韓国ドラマ 散歩ガイド~散る花と咲く花がいつもここにある~

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奇皇后-ふたつの愛 涙の誓い- 全51話を書き終えて

2020-10-10 15:00:05 | 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- あらすじ
2016年10月15日より第1話を書き始め 実に7年近くに渡り格闘してきた『奇皇后』
もちろん 途中何度か書かない時期もありつつではありますが
ようやく〈完〉を迎えました

 実は こうして格闘しつつ ついに挫折してしまった作品も多くあります
プライベートで様々なことが起きながら それでも書き続けられたのは
ひとえに作品の持つ力であると 本当に心から良い作品に巡り逢えたと実感しています

ここまで詳しく書かなくても… 端折って書けばもっといろんな作品を…
と思えれば ある意味楽なのでしょうが
韓国ドラマをレビューするにあたり 韓国ドラマを知らない方にも届けられたら
その一念で 小説形式を取らせていただいています

国と国との諍いを超え 国として好きかどうかも超えて
感動出来るドラマを 少しでも広く多くの方に知っていただきたいと思っています
その思いと この『奇皇后』というドラマが重なり
何処の国の人でも 共有出来る感動はあるのだと信じて
今後も 独断ではありますが 良いと思った作品を紹介していきたいと思います

長きに渡り 『奇皇后』をご愛読してくださった方々に 心より感謝いたします
ありがとうございました
                               🌸 サプリ 🌸

奇皇后-ふたつの愛 涙の誓い- 第51話(最終話) 大国の斜陽

2020-10-10 15:00:00 | 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- あらすじ
 “散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています
1話~11話はこちらで公開しています
 
※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります
 
 第51話(最終話) 大国の斜陽 

皇帝タファンは 自らの体の異変に気づき始めていた
体調が悪くなって薬湯を飲む
飲むと眠くなり記憶をなくす
いつものようにコルタを呼ぶと 珍しくコルタは不在だという

同じ時

コルタは メバクの頭として奇皇后と対峙していた
奇皇后がこの場に現れたということは 正体を知られたということだ
手下に向かって『皇后を殺せ!』と叫ぶ!

一夜明け

メバクの手下らを捕獲し入城する奇皇后を 丞相タルタルが出迎えた
頭は取り逃がしてしまったが 手下を尋問すればすぐにも正体が分かると

逃げ延びたコルタは城内に戻り 侍従の顔に戻っていた
とはいえ 奇皇后が頭の正体に気づき始めているとすれば油断は出来ない

後宮では

側室たちの間で高麗(コリョ)風の衣装が流行っていた
料理さえも 高麗(コリョ)の味付けがもてはやされている
皇太后は 高麗(コリョ)の文化が根付くことに憤慨し 側室たちを罰しようとする!
なぜ文化の融合が悪いことなのか… と言い返し 皇太后にも衣装をと勧める奇皇后
これに憤慨した皇太后は 何としても新たな皇帝の擁立を急がねば!と

一方 捕えたメバクの手下から “頭は宮中に出入りしている”との情報を得る
奇皇后は これを直ちに皇帝に伝えるが その横で張本人のコルタが聞いている…!

その時 またしても頭痛に襲われ苦しみだすタファン
コルタも 皇太后同様 新たな皇帝の擁立を急がねば!と

薬湯を飲み 意識が薄れていく皇帝タファン
しかし 懸命に意識を保とうとする
何度も薄れそうになる意識の中 耳元でコルタの声がする

(まだ死んでは困ります 陛下 苦しみながらも生きていただかねば…
新たな皇帝を迎える準備が出来た時 楽に死なせてあげましょう)

目を閉じたまま 涙が溢れてくるタファン
そこへ コルタの部下が来たようだ

『お頭! 今夜皇太后が 新たな皇帝を支持する者を集め 秘密の会合を開くと』

コルタの部下が コルタを“お頭”と呼んでいた…!
この衝撃に タファンは完全に覚醒し起き上がる

その夜

皇太后が メバク側のパルラチョプ支持者を集め会合を開いた
チャン・スニョンの情報によれば すでに皇帝は危篤状態にあるという
あとは 奇皇后派の勢力を朝廷から排除すれば事が成せる
ヨム・ビョンスは “メバクの力”で 玉璽は思いのままに押せると豪語した

意識を失ったままの皇帝
トクマンが 様子を見に訪れ脈をとる
すると 意識を失っているはずの皇帝が 微かな声でトクマンを呼んだ
見張りの者に気づかれぬよう トクマンに密命を出すタファン
トクマンは 耳元で命令を聞きながら ハラハラと涙を流すのであった…!

その後 皇帝タファンの食事に毒が盛られた
コルタの部下は パク・ブルファの指示によるものだと報告する

『何を言う! そなた皇后の差し金だとでも言いたいのか!』

コルタの一喝に 部下は真実だと告げた
まさか… コルタは皇后を排除したいのか
タファンは コルタが誰を新たな皇帝にしようとしているのか見当もつかない

体調を案じ駆けつけた奇皇后を 冷たく追い返すタファン
間違いなく皇后を疑い始めた皇帝に コルタは微かにほくそ笑む

やがてトクマンにより タファンに盛られた毒は 鴆毒(ちんどく)の一種と判明
すでに喀血しているタファンは かなり重篤な状態であると…!
この毒に解毒の方法はなく もはや死を覚悟せねばならないタファン
しかしそれでも コルタに疑いを抱かせぬよう 薬湯を飲み続けるという
そして 記憶をなくさずに済む薬を処方するよう トクマンに命じていく!

『私が死んでしまう前に 皇后とアユを守る手立てを探したい
皇后に敵対する勢力を一掃したいのだ!』

その後もタファンは薬湯を飲み続け 皇后を疑う言葉を口にした
コルタの前では意識を失う振りを続け 決して悟られぬよう細心の注意を払う

『陛下は なぜこうも容易く皇后様をお疑いに?』
『それはヨム・ビョンスの手柄だ 5年間も偽の密書を送り溝を深めたのだ』

薬湯の効果を信じ 今では皇帝の枕元で堂々と悪事を語るコルタ
そしていよいよ 皇太后の前に正体をさらけ出した
さすがに衝撃を隠せない皇太后だったが これ以上の味方はないと歓喜する!

『皇帝は皇后を疑っています まもなく皇帝は崩御するでしょう
新たな皇帝を冊立するまでは 皇太后様が摂政をなさってください』
『陛下が私を指名したのか?』
『いいえ 陛下ではなく このコルタが決めました!』

コルタが率いるメバク商団は 長い年月 丞相ヨンチョルと結託していた
さらに野望を果たそうと 宮中に入り込むため 迷わず宦官になったのだ…!
ヨンチョルからペガン そして今度は皇太后と結託するつもりのコルタであった

タファンは コルタの野望を実によく理解していた
体調の悪化に伴い 皇后様を摂政にと進言するコルタ
しかしタファンは承認せず 摂政には皇太后様をと命じた
コルタの顔に 思わず笑みが浮かびそうになる
間違いなく事は順調に運んでいると 確信を得た瞬間であった

コルタの憂いを除くため 丞相タルタルと三公らを次々に罷免していくタファン
他にも 片っ端から罷免しているようでありながら 対象はすべて皇后派であった
奇皇后には口出しを禁じ 皇太后を摂政にとの詔書を読み上げさせた

いたたまれず退席する奇皇后
その非礼を叱責し引き留める皇帝
その直後 タファンは激しい頭痛に喘ぎながら寝所へ運ばれていく!

しかしタファンは 体調不良を押して執務室に戻る
そして駆けつけた皇太后を前に いよいよ“譲位”の言葉を口にするのだった!

『譲位するとして誰にすればよいか… 皇太后様に誰か心当たりは?』
『……それならば… パルラチョプではどうでしょう』

ほんの一瞬 タファンは凍りついた
又従兄弟のパルラチョプを新たな皇帝にして 皆で操るつもりなのかと…!
しかし 寛容に意見を聞き入れ すぐにも譲位の詔書を書くというタファン
そして直ちに 大明殿に臣下を招集するようにと命じていく

この事態を重く見て トクマンは すべての経緯を奇皇后に報告した
そこへ タルタルが駆けつけ 皇帝より密命が下されたと知らせる…!

ヨム・ビョンスは パルラチョプを“陛下”と呼び
即位後も 存分に引き立ててもらおうと取り入る
パルラチョプもまた すでに即位したかのように振舞い越に入る

大明殿にて

皇帝タファンは 両脇を抱えられながらようやくその玉座に座る
死の恐怖と向き合いながら キ・ヤンとアユを守るため闘っていると
すべては2人のためなのだと知り
奇皇后は その痛々しい姿に涙が溢れ出す

奇皇后とタルタル そしてトクマンの他は コルタと皇太后の一派が召集された
早く詔書を!と急かす皇太后
それに応じるように 詔書を自ら読み上げるタファン

『逆賊共よ よく聞くのだ』

タファンが読み始めたと同時に 皇太后とコルタの表情が変わる
それを 固唾を飲んで見守る奇皇后 タルタル トクマン…!

『そなたらは皇帝と皇后の暗殺を企て 謀反をせんと画策した!
その罪をこの場で厳しく断罪する!』
『陛下!これは何事ですか!!!』
『丞相タルタル!』

タファンの呼びかけに応じ “丞相”タルタルが兵士を率い現れた!

『陛下 お呼びですか』
『ここにいる謀反人共を… 皆殺しにせよ!!!』

命令に応え タルタルが真っ先に剣を揮ったのは パルラチョプであった
タルタルの『全員殺せ!』の命令に 部下たちの剣が一斉に抜かれた!
皇太后派の大臣や武将が 次々に斬り殺されていく
チャン・スニョンもまた例外ではない
皇太后の目の前で あっけなく斬り殺され息絶えた…!

すべての粛清が終わり 皇太后とコルタだけが残った
このような事態になってもまだ 自らの正当性を訴える皇太后!

『何と聞き苦しい! もうお黙りに!』

奇皇后の一喝に凍りつく皇太后
続いてタファンが コルタに なぜ裏切ったのかと問う
元々自分の主ではないので 裏切った覚えはないと言い切るコルタ

『私にはお金がすべてです お金が私の主と言っても過言ではない
人と違って お金は裏切らないですから!
馬が老いれば乗り換えるでしょう 乗り換えて何が悪いと?』

コルタは さらに悪態をつき続ける

『皇后とて同じことでしょう 皇帝だからと容易く心を与えられますか?
『黙れ!!!』
『愚かな皇帝め!!!その無知で…』

みなを言わせずして タファンは短剣でコルタを刺す!!!
それと同時に コルタの側近をタルタルが斬り捨てた!

ヨンチョルに迫害されている時代から コルタは常に寄り添い傍にいてくれた
スンニャンとの出会いから 次第に近づいていくその時も コルタは常に傍にいたのだ
そのコルタが メバクの頭だったことは あまりに惨い あまりに酷な現実であった
タファンは そんなコルタを 自らの手で成敗しなければならなかった…!
その嘆きと悲しみは すべて皇太后にぶつけられた

憤怒のあまり 喀血するタファン
すぐに駆け寄り支える奇皇后
皇太后は もはや抗う気力もなく その光景を見つめている

いくらトクマンからすべてを聞いたと話しても
皇帝タファンは 奇皇后に対し すぐ治るのだと話し平静を装い続けた

コルタが粛清され 次は皇太后の断罪であった
本来であれば死罪のところ 寺送りになることで決着したが
皇太后は これを激しく拒否し 最後まで奇皇后を“高麗(コリョ)の女”と罵る

『皇太后 立場をわきまえるのだ 情けにも限界というものがある』

奇皇后が言い終わるか終わらないかのうち 皇太后は血を吐いて倒れた
決して負けを認めようとしない皇太后は 自決の道を選んだのである

やがてヨム・ビョンスとチョチャムも捕えられた
悪事の限りを尽くした2人に 民衆から怒号が浴びせられ石が投げられる
奇皇后は 同胞を踏みにじり生き延びてきた2人の前に立つ

『他の者を踏み台にしてのし上がったのはお前も同じだろ?
たまたまお前は皇后におさまり この俺はしくじった! それだけの話だろ?』

『自分の罪が何か分かっていない!』

『俺の罪とは何だ? 罪があるとすれば… 運がなかったということだろ?
高麗(コリョ)みたいな国に生まれたことが! それが罪なんだろうよ!!!』

見物人から 容赦なく石が投げつけられる
血だらけになりながら ヨム・ビョンスは 群衆に向かって喚き散らす!

『お前らは何をした? どれだけ立派だというんだ? この愚か者めらが!!!』

怒り狂った群衆が 警備の制止を突破しヨム・ビョンスを取り囲む
結局ビョンスとチョチャムは 怒りに満ちた群衆により撲殺され命を奪われた
法に則って裁かれるより さらに残酷な形で その生涯を閉じたのであった

奇皇后は 2人の哀れな最期に涙せずにはいられなかった
高麗(コリョ)という弱小な国に生まれたがゆえ ねじ曲がったビョンスの心は
独自の信念のもとに 歪んだままの姿でその生涯を閉じる結末となった
清廉な精神を保とうとする者は やがて邪悪な輩によって命を奪われ
生きようともがき したたかに闘う者らも こうして死んでいく…
あまりに悲しい 人の世の姿であった

『もしも強大な国に生まれたら… たとえヨム・ビョンスのような者でも
幸せな家庭を築き 優しき父親として生きたのかもしれない
この者もまた 国が守れなかった哀れな民の1人と言えるでしょう

元の国へ 今も変わらず貢女(コンニョ)が送られてくる
すでに 皇室から高麗(コリョ)へは禁じてあるのに… と訝しむ奇皇后
パク・ブルファによれば 高官らが貢女(コンニョ)を妾にしているのだという

大明殿で 摂政となった奇皇后が 高官らに厳しく罪を問う

『今後このようなことがまた発覚すれば 決して見逃しはしません
“貢女(コンニョ)出身”の私が 容赦なく裁きます!
また 高麗(コリョ)を属国にしようとする考えも 二度と口にせぬよう!』

高麗(コリョ)の王位には 江陵(カンヌン)大君が擁立された

※江陵(カンヌン)大君:後の恭愍(コンミン)王
母は高麗(コリョ)人の明徳太后ホン氏 幼少時代を元の宮廷で過ごす
幼君が続く高麗(コリョ)を按じた元の支援を受け 1351年に即位
やがて元が衰退すると 親明政策を取り 高麗(コリョ)に根付く親元派を排除
その後 権勢を揮う奇皇后を討伐する

1368年 反乱軍が黄河を越え これを迎え撃つべく丞相タルタルが出陣

しかし… 奇皇后のもとに 丞相タルタルの戦士が伝えられる
もはや反乱軍を抑えることは難しく 逃げるべきだと進言するパク・ブルファ!

