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ミセン ~未生~ 第2局

2018-09-21 08:00:00 | ミセン ~未生~ あらすじ

 ミセン~未生~ 第2局 

 

真夜中のオフィス

パソコンに向かう グレの姿があった

作業の途中で却下された“自分なりの分類”を完成させ

どうしても オ課長に認めさせたかった

分かりやすい分類こそが 効率的に活用できると証明したかったのだ

 

明け方 サウナに行く

塩辛にまみれたまま 酷い姿で徹夜したグレ

幸いというべきか… 母親が届けてくれたスーツは台無しになったが

帰宅せずとも 着替えがあったことはありがたかった

 

サウナ帰りのエレベーターで アン・ヨンイと一緒になる

ヨンイは 上着のポケットに突っ込まれたネクタイに気づく

ここは服装には厳しいと言われ 自分では結べないと答えるグレ

無言でネクタイを受け取り 自分の首にかけ手早く結ぶ

エレベーターの扉が開くと同時に ネクタイを渡し足早に行ってしまう

グレは あっという間の早業に お礼を言う余裕もなかった

 

営業3課では

 

グレのパソコンの前で キム・ドンシクが唸っていた

なぜ問題点を教えてやらないのかというドンシク

いずれ辞めていく者に 何を教えろと?

オ課長の判断は そこにあった

育てたところで長居はしないだろう

ならば教えても無駄なことだと… それがすべてだった

 

戻ったグレに 努力の“量”は証明されたとだけ言い渡す

課長オ・サンシクは無駄だと言ったが キム・ドンシクは割り切れない

チャン・グレを呼びつけ “素晴らしい分類の問題点”を指摘した

 

なぜ課長のフォルダを無視したのか

この資料は 社内全体が閲覧するものだ

フォルダは会社のマニュアルであり 全員の決定事項だ

そこから逸脱すると あとで見る人が混乱するのだと

 

そうなのか… と思うしかなかった

グレはこれまで 自分だけの世界で闘ってきた

さまざまな課に分かれていても 仕事はすべて共同作業だというドンシク

“共同作業”という概念が グレの中にはない

常に対局の相手は存在するが 基本は自身との闘いとなる囲碁の世界

グレは 踏み込んだことのない世界の前に 立ち尽くす思いがした

 

その意味で言えば 課長オ・サンシクもまた然りである

営業本部長キム・ブリョンに呼び止められ 週末の予定を聞かれる

チェ専務との山登りに誘われ 週末は予定が… と答えるオ課長

徹底して派閥入りを拒む オ・サンシクの信念は揺るがない

万年課長の憂き目に遭う部下を 何とか引き上げたいブリョンだが

本人が こうまで意固地では 取り成すことも容易ではない

 

オフィスに戻ると 隣の課では キム・ソッコが絞られていた

営業2課課長コ・ドンホは ソッコの仕事ぶりに堪忍袋の緒が切れた

気持ちを鎮めようと 屋上へ向かうドンホを サンシクが追いかける

いくらインターンに苛立っても 3課よりはマシだというドンホ

 

『チャン・グレが 誰のコネか知ってるのか?』

『誰なんだ?』

『…専務だよ』

 

同じ時 グレは オ課長の言葉に傷ついていた

どうせいなくなる人間に 教えても仕方がないという言葉が…

 

インターン社員の間では“プレゼン”の話題で持ち切りだった

互いにパートナーを決め 組になってプレゼンをする

その後で 個人のプレゼンもされるが 誰と組むかは重要だった

プレゼンの評価により 正社員として採用か不採用か

あるいは どの課に配属されるかが決定される

 

休憩室のシュレッダーを使っているグレに チャン・ベッキが声をかける

相変わらず グレをからかうサンヒョンたちを一瞥し

ああはなりたくないと呟くベッキ

いくらチャン・グレの経歴を蔑んだところで

採用されなければ 結局は同じことだと…

グレはベッキを追いかけ ああならないためには何をすべきかと問う

 

『さっきのは冗談だよ 真剣に考えないで

別に採用されなくたって ここだけが会社じゃない

まずは… プレゼンのパートナーを捜すことだ』

 

『……また“共同作業”…か』

『え?』

 

グレはうんざりしていた

仕事=共同作業という構図に どうしても溶け込めない自分がいる

 

課長オ・サンシクは グレを無視し続けた

営業2課長コ・ドンホの言葉が引っかかる

チャン・グレが 専務のコネだとすれば なぜここに配属されたのか…

配属に思惑はなさそうだと言っていたが…

グレの能力を見ても “監視役”が務まるはずがないと

 

「意図があったとしても ただの嫌がらせだろう

人手不足の3課にあんな人材を…

紹介を頼まれて 何も考えずに配属したんだ」

 

無断でグレに仕事を教えるドンシクを叱り ここは研修所じゃないと怒鳴る

戸惑って固まるグレに 昼食にしろというドンシク

 

社食が煩わしく 最近は 屋上でパンをかじるグレ

それにしても オ課長の態度は目に余る

仕事は共同作業だと言ったくせに なぜここまで無視するのか…!

 

『共同作業じゃないんですか!!!』

 

空に向かって叫んだはずが… 中庭の連絡通路を行くオ課長が振り向く

キム・ドンシクも一緒に 屋上を見上げている

咄嗟にうずくまり隠れるグレ!

 

一方 チャン・ベッキは アン・ヨンイにパートナーの話題を振る

ヨンイは ベッキにパートナーを頼みたかったが 話を逸らすベッキ

 

3課に顔を出したヨンイが まだ決まらないと聞き

勇気を振り絞り 僕と… と切り出すグレ!

思いがけない誘いを まさかと思い聞き流すヨンイ

じっと見つめるだけで 返事を聞く前に心が折れてしまう

ずっと渡せなかったヘアゴムを 今度こそ渡せただけだった

 

そんなグレの周囲が 変化し始める

あんなに敬遠していた同期たちが 何かにつけて気にかけてくれる

好意的に話しかけ お菓子の差し入れがデスクに積み上がっていく…

何かが変だ… 何なんだ?

