“散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています
※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります
史実とは異なる創作の部分があります
第50話 永の別れ
『おのれスンニャン! お前… どうせ皇帝に殺される!
皇帝は… ワン・ユとお前の秘密を…!』
言い終わらぬうちに タファンの剣がとどめを刺した
宮殿に戻っても キ・ヤンの話を聞こうとしない
そしてタファンは ワン・ユを“命の恩人”と言い感謝の意を表した
タンギセから聞いた衝撃的な事実については 一切を封印したかのように
しかし独りになると やはりあの言葉が耳から離れない
タファンはコルタに命じ 密かにソ尚宮を捜させる
『ソ尚宮とは城外で会う このことは誰にも知られてはならぬ』
『承知いたしました』
同じ時 キ・ヤンは 丞相タルタルに会っていた
タルタルは ワン・ユの生存を知っていた
…というより タルタル自身がワン・ユを逃がしたのだと知り衝撃を受ける
その夜
タファンは 城外でソ尚宮に会う
コルタとその部下を遠く離れた場所で待機させた
そしてタンギセが言った “マハの出生”は確かに事実であるとの確証を得る
ソ尚宮は 皇帝がこの事実を知ることで キ・ヤンが粛清されると信じていた
しかしタファンは この事実が明るみに出ぬよう… ソ尚宮を殺したのであった!
そして真実を知る者はもう1人 それは他ならぬワン・ユ自身
完全に真実を封印すべく ワン・ユも亡き者にせねばと誓うタファンだった
一方 メバク商団の頭から 皇太后宛に金銀財宝が贈られた
添えられた密書には 善業寺で“キ・ヤンを排除ずる策”を教える とある
善業寺で 皇太后を待っていたのはヨム・ビョンス
頭の使いとして現れたビョンスは 皇帝を消せばキ・ヤンを排除できると言う
それは謀反では?と驚くチャン・スニョン
皇太后は 嬉々として話の続きを!と急かす
タンギセが考えていた“新たな皇帝の擁立”
その遺志を 是非とも皇太后に引き継いでほしいと進言するビョンスであった
しかし今の皇帝が存命なのに どうやって新たな皇帝を? スニョンの不安は消えない
ビョンスは 今の皇帝は静かに弱っていき いずれ亡くなるだろう… とほくそ笑む
宮殿では
コルタが 自ら学び煎じたという薬湯を 皇帝に飲ませている
長年仕えているコルタを 心から信じ切っているタファンは ためらいなく飲み干す
やがて皇帝タファンより ワン・ユの高麗(コリョ)王復位の詔書が示された
大明殿で待つワン・ユのもとへ 詔書を届けたのはキ・ヤンである
マハが我が子であることを すでに知っているワン・ユ
しかし2人は 我が子マハについて語ることはなかった
『二度と罪なき民を苦しめないと約束してください
私はこの元の国に連れて来られて 初めて思い知ったのです
自国の民さえ守れぬ国が… 他国へ送った民のことなど顧みることもない国が
どれだけ無用で どれだけ不実なものであるか』
すべては自分の至らなさだと詫びるワン・ユ
しかしキ・ヤンは 国の再建は王が独りで行うものではないという
『この国にはまだ 高麗(コリョ)を属国にしようとする者が多くいます
私はこの国で その動きを止めるため闘います
どうかワン・ユ殿は 高麗(コリョ)の国を強くなさいませ!』
キ・ヤンが皇后に冊立される日 ワン・ユは高麗(コリョ)へと旅立った
互いの愛を貫くことはついに叶わず 2人の間に授かったマハもこの世を去った
それぞれの人生を生き抜く
その道を選ぶしかなかった2人だった
皇太后は 奇皇后の冊立に逆上し荒れ狂う!
それは この国の皇后という座に 高麗(コリョ)の血を引く者が就いたからか
それとも 再び手に入れようとした権力が得られなかった腹立ちなのか…
ワン・ユの旅立ちに同行するのは チョンバギとチェ・ムソン
チョンバギは 高麗(コリョ)に帰還後 親衛隊長の任に就くという
そして側近として常にワン・ユを支えてきたチェ・ムソンは大将軍に!
パン・シヌとマクセンは 引き続きメバクの頭の正体を探る任務を遂行する
キ・ヤンとワン・ユの 長きに渡る関係を知りつつ
2人の間に マハという息子が生まれていた事実も知りつつ
そのすべてを闇に葬り去り 皇帝タファンは“奇皇后”を迎えた
それは ずっと夢に見てきたことであり タファンの唯一の望みだったからである
タファンは ヤンの寝顔を見つめ心の中で語りかける
(決して私を恨んではならぬ
すべてはそなたのため そなたを守り抜くためにすることだ)
その夜 皇帝タファンは密かに挙兵する
事態を重く見た丞相タルタルは 決してワン・ユ殿を殺してはならないと諫めるが
奇皇后を生かすためには ワン・ユを亡き者にするしかないと言い切るタファン!
タルタルを説得するために事実を話すつもりはない
もちろん側近のコルタにも… その真意を告げることなくタファンは進軍する!!!