丞相タルタルが出陣する前 もしもの時には北へ逃げるようにと言い遺していた
広大なモンゴルの地で再起を図るようにと…

皇帝タファンは 反乱軍の動向を按じながら病床についていた
奇皇后は 丞相の死を伏せ やがて勝利も近いと話し安心させる

『陛下 また陛下と一緒に… 広大な草原を馬で駆けてみたくなりました
この元の礎である北方に 陛下と行きたいのです』

『そうだな… そなたが望む所なら… 何処へでも』
『もう…準備が整っています』
『そうか… ヤン… 耳が痒い』
『それでは私の膝に』

膝枕で耳掃除をしながら 奇皇后は 雑用係だった昔を思い出していた
あの時もこうして 耳が痒いと甘えるタファンに膝枕をしたと…

『ヤン… 愛しい… 愛しい… ヤン…』
『陛下 私も陛下を想っています 心から… お慕いしています』

止め処なく涙が溢れながらも 奇皇后は 最期まで『愛している』とは言えなかった
皇帝タファンは 心から愛するキ・ヤンの膝枕で その波乱の生涯を閉じた

まだ温もりが残るタファンの亡骸を抱き締め 共に馬を駆った頃を想う奇皇后
タファンとの間に授かった我が子 アユルシリダラが無邪気に問う

『母上は高麗(コリョ)の人ですか? それとも…元の人ですか?』
『なぜそんなことを?』

『高麗(コリョ)の民は 母上を“元の人”と言うし
元の民は 母上を“高麗(コリョ)の人”だと』

『どちらの人でもよいのだ
私はただひたすらに “民”を守るために闘ってきたのだから』

1368年

朱元璋が 大都に攻め入り征服する
北方に逃れた奇皇后は 我が子アユルシリダラを皇帝の座に就けた     〈完〉

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奇皇后-ふたつの愛 涙の誓い- 第50話 永の別れ

2020-10-08 07:45:00 | 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- あらすじ
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1話~11話はこちらで公開しています
 
※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります
 
 第50話 永の別れ 

『おのれスンニャン! お前… どうせ皇帝に殺される!
皇帝は… ワン・ユとお前の秘密を…!

言い終わらぬうちに タファンの剣がとどめを刺した
宮殿に戻っても キ・ヤンの話を聞こうとしない
そしてタファンは ワン・ユを“命の恩人”と言い感謝の意を表した
タンギセから聞いた衝撃的な事実については 一切を封印したかのように

しかし独りになると やはりあの言葉が耳から離れない
タファンはコルタに命じ 密かにソ尚宮を捜させる

『ソ尚宮とは城外で会う このことは誰にも知られてはならぬ』
『承知いたしました』

同じ時 キ・ヤンは 丞相タルタルに会っていた
タルタルは ワン・ユの生存を知っていた
…というより タルタル自身がワン・ユを逃がしたのだと知り衝撃を受ける

その夜

タファンは 城外でソ尚宮に会う
コルタとその部下を遠く離れた場所で待機させた
そしてタンギセが言った “マハの出生”は確かに事実であるとの確証を得る

ソ尚宮は 皇帝がこの事実を知ることで キ・ヤンが粛清されると信じていた
しかしタファンは この事実が明るみに出ぬよう… ソ尚宮を殺したのであった!
そして真実を知る者はもう1人 それは他ならぬワン・ユ自身
完全に真実を封印すべく ワン・ユも亡き者にせねばと誓うタファンだった

一方 メバク商団の頭から 皇太后宛に金銀財宝が贈られた
添えられた密書には 善業寺で“キ・ヤンを排除ずる策”を教える とある
善業寺で 皇太后を待っていたのはヨム・ビョンス
頭の使いとして現れたビョンスは 皇帝を消せばキ・ヤンを排除できると言う

それは謀反では?と驚くチャン・スニョン
皇太后は 嬉々として話の続きを!と急かす

タンギセが考えていた“新たな皇帝の擁立”
その遺志を 是非とも皇太后に引き継いでほしいと進言するビョンスであった
しかし今の皇帝が存命なのに どうやって新たな皇帝を? スニョンの不安は消えない
ビョンスは 今の皇帝は静かに弱っていき いずれ亡くなるだろう… とほくそ笑む

宮殿では

コルタが 自ら学び煎じたという薬湯を 皇帝に飲ませている
長年仕えているコルタを 心から信じ切っているタファンは ためらいなく飲み干す

やがて皇帝タファンより ワン・ユの高麗(コリョ)王復位の詔書が示された
大明殿で待つワン・ユのもとへ 詔書を届けたのはキ・ヤンである
マハが我が子であることを すでに知っているワン・ユ
しかし2人は 我が子マハについて語ることはなかった

『二度と罪なき民を苦しめないと約束してください
私はこの元の国に連れて来られて 初めて思い知ったのです
自国の民さえ守れぬ国が… 他国へ送った民のことなど顧みることもない国が
どれだけ無用で どれだけ不実なものであるか』

すべては自分の至らなさだと詫びるワン・ユ
しかしキ・ヤンは 国の再建は王が独りで行うものではないという

『この国にはまだ 高麗(コリョ)を属国にしようとする者が多くいます
私はこの国で その動きを止めるため闘います
どうかワン・ユ殿は 高麗(コリョ)の国を強くなさいませ!』

キ・ヤンが皇后に冊立される日 ワン・ユは高麗(コリョ)へと旅立った
互いの愛を貫くことはついに叶わず 2人の間に授かったマハもこの世を去った
それぞれの人生を生き抜く
その道を選ぶしかなかった2人だった

皇太后は 奇皇后の冊立に逆上し荒れ狂う!
それは この国の皇后という座に 高麗(コリョ)の血を引く者が就いたからか
それとも 再び手に入れようとした権力が得られなかった腹立ちなのか…

ワン・ユの旅立ちに同行するのは チョンバギとチェ・ムソン
チョンバギは 高麗(コリョ)に帰還後 親衛隊長の任に就くという
そして側近として常にワン・ユを支えてきたチェ・ムソンは大将軍に!
パン・シヌとマクセンは 引き続きメバクの頭の正体を探る任務を遂行する

キ・ヤンとワン・ユの 長きに渡る関係を知りつつ
2人の間に マハという息子が生まれていた事実も知りつつ
そのすべてを闇に葬り去り 皇帝タファンは“奇皇后”を迎えた
それは ずっと夢に見てきたことであり タファンの唯一の望みだったからである
タファンは ヤンの寝顔を見つめ心の中で語りかける

(決して私を恨んではならぬ
すべてはそなたのため そなたを守り抜くためにすることだ)

その夜 皇帝タファンは密かに挙兵する

事態を重く見た丞相タルタルは 決してワン・ユ殿を殺してはならないと諫めるが
奇皇后を生かすためには ワン・ユを亡き者にするしかないと言い切るタファン!
タルタルを説得するために事実を話すつもりはない
もちろん側近のコルタにも… その真意を告げることなくタファンは進軍する!!!

メバクの頭(コルタ)は 直ちに会合を開く
皇帝が ワン・ユを討伐すべく挙兵したことを明らかにした
頭に扮して商団の財源を奪ったワン・ユに 皇帝が仕返しを?と喜ぶビョンス
この会合に潜入するスリは シヌとマクセンに報告!
2人は慌ててワン・ユのもとへ急いだ!!!

深夜 目覚めたキ・ヤンは 宮殿のどこにもタファンがいないことに気づく
それはまだ夢の中なのか…
タファンを捜して彷徨うキ・ヤンの前に 死んだはずのマハが
そして その肩を抱くようにワン・ユの姿があった

ワン・ユはヤンを“スンニャン”と呼び マハは“母上”と呼んだ
(父上に 武術を教えていただきます!)

嬉しそうに話す我が子
そしてワン・ユが ヤンの方へ歩み寄る
もう自分がいなくても 自分の力で何でも成し遂げられると語るワン・ユ
生涯を懸け スンニャンを心から愛し抜いたことに 一片の悔いもないと…

『なぜそのような… なぜ最期の言葉のように話すのですか』

すべてを言い終わらないうちに ワン・ユとマハの姿は消えた
そこで飛び起きたキ・ヤンは 隣に眠るはずのタファンがいないことに気づく
まさにこれは現実
丞相タルタルが ワン・ユを追って皇帝の軍勢が挙兵したと告げに来た!

ワン・ユの一行は 城門までたどり着き異変に気付く
呼びかけても応答のない無人の城門
すると突然 一斉に弓部隊が現れ 後方からは皇帝の軍が包囲した!

『2人とも死ぬな これは命令だ!』

門は閉ざされたまま
もはやタファンの軍勢と戦い正面突破するしかない
チョンバギは 今生の別れを口にするや否や弓部隊に向かって突進した!
チェ・ムソンも 活路を開こうと必死に大剣を奮うが…!

多勢の前に あっけなく命を落とす2人
ワン・ユは激怒してタファンの前に立つ!

『なぜだ!』
『マハの出自を知っているぞ そなたを殺さねばヤンが生きられぬ』

その言葉で すべてを悟ったワン・ユは 頽れるように剣を捨てた
スンニャンを守るため 何の躊躇もなく殺されることを選ぶワン・ユ
タファンは その命を奪いながらも敗北感に苛まれる

駆けつけたシヌとマクセンは ワン・ユらの亡骸に取り縋って号泣した
そこへキ・ヤンも駆けつけ 冷たくなったワン・ユを抱き締め涙する

宮殿に戻り 皇帝に抗議しようとする奇皇后を 丞相タルタルが止めた
そしてワン・ユ討伐は 奇皇后を生かすためだという皇帝の言葉を伝える
奇皇后は 皇帝がマハの出自を知ったのだと察した
なぜあの場で タンギセの言葉を遮り斬り殺したのか…
ただ一途に自分を愛し 自分を守り抜くためワン・ユを殺したタファン
奇皇后は あまりに傷ましいそれぞれの運命に 涙せずにはいられなかった

一方 メバクの頭(コルタ)は 今や仮面をつけずビョンスたちの前に現れるように

皇帝に飲ませている薬湯 その毒が徐々に効き始めているという
なぜひと思いに毒殺しないのかと問うビョンス

『死なせる前に 皇帝としての威厳を存分に利用させていただく』

やがて皇帝は徐々に弱り崩御するだろう
自分は長く仕えた侍従として 最期まで信頼を持たれつつ…
そしていずれは 新しき皇帝を意のままに操ると…!

新しき皇帝を意のままに… と考えているのはコルタだけではない
皇太后もまた この愚にもつかぬ皇帝の又従兄弟パルラチョプを操ろうと考えていた

皇帝タファンは 体調不良を繰り返しながらも公務に励んでいた
そこへ いつものようにコルタが薬湯を持ってくる
薬湯を飲めば苦痛は和らいだが すぐに眠気が襲ってくる
そして目覚めた時には 断片的に記憶が無いのだった

コルタは 意識を失っている皇帝に代わり 次々と上奏に玉璽を押していく!
記憶が曖昧なタファンは ただコルタの言葉を信じるしかなかった

奇皇后は シヌに メバクの頭の仮面を用意させる
そして ワン・ユがこれを手に入れ 頭に成り済ましていた事実を知る
また 不正に得たメバクの財産を 何としても奪いたかった

それにしても なぜメバクの頭は 皇帝がワン・ユを討伐すると知っていたのか…
あの日 タファンは秘密裏に行動したはず
ハッとする奇皇后!
おそらく メバクの頭は皇帝の極々近くにいたに違いないと…!

その夜 メバクの会合が召集される
仮面をつけて現れた頭
そこへ 同じく“仮面をつけた頭”が現れた!

『こっちが偽者だ!!!』

ヨム・ビョンスに 偽者と指差された頭が仮面を外すと… その正体は奇皇后!
本物の頭が『皇后!』と叫ぶ

『皇后と呼んだか? そなた… 私のことを知っているのか?』

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奇皇后-ふたつの愛 涙の誓い- 第49話 真の味方

2020-09-25 15:00:00 | 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- あらすじ
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※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります
 
 第49話 真の味方 

独断でペガンを殺したキ・ヤンを タファンは許せなかった
キ・ヤンこそが 我が子を盾に権力を握ろうとしているようだ
そこでタファンは キ・ヤンに席藁待罪(ソッコテジェ)をせよと命ずる

タルタルが キ・ヤンの前に現れ 丞相が遺した文書を差し出す

『元で暮らす漢族の 五姓を皆殺しにするという計画が記されています
この暴挙をくい止めるためにも 私は叔父上を殺すしかなかった』

タルタルは この計画書を見せれば 陛下の怒りも解けると言うが

たとえこの計画書を差し出しても 丞相殺しを正当化するための捏造だと思われる
キ・ヤンは タルタルだけでも無傷に生き延びてほしいと願った
陛下を守れるべき人物は タルタルだけなのだと説得する

キ・ヤンは 許しを請うようなことはしていないと席藁待罪(ソッコテジェ)を拒否

キ・ヤンは そのままそこに座り続け タファンもまた断じて許さない
夜を徹して根競べをするような事態となった
結局タファンは キ・ヤンに 夜明けとともに宮殿を去るよう命ずる

『感業寺で 一日に百度 竹篦(しっぺい)を受けよ!打たれながら罪を悔いるのだ
罪を認めぬ限りは宮殿に戻って来てはならぬ!』

竹篦(しっぺい):座禅の際 戒めのために使う道具

これまでタファンは 何度となくキ・ヤンを許し傍に置こうとした
しかし 今度ばかりは決して許さぬ!と言いながら
ポロポロと涙をこぼすタファンであった

いよいよ好機が訪れたとほくそ笑む侍従コルタ!
しかしそこへ コルタの手下が気になる情報を持ってくる
なぜか市場に野菜や肉が大量に出回り 値が急落していると…!