グレは 突如として人気者のような扱いをされ戸惑う

 

(それにしても 誰も誘ってこない…)

 

アン・ヨンイは パートナーは誰でもいいと思っていたが

誰も 一緒にやろうとは言ってこなかった

そこへ イ・サンヒョンが来て 組もうと言う

自信たっぷりのサンヒョンは 待っても誰も誘ってこないと言い放つ

 

『なぜ?』

『デキ過ぎの君と組もうなんて 誰も考えないよ

結局は 君の引き立て役になるだけだろ だから 俺とやろうぜ!』

 

(…そういうこと?)

 

そこでヨンイは さっきのグレの言葉を思い返す

グレを呼び出し 今度はヨンイの方から組まないかと切り出した

 

浮かれるグレに釘を刺したのは 代理キム・ドンシク

なぜ今 人気者のようになっているのか… 現実を突き付けた

つまりはグレが“便利な存在”だからだと はっきり言ってのけた

 

『パートナーが揃って合格することがベストだ

でも それが無理なら…“爆弾”と組めばいい』

『“爆弾”…ですか?』

『落ちるにしても “爆弾”と組んだからだと言い訳が出来る

受かるにしても チャン君は引き立て役になるし 都合がいいってこと

とにかく 近づいてくる奴はそういう考えだと思え』

 

一瞬でも… 状況が好転したと思った自分が恥ずかしい

“仲間”として 受け入れられたわけではなかった

こんなにも多くの人間が働く中で グレは孤独を噛みしめる

誰の笑顔も 誰の言葉も嘘っぱちだった

言い知れない“疎外感”に 押し潰されそうになる

 

たまらなくなり 持ち場を離れる

その変化を 課長オ・サンシクが見つめていた

 

“仕事は共同作業”だと言っていたのに…

ひとり放置され 何も教えられず…!

グレは 思いのすべてをぶつける

頑張る機会が欲しいと訴える…!

 

オ課長の答えは明快だった

この会社を受けるため みんな必死に闘ってきた

そこへ 何の資格も能力もない者が コネ入社で入って来る

それが“現実”だと…

 

『俺は“現実”なんかに流されたくない』

 

容赦ない言葉に 打ちのめされるグレ

課長オ・サンシクは 非情なまでにグレを無視する

その瞳の奥に 沈痛さを滲ませているが 必死に隠しているようにも見える

 

隣りの2課では 今日もキム・ソッコが怒鳴られている

仕事が遅く ミスを連発するばかりか 居眠りまで…!

 

チャン・グレは 裏紙に領収書を貼れと命じられる

ドンシクが 今のグレに与えられる仕事は この程度のことだったが…

 

『おい 何を裏紙にしてる? 起案書はダメだ

何でもかんでも裏紙にするんじゃないぞ!』

『は…はい』

 

総務へ行くグレと入れ替わりに キム・ソッコが入って来る

2課の備品庫は施錠され 気軽に備品が使えない

提出書類を急がされたソッコが グレのデスクの糊を借りる

 

仕事が遅い上に やることのすべてが雑な男である

グレのデスクで書類を糊付けし さっきの起案書を重ね持って行ってしまう

 

それからしばらくして チェ専務が3課を訪れる

突然の来訪に 慌てて席を立つ一同

秘書が 無言のまま 1枚の書類を差し出す

ロビーに落ちていたというその書類を なぜチェ専務が?

書類を見たキム・ドンシクが凍りつく…!

 

裏紙にしてはダメだと あれほど言ったのに

チャン・グレが 領収書を貼ろうとした“起案書”がなぜ?!

 

情報漏洩については どの課も厳しく通告を受けている

企業秘密とも言える“起案書”が あろうことかロビーに…!

さらには運悪く チェ専務がそれを拾ったようだ

 

微笑みを浮かべながら チェ専務は立ち去った

うなだれるチャン・グレ

キム・ドンシクは オ課長に無視されるグレを気にかけ

些細な仕事でも割り振るよう 配慮を重ねてきた

しかし… こういうミスが起きるならば

やはり オ課長の判断が正しかったのかと思わざるを得ない

 

『今すぐ出て行け!!!』

 

フロア内に響くほどの大声で グレを罵倒するオ・サンシク

静まり返るフロアで オ課長の次の言葉に注目が集まっている

 

『これだから機会はやれないんだ 資格が無いからな!

何してる 出て行けと言ったはずだ!!!』

 

見かねたドンシクが グレを屋上へと連れ出す

もう グレにかけてやるべき言葉もない

新人だから 未経験だから 無資格だから…

それで許されるミスの範疇を はるかに超えていた

情報漏洩という重大さすら チャン・グレには理解出来ないだろうと

 

日が暮れても グレはオフィスに戻って来ない

重い空気が流れる中 営業2課に歓声が沸き起こる

キム・ソッコが 20億ウォンの受注を決めたと…!

 

深いため息で 隣の歓声を聞くオ・サンシク

ふと デスクに置かれた“起案書”に目をやる

チェ専務が拾ったという“起案書”

その起案書のサインを見ると… キム・ソッコの名が…!