メバクの頭(コルタ)は 直ちに会合を開く
皇帝が ワン・ユを討伐すべく挙兵したことを明らかにした
頭に扮して商団の財源を奪ったワン・ユに 皇帝が仕返しを?と喜ぶビョンス
この会合に潜入するスリは シヌとマクセンに報告!
2人は慌ててワン・ユのもとへ急いだ!!!
深夜 目覚めたキ・ヤンは 宮殿のどこにもタファンがいないことに気づく
それはまだ夢の中なのか…
タファンを捜して彷徨うキ・ヤンの前に 死んだはずのマハが
そして その肩を抱くようにワン・ユの姿があった
ワン・ユはヤンを“スンニャン”と呼び マハは“母上”と呼んだ
(父上に 武術を教えていただきます!)
嬉しそうに話す我が子
そしてワン・ユが ヤンの方へ歩み寄る
もう自分がいなくても 自分の力で何でも成し遂げられると語るワン・ユ
生涯を懸け スンニャンを心から愛し抜いたことに 一片の悔いもないと…
『なぜそのような… なぜ最期の言葉のように話すのですか』
すべてを言い終わらないうちに ワン・ユとマハの姿は消えた
そこで飛び起きたキ・ヤンは 隣に眠るはずのタファンがいないことに気づく
まさにこれは現実
丞相タルタルが ワン・ユを追って皇帝の軍勢が挙兵したと告げに来た!
ワン・ユの一行は 城門までたどり着き異変に気付く
呼びかけても応答のない無人の城門
すると突然 一斉に弓部隊が現れ 後方からは皇帝の軍が包囲した!
『2人とも死ぬな これは命令だ!』
門は閉ざされたまま
もはやタファンの軍勢と戦い正面突破するしかない
チョンバギは 今生の別れを口にするや否や弓部隊に向かって突進した!
チェ・ムソンも 活路を開こうと必死に大剣を奮うが…!
多勢の前に あっけなく命を落とす2人
ワン・ユは激怒してタファンの前に立つ!
『なぜだ!』
『マハの出自を知っているぞ そなたを殺さねばヤンが生きられぬ』
その言葉で すべてを悟ったワン・ユは 頽れるように剣を捨てた
スンニャンを守るため 何の躊躇もなく殺されることを選ぶワン・ユ
タファンは その命を奪いながらも敗北感に苛まれる
駆けつけたシヌとマクセンは ワン・ユらの亡骸に取り縋って号泣した
そこへキ・ヤンも駆けつけ 冷たくなったワン・ユを抱き締め涙する
宮殿に戻り 皇帝に抗議しようとする奇皇后を 丞相タルタルが止めた
そしてワン・ユ討伐は 奇皇后を生かすためだという皇帝の言葉を伝える
奇皇后は 皇帝がマハの出自を知ったのだと察した
なぜあの場で タンギセの言葉を遮り斬り殺したのか…
ただ一途に自分を愛し 自分を守り抜くためワン・ユを殺したタファン
奇皇后は あまりに傷ましいそれぞれの運命に 涙せずにはいられなかった
一方 メバクの頭(コルタ)は 今や仮面をつけずビョンスたちの前に現れるように
皇帝に飲ませている薬湯 その毒が徐々に効き始めているという
なぜひと思いに毒殺しないのかと問うビョンス
『死なせる前に 皇帝としての威厳を存分に利用させていただく』
やがて皇帝は徐々に弱り崩御するだろう
自分は長く仕えた侍従として 最期まで信頼を持たれつつ…
そしていずれは 新しき皇帝を意のままに操ると…!
新しき皇帝を意のままに… と考えているのはコルタだけではない
皇太后もまた この愚にもつかぬ皇帝の又従兄弟パルラチョプを操ろうと考えていた
皇帝タファンは 体調不良を繰り返しながらも公務に励んでいた
そこへ いつものようにコルタが薬湯を持ってくる
薬湯を飲めば苦痛は和らいだが すぐに眠気が襲ってくる
そして目覚めた時には 断片的に記憶が無いのだった
コルタは 意識を失っている皇帝に代わり 次々と上奏に玉璽を押していく!
記憶が曖昧なタファンは ただコルタの言葉を信じるしかなかった
奇皇后は シヌに メバクの頭の仮面を用意させる
そして ワン・ユがこれを手に入れ 頭に成り済ましていた事実を知る
また 不正に得たメバクの財産を 何としても奪いたかった
それにしても なぜメバクの頭は 皇帝がワン・ユを討伐すると知っていたのか…
あの日 タファンは秘密裏に行動したはず
ハッとする奇皇后!
おそらく メバクの頭は皇帝の極々近くにいたに違いないと…!
その夜 メバクの会合が召集される
仮面をつけて現れた頭
そこへ 同じく“仮面をつけた頭”が現れた!
『こっちが偽者だ!!!』
ヨム・ビョンスに 偽者と指差された頭が仮面を外すと… その正体は奇皇后!
本物の頭が『皇后!』と叫ぶ
『皇后と呼んだか? そなた… 私のことを知っているのか?』