市場では メバクの長たちが大量の穀物を交鈔に替え 値崩れが起きていた
ワン・ユは 下がり切ったところで買い占めよと命ずる
そこへ キ・ヤンが感業寺に追われたと知らせが入った

キ・ヤンが去る日 タファンは挨拶さえも拒否する
その無様な姿を見ようと 皇太后が…!

『傲慢に振舞うからこうなったのだ 分をわきまえれば良かったものを』

翌朝 大明殿に現れた皇帝タファンは すでに泥酔していた
臣下たちを指さし キ・ヤン派 ペガン派と値踏みしていく
チャン・スニョンにいたっては 皇太后の犬と…!

この皇帝に忠誠を誓う者は土下座せよ!と言われ 慌てて土下座する臣下たち
しかし タルタル1人だけが その場に突っ立っている
挑むような眼でタファンを睨みつけ 今の皇帝には忠誠を誓えないという!
激怒するかと思いきや タファンは満足そうに頷いた

乱心が酷くなるばかりの皇帝に 皇太后は“好機”だと話す
今こそ皇太子を廃位させ 新たな皇帝を擁立させる好機だと!

コルタもまた タファンの寝顔を見ながらほくそ笑む
その笑みは 侍従の顔ではなく メバクの頭の顔であった…!

将軍タルタルは ペガンの計画書とメバクとの取引が記された帳簿を提出する
タファンの横で微かに表情を強張らせるコルタ
ペガンは 漢族の五姓を皆殺しにする計画を立てていた
それに加えて メバクとの闇取引を行っていたのである
その資金を元手に ペガンは異民族を排除しようとしていたのだ

『ペガンによって潰された店は すべてメバクが掌握しています
それにより この国の民が困窮しているのです 連中を厳罰に処すべきでは?』

すべての処分を将軍に任せる というタファン
しかしタルタルは すべての官職を辞し 今後は学問に専念したいという…!
そして 心からの忠誠を誓う者を傍に置きたいのなら
キ・ヤン様を宮中に戻すべきだと

タルタルの言葉に心を動かされ 感業寺を訪れるタファンだが…
まだまだ会って話す心境にはなれなかった

一方 チョンバギたちは 偽の交鈔作りに励んでいた
顔に“非”の焼き印を押され 行き場を失った者たちが働いている

ワン・ユは 目標5分の1のところ 3分の1まで下がってきた時点で
そろそろメバクの頭が気づきそうだと考え 買占めを始めると決断する!

メバクの頭(コルタ)は 穀物を買い占めている長たちを一喝!
しかしこれは お頭から命じられて動いたことだと… 長たちは戸惑う

すぐにも穀物を買い戻せと命ずるが すでに市場から穀物は消えていた
チョチャムが聞き回ったところ 異民族の商団が買い占めて行ったという

この様子を偵察していたタルタルは ワン・ユの仕業ではないかと推察するのだった
間違いなく ワン・ユが大都に戻ってきていると…!

一方 タンギセは 親衛隊長となったかつての手下に会っていた
この親衛隊長を通じ 自分の手の者を親衛隊に加えるよう画策する…!

メバクの頭(コルタ)は 自分の偽者が暗躍していることに気づく
そして 長たちに知られる前に 一刻も早く片付けねばと…!

皇帝タファンは 激しい焦燥感に襲われ苦しんでいた
真夜中 感業寺を訪れるタファン
キ・ヤンは まだ竹篦(しっぺい)に打たれながら祈り続けていた
タファンが聖君となるよう そして健康を取り戻すようにと祈っている
その健気な姿に 怒りが消え 愛おしさが込み上げてくるタファン

皇帝の強い希望により キ・ヤンは再び宮中に戻った
皇太后は 必ずやキ・ヤンを潰し 今度は屍にして宮中から追い出すと息巻く!

一方 ワン・ユは
各行省の倉を 買い占めた穀物で埋め 今度は偽の交渉をバラ巻く番だという
それぞれの行省には“非”の焼き印を押された者たちを責任者として送り込み
大都の責任者には マクセンを任命した

『偽物をバラ巻き終えたらすぐに噂を流せ!』

宮中に戻ったキ・ヤンは タファンの知識のなさを指摘し
いかに軍を掌握すべきか…など指南していく
特にメバクに関しては キ・ヤンが独自に調べ上げた資料があった
コルタは じっと聞き入りながら動揺を気取られまいとする

『アユを守りたい一心で丞相と闘いました もう私に権力は要りません
今後はアユの教育に専念するつもりです それが陛下の望みでもありました』

タファンは これほど殊勝で従順なキ・ヤンを見たことがない
あまりにもキ・ヤンを誤解していたと 素直に詫びる

『ならばひとつ お願いがございます』
『何なりと』
『健やかに… 長生きなさいませ
お酒を断ち 常に元気でいてほしいのです』
『それともうひとつ』
『何だ 申してみよ』

コルタは あらためてキ・ヤンの恐ろしさを痛感していた
そこへ手下が 偽の交鈔が大量に流出していると知らせに来た
もはや交鈔は紙くず同然にまで価値を失っていると…!
おそらくこれは偽の頭が仕掛けてきたのだと察するコルタ
一刻も早く偽者を捕えよと命じていく!

一方 キ・ヤンは どうしてもタルタルを宮中に呼び戻したかった
何度使いを送っても タルタルは応じることがなく
いよいよ自らが出向き   訪ねて来たのであった

『是非ともタルタル殿に 丞相になっていただきたいのです
タルタル殿こそ 丞相の任をやり遂げられる人です
そもそも ヨンチョルやペガンが その座にいたことが間違いではありませんか』

帰り際 タルタルから偽の交鈔が出回っていると聞き
キ・ヤンは すぐにタファンに報告する
そして 貨幣の改革に乗り出しては?と提案していく
すぐに偽物が作れるような交鈔を廃し 国が銀貨を発行すればよいのだと

『貴族は反発しても 民が喜びます
交鈔は 貴族や高官のためのものですが 銀貨なら違います』
『貴族たちを敵に回すのか?』
『陛下 皇帝の権威を支えるのは民心ですよ 民のためにご決断ください』

この貨幣の改革について 皇命を読み上げたのは 丞相となったタルタルであった
これまでの交鈔は 出所が確かと確認された物のみ銀貨に替えられるという
侍従コルタは 衝撃のあまり倒れそうになり 後方で手下が支える事態に…!

皇帝タファンは この場でもうひとつ
キ・ヤンを 皇后に迎え入れると言明した
事前に聞かされていなかったキ・ヤンと 丞相タルタルも驚いたが
悲鳴に近い絶叫を上げる皇太后!

『お許しを求めることではございません これは決定ですので 皇太后様!』

 貨幣の改革により メバクは大打撃を負う
ワン・ユは 買い占めた穀物を宮殿に送るよう命じた
送り主の名は記されず ただ「民のために」と書かれた文書が添えられ
莫大な量の穀物を受け取ることになったタファン
キ・ヤンもまた 一体誰が…と首を傾げるのだった

怒り心頭のメバクの頭(コルタ)は ヨム・ビョンスとチョチャムを呼びつける

『私の顔をとくと見よ!!!』
『………う…うわぁっ!!!!!』

2人が腰を抜かすのも無理はない
頭の正体は 常に皇帝の傍で仕えた あの侍従コルタだったのだから!!!

ある日 タンギセがメバクの頭(コルタ)に宛てた密書を奪うことに成功した
密書には ただ皇帝とキ・ヤンの命を奪うと書かれている
ワン・ユは 再びメバクの頭に成り済まし タンギセを探ることにする

タンギセを待ち伏せし 縋るように行く手を阻んだのは あのソ尚宮だった
皇帝に マハの出自を話すことは出来なかったが
何としてもタンギセには真実を告げ 亡きタナシルリの無念を晴らしたかったのだ

その夜

メバクの会合で タンギセは 頭に仮面を外してほしいと願い出る
静かに仮面を外す頭
その素顔は タンギセが見たこともない男の顔だった
頭の後ろに控える側近こそが ワン・ユだったのである

『新たな皇帝を立てるべきです!』

民心を乱す皇帝を廃し 新たな皇帝を立てることこそが生きる道というタンギセ!
しかも その人物として 皇帝の又従兄弟パルラチョプが相応しいとまで…!

『酒と女に溺れている者です 操るにはちょうどいい
お頭はパルラチョプと皇太后を説得してください!
今や親衛隊は 私の手の者が支配しています
皇帝とキ・ヤン そしてアユルシリダラを殺すのも容易く出来ましょう!』

多くの民に救済米を施し 皇帝タファンは民心を取り戻しつつあった
それは タファンが初めて感じる充実感であった

宮殿に戻る途中 皇帝の行列の前に立ちはだかる者がいた
タンギセが 初めて皇帝とキ・ヤンの前に現れたのである
丞相ヨンチョル一族の 唯一の生き残りとして 今こそ復讐をと!

そこへ 黒装束の一団が現れ タンギセの手下を蹴散らしていく!
戦いの中 キ・ヤンの放った矢がタンギセに命中した
最後の力を振り絞り キ・ヤンに向かって剣を構えるタンギセ
しかし 黒装束の頭が背中からとどめを刺す!!!

キ・ヤンは 覆面から見えるその目を見て ワン・ユだと気づく…!

危険が去り 宮殿へ急ごうとする一行
地面に横たわるタンギセの 死に顔を見ようと近寄るタファン
すると突然 息を吹き返したタンギセが胸ぐらを掴む!!!

『マハは… 誰の子だ…?』
『離せ! 何を言っている!』
『マハは… ワン・ユ…と スン…ニャン の…』
『でたらめだ!!!』
『ソ尚宮がすべて… 知っている!!!
お前は… 一生…! スンニャンの心は得られない!!!』
『嘘だ… 嘘だあ!!!』

『陛下 どうなさったのです?』

近づくキ・ヤンと その背後に… ワン・ユが立っている…!!!

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奇皇后-ふたつの愛 涙の誓い- 第48話 避けられぬ戦い

2020-09-20 15:00:00 | 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- あらすじ
 “散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています
1話~11話はこちらで公開しています
 
※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります
 
 第48話 避けられぬ戦い 

『陛下… マハ様は…!』

ソ尚宮がすべてを話す前に 貴妃キ・ヤンが現れた
マハ様は…と言いかけたソ尚宮は うろたえながら亡くなったと話す
一瞬の衝撃を かろうじて隠すキ・ヤン
その動揺を ソ尚宮は見逃さなかった
しかし パク・ブルファにより すぐに城外へ追い出されてしまう
いずれにしても命が惜しいソ尚宮は 二度と現れないと約束し去って行く

キ・ヤンは マハの死を知り 今にも頽れそうになりながら
イ尚宮が運んだ薬湯を タファンにすすめる
タファンは 飲んだ直後に激しい睡魔に襲われ意識を失う…!
そこへ コルタの部下を蹴散らし ブルファが駆けつけた

『陛下を興徳殿へお連れして!』
『ヤン様 どういうことですか!』
『陛下のことは私がお世話します』
『しかし!』

『下がれ!!!』

ブルファの一喝に 怒りをあらわにするコルタ
しまし今となっては ブルファの方が上の立場であった

『ヤン様!何故陛下を連れて行くのです!!!』
『理由が何であれ お前には関係ない!』

タファンを興徳殿に移し ヤンは ようやくマハのために涙を流す
そのまま善業寺に行き パン・シヌから マハの遺骨を受け取った

『星(ピョル)… 我が子… なぜこんな姿に…!』

パク・ブルファは キ・ヤンの命に従い バヤンフトに毒を飲ませ粛清し
その亡骸はペガンの屋敷に送りつけられた
私が皇后にしたばかりに… 涙ながらに悔やむペガンであった

何としてもキ・ヤンの息の根を止めねば!と ペガンは皇太后殿に向かう
皇太后は 陛下が興徳殿に連れていかれた!とうろたえていた

『何かを企んでいるのは確実です!陛下を助けねば!!!』

侍従コルタが 離れた場所で2人のやり取りを聞いている
この状況を鑑みて キ・ヤンは策を誤ったと判断するコルタであった
誰の味方につくべきか…ではない 生き残るのは誰か…と値踏みしているのである

皇帝タファンは 目覚めた場所が興徳殿であることに驚きを隠せない
しかしまたすぐに 深い眠りに落ちてしまう
間もなくして 丞相ペガンが訪ねてくる
皇帝の意識が戻ったことは 決して知られてはならないと!
キ・ヤンはすべてをイ尚宮に託し ペガンを出迎える

鎧を着ても宦官は宦官だ!と怒鳴りつけ 今にもブルファを斬りかねない
キ・ヤンは 摂政という立場でこれを一喝!
たとえ血を流しても この目で陛下の無事を確認するというペガン
しかし 弓部隊が興徳殿の周りを取り囲み すべての矢がペガンに狙いを定めた!

『これは… 何の真似ですか!』
『陛下の病状も顧みず この国の丞相は高麗(コリョ)の者を弾圧し国を乱しています
この重大な局面に合った措置を講じました たとえ丞相でも例外ではありません!』

陛下に何かあれば その命も 皇太子の命もない!と言い放ち ペガンは退却した
やがて完全に目覚めたタファンは どうしても自分の寝所に戻るという
キ・ヤンは 思わずタファンを抱き締め どうかここにいてくださいと懇願する

タファンの主治医が 皇太后殿に連行された
一体 陛下は何の薬を処方され眠り続けているのか…
皇太后の前でペガンに脅され 主治医はありのままを話すしかない

深酒を続けたタファンの心臓は かなり弱っており
貴妃から命じられた処方では 命に関わる危険な状態に陥ってしまうと…!
しかも 薬を調合するだけであり 診察も拒まれ 一切の世話は貴妃がしていると!

これはもう許し難き事態!
主治医も宦官もそばに置かず 陛下のそばにはキ・ヤンしかいない!
まさかもう殺されているのでは… という皇太后
そこへ キ・ヤンが軍の指揮官らと会合を開いているとの報告が入る

遠目に見れば 貴妃を囲み指揮官らと何やら打ち合わせているように見える
ブルファは 皇太后の手の者が偵察しに来たことを確認し キ・ヤンに目配せする
究極の不安に駆られた皇太后は 自分たちを排除する気だと言い出す
まさに垂簾聴政を行う気なら 皇太后と丞相の存在は消したいはず!!!