 

喜びに沸き立つコ・ドンホが オ・サンシクをタバコに誘う

仕事が遅くミスも目立つが やることは丁寧だと絶賛する

あんなにけなしていたソッコを 掌返しで誉め立てるドンホ

 

『長男だからと早くに結婚させられ 歳をくってからの入社だ

年齢的には 代理になってもおかしくない

妻子を養うため 何が何でも今回は採用されなければならない』

 

そんな事情だから 頑張らせたいというドンホ

 

おそらく“起案書”は キム・ソッコの不始末だ

しかし 今はそれを持ち出す空気ではない

 

屋上でランニングを続けていたグレが フラフラになって戻る

そこへ 見知らぬ青年が現れ 親し気に声をかけてきた

繊維2課のインターン社員ハン・ソンニュル

本人たっての希望により 蔚山(ウルサン)の工場で勤務しているという

 

初対面で いきなりパートナーにならないか?と誘って来る

見るからに遊び人の風貌で お調子者のキャラを隠そうともしない

さっきまでランニングしていた屋上へ行き 話だけでも聞くことに

 

課長オ・サンシクは 証拠となる起案書を シュレッダーにかけていた

歳をくった妻帯者のキム・ソッコは れっきとしたインターン社員

たとえ無実でも チャン・グレが生き残れる可能性は 限りなくゼロだ

そんなグレの無実を証明するより ソッコの未来を守るべきだと

 

屋上では

 

ソンニュルの 自信過剰なまでの自画自賛が始まる

いかに自分が有能か そして採用はもう決まったも同然の立場だという

熱く語るソンニュルを置き去りにし グレはオフィスへ戻る

 

(採用されたも同然だから 無能の自分をパートナーに?)

 

なぜこうもうんざりすることばかり続くのか

グレは 何もかもがどうでもよくなっていた

デスクに戻り 大したことはない私物と荷物を持ち 深々と一礼する

キム・ドンシクが『何のマネだ!』と怒鳴る!

それを止めたのは オ課長だった

 

ドンシクの やりかけの仕事を中断させ 『飲みに行くぞ!』と叫ぶ

自分には関係ないことだと 最後まで無視されながら 帰ろうとするグレ

 

『何してる! 飲みに行くぞ! お前も来い!!!』

『え?』

 

聞き間違いでなければ グレも誘われている

ドンシクも 行くぞ!と目くばせし さっさと行ってしまった

 

オ・サンシクは まるでひとり飲みしているかのように手酌で酒を煽る

何も 2課に実績を挙げられて悔しいわけじゃないと

確かに悔しい思いはあるが だから酔っているんじゃないという

 

『こいつの分類は分かりやすかった! あれならみんなが納得する

合理的で! 効率的で! しかし使えない!!!』

 

唐突に グレを褒めるサンシクに 2人とも面食らう

そして最後にサンシクは 『こいつは無実だ』と呟いた

 

直属の部下ドンシクにも 今回の当事者グレにも

それ以上を語ることは出来なかった

しかしそれでも グレを庇わずにはいられないサンシクだった

 

何がどうなっているのか分からないまま 酔いつぶれた上司を介抱する2人

もう飲めないだろうと サンシクを抱え店の外に出る

すると向こうから 2課の連中が上機嫌で歩いて来た

 

大型契約で祝い酒に興じた一行と やらかしてヤケ酒を煽った一行

コ・ドンホは 浮かれ気分でサンシクに慰めの言葉をかけた

 

『これだけは言っておく もう備品を借りに来させるな』

『何なんだ? 俺の手柄が不満か? 不愉快なのか?!』

 

オ・サンシクとコ・ドンホは 決して仲が悪いわけではない

互いに 課を率いる長として切磋琢磨してきた

だからこそサンシクは シュレッダーに“証拠”を飲み込ませたのだ

 

『お前の部下に 備品を自由に使わせろ!』

『お前の課に関係ないだろ!』

『お前の部下に貸したから うちの奴が怒られただろ!!!』

『何でこいつは備品くらいで騒ぐんだ!!!』

 

互いに泥酔している2人は 子供のケンカのように怒鳴り合う

しかし キム・ソッコだけは気づいた

 

『チャン君 ごめん!』

 

祝い酒の酔いも醒め ソッコは グレに向かって深々と頭を下げた

グレは 状況を把握し切れないまま茫然としていた

課長オ・サンシクの “うちの奴”という言葉だけが心に突き刺さる

 

出社初日も 長い一日だったが 2日目の今日も過酷だった

チャン・グレだけでなく すべての社員に帰宅後の“日常”があった

独り暮らしのねぐらに帰る者

泥酔し 寝静まった子供たちを起こし 妻に小言を食らう者

戦場のような激務に立ち向かい 守るべき家族のもとへ帰る者

 

グレは オ課長の言葉を何度も思い返し “共同作業”の意味を噛みしめる

“うちの奴”という“居場所”が出来たことは この上ない喜びだった

 

翌朝

 

チャン・グレは 真っ直ぐに繊維2課へ向かう

ハン・ソンニュルの パートナーの申し出を受けると決めたのだ

グレの表情は これまでになく自身に満ち溢れ そして積極的だった

 

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ミセン ~未生~ 第1局

2018-09-18 08:00:10 | ミセン ~未生~ あらすじ

 ミセン~未生~ 第1局 

 

- 道は ただ歩くだけではなく 前に進むためにある

  前に進めないなら それはもはや道とはいえない

  道は 全ての人に開かれている

  しかし 誰もが前に進めるわけではない -

 

ヨルダンの首都アンマン

韓国人の青年チャン・グレが 何かを捜して歩き回っている

そこへ 1本の電話が入る

裏通りの安宿へ彼を呼び寄せたのは ヨルダン支社のチョ代理

2人が捜す男ソ・ジンサンは 彼らに気づくなり逃走する!

