽行省ペガン長官の養女は まだ到着さえしていないという…!

 

丞相の娘である皇后のお出ましに 緊張する側室候補たち

タナシルリは そんな長官の娘たちに 薬湯が入った器を配る

しかし 誰ひとりとして口をつける者はいない

この私を疑っているのか! と みるみる激怒していく皇后

そして怯える側室候補の手から器を奪い 一気に飲み干した…!

 

『これは そなたらの気持ちをほぐそうと用意した帰脾湯だ!』

 

側室候補たちが 皇后の逆鱗に触れているその時

スンニャンは 側室候補キ・ヤンとして いよいよ皇宮に到着した

輿の前に うやうやしくひざまずくタルタル

今この時から スンニャンではない

遼陽行省長官の養女であり 側室候補のキ・ヤンなのだ

 

皇后タナシルリは 十分に娘たちを威嚇し 満足して皇后殿に戻る

これで 次からは薬湯を飲むだろう

ソ尚宮に命じ 今後の薬湯には“あれ”を入れるようにという

長官の娘のごとき側室に 断じて懐妊はさせないとほくそ笑む…!

 

しかしあくまでも 候補の中から側室を決めるのは皇太后である

入れ違いに現れた皇太后は 怯え切った娘たちをなだめた

 

そこへ 最後の側室候補キ・ヤンが現れる

それはまさに 死んだはずのスンニャンだった

その姿に驚き 息を飲むトクマン…!

振り向いた皇太后も 言葉を失うのだった

 

やがて大明殿において 正式に側室が選ばれる

皇太后は 意識さえ朦朧としている皇帝に 何度も言い聞かせる

自分が合図した娘に花を渡せばいいだけだと

 

※大明殿:元の皇居の主殿

 

側室に選ばれた娘は 花を受け取ることが出来る

そして選に漏れた娘は 褒美の品をもらい帰ることになるのだ

 

トクマンに引率されて現れた娘たちを 見ようともしないタファン

しかし その行列の最後尾が視界に入った時… 表情が一変する…!

激しく慟哭し 失っていた声を出そうと必死に喉が震え出す!

 

『ヤ…  ヤン…  ヤン…!』

 

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大王の夢~王たちの戦争~ 第53話 大義合一

2017-11-10 07:00:00 | 大王の夢~王たちの戦争~ あらすじ

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 第53話 大義合一 

 

『キム・ユシン!!! なぜ王命に背くのだ!

お前がどうしても従わぬというのなら!!

この場でお前を斬首し 王としての威厳を示してやる!!!』

 

武烈王の気迫に キム・ユシンは一歩も引くことなく反論する

なぜ唐軍に助けを求めるのか なぜ新羅(シルラ)軍を侮辱するのかと…!

 

2人の口論は 大殿(テジョン)の外まで響き渡り 大臣らを動揺させた

ユシンを辺境から戻し 重職に就けるべきだという参謀カンス

 

※大殿(テジョン):王が住む宮殿

 

しかし辺境は ユシンが自ら望んで赴任した地であった

別に 論功行賞に不満があってごねているわけではないというボムミン

これに対し弟インムンは 伯父上を罰せねば 父上の治世に傷がつくという

 

そこへキム・ユシンが現れ いきなり剣を抜き円卓に突き立てた!!!

もし大臣らが身を惜しみ 大王の誤りを正せないなら

直ちに辺境から徐羅伐(ソラボル)へ舞い戻り 斬り捨てると!

 

※徐羅伐(ソラボル):新羅(シルラ)の首都 現在の慶州(キョンジュ)

 

『私は 新羅(シルラ)の臣下で 三韓の民なのだ!

唐の手先となる者を 断じて許すことは出来ぬ!』

 

兄ユシンが冷たく追い返されたことを 文明王妃は憂えた

ボムミンは そんな母親をなだめるように話す

命懸けで諫言した伯父上に対し 父上が 王の責務を果たしただけだと

 

武烈王は 今こそユシンの意思をくじいておかねば

いずれ朝廷が分裂し 引いては民までもが分裂してしまうという

そして 誰に説得されるでもなく ユシンが自ら考えを変えねば無意味だと

 

ユシンが 親唐と反唐の反目を乗り越えて徐羅伐(ソラボル)に戻ると

そう信じなければ… そうあらねば三韓一統は成し得ないという武烈王だった

 

※三韓一統:新羅(シルラ)・高句麗(コグリョ)・百済(ペクチェ)の三国統一

 

武烈王は 長子であるボムミンの立太子を行うという

いずれは王室の責務を継承し 大業をも受け継がねばと…!