『先手を打たねばやられます!!!』
『今夜… キ・ヤンとアユルシリダラを排除する!』

皇帝の主治医が連行されたことで トクマンが事情を聞きにキ・ヤンのもとへ!
心臓に悪影響とされるヤンが指示した薬湯は キ・ヤンが飲んでいるのだという
そして皇帝には 別の主治医をつけ薬を処方させていると…!
皇太后と丞相がタファンを害し 他に皇太子を立てる恐れもあり
また 2人を決起させるための画策に他ならない
そこへ 将軍タルタルが…!

『ヤン様は 決して陛下を害したりなさいません』

タルタルが わざわざそう言うということは…
向こうがそう考えているということになる
自分たちの闘いのせいで 民が苦しめられていると話すキ・ヤン
丞相か自分か… どちらかが消えるまでこの闘いは続くと

“他を以て過と為す”

将軍タルタルは キ・ヤンの策を見事に言い当て 半ば成功したという
しかし 自分が丞相に報告すれば水の泡になると…

『陛下はお目覚めなのですか?
もしお目覚めでなければ… ヤン様と皇太子の命が奪われるでしょう』

『決行は 今夜ということですね』

『陛下はお目覚めですか』
『お答え出来ません これは闘いですから』

興徳殿から戻ったタルタルに ペガンが剣を突きつける!
なぜ興徳殿に行き 貴妃と会ったのか…!
こちらの策を話したのなら 甥といえども命を奪うしかないと!!!

『貴妃がこちらの策を知ったところで 結果は変わらないのでは?
叔父上が殺すと決めた以上 貴妃と皇太子は死ぬ運命です』

策を話したのではなく 敵の内情を探ってきたと答えるタルタル
兵の配置の詳細までを報告する甥に ペガンはようやく剣を下ろす
叔父の背中を見送りながら タルタルは涙がこぼれた
何故こうも誤った道へと進んでいくのか… その結末を思うと涙が止まらないのだ

興徳殿では

皇帝タファンが 閉じ込められたままの状況に苛立ち暴れだす!
ヤンは 今夜起こることについて ここで“謀反”を見届けてほしいと願う

その夜

毅然とした態度でペガンを出迎えたヤンは いよいよ謀反を?という
貴妃が皇帝を人質に取り 皇太子を擁立し玉座を狙っている… と思い込むペガンは
自分が罠に嵌められているという考えにも至らず ただ一念を以て剣を振りかざす!

『丞相! 一体何を?!!!』

すでに殺されているのかも…とさえ思っていた皇帝が現れ ペガンは凍りつく
侍従コルタが (今こそヤンを殺すべきです!)と耳打ちする
将軍タルタルは(逆賊になってはなりません!)と諫めた

ペガンは 無念の表情で剣を下ろし 皇帝の前にひざまずく!
衝撃を受けたタファンに代わり キ・ヤンが『逆賊ペガンを投獄せよ!』と叫ぶ
タルタルとコルタは それぞれの思いでキ・ヤンを見据えるのであった

メバクの頭(コルタ)は タンギセらを呼びつけ“白蓮教徒”を知っているかと問う
そして この漢族を中心とする反乱軍に 軍資金を渡せと命ずる
頭(コルタ)の横で代弁する仮面の男が 戦によって儲けることが何よりの手段だという

この頭の正体を暴きたいワン・ユは 彼らが被るお面を手に入れろと命じた
各支部の長たちも 誰も頭の素顔を見たことがないのは この商団の弱点だと!

お面を手に入れたワン・ユは 長たちを招集し頭に成り済ます
同じく仮面をつけたチェ・ムソンが 代弁者となり命令を読み上げた
各支部が所有する金と穀物を すべて交鈔に替えろとの指示に動揺が広がる

タンギセが “白蓮教徒から連絡が入ったがどうするか”と叫ぶ
こちらから命令を下すだけだと 油断していたワン・ユたちは動揺する
この奇抜な仮面のおかげで うろたえる様子には気づかれていないようだ
ワン・ユは 代弁者に成り済ますムソンに耳打ちし その件は中止せよと命じさせた

大都では キ・ヤンが臣下たちを大明殿に召集したと知り 皇太后がいきり立つ
おそらくペガンを処刑するよう 総意を取りまとめるつもりだと…!
直ちに大明殿へ向かおうとしたその時! 行く手を阻んだのはキ・ヤン本人であった

『皇太后様 私の我慢にも限度があります 必死に我慢しているのですよ』
『我慢を…?!』
『丞相の謀反に 皇太后様が無関係のはずがありません』
『謀反ではない!丞相はそなたの暴挙を…!』
『まだ話の途中です! 今回の一件が解決するまで外出はお控えください!』
『そなた… この私を軟禁するというのか!!!』
『先ほど… 必死に我慢していると言いました 我慢できなくなれば…
皇太后様の身に何が起きるか 私自身も分からないのです

ゾッとするようなキ・ヤンの囁きに 皇太后は恐怖すら感じ黙り込む
キ・ヤンはトクマンに命じ 親衛隊により 皇太后殿を包囲させた

皇帝タファンは 牢獄のペガンに会っていた
両者を失いたくないタファンは ペガンに 今回ばかりは譲ってくれという
是が非でも貴妃を追放すべきだと喚き散らすペガン!
たとえこの身は処刑されようとも キ・ヤンを追放せねばと!!!

『命令ではなく頼んでいるのだ どうか私のために譲ってくれ!』

大明殿では 貴妃キ・ヤンが臣下たちの前に立っていた
ペガンの処分を罷免ではなく処刑に…との総意をまとめようと…!
そこへ 皇帝タファンが入ってくる
タファンの後方に ペガンの姿を見たキ・ヤンはまさか…!と絶句する
しかもペガンは 皇太子アユルシリダラを抱いている!

『丞相は そなたに忠誠を誓うと約束した』
『いいえ!忠誠を誓う必要はありません!丞相が残るなら私が去ります!』

選べと言われても タファンにはどちらかを選ぶことは到底出来ない
そして出した結論は…

『ならば… 2人とも去るがよい』
『え?』
『どちらにも決められぬ! どうしても相容れないと言うならどちらも要らぬ!』

思いがけない皇帝の決断に ペガンもキ・ヤンも黙り込む
去るか譲るか… 今度はタファンが2人に決断を迫るのであった…!

これを受け 最初に跪いたのはペガンであった
貴妃と皇太子様に 心からの忠誠を捧げるとして…!

屋敷に戻ったペガンは 悲痛な表情で酒を煽る
(高麗(コリョ)の 貢女(クンニョ)だった者に このペガンが跪くとは…!!!)
放免され牢獄から戻れはしたが 負け戦より辛い屈辱感に怒りが込み上げる…!

※貢女(コンニョ):高麗(コリョ)が元への貢ぎ物とした女性

『あの女に命乞いをした あさましく… 惨めに…! 命乞いをしたのだ!!!
タルタル… もう一度だけ私に協力してくれ
人知れずキ・ヤンを呼び出すのだ そなたになら応じる筈!』
『どうするのですか』
『殺すのだ 私のこの手で あの者の首を撥ねてやる!!!』

『叔父上… もしも陛下の耳に入れば…』
『陛下のために殺すのだ! あの者と皇太子!側近どもを皆殺しに!!!』

タルタルが動く前に キ・ヤンの方から呼び出しがかかる
キ・ヤンもまた タルタルに 協力してほしいと…!

『丞相を呼び出してほしいのです 聞いていただけますか』
『…考えさせてください』
『いつまでに?』
『今夜… 大明殿でお待ちください』

その夜

大明殿に向かう途中 ペガンは 後のことをタルタルに託した
たとえこの手でキ・ヤンを殺しても 自分は陛下の手により死ぬことになるだろうと
ひとり 大明殿に入っていくペガン
タルタルは 間違った道に進む叔父の背中を 見えなくなるまで見つめていた

同じ時 侍従コルタが 大明殿で異変が起きそうだとタファンに報告する

大明殿では キ・ヤンが ペガンに茶を進めている
落ち着き払ったその態度が ペガンを苛つかせた
無用な会話などする気はない 自ら剣を抜き私兵にも合図を送るが…
キ・ヤンを守る親衛隊が ペガンの周囲を取り囲む!

倒しても倒しても減らない親衛隊に ペガンはタルタルを呼ぶ!!!
中の騒ぎとペガンの絶叫に タルタルは 自分がどう動くべきかを考える
考えてはいるが… すでに心は決まっていたからこそ 涙が溢れ出す

タルタルの名を絶叫しながら 外への扉を開けたその時!
ペガンの胸から背中に剣が突き抜けた!!!
呻き声を上げタルタルの胸に頽れるペガン

『なぜ… 裏切るのだ』
『覚えておいでですか… 権力に溺れ老醜を晒すようなことがあれば私の手で殺せと』

『そう…か… 今の私は… そんなに…醜いか… 私が… 権力に溺れていると…?
私は… ただ陛下のためと… この国を思い…』

『叔父上の志には… 民が存在しません!
民の存在しない志こそ… 私欲だと… なぜお分かりにならぬのです!』

皇帝タファンが駆けつけた時 まだペガンの意識はあった
死んではならぬ!と泣き叫ぶタファンの胸に抱かれ ペガンは息を引き取った

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奇皇后-ふたつの愛 涙の誓い- 第47話 仮面の正体

2020-09-15 15:00:00 | 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- あらすじ
 “散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています
1話~11話はこちらで公開しています
 
※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります
 
 第47話 仮面の正体 

(陛下 アユが皇太子になった今 陛下はもう用済みです)
(ど…どういう意味だ! その矢を下ろすのだ!!!)
(亡き父と ワン・ユ殿の敵!!!)
(やめてくれーーーっ!!!)

タファンの悪夢の中に 今度は皇太后が現れる

(なんて無様なお姿なのです陛下!
あれほど申し上げました 玉座とは 肉親同士が殺し合う修羅場!)
(やめよ! やめるのだ…!)
(今度は陛下が! キ・ヤンに殺される番です…!!!)

(やめるのだヤン!弓を下ろせ! …皇太后様 もうおやめください!!!)

うなされるタファンを起こしたのは 貴妃キ・ヤン
タファンは 夢と現実の区別がつかず 狂気のままヤンの首を絞めた!
やがて正気を取り戻すと ようやくその手を放しヤンを解放する
そこへ 侍従コルタが慌てて駆け込んでくる
長官たちが 丞相ペガンの罷免を求めて集まっているのだと…!
キ・ヤンに付き添われ 大明殿に向かうタファン

皇后であったバヤンフトは マハ皇子を殺そうとし キ・ヤンを陥れようとした
明らかに権力を狙った愚行は謀反に値するという
当然 姪であるバヤンフトを皇后に推したペガンも 罪に問うべきだと!

丞相ペガンは “皇帝の分身”という地位を与えられていた
謀反の企て以外には どのような罪にも問わぬとまで!
しかし今 姪の謀反相当の罪に加担したとみなされ 罷免を求められているのだ

外には 玉璽と同等であるとして賜った印章を差し出し ペガンがひれ伏している
すべての臣下が丞相の罷免を要求したが タファンはこれを退けた
タファンに寄り添いながら じっと目を閉じるキ・ヤン
ペガンを排除する絶好の機会は タファンにより奪われてしまった…

騒動が収まり ペガンは キ・ヤンと対峙する
すべての臣下を意のままに操るとは… まったく大したお方だというペガン
しかし公然の場で 当然裁かれるべき罪から逃れた丞相こそ… というキ・ヤン

『この私まで排除されれば 天下はヤン様の独壇場!』
『この私と闘うと?』
『わたしにかなうとお思いで?』
『たとえ勝てずとも 闘うしかありません』

善業寺では

マハが 体の不調をおして祈りを捧げていた
そのあまりに痛々しい姿に ソ尚宮は もうおやめくださいと涙ぐむ
その善業寺の境内に ワン・ユが現れた
マハが キ・ヤン皇子様と自分との間に授かった我が子と知り 来ずにはいられなかった
ヤンの立場を考えれば やはりワン・ユも父として名乗ることは許されない

祈り続けるマハの隣に立ち 皇帝の子でなければ生きられぬのかと問う
親が誰であれ マハはマハ自身であると…

『たとえ皇子であろうと 相応しき人格者でなければ国が滅びる
市井の民の子に産まれても 偉大な人物ならば国を成す』

『私への哀れみから そのようなことを言うのですか』
『同情されたくなければ 堂々としていることだ』

ヤン様のためにも どうか父だと名乗るのはおやめに…というシヌ
しかし ワン・ユはいずれマハを高麗(コリョ)に連れ帰り 真実を話すという
高麗(コリョ)でならば マハ様に危険も及ばないと納得するシヌとムソンだった

この会話を 偶然通りかかったソ尚宮が聞いていた…!

皇帝タファンは 女たちをはべらせ 再び酒に溺れる日々を送っていた
早急に決定しなければいけない事項について 裁断を仰ぐペガン
しかしタファンは 玉璽そのものをタファンに渡し すべてを任せるという
もはや キ・ヤンのお小言など聞くつもりはない
ペガンとキ・ヤンの闘いは 闘いの土俵にも立てない状況であった

ペガンは その人となりを無視し キ・ヤン側の人間を次々と排除していく
その能力ではなく “忠誠心”を重んじるというペガンは タルタルの諫言も無視する

『私の言葉は 即ち陛下の言葉である!
この玉璽を見よ! 私の意思こそが陛下のご意思なのだ!!!
太師!太保!太傳をはじめ キ・ヤン側の者はすべて排除する!!!』

キ・ヤンがどう抗議しようと ペガンを止められる者は存在しない
賜った玉璽と印章があれば 恐れるものは何ひとつなかった

『この国はヤン様のものですか! この国は私と私の民 モンゴル人のものだ!』
『私は皇帝の側室! この国の貴妃です!』
『しかし高麗(コリョ)の者だ!!! この国の“よそ者”はすべて排除する!』

『それでは… 皇太子のことも“高麗(コリョ)の者”とお考えですか?
いずれ皇帝の座に就く皇太子の… 母であると知っての暴言ですか?』

同じ時 タファンはアユ皇子に 強くあらねばならぬと言い聞かせていた
馬を駆り 剣を取り 天下に力を鼓舞する者でなければと…

『父上 母上は徳をもって国を治めるべきと言います』
『徳を施すには力が無ければならぬ!
強くならねば 高麗(コリョ)をはじめとする隣国に攻め入られてしまうぞ!』
『高麗(コリョ)は 母上の故郷です』
『……母上が 故郷と?』
『母上ではなく 女官たちに聞きました
私が皇帝になれば 高麗(コリョ)の者たちが喜ぶと…』

『やめよ!!! 二度と高麗(コリョ)のことを口にするでない!!!』

タファンの剣幕に驚き アユ皇子は泣き出してしまう
そこへ現れたキ・ヤンの方へ駆け寄り 顔を埋めて泣きじゃくる

『皇太子を外へ!』

キ・ヤンは 丞相の横暴を止めてほしいと懇願する
しかしタファンは 自分の味方を失うのがそんなに怖いのかと答えた
政務に口を出すことより 皇太子の教育に専念しろと
そして皇太子に 二度と高麗(コリョ)のことを話してはならぬと…!