チャン・グレは 粘り強く追跡し 追いつめていく

 

なぜ彼がこの国にいて 男を追いかけているのか

彼についての物語は 2012年 春にさかのぼる

 

チャン・グレは 銭湯の掃除をしていた

呆れるほどに一生懸命働くグレだが

今日限りで… と言いにくそうにつぶやく店主

足のケガで休んでいた従業員が 明日から復帰するのだという

繋ぎのバイトだったグレの役目は 今日で終了というわけだ

 

失業してしまったが グレはもう1つ 運転代行のバイトもしていた

酔っ払い相手の仕事では 時に 心無い言葉で罵倒されることもある

「いい若者が運転代行なんかで楽をせず しっかり働け!」

身を粉にしてバイトをかけ持ちし 必死に働いても

所詮 世間の評価はこんなものだ

 

そこへ 母親から連絡が入る

新しい仕事が決まったから 明日から出社するようにと

 

翌朝

 

あまりに急な話で 亡き父のスーツを来ていくしかない

大きさの合わないスーツだが グレは 嫌な表情も見せず着て見せた

 

『今日中に新しいスーツを買っておく』

『安いのでいいよ』

『安くたって 最新の流行のにするわ』

 

スーツ姿の息子に 気後れしてはダメだと言い聞かせる母親

1つ教えれば 100答える頭の良さは きっと役に立つと

 

『ソンウォン実業の社長が あんたを気にかけてくれて

あの大会社に推薦してくれたのよ 決してやましいコネじゃないからね』

 

緊張して出社したグレは ひたすら待たされた

挙句 営業3課代理キム・ドンシクに 屋上へ連れて行かれる

グレの最終学歴が “高卒認定試験”だという事実に

中途退学なのか はじめから行かなかったのかと聞く

消え入るような声で 後者だと答えるグレ

 

26歳で まともに就職した経験もなく 外国語を話せるわけでもない

なのになぜコネが通ったのか… ドンシクは頭を抱える

この若者が部下になるかと思うと 苛立ちさえ覚えるのだ

 

『その歳になるまで何やってた? 出来ることが何ひとつない!』

 

まったくその通りだと グレは 心の中でつぶやいた

言い返すどころか 腹を立てることすら出来ない

 

同じ会社のフロアでは インターン社員アン・ヨンイが

10億ウォンの輸出契約を成立させ 上司からの称賛を浴びていた

 

そんなヨンイと グレがすれ違う

ヨンイが落としたヘアゴムを 呼び止めて渡すべきなのに

それすら気後れしてしまうグレ

 

配属された営業3課は 課長と代理だけの最小チーム

その課長とはまだ会えず 代理キム・ドンシクはてんてこまい!

どうせなら即戦力になる人材が欲しかったのに

コピー機すら 恐る恐る使うグレに絶望し 教える気力も失せていく

 

コピー機が用紙切れになり 給湯室のストック棚へ取りに行くが

そこも在庫切れで 備品庫へ取りに行くことに

ストックが給湯室の棚にあることも 補充は備品庫へ行くことも

初出勤のグレは いちいち聞かなければ分かるはずもない

学歴もなく 経験もなく 何ひとつ資格も無い

おまけにコネ入社となれば 反感の対象となるのは必至

グレが何も出来ない能無しインターンであることは

いずれ周知の事実となるだろう

 

どうしても外出しなければならないドンシク

通りかかったアン・ヨンイに声をかけ グレと一緒に昼食をと命じた

意地悪するつもりはないが 面倒を見ている暇がない

 

大きなビルの 広々としたフロアは いくつもの課に分かれていた

ある者は忙しくパソコンのキーボードを叩き

またある者は 電話の相手と英語で議論している

上司の怒号が飛び それに応じて部下が動き回っていた

 

ただ茫然と それを眺めるしかないグレには

そのフロアのどこにも 居場所がなかった

配属された営業3課課長は依然として現れず 代理キム・ドンシクもいない

デスクの上の書類の山 掲示板の貼り紙を見ても チンプンカンプンだ

 

そんな中 課内の電話が鳴る…!

今のグレには 電話を取ったところで何も分からない

それでも 電話に出られるのはグレだけだ

 

隣りの課の人間が(早く出ろよ!)という視線で刺す

 

しどろもどろの応対に 電話の向こうも苛ついている

自分の課の課長が どこへ外出中かも分からない

当然といえば当然なのだ

初出勤からまだ 何ひとつ教わっていない

 

隣りの部署から 課長は海外出張中だと面倒そうに教えられ

それを告げれば 今度はいつ戻るかと聞かれた

電話の相手が 吐き捨てるようなため息をつき 一方的に切られた

 

息つく暇もなく 次の電話が鳴る!

ためらわずに受話器を取ると 今度は外国語でまくし立てられる

誰に聞けばいいのか… さっきの人はもう相手にしてくれないだろう

するとそこへ アン・ヨンイが通りかかる

 

今のグレにとって 顔見知りは彼女しかいない

何故私が?という迷惑そうな表情のヨンイ

彼女もまたインターン社員であり 自分のことで精一杯だ

しかし グレより慣れているのは間違いない

 

アン・ヨンイは 電話に出るなり ロシア語で応対する

(メモを!)というジェスチャーに慌てて差し出すグレ

あとはただ 見ているしかない

素早く伝言メモを書き グレに渡すと ヨンイは急いで持ち場に戻る

お礼を言う暇もなく グレはまたひとりになった

 

次の電話は英語だった

隣りの課の男は あからさまに視線を逸らし無視を決める

 

アン・ヨンイがいる課へ行き 無言で腕をつかみ連れて来る

プライドなんて思う暇もない 今はヨンイを頼るしかない

どんなに迷惑がられても 軽蔑の視線で睨まれても

グレが頼るべき人間は ヨンイひとり切りだ

 

資源2課では もうひとりのインターン社員 チャン・ベッキが奮闘している

頼まれてもいないプレゼン資料を作り 課長を唸らせ

ランチの予約も 上司たちの会話から好みを把握し 何もかも完璧にこなす

 

資源2課課長チョン・ヒソクは 営業3課のチャン・グレを見て

あれが自分の課に来なくてよかったと 心底ホッとしていた

この会社で コネ入社して続いた者はいない

大学出の優秀なコネ入社でもそうなのに

特技もなく 高卒認定試験が最終学歴の奴なんか 続くわけがないと…!