 

辺境では

 

谷川に釣り糸を垂れるキム・ユシンの姿があった

そこへ 黒装束の一群が現れ包囲する

高句麗(コグリョ)の莫離支(マンニジ)ヨン・ゲソムンの差し金だった

 

※莫離支(マンニジ):高句麗(コグリョ)の政策を総括する最高官職

 

ゲソムンは ユシンが同じ考えを持つ人物と見て接触を図って来たのだ

2人で手を組み 新羅(シルラ)の親唐派を倒そうと…!

もしユシンが挙兵するなら 喜んで支援するというゲソムン!

 

『まさか 私に謀反を起こせと?』

『謀反ではなく革命だ!

新羅(シルラ)の摂政となり この莫離支(マンニジ)と手を組めば

唐軍も 迂闊に三韓を攻められなくなるだろう』

『莫離支(マンニジ)!!! これは離間の計か!』

 

※離間の計:対象の仲を引き裂く心理戦

 

三韓の民として 新羅(シルラ)王に仕える者として

ユシンは 決して惑わされはしないといきり立つ!

しかし ヨン・ゲソムンも真剣であった

唐の皇帝に太平頌を贈り 唐の年号をも取り入れる新羅(シルラ)王!

そのような者に 三韓の民を救えるはずがないと!!!

 

※太平頌:唐の高宗の治世を称える詩

 

『この度 太子になったボムミンは 非常に誇り高い人物と聞いている

ユシン公が 太子を即位させ摂政になれば 共に唐に立ち向かえるのだ!

私情ではなく 三韓の大義のもとに決断してくれ!』

 

ヨン・ゲソムンとの会談を終え 戻る途中

ユシンの前に キム・ボムミンが兵を率いて現れる

 

辺境を守るキム・ユシンが なぜ国境を渡ったのか…!

ボムミンは 決して伯父を見張っていたのではなく

父である大王陛下と 伯父との間の誤解を解きたくてやって来たのだ

 

ユシンは 国境を渡った言い訳をすることなく 伯父として問いかける

もし自分が親唐派を倒し 陛下を廃位させたなら 即位してくれるかと

 

『何を言うのですか!!!』

『答えろ! 私が挙兵したら お前はどちらの味方に付くのだ!!!』

『もし伯父上が謀反を企てるなら 私は伯父上を斬ります!!!』

『ボムミン お前は 大義のために天倫を断つことは出来ぬのか…』

 

キム・ユシンは ヨン・ゲソムンと同じ考えを持っている

そしてまたボムミンも 同じ考えを持っていると信じていた

だからこそ 敵とはいえゲソムンの持ちかけを 無下に突き離せない

三韓一統の大業を目指しながら 決定的に異論を唱える武烈王ではなく

ボムミンが即位するなら 共に大業を成せるのではないかと…!

 

『父上は 途方もなく遠くを見渡しておられます

だからこそ父上を信じるべきなのです! 決して忠義を捨てないでください!』

 

キム・チュンチュとキム・ユシンが反目したと聞き

百済(ペクチェ)のウィジャ王は高笑いして喜んだ

 

『父子で親唐と反唐に別れ争う隙に 徐羅伐(ソラボル)を攻めよう!』

 

ユシンは確かにチュンチュと反目しているが 忠義を重んずるがゆえ

王座に挑むことは 決してあり得ないという将軍ソンチュン

側近フンスも 新羅(シルラ)の内紛を待つことなく

唐との親交を図り 羅唐同盟を揺るがすべきだと進言する

 

常に百済(ペクチェ)王室を支えてきた側近たちも

歳をとったものだと笑うウィジャ王

 

唐が百済(ペクチェ)に攻め入るとして

その途中には 高句麗(コグリョ)の精鋭が待ち構え

また倭国の軍隊が 新羅(シルラ)の後方を見張っている…!

羅唐同盟軍が この泗沘(サビ)城に攻め入ることは容易ではないと!

 

新羅(シルラ)では

 

ユシンが ヨン・ゲソムンと密談したことが問題視されていた

明らかに朝廷に背く大逆行為であると 臣僚を代表し進言するクムガン

 

これに猛反発したのは太子ボムミンである

伯父ユシンは 武烈王の即位に最も貢献した功臣であり

王室の血筋である人物なのだと…!