『陛下も… 私を“高麗(コリョ)の者”と思っているのですね』
『そうではない そなたが政務に関わると揉め事が絶えない 自重してくれ!』

『私は国のためを思って…』
『国のためを思いワン・ユを生かしたのか!
そなたは 私の目の前でワン・ユを助けた』
『陛下…』
『とにかく! 政務にはもう関わるな』

メバクの頭は ヨム・ビョンスとチョチャムに ペガンに会えと命じた
会えば即刻殺される!と怯える2人
頭は 2人に文書を渡し それがあれば殺されるどころか信頼を得られるという
信じがたいことではあるが 2人は命令の通りに動くしかなかった

手下を下がらせ 仮面を取る頭
その素顔は… あの侍従コルタであった!!!

『どうやら皇帝の心は完全にキ・ヤンから離れたようだ
闘いの勝者はペガンになるだろう 勝者が誰であれ我々は その力の恩恵を受けるまで』

ビョンスとチョチャムは “メバクの使い”として 丞相ペガンに謁見する
今にも斬り殺されそうになりながら ビョンスは文書を渡した
メバクは かつての丞相ヨンチョルを陰で支えた商団である
高麗(コリョ)の商団を排除してくれれば 今後はペガンを支えるという申し出であった

市場では 高麗(コリョ)の商人らの店が徹底的に襲われた
群衆に紛れ その惨状を目の当たりにするワン・ユ
いずれは高麗(コリョ)の商団が襲われるだろう
キ・ヤンに救いを求めようにも もはや同盟は崩れ去っていた
ワン・ユは かつてヨンビスの部下であったスリに連絡を取る

ビョンスにより潰された店は 今後メバクが管理することとなる
没収された財産は すべてペガンの軍資金となるのだ
このペガンの暴挙に ただひとり異を唱えるタルタル!
商いを潰されたら国の財政が疲弊し やがて国が破綻すると抗議するが
今のペガンには 正論が通じる筈もない
あれほどまでに信頼していたタルタルの首に 剣を突きつけるペガン!

タルタルは 絶対に間違っていると知りつつ 言いなりになるしかない
捕えられた商人たちは 顔に焼き印が押され二度と元で商売をすることは出来ない
そこへ駆けつけたキ・ヤンが 何て惨いことを!!!と抗議する

ペガンの側近でありながら 陰でキ・ヤンを助けていたタルタルが
まさかこのような暴挙に加担するとは…!
タルタルは キ・ヤンに ペガンとの闘いはやめるべきだと諭す
やめなければこれまで築いてきたものすべて そればかりか命も失ってしまうと!
キ・ヤンは たとえ殺されようとも闘い続けると言い放った…!

善業寺に 再びワン・ユが訪れる

憔悴したマハは あの時と変わらず健気に祈り続けている
自分を生んでくれた両親が すでに亡くなっているならその冥福を
今も存命なら… 一度でいいから会いたいと願い 祈り続けるマハであった

『ワン・ユ殿は 何を祈りにこちらへ?』
『そなたの願いが叶うよう祈っている』

ソ尚宮は この2人が父と息子であると知ってしまった
なぜ何度も ワン・ユが会いに来るのかという理由を…!

ある日 貴妃キ・ヤンは 嘘の誘いでタファンを城外へ連れ出す
沿道には 飢え死にした者たちが埋葬する者もなく転がっていた
その光景を見せたい一心で ヤンはタファンを連れ出したのだ
ペガンの暴挙を止めねば さらに状況が悪くなると訴えるヤン

『救済米を買うお金は ワン・ユ殿が出していました』
『な…何?!』
『陛下が民の恨みを買わぬよう尽力していたのです
この民の視線に気づきませんか? 皆 陛下を恨み始めています』

群衆の中に タファンははっきりとワン・ユの姿を見た
また幻影が?というヤン
民の鋭い視線と ワン・ユの薄笑いが あの悪夢と重なりタファンを苦しめる
頭を抱え悶え苦しみながら タファンは落馬し意識を失う…!

善業寺では

祈り続けるマハが とうとう力尽き意識を失ってしまう
その病状をみたパク・ブルファは ソ尚宮に暇を出した
もう世話をする必要はなくなりそうだと…

ワン・ユは マハを高麗(コリョ)へ連れ帰ろうと輿を用意させていた
いよいよマハに真実を告げ 父として接することが出来ると…
しかしマハを迎えに行ったシヌは マハの亡骸と対面することとなる
マハは 自分の出生を知らないまま その短い生涯を終えたのである

パク・ブルファは マハの順調な回復を知らせにキ・ヤンのもとへ
ワン・ユの命により マハが亡くなった事実は伏せられた

『ヤン様はもう十分に傷ついた これ以上苦しめてはならぬ』

トクマンからキ・ヤンへ “皇太后と丞相に用心すべし”との伝言があった
皇太后は 皇帝が意識を取り戻す前に キ・ヤンを排除するつもりなのだ
亀裂が入ったとはいえ 貴妃キ・ヤンの後ろ盾は今も皇帝タファンである
その皇帝が存命の今 意識を失い無力な今こそが好機であると!!!

『謀反の罪を着せましょう』
『謀反?』
『皇帝の病中 キ・ヤンが皇位を狙って挙兵したと…!
我らは“逆賊”を始末し 回復した陛下に報告すればよいのです』

キ・ヤンは トクマンの報告を受け すぐさま臣下たちを大明殿に召集する
そして皇太后が手を下す前に 自らが“摂政”に!!!
皇太后とペガンが駆けつけると 玉座には 皇太子アユとキ・ヤンが座っていた

『これは何事ですか?!!!』
『陛下が病に倒れたのです 皇太子が代理を務めて何が悪いと?』

まだ幼い皇太子のため 母親であるキ・ヤンが摂政を行うのは当然のこと
臣下の誰もが 口を揃えて支持を表明した

『すべては法と手順に従っています』
『国の一大事に法も手順もあるか!!!』

『そうやって 法と手順を無視し暴政を敷いて来たのですね』

『そなたごときが摂政になるなど!!!』
『皇太后様 皇帝の命に背くのですか 罪に問いますよ』

こうなっては 皇太后とペガンは口出しできない
キ・ヤンは 国の財政を管理出来なかった皇太后に全責任を問う

『皇太后様から印章を剥奪せよ! 後任にはトクマン殿を』
『宦官ごときに財政を管理させるのですか!』

キ・ヤンは 皇太后の反論を一切無視した
さらには 都と宮中の軍権を パク・ブルファに一任する
トクマンもブルファも 宦官であり“高麗(コリョ)の者”である
さすがに長官たちも 聞かされていなかった人事に動揺を見せ始めるが
顔色ひとつ変えず ペガンにも玉璽と印章の返還を求めるキ・ヤンであった

『丞相は 過分な権力を与えられて暴走したのです
丞相ごときが持つものではありません!』

トクマンが 皇太后殿より 印章の返還を受ける
そして鎧を身にまとったパク・ブルファが ペガンより玉璽と印章を受け取った

この闘いは 狩りのようなものだというタルタル
先に見つけて仕留めた者が勝っただけだと

『一歩出遅れていれば ヤン様が追い出されていました』
『では 陛下が目覚める前に“狩り”を終えねば 私の申し出をお受けください』
『書庫で「孫子兵法」を見つけてください 返事はそこに』

キ・ヤンは ブルファと共に書庫へ向かう
表紙に「孫子兵法」と書かれた書物には ペガンの側近らの不正が詳細に記されていた
しかし ペガンの不正については何も書かれていない

『タルタル殿は やはり丞相だけは庇ったのでしょうか』
『潔白ということでしょう 振舞いは乱暴だが 昔から不正は嫌う』

不正を行った者たちへの処罰は 皇太子の誕生日に行うというキ・ヤン
そして皇帝タファンを興徳殿に移し ホン尚宮に世話をさせよと

皇太子アユルシリダラの誕生日

キ・ヤンは 不正を働いたペガンの腹心らを大明殿に召集する
それぞれに渡された器には 汲んだばかりの水が入っていた
我々をバカにしているのか!と憤るペガン
この財政難に 皇太子の誕生日といえど贅沢は許されぬ
そう言われてしまえば 何の反論も出来ない

次にキ・ヤンは 例の本を取り出し 不正の内容を1つずつ読み上げた
心当たりのある者の表情が 次第に蒼褪めていく
器には毒が入っていると言われ 思わず器を落としそうになる者もいた

『無実の者はその水を飲み干しなさい
無実の者を死なせた私は その罪滅ぼしにこの座から下りる
但し その水を飲まなければ 罪を認めたとして断罪に処す!』

ペガンは キ・ヤンを退かせたい思いで一気に水を飲み干す!
しかし他の者たちは 誰ひとりとして飲む者はいなかった
ニヤリと笑うキ・ヤン
元々 どの器にも毒など入っていない
何っ!!!といきり立つペガン
キ・ヤンの命令により ペガンとタルタル以外の者たちは全員が捕えられた

同じ時

皇帝タファンの寝所に ソ尚宮の姿があった
侍従コルタが 今は謁見出来る状態ではないと断るが…
そこへ 意識を取り戻したタファンが 中へ通せと命ずる

『陛下に大事なお話が…!』
『何だ… 申して… みよ』
『陛下… マハ様は…!』

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奇皇后-ふたつの愛 涙の誓い- 第46話 母と子

2020-09-10 15:00:00 | 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- あらすじ
 “散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています
1話~11話はこちらで公開しています
 
※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります
 
 第46話 母と子 

黒装束を身にまとったヨム・ビョンスの一団が 善業寺のマハ皇子を襲った
トクマンは マハ皇子を逃がし追いかけようとするビョンスに取り縋る!
突き飛ばされた瞬間 トクマンは ビョンスの首にかけられた鎖を引き千切る!

『こ…これは!!!』

マハが逃げた先には キ・ヤンたちが駆けつけていた!
後方からはビョンスの一団が迫っている!
自分はどう動くべきか… マハはどうしていいか分からず混乱する

『皇子 タンギセ様がお待ちです!』

『皇子! 騙されるでない! あ奴らは皇子を殺そうとしている!』

マハが ふらふらとビョンスの方へ歩き出したその時!
トクマンが駆けつけ ヤン様の方へ!と叫んだ
思い直してヤンの方へ歩き出すマハ!
ビョンスは マハの背に矢を命中させる!!!

悲鳴を上げて駆け寄るキ・ヤン!
なぜこうも貴妃が泣き叫んでいるのか…分からないまま マハは気を失う

同じ時 皇帝タファンは悪夢にうなされていた
鬼の形相で自分を追うキ・ヤン!
愛するワン・ユを殺され その恨みを晴らそうと!!

(なぜ私を殺すのだ!)
(あなたはワン・ユ殿を殺しました)
(ワン・ユが… 私の夢を壊したからだ!)
(陛下は 私の心を壊したのです! 私の心にはワン・ユ殿だけ)
(では私の存在は? 私の心にはそなたしかいないのに…!)
(陛下を憎みます! 決して許さない!!)

キ・ヤンの射た矢が自分を貫く!
そこでいつも目覚めるのだった
目覚めてからは決まって錯乱状態になり コルタが必死になだめる

マハを射抜いた矢には毒が塗られていた
トクマンの処置により一命はとりとめたものの予断を許さない
それにしても… 何故貴妃はこうまで取り乱しているのか…
時機が来たら話すというシヌに トクマンは何か秘密があるのだと察する

翌日 ビョンスは皇后と密会し マハに毒矢を撃ったと報告する
驚くべきことに その場にキ・ヤンが現れたと聞き 皇后はすぐに噂を流せと命ずる

一方 大明殿では

将軍タルタルが ワン・ユの遺体がどうしても見つからないと報告する
生き延びているとすれば 高麗(コリョ)に逃げた可能性が高いと…
ペガンは ワン・ユを助けた賊が自分をも狙ったことから 黒幕はキ・ヤンではと疑う

『それはあり得ぬ!』
『しかし ヤン様はワン・ユの命乞いをなさって…』
『黙れ!!! そのことは二度と持ち出してはならぬ!
高麗(コリョ)王に密書を送るのだ!ワン・ユが戻ったらすぐに首を撥ねろと!!!』

そこへ 血相を変えた皇太后が飛び込んでくる!
マハ皇子が高麗(コリョ)の者に殺されかかったと!!
そしてその場には キ・ヤンの姿もあったと!!!