 

『どうせすぐに辞めるだろ 親切にしてやることだ』

 

グレは 電話の嵐が過ぎたところで アン・ヨンイのデスクに向かう

ただ さっきのヘアゴムを渡したかったのだが…

 

『ランチなら 私は1人で行くから あなたもひとりで行って!』

『そうじゃなく…』

 

そこへ チャン・ベッキが声をかけて来る

プレゼンをまとめ 10億ウォンの契約を取ったヨンイを称賛する

ヨンイは グレだけでなく ベッキをも無視し さっさと行ってしまった

残されたベッキは グレに握手を求め自己紹介する

親切にしてやれという 上司の言葉に従っているだけだ

 

自分より10日遅れで入社した 同じ立場のチャン・グレに

スーツの上着は 脱いでも問題ないよ と助言する

グレは そこで初めて気づいたのだ

自分以外の人間は 上着を脱ぎ ワイシャツの袖を腕まくりしている

サイズの合わないスーツの 上着を着たままのグレは

緊張のせいもあってか 汗だくになっていたのだ

 

同じ時 グレの母親は デパートでスーツを選んでいた

ブランド店のスーツは どれもこれも高額で とても手が出ない

母親は スーパーに隣接する呉服店の安物スーツを 買い物袋に押し込んだ

 

昼時になり グレは ひとりデスクにいた

さっきは無下に断ったものの 冷たくし過ぎたかと気にするヨンイ

 

『あなたって もしかしてマザコンなの? ひとりで食事も出来ない?』

『そこまでバカじゃない! …お腹が空いてないだけだ』

 

あんなに頼ってばかりいたヨンイに 少しだけ腹が立った

空いてないと言ったお腹が 空腹で鳴った

(よし 食事に行こう!)

遅れて向かったエレベーターは ランチに向かう人でごった返す

皮肉にも グレひとりだけが残され エレベーターが閉まった

偶然に過ぎないと思いたいが 今のグレには この偶然さえ切ない

 

エレベーターの中では 他のインターン社員たちが…

 

(あいつだろ? コネ入社)

(バックが大物なのか?)

(物凄く優秀とか?)

 

エレベーターの中のベッキは その噂話を聞いているしかない

グレの学歴や 特技無しという情報は まだ公には知られていないようだ

社食でも 一同の話題はグレについてだった

 

(いくらコネだって 無試験ってのは不公平だよな)

(特別扱いは アン・ヨンイくらいなもんだろ)

 

言いたい放題のインターン社員たち

するとチャン・ベッキが 席を探すグレに声をかけ空席に招く

向かい合うキム・ソッコが 親し気に自己紹介した

さらにベッキは “インターン勉強会”に来るのかと聞く

好意的なベッキに 今日初めての笑顔を見せるグレ

 

しかし 他のインターン社員たちは違う

“特別なインターン”に 勉強はいらないだろうと嫌みを言う

どこの大学を? 他に得意なことが?

あからさまに聞くイ・サンヒョン

グレは臆することなく 最終学歴は高卒認定試験だと答える

想定外の答えに 言葉を失う一同

 

やがてひとりになったグレ

その向かいの席に アン・ヨンイが座った

さっきの失礼を詫びるヨンイに 『ああ』とだけ答えるグレ

 

『こういう時は「大丈夫だよ」と答えるべきだわ』

『もし 僕も悪いならそう答えるよ』

 

きっぱりとした言い方に ヨンイは呆れ顔

しかし 気分は悪くなかった

あれだけ恥も外聞もなく自分を頼りながら

少しは芯があるところを見せるグレに 思わず苦笑するヨンイだった

 

チャン・グレの 長い長い一日が終わった

 

社会人となった初日は 思った以上に厳しく強烈だった

“コネ入社”が どれだけ敬遠されているかを思い知り

同期のインターン社員たちの本音を 偶然にも休憩室で聞いてしまった

 

大学入試のため 必死に塾通いし夜も寝ずに勉強した

それでも足りずに資格を取り 語学留学もしてここまで来たのに

そんな苦労もせず コネを武器に無試験で入社するなんて…!

 

グレには もっともだと思う感情しかない

それほど自分には 誇れるべきものが何ひとつ無いと…

 

自宅へ向かう途中の繁華街

居酒屋で奇声を上げるサラリーマンたち

スーツ姿こそ同じにしていても グレには別世界のように感じる

 

コネ入社だと蔑む同期の言葉より グレを深く傷つけたのは上司の言葉だった

 

「せいぜい優しくしてやれ いずれ辞める人間だ

どうせここに アイツの居場所はないさ」

 

帰宅したグレは 机の上の囲碁盤を 洋服ダンスの中に放り込む

乱暴に放られ 碁石が飛び散った

グレの無言の怒りは このような形でしか示されない

 

幼いグレは 棋院の研究生だった

やがて少年になり 二十歳を過ぎるまで 棋院に通い続けたグレ

段位取得のため 必死に囲碁と向き合う日々

師匠はグレに バイトを辞めて囲碁に集中しろと忠告する

しかし 父親が病弱であり 経済的な理由から辞めることは出来ない

いくつものバイトをかけ持ちしながら有段者になれるほど

囲碁の世界は 甘いものではなかった

 

研究生でいられる期間は限られている

最後の勝負に懸けるため 一時的にバイトを辞め本腰を入れようとした矢先

とうとう父親が力尽き 逝ってしまう

グレの未来は遮断された

道が閉ざされた理由を 父親の死や バイトのせいにしたくない

夫の死にショックを受け 倒れてしまった母親のせいにもしたくなかった

囲碁にまつわるすべての持ち物を仕舞い込み 視界に入らないようにし

睡眠以外の昼夜をバイトに費やし 囲碁を忘れようとするグレ

こうした“境遇”を 囲碁を捨てた理由にするのは あまりに惨め過ぎる

ただ努力が足りなかったせいだと 自分に言い聞かせるグレだった

 

翌朝

 

母親は 買ってきた安物のスーツを 息子に渡せなかった

晴れて大会社に就職した息子に着せるには みすぼらし過ぎると自分を責めた

 

グレは 今日もサイズの合わないスーツで出勤する

出社するなり上着を脱ぎ 仕事する姿勢を見せるグレ

早い時間のオフィスは まだ閑散としている

訳の分からない書類の山が あちこちに積み上げられている

その中の“社内連絡網”に目を通す

 

やがて出社したキム・ドンシクが 課長に連絡を!と叫ぶ

すかさず受話器を渡すグレ!