しかし 弟インムンが ゲソムンは反唐を掲げ国王も暗殺した者であり

そのような者と密会した伯父を 決して許すべきではないという

 

キム・ユシンを 花郎徒(ファランド)の誇りとする臣僚たちは

上仙(サンソン)を捕えるなら 揃って辞職すると騒ぎ出す!

 

※花郎徒(ファランド):花郎(ファラン)に仕える貴人の子弟

※上仙(サンソン):風月主(プンウォルチュ)を務めた花郎(ファラン)

 

これを受け武烈王は ユシンを徐羅伐(ソラボル)に呼び

すべての疑惑について 本人の口から釈明させるという

 

辺境のユシンのもとへ 弟フムスンが駆けつける

ユシンは 辺境から動こうとせず 武烈王の動向を見守っていた

チュンチュが自分を疑い 兵を差し向けるなら 自分も忠義を捨てると…!

 

そんなユシンのもとへ 閼川(アルチョン)が訪ねて来る

チュンチュが即位し武烈王となって以来 政治に関わらずに来たが

2人が反目していると知り とうとう黙ってはいられなくなったのだ

 

キム・チュンチュが即位し 名将ユシンが補佐するなら

どんな太平の世になるのかと 新羅(シルラ)の民は安堵したのに

2人が親唐と反唐に分かれいがみ合うとは まったく情けない!と吐き捨てる

 

『チュンチュを王座に就け後悔しているなら 今すぐ挙兵しろ!

ヨン・ゲソムンと手を組むなら 今すぐ長安に攻め入り皇宮を燃やせ!』

『閼川(アルチョン)公…』

『どちらも出来ぬなら 大王陛下に従え!

推挙した本人さえ従わぬなら 他の誰が王命に従うというのか!』

 

閼川(アルチョン)は 親唐政策に猛反対し

百済(ペクチェ)と手を組もうとして失脚したのだ

だからこそ 今のユシンに言える言葉がある

 

『あの和白(ファベク)会議で チュンチュ公は

ユシンを失うくらいなら 王座に挑む資格も捨てると言ったのだ

そんな陛下を なぜ信じることが出来ぬのだ!!!』

 

※和白(ファベク)会議:新羅(シルラ)の貴族会議

 

ここまでユシンを一喝できるのは 閼川(アルチョン)であればこそ

他の誰も 武烈王とユシンの反目に 意見できる人物はいなかった

キム・ユシンは 閼川(アルチョン)の言葉を受け 武烈王と和解する

そして武烈王もまた 決して唐に対し 誇りまで捧げることはしないと誓う

 

ユシンに釈明させることを口実に 徐羅伐(ソラボル)に呼んだが

武烈王の目的は それだけではなかった

文明王妃と相談したうえで 娘のチソ王女をユシンの妻にと考えたのだ

これは 王女自らも望んだことであった

 

伯父と姪の間柄で 歳も親子ほど違うと 最初は拒むユシン

そんな伯父に 是非にもと後押ししたのはボムミンだった

チソ王女が 激しく反目し合った2人を繋ぐ架け橋となり

睦まじい王室の姿を見れば 朝廷も民も 心から安心するのだと…

 

キム・ユシンが 武烈王の3女であるチソ王女と婚姻したのは61歳である

この時代の新羅(シルラ)では 近親婚が当たり前であり

キム・チュンチュとキム・ユシンは 義兄弟であり義理の親子となった

まさに 武烈王がユシンの信頼を得るための 政略結婚であった

 

ユシンの婚姻を 風の噂で聞いたケベクは 大いに喜んだ

そして自身も なかなか会えない子らを大切にしていた

戦場を駆け巡り 家に戻る暇もない夫のため 野営地を訪ねるケベクの妻

猛将と称されるケベクも 愛する妻子を慈しみ

いつの日か戦乱を治め 家庭に帰りたいと望んでいたのである

そうした当たり前の幸せを望むからこそ 国と民のため戦えるのかもしれない

 

新羅(シルラ)では

 

武烈王が 唐の皇帝と交わした秘密同盟の国書を ユシンに見せていた

新羅(シルラ)が三韓一統を成し得ない時は 20万の援軍を送る

それがチュンチュと先帝が交わした密約であった

 

しかし 三韓一統を成し得た後 唐軍が攻めてきたらどうするのか

 

武烈王は 王座を懸け唐軍に立ち向かうと言明した

そして 唐を打つ先鋒将は ユシンしか有り得ないと…!