皇后バヤンフトが流した噂は 巡り巡ってソ尚宮から伝えられた
いかにも初めて聞くかのように 驚いて見せるバヤンフト

『もう陛下の耳には入ったのか?』
『もちろんでございます!』
『あぁ… 南無阿弥陀仏…』
『皇子様が戻られます 出迎えませんと』

支度をしようとして バヤンフトは指輪が無いことに気づく
タファンからの数少ない贈り物である

意識を失ったまま マハ皇子は宮殿に戻った
タファンは あまりの出来事に動揺しマハを見舞う
その手を握りしめようとしてためらうタファン
なぜためらうのか… と問うトクマン

『いつの間に 皇子の手は大きくなったのだ
この子を抱いた記憶がない 手を握ったことも…』

憎きタナシルリとの間に 望みもしないで生まれた子は いつの間にか成長していた
ただただ疎ましく 愛おしいと感じたこともないのに なぜか涙が滲む
タファンは 自分が見舞ったことは皇子に言うなと命ずる
トクマンもコルタも なぜ隠すのかと 知れば喜ぶのではと進言するが…

『知ったところで余分な期待をさせるだけだ 余計にこの子が傷つく』

皇后バヤンフトは いかにも同情したようにキ・ヤンを慰める
何と酷い噂が流れたものだと憤慨して見せ 何かあれば頼れという
キ・ヤンは 恭しく感謝しながら皇后の背を睨みつけた
握りしめたその手には 指輪が…

それは トクマンから渡されたものであった
ヨム・ビョンスと揉み合った時 引き千切った鎖からこぼれたという
これは間違いなく皇后の指輪であり ビョンスの黒幕が皇后だという証拠であった

キ・ヤンは マハ皇子を襲った犯人を暴くと明言し
皇帝タファンに この件に関する全権を与えてほしいと申し出る
大明殿で 貴妃キ・ヤンの主導による真相の究明が行われることとなった

この場において キ・ヤンが主導すると知らされていなかった皇太后は激怒し
尋問すべきは貴妃であると喚き立てる!
ヤンは皇太后を無視し その手に指輪を持ち高々と掲げた
指輪はヤンの手からトクマンへ トクマンから皇帝タファンへと渡された

ギロリと皇后を睨みつけるタファン
バヤンフトは 指輪は盗まれたのだと絶叫する!

『キ・ヤンが私を陥れようと… キ・ヤンの仕業です!!!』
『指輪を拾ったのは私ではありません』

そこでトクマンが進み出る
指輪は 刺客が落としていったものだと明言し
さらには その刺客がヨム・ビョンスであったと証言した!

『ヨム・ビョンスの魔の手から皇子様を救ったのが 貴妃様なのです!』

『陛下!この者も高麗(コリョ)の出身です!
高麗(コリョ)の者が結託しているのです!! すべてはキ・ヤンの仕業です!!!』

『陛下 聞きましたか! すぐにキ・ヤンを投獄なさいませ!』

バヤンフトの言葉を受け 追い打ちをかける皇太后!
しかし タファンは即座にバヤンフトの言い分は偽りだと言い放つ!

『ヨム・ビョンスは貴妃の仇敵である! 手を組むことは有り得ない!!!
皇后!正直に答えよ!! ヨム・ビョンスと面識は?!』
『あ… ありません! その者のことは知りません!!』

何を…!と動揺するソ尚宮
するとキ・ヤンが

『陛下 それについてはソ尚宮がお答えします
ソ尚宮がすべてを承知しているはず!』

ソ尚宮は 亡きヨン尚宮への思いがあった
皇太后の命令で 皇后付きの尚宮として仕えてきたが 皇后の性根は誰より知っている

『はい陛下! 皇后様はヨム・ビョンスと会い 皇子様殺害の企てを…!』
『おのれソ尚宮!!! 嘘を言うでない!!!』

もとより皇后バヤンフトを 一度として愛したこともない
タファンは 皇后を引き摺り出せ!と叫び ペガンにも口出しを禁じた

皇后が引き摺り出されたところに 今度はひとりの尼僧が案内されてきた
キ・ヤンは もうひとつ この場で明らかにせねばならないことがあった
マハが我が子と知った今となっては 苦渋に満ちた思いではあるが…

『陛下 マハ皇子は… タナシルリの実子ではありません!』

長官らは すでにキ・ヤンから聞かされており 特に動揺も見られない
皇太后とペガン タルタル トクマン そして何よりタファンが動揺する
証人の尼僧が 皇帝タファンの前に立ち 思いのたけを告白した…!

『ある日 私の弟子の尼僧が赤子を拾いました
皇后タナシルリは… その赤子を奪い皇覚寺を焼き討ちしたのです!!!』

積年の恨みを晴らし 尼僧の目からはハラハラと涙がこぼれた
皇太后は あまりに惨い事実を受け入れられず 失神して倒れこみ
チャン・スニョンに背負われ 退席した

マハは 誰もいない寝所で独り目覚めていた
気配を感じ 慌てて目を閉じる
現れたのはキ・ヤンとトクマンである

『目覚めたら真実を話してください』
『真実を知れば傷つきます』
『どうせ追い出されれば知ることになります』

その言葉に驚き 飛び起きるマハ!
自分が追い出されるとは… 何故なのかと…!

物心もつかないうちから 皇子として育てられたマハである
皇帝にこそ疎まれてきたが 皇太后に可愛がられすべての臣下にかしずかれてきた
今更 皇室とは縁のない捨て子だと言われても 到底信じることは出来ない

『ならば… 私の父上は… 母上は誰なのですか
この世に生まれてきたのですから… 誰にでも父母がいるはずでしょう』

ポロポロと涙をこぼしながら訊ねる我が子に…
キ・ヤンは真実を話せない

『お前は… 拾われたのだ』
『うぅ… うわぁぁ…』

『泣くな! 誰も…お前を守ってはくれぬ!
強くなるしかないのだ そして…誰にも期待してはならぬ
自分で自分を守るしかない 強く… 強く生きていくのだ!』

我が子でありながら 名乗ることは許されない
この国の 皇帝の側室として…!
高麗(コリョ)王との間に産んだ子だと 決して知られてはならない真実であった

その頃

ムソンたちが チョンスダプの谷に向かっていた
同じく 谷に向かうヨンビスとワン・ユは タンギセの追撃に遭っていた
ワン・ユを守りながら ヨンビスは無数の矢を受け絶命してしまう!!!
遅れて合流したムソンたちと共に ヨンビスの亡骸を埋葬するワン・ユ
そして 再び大都へ向かうと心に決めるのだった…!

※大都:元の都

丞相ペガンは 貴妃キ・ヤンに対し アユ皇子を皇太子として受け入れるという
キ・ヤンは それは皇后を廃するなという交換条件か?と問う

『皇后様の廃位はすでに決定しております 陛下が詔書を』
『前に ヤン様をお守りすると申しましたが… その件はお忘れください』

キ・ヤンはクスッと笑い “守り”が必要なのは丞相の方では?と言い去って行く

やがてトクマンが バヤンフトに対し廃位の皇命を伝えた
そして皇后の衣が剥ぎ取られ 装飾品を外され庭に引き摺り出される
キ・ヤンの命令により チャン・スニョンが詔書を読み上げる
その場には 丞相ペガンと将軍タルタルも立ち会っているが
バヤンフトの一族でありながら ただ見守るしかない

『叔父上!どうにかしてください!!!』
『醜態を見せるでない』

最後の最後に本性を晒すこととなったバヤンフトは 廃位され僻地へ流罪となった
一生涯陽の光を浴びることを許されず 外部との交流も許されない
年に1俵の米しか与えられず 飢え死にするしかない
これが キ・ヤンの下した罰であった…!

喚き散らしながら城外へ引き摺り出されるバヤンフト
ペガンは呆れ果て あれほど可愛がった姪と目を合わせようともしない
皇后として入宮した時から タルタルはこうなることを予感していたのかもしれない
成るべくして成った結末だとでもいうように 薄笑いを浮かべるタルタルであった

バヤンフトが護送される行列には 沿道に野次馬が群がった
その群衆の中に ヨム・ビョンスとチョチャムが紛れている
これから皇后に仕え甘い汁を吸おうと思っていたのに… と舌打ちするビョンス
……と その喉元に背後から剣が…!

『マハを殺そうとするとは…!!!』

ここで殺されてはかなわないと ビョンスはマハの出生を明かす!
同じ時 大都に戻ったワン・ユもまた マハが本物の皇子ではないと聞かされていた
ところで なぜまた大都に?と 恐る恐る訊ねるシヌ

『ヨンビスが タンギセに殺された
タンギセは メバクの頭に匿われているとか』

ワン・ユは メバクの頭の正体を知るため 危険を承知で大都に戻った
しかし 正体を知る者は未だ確認されておらず その情報も極めて少なかった

宮殿では

マハの一件以来 体調を崩した皇太后
キ・ヤンは礼を尽くして薬湯を運ぶが… 皇太后は頑なにこれを拒み続ける

『マハの出生を知りながら… 私を陰で笑っていたのか!!!』
『皇室の血筋でない者を追い出しました お褒めくださってもいいのでは?』
『褒めろだと?! お前ごとき者が!!!』

『お前ごとき?!!!』

一喝され 凍りつく皇太后
キ・ヤンの表情は冷たく 睨みつける目つきに凄味が…!

『アユが皇太子になった時 私は未来の皇帝の母!
今後は… 相応の態度で私に礼を尽くしていただきます! 皇…太…后…様!』

トクマンが 外にマハが来ていると知らせに来た
これから城外へ出るということで 最後の挨拶をしたいのだという
しかし皇太后は 汚らわしい者でも訪ねて来たかのように拒絶した
キ・ヤンは そのあまりの無慈悲さにギロリと睨みつける

外に出ると マハが まだ体調が悪そうにして立っている
そこへタファンがやって来て 挨拶も受けない皇太后に憤慨する
マハは 父上…と言いかけ 陛下…と言い直した

『お前は何も悪くない 悪いとすればこの私だ』

マハにとっては タファンからの これまでで最も優しい声かけであった
皇太后に会い なぜ挨拶も受けないのかと責め立てるタファン

『利用価値が無くなったら 愛情も消え失せたのですか!
せめて皇太后様だけでも マハをかばうべきでは?』

『どこの馬の骨とも分からぬ子です!』

『皇太后様 それではあまりに露骨です
私の弟が皇帝になり 私が高麗(コリョ)へ流されたあの時も冷たくされた
ところが 私が皇帝になった途端お優しくなられた あの時と同じではありませんか』

『陛下は… あんなに私を慕ってくれていたのに…!』

『孤独でした! あまりに孤独で 縋るしかありませんでした
偽りの笑みだと分かっていても… それに頼るしか無い程に寂しかったのです!』

『すべてはあの女のせいです! あの女が来てから…!』

『皇太后様 それは違います
ヤンはいつでも私に… 私に…!』

タファンの心に あの悪夢が広がっていく
愛するワン・ユを殺した自分に 襲い掛かるヤンの姿が…!

キ・ヤンは 宮中から追い出されたマハの面倒を見ると決めた

『お前の罪は私の罪 すべて私が罪を負うのだぞ
だから心身共に健やかに よく生きるのだ』

マハの 身の回りの世話をするのは ソ尚宮である
皇太后でさえ 偽者と知り見限ったが ソ尚宮は今もマハを可愛がっていた

『成長したら マハを連れて高麗(コリョ)に向かえ』
『どうして…』
『顔も見たくないから遠くにやるのだ!
それまでマハの世話をしたら あとは自由の身にしてやる』
『感謝します ヤン様』

マハに随行するのは パク・ブルファとヨンビスの部下だった者
たとえ母と子の名乗りを上げられずとも キ・ヤンは星(ピョル)を失わずに済んだ
このことを誰より喜んだのは ずっと真実を胸に秘めてきたパン・シヌだった
その詳細を知らないチョンバギたちに 最初から話して聞かせていると…
通りかかったワン・ユに聞かれ 全てはワン・ユの知るところとなる…!

その後

皇帝タファンと貴妃キ・ヤンの息子 アユルシリダラが皇太子の座に就く
大明殿において 盛大な儀式が執り行われる

我が子を皇太子にしたことで キ・ヤンは強大な権力を持つことになる
皇室に高麗(コリョ)の血が入ったことが どうしても許せない皇太后!
丞相ペガンは 必ずキ・ヤンを排除すると誓う…!

一方 キ・ヤンは

長官らから祝いの言葉を受けながら まだ安心はできないという
宮中には 自分と皇子を狙う者が暗躍していると…!

『今や皇太子の母君となられたヤン様を 誰が狙うというのですか!』

『丞相ペガンと皇太后! この2人を排除せねばなりません!
丞相と皇太后を… この私の手で排除します!!!』

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奇皇后-ふたつの愛 涙の誓い- 第45話 出生の秘密

2020-09-05 15:00:00 | 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- あらすじ
 “散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています
1話~11話はこちらで公開しています
 
※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります
 
 第45話 出生の秘密 

いつものように 侍従コルタが ワン・ユからキ・ヤン宛の密書を届ける
何年も 開封せず燃やすことが慣例になっており コルタは燃やそうとするが
今回だけは 封を開け文面に目を通すタファン
読まなければよかった… タファンは苦痛の表情で目を閉じる

宴の席で 酒を禁じるキ・ヤンを冷たく追い返した
そして 謁見を請うキ・ヤンを 再び冷たく追い返すタファン
失意の中で居所へ戻ろうとすると 流刑地に向った筈の将軍タルタルが立っている

『将軍 流刑地に向かわれたのでは? そのお顔の傷は?』
『……』
『…ワン・ユ殿の身に何か?!』
『ワン・ユ殿は… 死にました』
『え? 今なんと? 死んだ…のですか?』
『……』
『誰が… 一体誰がワン・ユ殿を殺したのですか!!!』

ワン・ユを殺したのはペガンだと 容易に察することが出来る
号泣して憎しみをあらわにするキ・ヤンに タルタルは…

『あなた様の特別なお方だったのでしょう?
主従の関係に留まらず 支え合って来られた 或いはそれ以上の…』

『将軍!』

『なぜ私がヤン様を陰ながらお助けしていると?
今の陛下と丞相は 帝国を復活させようと躍起になっている
暴れ狂い暴走する馬の手綱を 一体誰が握り鎮められるでしょうか
ヤン様しかいないと信じ いかなる時もお助けしてきました』

タルタルの話に 涙ながらに聞き入るキ・ヤン

『ヤン様は仰いました 一族にこだわるなと
今こそ その言葉をヤン様におくります
ワン・ユ殿に固執せず!
貢女(コンニョ)だったヤン様を貴妃にした!
この国と陛下だけを按じなさいませ!』

※貢女(コンニョ):高麗(コリョ)が元への貢ぎ物とした女性

『暴れ馬の手綱を握れと仰いましたか ならばどんな手段を使っても?』
『ヤン様!』
『卑劣で残忍な相手に慈悲など施せません!!!』

キ・ヤンは それきり興徳殿に引きこもり酒浸りとなる
身なりも構わず 泥酔し泣き暮れる
なぜかワン・ユが死んだとは どうしても思えないというブルファ
それがキ・ヤンの涙を誘うことを知りつつ 言わずにはいられなかった