あれ? 俺教えたっけか? 首を傾げながら受け取るドンシク

教わらずとも出来ることがある

グレの2日目は こうして始まった

 

なぜドンシクが慌てているのか

海外出張から戻る予定の 課長オ・サンシクが 渋滞にはまっているのだ

部長命令で すぐさま取引先と会うことになっている

この契約をまとめなければ 解雇に値すると 部長に脅されていた

 

今から空を飛んでも 最短早くて30分の遅刻だと嘆くオ課長

スケジュールを中継するドンシクが 悲鳴を上げ部長の携帯番号を探す!

グレは 覚えたばかりの連絡網で 部長に連絡し ドンシクに繋げた

 

部長とのやり取りで さらに悲鳴を上げるドンシク!

オ課長が到着するまでの時間稼ぎに 新人を行かせろというのだ

別件で これから大連に行かねばならないドンシクには なす術もない

 

詳しく説明をしている暇もなく 高麗人参のサンプルを渡し

とにかく時間稼ぎをしろと叫ぶドンシク

 

すべての説明を聞かされ 驚くオ課長

報告するドンシクも 始末書ものだと嘆く

ホテルで待つ取引先は外国人であり 向かったグレは英語を話せない

仕事が分からないばかりか 時間稼ぎをしようにも

まず会話が成り立たないのでは 引き止めようもないだろう

 

一体 ホテルではどんなことになっているのか

まだ見ぬ新人の顔さえ分からず オ課長は それらしき人物を捜す

 

すると…

取引先の“ヘンリー”が いかにも楽し気に考え込んでいる

その向かい側には 新人らしき青年が静かに座っていた

 

グレは ヘンリーに囲碁の問題を出し

ヘンリーは 初めて囲碁を教えられ 楽しそうに考え込んでいたのだ

上機嫌のヘンリーを見送ると オ課長は あらためてグレを見る

 

『囲碁が得意なのか?』

『いえ 経験がある程度です』

 

会社に戻る車中 2人に会話は無い

サンシクの口から やっと出た言葉は 昨日のドンシクと同じだった

一体 26歳まで何をしてきたのか

コネ入社だというのに 学歴もなければ特技もなく 外国語も話せない

 

『お前は運がいいぞ 昨日 俺がいないおかげで今日も出社できた』

『……』

『うちは人がいないから 即戦力が必要なんだ

教えてる暇なんか無いからな』

 

“売り”は何かと聞かれ 咄嗟に“努力”だと答えるグレ

これが新卒の答えだったら あるいは許されるのかもしれない

しかしオ課長は グレの答えを却下した

新人が一生懸命に頑張って努力することは あまりに当然であり

それだけでは 区別も差別も出来ないと

 

『質が違います! そして量も…』

 

グレの覚悟を 鼻で笑うオ課長

そして 資料のデータを渡し 分類してみろという

努力の質と量が どう違うのか お手並み拝見というわけだ

 

同じ時 グレの母親はデパートにいた

昨夜 初出勤から帰宅した息子は 酷く疲れて元気がなかった

もともと口数の少ない息子だが 不平も言わず懸命に生きている

安売りのスーツを渡せず 意を決してブランド物を買いに来た

カードの支払いがほとんどの専門店で 札束を数える母親

 

その頃グレは パソコンの画面に集中していた

どこから手を付けていいのか分からないほど バラバラのデータを

まずは紙に書き起こしてみる

 

実は こうした分類作業を 幼い頃からしていたグレ

さまざまな囲碁の対局を パソコン上で分類していく

自分の経験が 初めて生かされると感じ グレは嬉しくなった

 

一方母親は かき集めた現金で 目的のスーツを購入すると

その足で 息子が働く会社に向かった

ロビーに立つ母親の質素な姿は 大会社のフロアで完全に浮いている

それをしっかりと承知している母親は 手短に会話を終わらせ

ブランドロゴ入りの紙袋を渡し さっさと行ってしまった

 

オ課長は デスクの書類の山の中から アン・ヨンイのメモを発見する

その完璧すぎるメモに 本人を訪ねずにはいられない

インターンでありながら 大きい契約を取ったヨンイを知らない上司はいない

 

『インターンが終わったら 希望部署は営業3課にしろよ』

 

オ・サンシクは アン・ヨンイを我が部署へ!と熱望し

一応は周囲を気遣いつつ 本人にもその思いを隠さず伝えた

なんと答えたらいいものか… ヨンイは愛想笑いをするしかない

 

オ課長がデスクに戻ると 代理キム・ドンシクから電話が入る

イカのトラブルで大連に向かったドンシクは 異物混入に困り果てていた

塩辛を輸出するためのイカが 工場に届いたが

量増し目的で“ベイカ”が混入されたのだという

大量のイカ樽から“ベイカ”を探し出すのは 手作業でしか出来ない

オ課長は 各部署からインターン社員を召集し 工場に向かわせようとする

 

グレは 与えられた仕事に没頭しながらも 足元の紙袋が気になり

わざわざ届けてくれた母親の気持ちを思うと 着替えずにはいられなかった

サイズもピッタリな 高級スーツは 明らかに着心地が違う

服装などどうでもいいと思っていたグレも 鏡に映る自身の姿が眩しかった

 