さらに持論を展開する武烈王

百済(ペクチェ)は およそ200の城に精鋭軍を配備している

豊かな農地により 兵糧も十分に蓄えられる

たとえ100万の軍勢を送ろうとも 簡単に破れぬ強国であった

 

朝廷が分裂し 民心が乱れない限り 容易に征服することは出来ないのだ

ユシンは 武烈王の前にひざまずき

必ずや百済(ペクチェ)を分裂させ 民心を乱れさせると誓う…!

 

西暦659年 武烈王6年

百済(ペクチェ)の王宮では 賑やかに宴が催されていた

三韓一統を唱える新羅(シルラ)王は 一向に攻めて来る気配もない

唐にへつらい王座に就いた武烈王など 敵ではないと豪語するウィジャ王

 

するとそこへ 将軍ソンチュンが現れ 苦言を呈する

いかに国の財物や農地が豊かでも 君主の贅が過ぎれば国は滅びると…!

奸臣に甘んじ 享楽の限りを尽くせば いずれ民心が乱れると…!!

 

ウィジャ王は ソンチュンの命懸けの諫言に激怒し

奸臣らは 不忠なソンチュンを厳しく罰するべきだと進言した

長子プヨ・ユンは 身を賭して忠言する臣下にご慈悲を!というが

すでに太子を廃されたユンの進言は無視された

 

ケベクは 国境近くの新羅(シルラ)の城を 次々に攻め落とす

しかし 戦勝を上げながらも 何かが変だと感じていた

新羅(シルラ)軍は 以前のような覇気がなく 簡単に城を捨て退却する

すぐにも密偵を送り 新羅(シルラ)の内情を探れと命ずるケベクだった

 

『ひょっとしたら これはユシンの策かもしれぬ』

 

確かに新羅(シルラ)軍は変わった

そして ウィジャ王もまた 変わってしまったと感じるケベク

連戦連勝の報告に酔いしれるウィジャ王は 先を見通すことをしなくなった

今の百済(ペクチェ)は危ういという 臣下の忠言を聞く耳はなく

目前に広がる 三韓一統の野望を夢見て酔いしれるばかりだった

 

ケベクは 捕らわれの将軍ソンチュンに会う

すでに死を覚悟したソンチュンは 誰にも赦免を請うなと命じていた

ウィジャ王が 自分を庇う者は同じ罪に問うと 明言していたからだ

 

今の百済(ペクチェ)の太平は 偽りに過ぎぬというソンチュン

いずれ新羅(シルラ)が 唐軍を率いれ戦争を起こすと…!

そして 国運が傾くさまを見ずに死ねるのは 幸いかもしれぬとつぶやく

 

長きに渡りウィジャ王に仕えた名将ソンチュンは

命懸けの忠言を最期に 獄中で餓死した

奸臣に惑わされ 時世が見えなくなった百済(ペクチェ)王

 

キム・ユシンは 今こそ百済(ペクチェ)に攻め入る好機だと進言する!

偽りの敗北を重ね 百済(ペクチェ)が先勝に酔いしれ

好機が訪れるのを待ち続けたユシンであった…!

 

これを受け 武烈王は いよいよ唐へ国書を送り

キム・ユシンは 各軍に戦闘準備を整えるよう命じ 出征に備えた

 

ふと 花郎(ファラン)の修練に目をやり ある若者に注目するユシン

将軍キム・プミルの息子クァンチャンは まだ15歳の少年であった

憧れの名将キム・ユシンに呼ばれ 緊張して挨拶するクァンチャン

 

※花郎(ファラン):美しく文武両道に秀でた青年の精鋭集団

 

ユシンは クァンチャンの気概を褒めつつも 戦場に出るには早いという

その昔 ユシンは16歳で 椵岑(カジャム)城へ単騎で出陣した

それは今も 花郎(ファラン)の伝説として語り継がれている

クァンチャンは 年齢を理由に早いと言われ 名将に対し勇敢に反論した

 

ほほう… と感心し 兄ユシンに目くばせするフムスン

ユシンも苦笑し いい息子を持ったという

プミルは 誇らしげに我が息子を見つめるのだった

 

ユシンは 息子サムグァンと側近グングァンに 奇妙な甲冑を見せる

亀の甲羅を模した甲冑には 文字が記されてる

“百済同月輪 新羅如月新”