『私の代わりに泣いてください 私は… 泣くことさえ許されぬ身です』

そう言いつつ涙が止まらないヤン
ブルファは 何と言葉をかけていいかも分からず ただ泣けてくるばかりであった

タンギセの一団は 夜を徹してワン・ユの遺体を捜索していた
こうまで見つからないとは 生き延びて逃げたのでは?と言うビョンス
おそらくペガンも同じように捜しているに違いない
見つかる前にここを立ち去ろうと進言する

その暗闇に潜むパンシヌ ムソン チョンバギ マクセン!
果たしてワン・ユは生きているのか!
瀕死のワン・ユをヨンビスに託し 追っ手を攪乱した4人は途方に暮れていた

同じ時

廃墟に潜むヨンビスは 意識を失ったままのワン・ユに寄り添っていた
ワン・ユは うわ言で何度も“スンニャン”の名を呼び続けている
今にも死にそうな“愛する人”を どうしてやることも出来ないヨンビスだった

一夜明けた宮殿の庭園に 物思いにふけるマハ皇子の姿があった
マハは ワン・ユに言われた言葉が頭から離れず悩んでいた

「謀で真実を隠すことは出来ぬ!
母の敵を討ちたいなら 皇帝も皇太后も!ペガンとその臣下も殺すことだ!」

そんなマハの前に 貴妃キ・ヤンが通りかかる
キ・ヤンの顔つきは今までとは違い 冷酷な表情でマハを睨みつけている
マハもまたこれまでとは違い 殊勝な態度で母の死について教えてほしいという

『皇太后様からはどう聞いておられるのですか?』
『詳しくは何も…』
『皇子のお母上は…』

キ・ヤンの話を遮るように皇太后が現れ さっさとマハを連れて行ってしまった
皇太子を早く決めるよう 陛下に話さねば…というヤンに
ブルファは 臣下に上奏させてはどうかと進言する
今の皇帝の心境では おそらくキ・ヤンの話など聞こうともしないだろうと

『では 皇太后の手の者から上奏させましょう』

そこへ 皇后バヤンフトが通りかかる
皇后付きの尚宮として ソ尚宮とヨン尚宮が後に続いていた
その光景を遠目に見ながら キ・ヤンはある秘策を思いつく…!

皇后バヤンフトは 皇太后に謁見し 皇太子の決定を上奏すべきだと進言する
それはまさにキ・ヤンが自ら 皇后に頼んだことであった
ついに皇太子の座を巡り 皇太后とキ・ヤンが対峙する時が来たと
バヤンフトは この申し出を快諾したのだ
いずれマハ皇子が皇太子となり キ・ヤンは皇太后によって排除されると信じて…

皇帝タファンは 皇太后側から出た上奏に激怒する
表向きには この一件にキ・ヤンは一切関わっていない
再び権力を我がものにしたい皇太后!
皇后の地位を安泰にしたいバヤンフト!
怒りの矛先はすべて2人に向けられた

『何故マハを皇太子にせねばならぬ! あれはヨンチョルの孫だ!
この手で滅ぼした一族の子孫を 何故世継ぎに?!!!』

『陛下! 陛下が可愛がるアユ皇子は高麗(コリョ)の血を引く者ですよ!』

キ・ヤンを睨みつけながら アユは相応しくないと明言する皇太后
するとペガンが 2人の皇子を競わせてはどうかと進言する
どちらが優れているかをはっきりと見せつければ臣下も納得すると…!
まだ幼いアユ皇子ではあるが マハ皇子もまた学門から遠ざけられている
歳の差はあれど 互角の競い合いが出来る筈だと主張するペガン

マハには 皇后がずっと秘密裏に読み書きを教えてきた
確実に勝算はあると考え バヤンフトがペガンに進言させたのであった

皇帝タファンは 欲の尽きない者たちに辟易し荒れ狂う!
侍従コルタは 丞相ペガンと自分だけが信頼に値する者であると諭す

『私のそばには これまでいつもヤンがいてくれた』
『それがどうでしょう 今やあの方は…!』
『黙れ! 口を慎むのだ!!!』

ヤンのことは憎い
しかし 侍従に過ぎない者がヤンを侮ることは許し難き事
タファンは 泥酔してよろけながら興徳殿に向かう
こんなに冷遇しても ヤンは憂いの表情さえしない
大明殿では 皇太子を巡る騒動に身じろぎもせず タファンを見ようともしなかった

『なぜ私に縋って来ぬ! なぜ私の愛を求めぬ!!
そなたの権威など 私に捨てられればそれまでだというのに…!!!』

力づくでヤンを従わせても そこに心は無い
分かっていながらどうしようもなくヤンが欲しい

『私が妓女のように媚びれば満足するのですか! 捨てたいのならどうぞお好きに』
『捨てるものか! 捨てられぬ…!』

その頃タルタルは

ワン・ユの行方を追い 流刑地の周辺を捜索していた
タンギセもまた タルタルに見つからぬよう暗躍しワン・ユを追跡しているが…
このままでは自分たちの身が危ういというビョンス
仲間がワン・ユを匿うとして 果たして何処へ連れて逃げるか…
タンギセは 必ず高麗(コリョ)へ向かうはずだと推測する

『高麗(コリョ)へ向かうとして必ず通る道… チョンスダプの谷だ!』

同じ時 ヨンビスは国境を越えるための検問所にいた
部下に引かせる荷車の 樽に隠れるワン・ユとヨンビス…!
検問所には タルタルの一団が待機し怪しい者に目を光らせている
すると突然!
タルタルはヨンビスが入っている樽に向かって矢を放つ!
矢は ヨンビスの腹部に刺さり 声を殺して喘ぐヨンビス!

明らかに樽のそこから血が流れ出ている
しかしタルタルは そのまま荷車を城外へ行かせた
危うく難を逃れ ヨンビスは検問所から遠く離れた場所でようやく樽を出る
傷の手当てを!と言う部下に 早く場内に戻れと命ずる

『パン内官たちを見つけて伝えてくれ! “チョンスダプの谷”にいると!』

そこへ部下と入れ違うように タルタルが現れる
剣で立ち向かおうにも矢傷が深く 一瞬で取り押さえられてしまった
ヨンビスは 王様の命だけでも救ってほしいと必死に命乞いをする…!
その首に剣を突きつけながら タルタルはキ・ヤンとのやりとりを思い返していた

「今後は 私を支援する道を! 助けてほしいのです」
「それが高麗(コリョ)王を救えという意味ならば… 従えません」
「秘密資金はすでに使い果たしました
元の民を救う資金は ワン・ユ殿が調達しています 助けてほしいのです…!」

ワン・ユが生きているとなれば ペガンの兵は地の果てまでも追うだろう
タルタルは 山の奥深く身を潜め二度と現れぬようにと言い剣を下ろした
ヨンビスの思いには 主従の関係や友情ともいえぬ“恋情”があると見抜いたのだ

『ここでワン・ユは死んだ いいな!』

興徳殿には ヨン尚宮が呼びつけられていた
いよいよマハ皇子の出生の秘密を明かす時が来たと…!

『アユが皇太子になった時 お前は自由の身だ』
『本当に… ここから出られるので?』
『お前とて高麗(コリョ)の者であろう 私が守るゆえ真実を明かせ!』

しかし… ヨン尚宮は 興徳殿から出るところを皇后に目撃されてしまう!
マハがタナシルリの実子でないことは バヤンフトの知るところとなる
バヤンフトは ヨン尚宮に 競い合いの前に宮殿から出すと約束した
誰の言いなりになろうと 命乞いをせねば生きられぬヨン尚宮であった
ただ バヤンフトの要求はそれだけにとどまらない

『貴妃に虐げられていたことをここに書け』

城外で自由に暮らせるなら 今のヨン尚宮には何もためらう理由はない
嘘であろうと真実であろうと もうどうでもよかった
バヤンフトの望み通りに筆を運び書き終えた時 背後から首を絞められる!
翌朝 ヨン尚宮は 首を吊った状態で発見された

トクマンは 興徳殿に乗り込み あまりの仕打ちだと抗議する!
これはおそらく皇后の仕業 バヤンフトが手を下したに違いないと考えるキ・ヤン
しかしトクマンは納得出来ない
身ごもったことがあるキ・ヤンを見逃し 側室に推したのは自分だと
すべてを皇太后に話してもいいのかと詰め寄る!

『口を慎みなさい!トクマン殿!
それに 皇太后に話す気がおありなら ここには来ないのでは?』

城外では ヨム・ビョンスが心を躍らせヨン尚宮を待っていた
しかし 心待ちにしていたヨン尚宮は変わり果てた姿に…

その後キ・ヤンは 我が子アユ皇子の教育に集中していた
競い合いだからということではなく 次期皇帝として帝王学を学ばせているのである
そこへタファンが顔を出し 嬉しそうに抱き着くアユ皇子

あの日以来 タファンは再び酒を断ち ヤンに対しても真摯に向き合っている
逆にヤンの心は凍りつき タファンに対し一切の感情を見せない

『アユを 高麗(コリョ)の者として育てたくなければ
そなたももう高麗(コリョ)のことは忘れるのだ
もしも私に出来ねば アユが後を継ぎ高麗(コリョ)を従属させる
そのようにアユをしっかり育てるのだ』

パン・シヌは ヨンビスの部下から報告を受け ワン・ユの無事に安堵する
するとマクセンが ヨンビスは王様を想っていると言い出す
男みたいなあの者が?と まったく取り合わないシヌ
……と! マクセンがヨム・ビョンスらしき男を見かけ物陰に隠れる!
どうやらビョンスは 皇后と密会しているようだ

皇后バヤンフトは ヨン尚宮とヨム・ビョンスの仲を利用しようとしていた
自らが手を下しておきながら キ・ヤンの仕業に仕立て上げ復讐心を煽っていく…!
そして これからは皇后である自分に仕えるようにと説得する
この国から キ・ヤン諸共高麗(コリョ)出身者を排除せよ!
そのためにはまず 金をばらまき手下を集めよと命じていく…!

ヨム・ビョンスは 市場で騒ぎを起こし 高麗(コリョ)出身者だと言いふらす
高麗(コリョ)の血を引くアユ皇子が皇帝になれば 高麗(コリョ)出身者の天下だと!

これもすべて 元の民に高麗(コリョ)への恨みを抱かせるため
皇后バヤンフトが命じたことであった

ビョンスに金で雇われた族たちは もちろん金のためなら何でもする輩だが
次はマハ皇子を殺すと言われ怖気づく…!

『どうせ皇帝に見放された皇子だ!死んでるも同然!
明日の法要で 善業寺に出かけたところを殺れ 事を成せば一生安泰だ!』

マハ皇子を殺し アユ皇子を皇太子にする
これを高麗(コリョ)出身者のせいにすれば…

ビョンスに雇われた輩の頭は マクセンにも金で雇われていた
すべてを知ったシヌとマクセンは 皇后の卑劣なやり方に激怒する

『この事態を止められるのはキ・ヤン様だけだ』
『しかし ヤン様はマハ皇子の敵だぞ!』
『それでも止めねば…! 何て惨いことになっちまったんだ…』

2人の皇子は どちらもキ・ヤンがお腹を痛めて産んだ子なのに…
シヌは あまりに悲しい運命を嘆かずにはいられなかった

宮殿の庭園では

書物を抱えているマハ皇子が 父タファンに出くわし慌てて書物を隠そうとする
競い合いとなり 嬉々として学んでいる様子のマハを冷たく見つめるタファン

『愚か者め! 競い合いはそなたのためにするのではない!
アユを選ぶため 形式的に競い合うだけだ そなたに機会などあるものか!』

『父上 私のどこがそんなにお嫌いですか! 悪いところがあれば直します!』

『どこが悪いとかではない
そなたは… 生まれたこと自体が罪だ!

善業寺に 貴妃キ・ヤンの姿があった

ヨン尚宮の死により マハの出生の秘密を証言できる者がいなくなった
唯一証言できるとすればソ尚宮だが それは難しい
キ・ヤンが思案に暮れていると 宦官ブルファが新しい情報を持ってきた
タナシルリが焼き討ちを行った寺の 尼僧の知り合いが見つかったと…!

逆賊として死んだタナシルリに焼香する皇太后を 厳しく諫めるキ・ヤン
マハ皇子は 自分が頼んで連れてきてもらったのだと皇太后をかばう
それを無視し 祭壇に線香を捧げるキ・ヤン

『この焼香は タンギセに殺された私の母に捧げるもの
ちょうど皇子の歳の頃 私の母は殺され
そして皇子の祖父上により 父も無残に殺されました
奪われた大切な家族の敵を討とうと ここに眠る一族を倒したのです』

『もうやめよ!!!』

『皇子 私は決してあなたを殺しはしない
なぜなら 皇子は私の仇敵の一族ではないからです』

『何を言っているのだ!!!』

声を荒げる皇太后を全く無視し キ・ヤンはさらに言葉を繋ぐ
皇子が 祖父や母親だと信じている者たちを殺めた時 皇太后も手を貸したのだと!

『いつまで皇子を騙し操るのですか!
この皇子が実は何者で 一体誰が誰を殺めたか! 皇后の本性とはいかなるものか!
まもなく明らかになるでしょう

マハ皇子は 何が何だか分からなくなり混乱する
なぜ皇太后はこんなにも狼狽しているのか…
一体 何が明らかになるというのか…!