会議室に集められたインターン社員たち

エリートと呼ばれる彼らが 快く引き受ける筈もない

なんで俺たちが? と口々に文句を言う

しかも この召集から アン・ヨンイは外されている

大活躍のヨンイを 上司がはっきりと断り守ったのだ

 

一旦 会議室に戻ると オ課長が グレのパソコンを覗いている

あらかじめ作っておいたフォルダに 振り分けるだけの作業だった

しかし オ課長が用意したフォルダは無視され 独自の分類がされていた

 

『お前 友達いないのか? これでは独りよがりだぞ』

 

これの何がダメなんだろう…

分類には自信があったし 何が悪いのか見当もつかない

そうこうしているうち 工場へ出発する時間になった

 

工場に着くと それぞれに作業着が渡され 作業の説明が行われた

突然の応援に人数分の作業着が確保出来ず 何人かはスーツのままだ

グレは 新品のブランドスーツにゴム手袋を渡されただけだった

冷蔵室内での作業は寒すぎて 新品のスーツを脱ぐことも出来ない

 

2人組になるよう指示されたが 駆けつけたインターン社員は奇数人数

当然のごとく グレははじかれ たった1人での作業を課せられる

 

寒い上に ドラム缶の蓋を開けると 強烈な臭いでムセ込むようだ

誰も真剣にやろうとは思っていない中 グレだけが必死になっていた

スーツを汚さないよう細心の注意を払い “ベイカ”を探していく

 

するとそこで ポケットの携帯に着信が入り

取ろうとしたゴム手袋から滑り イカの中に落ちてしまう…!

携帯はもう絶望的だが そのまま沈めておくわけにはいかない

新品のスーツの肩先まで手を突っ込み ドラム缶の底から携帯を掴んだ

 

『なんで繋がらない?』

 

オ課長は グレを諦め チャン・ベッキの携帯にかける

イカはそのまま返品することになったから すぐにも撤収しろとの命令だ

ベッキは イ・サンヒョンに グレにも伝えろと頼み 先に行ってしまう

 

ひとり黙々と作業するグレを見て また怒りが込み上げるサンヒョン

スーツの袖を汚し 必死に“ベイカ”を探す姿が どうにも鼻につく

サンヒョンは グレには撤収を伝えず行ってしまう

 

チャン・グレを置き去りにしたまま帰社し これは洗礼だと笑うサンヒョン

さすがにやり過ぎだと怒りをあらわにし ベッキは 工場に連絡する

工場長から 他の者は撤収したと告げられ ショックを受けるグレ

 

やっとのことで会社に戻ったグレは 悪臭を放ち疲れ切っていた

その姿に驚き 何と声をかけていいのか分からないアン・ヨンイ

他のインターン社員たちは オ課長のおごりで居酒屋に集結していた

ヨンイにも誘いの電話が入り グレが戻ったと聞いたサンヒョンは

戻れたのか?と大笑いし グレを電話口にという

 

あんまり必死だったから声をかけられなかったと

これで洗礼は終わりだからと 笑いが止まらないサンヒョン

電話の向こうでは 他のインターン社員たちの笑い声も…

 

居酒屋に行くより サウナにでも行った方がいいというヨンイ

しかしグレは 一緒に行って片をつけるという

 

ヨンイも 飲み会に出席するつもりはなかった

せっかくのオ課長の誘いだから 断るにしても顔を出すべきだと判断し

グレも同じく 一応は顔を出して 直接 課長に報告すべきだと思ったのだ

 

インターン社員たちは グレを“仲間”だとは思っていない

悪ふざけが過ぎたとしても 同期に酷いことをしたという認識もない

悪臭を放つ姿で 飲み会の席に顔を出すこと自体が非常識だと…!

 

『お前 もっと要領よく立ち回れないのか? 必死過ぎるんだよ!

ま 必死にやるしかないだろうけど せいぜい頑張れよ アハハ…!』

 

イ・サンヒョンは まるでグレが悪いかのような言い草で店内へ戻る

聞くに堪えない状況に ヨンイも帰ると言い歩き出す

 

そこへ 遅れて現れたオ課長が グレの姿に驚き すぐに帰れと命じた

しかし 会社に戻り仕事すると答えるグレ

データの分類を 却下されたままだった

オ課長に対し きちんと挨拶したグレは 来た道を引き返す

 

グレは 心の中で歯を食いしばる

 

必死だとか 一生懸命だとか そう言われるのは心外だ

これまで 必死にやってこなかったから 今の状況がある

26歳になるまで 手を抜いて生きてきたから こんな目に遭っているのだと…

 

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ミセン ~未生~ キャスト紹介

2018-09-18 08:00:00 | ミセン ~未生~ あらすじ

∞∞ キャスト紹介 ∞∞

 

 チャン・グレ

⇒ イム・シワン

 ワン・インターナショナル営業3課インターン社員

 

 オ・サンシク

⇒ イ・ソンミン

 グレの上司/営業3課課長

 

 アン・ヨンイ

⇒ カン・ソラ

 グレの同期/資源2課インターン社員

 

 チャン・ベッキ

⇒ カン・ハヌル

 グレの同期/鉄鋼課インターン社員

 

 ハン・ソンニュル

⇒ ピョン・ヨハン

 グレの同期/繊維2課インターン社員/壁犬

 

 キム・ドンシク

⇒キム・デミョン

 営業3課代理/彼女いない歴32年

 

 ???