この甲冑を 百済(ペクチェ)王宮内に埋めてきてほしいというのだ

すでに 百済(ペクチェ)の臣僚を買収しているので問題はないが

なぜこれを?と まったく意味が分からない2人

 

『これが世に出る時 百済(ペクチェ)の国運は尽きる…!』

 

一方 武烈王は 閼川(アルチョン)を呼び語らっていた

閼川(アルチョン)の説得なくして 今の状況はなかった

またあの時 摂政の座を譲り受けなければ 王座に就くこともなかったのだ

 

そんなことを語り合うために 呼んだわけではないだろうと

こうして王宮に呼んだ 武烈王の真意を訊ねる閼川(アルチョン)

 

『陛下 私に何か任務でも?』

 

それを話す前に 武烈王は 今でも羅唐同盟に反対か?と問う

今でも朝廷は 親唐派と反唐派に分かれている

しかし武烈王は 派閥を問わず すべての臣僚を大事にしていた

その治世を見て今さら 何を疑うことがあろうかと答える閼川(アルチョン)

 

そこで初めて 任務について口を開く武烈王

長安へ行き援軍を請う役目を 閼川(アルチョン)に任せたいと…!

閼川(アルチョン)が同盟に反対していたことは 唐にも知れ渡っている

その本人が 自ら援軍を請いに出向けば 大義を疑う者はいないと

 

己の罪を認め 政治から身を引いていた閼川(アルチョン)

この大役を果たすことが出来れば 願ってもない罪滅ぼしになると

謹んで王命を受ける閼川(アルチョン)だった

 

唐の皇宮

 

使者としてやって来た閼川(アルチョン)に対し

第3代皇帝高宗が 容赦なく詰問する

同盟に反対し 高句麗(コグリョ)と手を組もうとまでした

そんな閼川(アルチョン)が使者では 簡単に信じられるものではない

 

『先代皇帝は 三韓の大業は 三韓の民が成すべきと仰せでした

私は その意思を信ずるのみでございます』

 

高宗の意地悪な詰問が続き 唐が援軍を出した場合

新羅(シルラ)軍は 唐軍の指揮下に置かれるとまで言い放つ!

 

三韓の地の利に不確かな唐軍が指揮をすれば 上命下服の軍律が守れない

それでは 先帝の意思に反すると 真っ向から反論する閼川(アルチョン)

同行しているインムンは 形勢が不利になる気がして表情が曇る…!

 

『先帝と結んだ同盟の意義に従い 両軍の将帥に同等な地位を保証すれば

今回の戦いに 初めて勝算が生まれるのです!』

 

唐の皇帝にへつらうことなく 真摯に援軍を請う閼川(アルチョン)

これにより 正式に同盟が果たされることとなった

三韓一統の足掛かりとなる 百済(ペクチェ)出兵の王命が下されたのだ!

 

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奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- 第23話 悲報

2017-11-05 07:00:00 | 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- あらすじ

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1話~11話はこちらで公開しています

12話より〈gooブログ〉からの公開となります

 

※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります

 

 第23話 悲報 

 

スンニャンは 逃げ延びた洞窟でたった1人きり 陣痛に耐えていた

苦しみ抜いた末 洞窟内に高らかな産声が響き渡る…!

生まれた子は男の子で その右足の甲には星のような3つのアザがある

 

同じ時 高麗(コリョ)のワン・ユが 突然に暴れ出した馬から落馬した

ふと胸騒ぎを覚え チョンバギに 元へ様子を見に行けと命じる

 

パン・シヌは 命からがら逃げ延び 倒れているパク・ブルファを発見する

 

そしてスンニャンは 産み落とした我が子を胸に抱き

王様が正式に名付けてくれるまで 息子の名を“星(ピョル)”とした

 

喜びも束の間 ヨム・ビョンス率いる親衛隊が迫り

赤子を背負って逃げ出すスンニャン…!

そして 追いつめられた先は断崖絶壁だった!

 

ひとりの兵士が迫り 赤子に手を伸ばす!

至近距離から矢で射抜かれたスンニャンは

兵士に取り縋って身を守ろうとするが

赤子もろとも 兵士を道ずれに落ちていく…!

 

そこへ現れたチョクホが 親衛隊の目を盗み絶壁の下を覗き込むと

スンニャンだけが 崖の途中の岩場に引っかかっている!

 

ビョンスは 女官のひとりが生き延びて 宮殿へ向かったと知り

わざと自分の足に斬り傷をつけ 山賊に襲われた様にみせかける

 

生き延びて宮殿に戻ったのは イ・ホンダンだった

そしてトクマンを介し 皇帝に謁見!

賊に襲われた一部始終を報告する

 

身重の側室パク・オジンは殺され 女官と雑用係も皆殺しに…!

途中まで一緒だったスンニャンは その生死さえ分からないと!

 

やがて親衛隊が帰還し 負傷したビョンスが涙ながらにひざまずく

タンギセが すぐにも討伐隊を差し向けると息巻き

皇帝タファンは 自分も同行すると言い出す!

 

『陛下の外出には 父上の許可がなければいけません!』

 

丞相一族の言い分など 到底信じられるものではない

タファンは コルタに スンニャンを捜せと命じた

 

オジンの亡骸を見つめ 涙ながらに謝罪するタファン

心から愛した相手ではないが 皇太后の野心のもと

皇帝の世継ぎを身ごもったばかりに 犠牲になったのだ

 

タンギセは 賊に扮しオジンを殺した者たちを 皆殺しにせよと命ずる

今回のことは 丞相にも内密に 皇后の頼みで動いたこと

決して真実が洩れぬよう 始末をつけなければならない

 

ここでビョンスが スンニャンの命も奪うことが出来たと報告する

タンギセにとっても厄介な存在のスンニャンを この自分が殺したと!

 

ところが 当然喜ぶはずのタンギセが 怒り狂って怒鳴り散らす!

生け捕りにしろと言ったのに!!!と

 

タプジャヘも なぜここまで兄が激怒するのか 訳が分からない

タンギセは スンニャンへの想いを気取られぬよう 必死に怒りを抑える

 

その夜

 

泣きながら山中を彷徨う パン・シヌの姿があった

シヌは ビョンスがスンニャンの胸に矢を撃ち込むところを目撃し

さらには 崖から転落する様子を見てしまったのだ!

 

せめて遺体だけでも連れ帰ろうと 必死に捜索していると

そこへ やはりスンニャンを捜しにトクマンが現れる

 

『すべては皇后様の命令だと 確かにこの耳で聞いたんだ!

オジン様を殺したのも… 黒幕はすべて皇后様だと…!』

 

トクマンは シヌを連れ 皇太后のいる感業寺へ向かう

すべての真相を知った皇太后は 皇后への怒りをあらわにする…!

 

『人でなしめ! 世継ぎを身ごもった側室を亡き者にするとは!!!』

 

それでも 丞相一族に対抗するだけの力を蓄えねば

怒りだけでは 迂闊に動けぬと 皇帝への伝言を託すのだった

 

続いてシヌとトクマンは 助けたパク・ブルファのもとへ…!

 

ブルファは 幸いにも一命を取り留めていた

陽物が斬られ もう子供を作ることは出来ないが

命が助かっただけでも よかったと言える

 

※陽物:男根

 

そしてスンニャンも チョクホに助けられ死なずに済んだ

その命を守ったのは ノ尚宮からもらったあの鏡だった

心臓を射抜くはずの矢が 鏡を割って威力を欠いたのだ…!

 

するとチョクホが 鏡の割れ目から布が見えると言い出す

スンニャンには そんなことなどどうでもよかった

確かに背負っていたはずの我が子 星(ピョル)の姿がどこにもない!

 

半狂乱で息子を捜すスンニャン!

 

崖下には スンニャンと一緒に落ちた親衛隊の兵士の遺体があった

その手には 星(ピョル)を包んでいた布が…!

赤子は死んでしまったのだと チョクホがどんなに言い聞かせても

スンニャンは 認めることが出来ない…!

 

同じ時

 

皇帝タファンのもとへ トクマンが駆けつける

そして 悲痛な思いでスンニャンの死を報告した

 

今 トクマンが 何を口にしたのか…

タファンは あまりに信じがたい知らせを認めることが出来ない

 

遺体は見つかっていないが 親衛隊の矢に胸を射られ 崖下に落ちたと聞き

一体 誰の命令でそんなことが? と 幼子のように泣き出すタファン

唯一の友として… 愛する女性として… 大切に思ってきたスンニャンが

もうこの世にいないなど どうして信じられるだろう

トクマンは 泣きじゃくる皇帝を見つめ 自らも涙が止まらなかった

 