⇒ ナム・ギョンウプ

 社長

 

 チェ・ヨンフ

⇒ イ・ギョンヨン

 専務理事

 

 キム・ブリョン

⇒ キム・ジョンス

 営業本部部長

 

 ソン・ジヨン

⇒ シン・ウンジョン

 営業1課チーム長/サンシクの同期

 

 チャ・ジョンホ

⇒ チェ・イクジュン

 営業1課代理

 

 コ・ドンホ

⇒ リュ・テホ

 営業2課課長/サンシクの同期

 

 ファン・ヒョン

⇒ パク・ジンス

 営業2課代理

 

 チャン・ミラ

⇒ キム・ガヨン

 営業2課実務職社員

 

 パク・ジョンシク

⇒ キム・ヒウォン

 営業3課課長

 

 チョン・グァヌン

⇒ パク・ヘジュン

 営業3課課長

 

 マ・ボクリョル

⇒ ソン・ジョンハク

 資源課部長

 

 チョン・ヒソク

⇒ チョン・ヒテ

 資源2課課長

 

 ユ・ヒョンギ

⇒ シン・ジェフン

 資源2課代理

 

 ハ・ソンジュン

⇒ チョン・ソクホ

 資源2課代理

 

 カン・ヘジュン

⇒ オ・ミンソク

 鉄鋼課代理

 

 シン・ダイン

⇒ パク・ジンソ

 鉄鋼課実務職社員

 

 ムン・サンピル

⇒ チャン・ヒョクジン

 繊維1課課長

 

 ソン・ジュンシク

⇒ テ・イノ

 繊維1課代理

 

 イ・ソクジュン

⇒ キム・ジョンハク

 IT営業課課長

 

 パク・ヨング

⇒ チェ・グィファ

 IT営業課代理

 

 ハム次長

⇒ パク・ノシク

 IT営業課次長

 

 ???

⇒ ハン・ガプス

 副社長/ヨルダン支社長

 

 チョ代理

⇒ チェ・ジェウン

 ヨルダン支社代理

 

 ???

⇒ ソン・ビョンスク

 グレの母

 

 ???

⇒ オ・ユノン

 サンシクの妻

 

 ???

⇒ アン・ソンフン

 サンシクの長男

 

 ???

⇒ ペク・ギョンミン

 サンシクの次男

 

 ???

⇒ ソン・ジュニ

 サンシクの三男

 

 ???

⇒ チョン・ジンギ

 ヨンイの父

 

 ???

⇒ メン・ボンハク

 ソンニュルの父

 

 ???

⇒ オ・ギヨン

 ソン・ジヨンの夫

 

 パク・ソミ

⇒ イ・ゴウン

 ソン・ジヨンの娘

 

 ハ・ジョンヨン

⇒ イ・シウォン

 パク・ソミの幼稚園の先生

 

 ???

⇒ ナム・ミョンリョル

 グレの囲碁の師匠

 

 イ・ジンテ

⇒ キム・ギョンリョン

 キム・ブリョンの後任の営業本部部長

 

 ピョン・ヒョンチョル

⇒ イ・ダリョン

 ウィルマート部長/サンシクの同級生

 

 チョン課長

⇒ チャ・スンベ

 ヨンソン実業課長

 

 シン・ウヒョン

⇒ イ・スンジュン

 ヨンイの前の職場の上司

 

 ファン部長

⇒ チョン・ソギョン

 中古車輸出案件の取引先の部長

 

 イ・ウンジ

⇒ ソ・ユナ

 サンシクが代理時代の契約社員

 

 ソ・ジンサン

⇒ ソン・ジェリョン

 中国工場の工場長

 

 サンシクの若い時代

⇒ ペ・ユラム

 

 グレの少年時代

⇒ キム・イェジュン

 

 ベッキの少年時代

⇒ パク・ハジュン

 

 ソンニュルの少年時代

⇒ イ・ヒョンビン

 

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gooブログ単独初レビューは「ミセン~未生~」で!

2018-09-17 17:00:00 | 韓国ドラマ徒然

アメーバブログから移行し gooブログで続きを更新し始め

ずいぶんと時間が過ぎ去った

はじめは気軽に始めた「あらすじブログ」も

気づけば多くのドラマをレビューしてきた

初期の頃の あまりに稚拙な文章を思うと

あらためて更新したいドラマも多くある

 

それはそれとして アメーバから引き継ぐのではなく

gooブログから始める記念すべき作品として

「ミセン~未生~」をレビューしようと決めた

 

韓国ドラマが好きだからといって 全ての作品をレビューしようとは思わない

自分としては 日本のドラマであろうと 韓国ドラマであろうと

面白い作品は面白いし 自分が感じる駄作は国籍も何も関係なく存在する

 

自分が感動した作品を 多くの人に伝えたい

出来れば簡潔なものではなく ひとつの小説を読むかのように伝えたい

そういうコンセプトがあり 自分なりにレビューを続けている

もちろん完全なるネタバレなので

映像で観たいという方には 決して呼んでほしくないブログだ

 

gooブログ単独初レビュー記念作品として

「ミセン~未生~」こそが相応しいと思い ずいぶん長い時間準備してきた

 

この作品を観ることになったきっかけは

ハン・ソンニュル役のピョン・ヨハンだ

「六龍が飛ぶ」でタンセ(イ・バンジ)役を好演した若き俳優である

あまりのカッコ良さに心奪われ 関連作品を検索したところ

この「ミセン~未生~」に辿り着いた

 

「六龍が飛ぶ」とは あまりに違い過ぎる役柄に面食らい

ある意味失望して 視聴を中断しようとしたことも事実だ

しかし ピョン・ヨハンとは別にしても このドラマの魅力に圧倒され

果たして 自分の文章力で この作品を描き切れるのかと

何度となく視聴し どう描くかを模索していた

 

ドラマ自体を観たことがない方も ひとつの物語として読めるかどうか

自分のブログのコンセプトを貫くとして 描き切れるのかが問題だった

 

そんな不安要素がありつつ どうしてもレビューしてみたい

そう思わせるほどに このドラマの魅力は大きい

ZE:Aのメンバーである チャン・グレ役のイム・シワンも

このドラマで初めて存在を知るという…

 

今後も イム・シワンの出演作品には注目していきたいと思う

 

「ミセン~未生~」は 9月18日AM8時より 随時公開していきます

どうぞよろしくお願いします

 

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