一方 スンニャンは 我が子をくるんでいた布を抱きしめ

チョクホと共に 襲撃された輿がある場所へ戻る

そこには ノ尚宮と女官たち そして雑用係の遺体が放置されたままだった

 

スンニャンは 全ての遺体を埋葬し その死を悼む

宮殿を出た自分を見送ろうとして 行列について来たソ尚宮

スンニャンを庇い 斬り殺されてしまったのだ

山賊ではなく 親衛隊が皆を殺す光景を チョクホは目撃していた

この惨劇は自分のせいだと 思わずにはいられないスンニャンだった

 

やがて陽が傾き 山中を歩く2人

すると向こうから 怪しげな一団がやって来る

それは 手広く商売を仕切る“メバク商団”の行列だった

素早く隠れたスンニャンとチョクホだが

すぐに見つかり捕らわれてしまう!

 

皇帝タファンは コルタに 自分を殺してくれと頼む

もう この世に生きる理由が見当たらないと…

自分が大切にする者たちは 皆この世からいなくなった

ならば自分も死んで もう何もかも終わりにしたいのだと…

 

『この忌々しい命を終わりにしたい!』

『なりませぬ 王様!』

『私は 死ぬことすら自由に出来ぬのか!!!』

 

激しい心臓の痛みを訴え 喉をかきむしるように意識を失うタファン!

主治医の診察では 心痛のあまり意識を失い 声も出なくなったという

 

駆けつけた丞相ヨンチョルは 不敵な笑みを浮かべて皇帝を見つめる

どうせ 全ての命令は自分が出しているのだ

皇帝の意識がなかろうが 声が出なかろうが 何も問題はないと…!

 

皇覚寺では

 

諦めずに不妊治療を続ける皇后タナシルリ

主治医は まるで成果のない治療を強要され辟易していた

今ならばまだ 流産したと報告すれば済むというソ尚宮

それではダメだ!と叫ぶタナシルリ

そしてソ尚宮に ならば赤子を捜せ!と命ずる

 

子が流れれば 陛下はまた側室を迎えてしまう

たとえ何度始末しても 自分に子がない限り側室はやって来るのだと…!

 

ソ尚宮は 出世の足掛かりとして 皇后付きの尚宮になった

丞相の娘であるタナシルリに仕えれば きっと栄華を極められると…!

しかし この狂気じみた皇后に どこまで翻弄されるのか

 

すると どこからか赤子の泣き声が聞こえてくる

とうとう幻聴が?というタナシルリだが その泣き声はソ尚宮にも聞こえる

 

外へ出てみると 尼僧が 生まれたばかりの赤子を抱いている

聞けば 山中で息絶えた男が 赤子を抱いていたのだという

早産で生まれてしまったようで 体は小さいものの 泣き声は力強い

 

尼僧の手から赤子を奪うタナシルリ

奇跡のように現れた 願ってもない赤子であった

今日からこの子を我が子にすると 満面の笑みで宣言するタナシルリ

この寺にいる 3人の尼僧と大勢の使用人が事実を知っているのだ

完全なる口止めなど 到底無理な話だと呆れ果てるソ尚宮

 

『死人に口なしを言うではないか』

 

始末を命じられたソ尚宮は 青ざめていく…!

しかし 皇后自らの手を汚させるわけにはいかないと

この凶行を引き受ける決心をする!

 

高麗(コリョ)では

 

交鈔が偽物だという噂が広まり 民衆が混乱していた

秘密裏にしていたことが どうして噂になるのか…

 

※交鈔:元の紙幣

 

ムソンは 陰謀があるのではないかと進言する

ワン・ユは 偽造犯が高麗(コリョ)に潜んでいるかもしれないという!

 

高麗(コリョ)に潜み 噂を広めたのは あのヨンビスであった

 

紙切れ同然に価値がなくなった交鈔を 根こそぎ買い締めていくヨンビス

そして この交鈔の価値が 再び上がる策を講じているというのだ

交鈔を巡り 再びワン・ユと闘うとは… 因縁としか言いようがなかった

 

メバク商団の行列は 元に向かっていた

捕えられたスンニャンとチョクホも 荷車に放り込まれている

ようやく着いた場所は あの丞相ヨンチョルの屋敷だった…!

タンギセたちに気づかれぬよう 慌てて顔を隠す2人!

 

商団を率いるフクスが ヨンチョルに会う

このフクスこそが 交鈔の価値を上げるための交渉人だったのだ

交鈔1枚につき銀貨3つ この交換比率を高麗(コリョ)に命じてほしいと

 

商団が 奴隷の売り買いで儲けた資金が ヨンチョルの財源である

“お頭”の頼みとあらば 二つ返事で了解するヨンチョル

そして 姪を嫁がせたいので 嫁入り道具を準備してほしいという

その嫁ぎ先は 高麗(コリョ)の廃王ワン・ユだと…!

 

皇覚寺では

 

ソ尚宮が 3人の尼僧を呼び 茶を振る舞っていた

そしてヨンファに命じ 自分が立ち去ったら寺に火を放てという…!

寺の外で待機するタナシルリの一行

慌てて行列に加わるソ尚宮

 

行列を先導するのは 2人の兄

皇后となった妹の懐妊が まったくの嘘とも知らず

出産のため 宮殿に戻るのだと信じている

 

輿の中 タナシルリは その手に赤子を抱いている

薬で眠らされた赤子は 泣くこともなくピクリとも動かなかった

その可愛らしい右足の甲には 星のような3つのアザがある

この盗まれた赤子こそ スンニャンが産んだ星(ピョル)なのだった…!

 

宮殿に着くなり 急に産気づくタナシルリ

その世話をするのは ソ尚宮とヨンファのみである

ヨンファは すでに手に入れていた“へその緒”と“胎盤”を用意していた

 

大袈裟に悲鳴を上げ 出産の苦しみを演技するタナシルリ!

ソ尚宮は 必死に皇后を励ます演技をし

ヨンファは 寝台の上に豚の血を塗りつけていた

 

そして 部屋の外では 2人の兄と丞相が待っている

タファンは 皇后が産気づいたと知っても 反応すらしない

そこへ 皇子の誕生を知らせるソ尚宮!

 

ヨンチョルにとっては初孫であり 世継ぎとなる皇子の誕生であった

その喜びようは これまでに見せたことのない笑顔に表され

この初孫を “マハ”と命名するヨンチョルだった

 

高麗(コリョ)では

 

民たちが 価値が下がった交鈔を さらに安く売リ飛ばしていた

ここで交鈔の交換比率が 銀貨3枚に引き上げられれば もう買い戻せない

しかし父王は 元の命令とあれば従うしかないと言うばかりであった

 

ようやく部屋に戻ろうとするワン・ユ

すると部屋の前に 元へ偵察に行けと命じたチョンバギが立っている

そしてチョンバギの背後には 憔悴し切ったパン・シヌが…!

 

スンニャンの懐妊という 喜ばしい報告をするはずだったのに

シヌは スンニャンが亡くなったという悲報を伝えねばならなかった

皇后タナシルリが 2人の兄に命じ 側室を亡き者にした

その騒ぎに巻き込まれ 矢を射られて崖下に転落したと…!

 

ワン・ユは スンニャンとの僅かな幸せの時を思い出す

たとえ死んでもそばにいたいと 互いに想い合ったはずなのに

たとえ離れていても 心はひとつだと誓い合ったはずなのに…

もう スンニャンに会えないという現実は ワン・ユを打ちのめした

 

その頃スンニャンは

 

チョクホと共に メバク商団の商人フクスから査定を受けていた

フクスは スンニャンの顔相を占い 善と悪が混在する高貴な相だという

スンニャンは フクスを睨み付け むやみに人を売買するな!と言い放つ

フクスは なにも善良な民ではなく 罪人を売買していると言うが

自分も含め 捕えられた者たちは罪人ではないと叫ぶスンニャン…!

 

『貧しい家に生まれたこと 無力な国の民として生まれたこと

それこそが 人間に科された最も恐ろしい罪なのだ…!

つまり いなくなっても捜されない罪 何の役にも立たないことが罪だ!』

 

『その卑劣極まりない顔… 決して忘れぬからな!!!』

 

フクスは スンニャンの値段を決めかね保留にした

然るべき人物に交渉すれば こちらの言い値で売れるとほくそ笑む…!

 

牢に入れられたスンニャンは 僅かばかりの荷物を枕に寝転ぶ

すると 包みの中に鏡があったことを思い出し 開けてみる

そういえばチョクホが 矢傷で割れたところから布が出ていると言っていた

気になり引っ張ってみると 布にくるまれて古ぼけた紙が出て来た

 

(血書だ…!)

 

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