キ・ヤンが善業寺を後にしようとすると 門前でパン・シヌが待っていた
涙ながらにマハ皇子を助けてほしいと縋るシヌ!
なぜ自分がマハ皇子を助けねばならないのか… ヤンには思いがけないシヌの頼みだった

『このままでは マハ皇子は殺されてしまいます!
この世でただ一人! ヤン様だけがマハ皇子をお守りできるのです!!!』
『何を言ってるのです?』

宦官ブルファも マハ皇子が捨て子だったことしか知らない
なぜシヌが 涙ながらにマハ皇子の命乞いをするのか…

『パン内官?どうしたのです?』
『ヤン様 マハは… 星(ピョル)なのです…!!!』
『星(ピョル)…と言ったか?』
『はい ヤン様が死んだと思われている星(ピョル)なのです!!!』
『有り得ない 星(ピョル)は… もういない』

『違います!マハが星(ピョル)なのです!
王様とヤン様の間に授かった! 実のお子様なのです!!!』

『そんなはずは…!』
『足の甲に 星の形の3つのホクロがあるのです!
私がこの目で見たのです! ヤン様ぁ…!!!』

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奇皇后-ふたつの愛 涙の誓い- 第44話 皇帝の分身

2020-09-01 17:45:00 | 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- あらすじ
 “散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています
1話~11話はこちらで公開しています
 
※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります
 
 第44話 皇帝の分身 

『すべてはあいつの仕業だ!』
『ワン・ユと共謀したキ・ヤンは裏切り者だ!』

ヨム・ビョンスとチョチャムが 群衆の中から叫び民の怒りを煽る!
キ・ヤンは 皇太后と丞相ペガンの策略だと確信するが…

『この状況で私に味方する者は?』
『太師 太保 太傅の三公 そして主要な長官らも!
さらには軍の次官 地方の武将たちもいます!』
『たとえ時期尚早だとしてもやるしかない』

同じ時 タファンもまたヤンを救おうと考えていた
ワン・ユが到着したその時 有無を言わさず斬るしかないと…!

タファンが剣を振り下ろそうとしたその時!
ワン・ユを守るように前に進み出たのは ムソンとシヌだった
将軍タルタルもまた 今はまだ殺してはならないと進言する
駆けつけたキ・ヤンは 無理を承知で殺すべきではないと叫ぶ…!

『陛下 お待ちください!』

意外にも タファンの剣を下ろさせたのは 皇太后の嘆願であった
黒幕の正体を明かさずして殺すわけにはいかぬと…!

『その黒幕が私だと言いたいのですか?』
『それは私でなく民の思いだ!』
『陛下!私が疑われています!事の真相を明らかにしてください!
高麗(コリョ)王の処罰はその後に!!!』

タファンには ヤンがワン・ユをかばっているようにしか見えない
しかし… ヤンへの疑いは晴らしたい

『陛下 なぜ私を疑うのですか』

それは密書のせいだと… タファンは明かすことが出来ない
ならば自分で疑いを晴らすというキ・ヤン
去っていくヤンに タファンは成す術もない…!
またしても酒の力を借りようとするタファン
しかし 酒は断つと約束した
ヤンの心が離れていきそうで タファンは用意させた酒を片付けさせる

ワン・ユを尋問するペガン
誰の協力でこのようなことをしたのか
しかしワン・ユは やってもいないことに協力者などいないと答える
拷問してでも口を割らせたいペガンだが 皇太后がそれを止める
ペガンらを下がらせ ワン・ユと一対一で向き合う皇太后

『もともとこの征服戦争には無理があった そなたの行動は理解できる』
『何を仰りたいので?』
『そなたのことは許す しかし協力者の存在をそのままには出来ぬ
キ・ヤンの協力を認めれば廃位にはしない それが王座を守る唯一の道…!
あの者をかばう理由が? 私と手を組み取引をするのです』
『これは取引ではなく 皇太后様の謀りごとでは?』
『死を前にすれば考えも変わるでしょう その時を待つとしましょう』

キ・ヤンは 長官らに協力を求めるが…
高麗(コリョ)王をかばうことは得策ではないとの声が上がる
保身のためには高麗(コリョ)王を見捨てるしかないと…!

『それは 私を見捨てるという意味ですか!』

ここで 皇室には重大な秘密がある…と切り出すキ・ヤン
マハ皇子が 皇帝の実子ではないという秘密を今こそ明かしたのだ!

『マハ皇子はタナシルリが拾った子であり その証拠と証人は私の手にある
私がなぜ皆さんの後ろ盾になり なぜ皆さんは大金を手に出来たのでしょう
それは私の息子アユルシリダラが皇帝になった時 皆さんの忠誠を望むからです!
今こそ協力してほしいのです! これは頼みごとではなく…命令です!!!』

長官らは 困惑の表情から納得せざるを得ないという表情に変わっていく
今後はキ・ヤンの協力者ではなく キ・ヤンの命令で動く臣下に…!

惨い拷問が行われている牢獄へ向かい ワン・ユの助命嘆願をする長官たち
高麗(コリョ)の高官キム・スンジョより 帳簿はすべて偽物だとの密書が届いたと!

『陛下 その真偽は本人に聞くべきかと!』
『直ちにキム・スンジョを召喚すべきです!』

キ・ヤンの言葉に蒼褪める皇太后とペガン
長官のみならず 高官から軍の武将 隅々の役人まで
キ・ヤンに賛同し ワン・ユを無罪放免にと願い出ているのだ

皇帝タファンは キム・スンジョが到着するまでワン・ユを拘束せよと命じた
そして再び真偽を問うまで 水の一滴たりとも与えてはならぬと!!!
惨い拷問を受けたワン・ユが 命を長らえることが出来るのか…!
タファンは これが自分に出来うるギリギリの恩情だと言い放つ

果たして召喚されたキム・スンジョは秘密を守れるのか…
もしや既に キ・ヤン側へ寝返っているのでは…?
忌々しさを通り越し 皇太后はキ・ヤンに対し恐怖さえ感じていた
ペガンは 召喚される前にキム・スンジョを抹殺すると息巻く!

いつの間にか長官らを取り込んでいたヤンに 不快感を示すタファン
しかしヤンは アユの将来のためだと懇願する
母親が高麗(コリョ)出身だと 肩身の狭い思いをせぬように
ただただ息子を思ってしたことだと 浅はかな母性を主張するキ・ヤン

タファンは もう何も言うなとヤンを下がらせる
愚かな母心と言い張るが それでもこれだけの臣下を従わせられる
皇帝の座にいながら 何一つ思い通りにならない自分に比べ
国を動かすほどの影響力を見せつけたヤン
あれほど断つと誓った酒に 再び溺れるタファンであった

キ・ヤンは キム・スンジョ召喚に際し ヨンビスに密命を下す

行列は 高らかにキム・スンジョを乗せていることを謳い行進していく
ペガンの手下が猛毒の矢でこれを狙い あっけなく死んでしまうキム・スンジョ

『あの刺客は丞相の手の者だというのですか!』
『すべてペガンの腹心たち!』
『なぜ私が丞相に殺されねばならぬのだ!』

囮を立てたからこそ命を守れた
抹殺しようとしたペガンではなく 守ろうとしたキ・ヤン様を信じるべきと
ヨンビスは 囮の死に様を見せつけながらキム・スンジョを説得していく

ワン・ユたちは 一滴の水も与えられず意識さえ朦朧とし始めていた
そこへ現れたのは 意外にもマハ皇子である
水を与えられ感謝の言葉を述べるワン・ユに マハは…

『まだ死んでもらっては困る!死ぬのはキ・ヤンを捕えてからだ!』
『皇太后の指示なのだな!謀で真実を隠すことは出来ぬ!
母の敵を討ちたいなら 皇帝も皇太后も!ペガンとその臣下も殺すことだ!』

これ以上聞かせてはならぬと チャン・スニョンが立ち去ろうと促す

『ワン・ユは何を言っている!』
『お気になさいますな!』

怯える表情でワン・ユを見つめるマハ
ワン・ユが 真実の核心に触れようとしたその時!
皇太后が現れ マハを下がらせるよう命じた

『せっかく機会を与えたのに そなたは無駄にしたな!』

丞相ペガンが 皇帝にキム・スンジョの死を伝える
これでワン・ユを生かしておく理由はなくなったと
酒におぼれ酩酊状態のタファンは 民の前で奴を殺せと命じる…!

キ・ヤンは ヨンビスからの報告がないことに焦りだす
しかし キム・スンジョの死亡が報告されたならば間もなく知らせがあるに違いない
ブルファは 焦るキ・ヤンを鎮めるように希望の言葉を口にする

皇太后は ワン・ユの処刑に群がる民の中に手の者を配し
キ・ヤンも仲間だと叫ばせる そして処刑すべきはキ・ヤンだと煽っていく…!
タファンは ワン・ユさえ亡き者にすればヤンの心を得られると思っていた
しかし… キ・ヤンを殺せ!と叫ぶ群衆を前に成す術もない

その時!

『キ・ヤン様は救済米をくれたぞ!』
『我らは命を助けられた!』
『キ・ヤン様 万歳!!!』

なぜ秘密裏に行ったことを民が知っているのか…
それはキ・ヤンにもブルファにも分からない
心当たりがあるとすれば…
ヤンは 離れて立つ将軍タルタルの方へ視線を移す

キ・ヤンへの罵声は消えたが ワン・ユは処刑台へと引き摺り出された
ワン・ユの視界には ヤンの姿もヨンビスの姿も見えない

『まずは私から殺せーーー!』
『次は私を!!!』

パン・シヌとチェ・ムソンは 少しでもワン・ユの処刑を遅らせようと叫ぶ
たとえ自分たちが死んでも 最後の望みがあるうちはワン・ユを生かしたいと…!
首に縄をかけられ シヌは恐怖に打ち震える
しかし ワン・ユを救いたいという思いには 我が身の命さえ捨てられる覚悟があった
踏み台が外され苦しさに喘ぐパン・シヌ!
白目をむき意識が無くなろうとしたその瞬間 キ・ヤンが矢を放ち縄を切る!

『何をするのだ!』
『今すぐ斬り殺せ!!!』

ペガンの叫びを無視し キ・ヤンは皇帝の前に進み出る

『たった今 キム・スンジョが到着しました』
『何っ?!!! キム・スンジョは死んだのでは?!』

マクセンに護衛され 群衆をかき分けて現れたキム・スンジョ
さらにキ・ヤンは 丞相ペガンがスンジョに宛てた密書を差し出す…!

『密書には 偽の帳簿を作り高麗(コリョ)王の廃位を上奏せよと書かれています!』

蒼白になるペガン
うろたえる皇太后
しかしタファンは…

自分をあざ笑うワン・ユの幻影に怯えだし ワン・ユを殺せと絶叫する
すべてはペガンの謀だったと すべての民衆が知ってしまった
無実の高麗(コリョ)王をこの場で殺せば 民心がタファンを許さない
キ・ヤンは 泥酔状態のタファンを早く中へ!と命ずる

しばらくして 眠りから目覚めたタファンの枕元にはペガンが付き添っていた

『確かに 私は愚かな真似をしました
しかし誰よりワン・ユの死を望んでいたのは 陛下ご自身では?
あの者を殺せていれば 少しでも陛下のご心労を減らせていたものを…』

すべては陛下のために…
その言葉で ペガンは皇帝の心を掴む
しかし 民の知るところとなった罪に対し 処罰しないわけにはいかなかった

一方 ワン・ユの処遇は

ひとつの悪事がペガンの謀だったとしても すべての罪が許されるわけではなかった
元と交流のある臣下を排除し 貢女(コンニョ)や援軍を拒んだことは重罪に値する
これによりワン・ユには 辺境への流罪とする処分が言い渡された

※貢女(コンニョ):高麗(コリョ)は元への貢ぎ物とした女性

謹んで命令書を受け取りながらも ワン・ユはペガンも処罰されるべきだと訴える
承知しているという表情で タファンはペガンを傍らに呼ぶ
コルタに持って来させたのは 1つの印章であった

『今後 重要な書類には玉璽と共にこの印象が押されることになる
また我が国に危機が及べば この印章が玉璽と同等の効力を成す
丞相ペガン この印章を受け取れ!』

その場に居合わせるすべての者が驚き どよめきが広がる
皇太后にも知らされていなかった決定であり ペガン自身も呆然としている

『謀反の企て以外には どのような罪にも問わない
朕の他には 誰も丞相の権限を超えることは出来ぬ!
まさにそなたは 朕の分身そのもである!!!』

ペガンは タファンの父親に取り立てられ武将となることが出来た
その恩義により 丞相ヨンチョルに虐げられるタファンを ずっと守ってきたのだ
その事実を知ったタファンは ペガンの忠誠心に応える形で“分身”としたのだった

牢獄のワン・ユは ムソンとシヌに高麗(コリョ)へ帰るよう命じるが
2人は涙ながらに 流刑地へお供すると訴える
そこへ キ・ヤンが会いに来る

『私を消そうとする皇太后とペガンが ワン・ユ殿を巻き添えに…!』
『強大な力を与えられたペガンが何をするか… ヤン様のことが心配です』
『もっと力をつけ 必ずワン・ユ殿を放免いたします!』

自分こそ謝らねば… と目を伏せるワン・ユ
まさか… と全てを悟り 怒りをあらわにするキ・ヤン…!
ワン・ユが 敵国に硫黄と硝石を売っていたのは事実だったのだ

『この戦は 決して元が勝ってはならなかった』
『だからと言って!!! 私は元の国の皇帝の側室だとお忘れですか!
…もはや同盟は結べません! 終わりです!!!』

キ・ヤンは 虚しさに涙を滲ませる
一体自分はどの国の人間なのだろう
元の者にもなり切れず 今や高麗(コリョ)の者でもない
トクマンによれば 我らはもう自らの力で身を守るしかない存在なのだという
ブルファの言葉を聞き ハラハラと涙を流すキ・ヤンであった

丞相ペガンは ワン・ユの移送を将軍タルタルに命じた
そして自らは途中の山中で待ち伏せ ワン・ユを亡き者にするという…!

『それは皇命なのですか?』
『陛下には始末してから報告すればよい!』
『しかしそれでは…!』
『案ずるな 陛下の望みを叶えるだけだ』

ワン・ユを待ち伏せているのはペガンだけではなかった
タンギセもまた 今こそ敵を討とうとワン・ユを待ち構えていた

ペガンは ワン・ユを亡き者にしようとするが 一方的に命を奪うのではなく
剣を握らせ 同じ武将として 同等に戦い命を奪う選択をした
闘う2人を襲ったのは タンギセの一団だった
共に矢を受け ペガンはタルタルに援護されて退却!
ワン・ユは重症の傷を負いながら山中に倒れているところを ヨンビスらに発見される

執拗に追いかけてくるタンギセの一団!
チョンバギは自ら囮となって敵を引き付ける!
ヨンビスは 瀕死のワン・ユを抱き締めながら死なないで!と泣き叫ぶのだった

同じ時

皇帝タファンは 皇后バヤンフトと側室たちを招き宴を開いていた
そこへ 招かれていないキ・ヤンが現れる
酒を断つと約束したことを持ち出すと タファンは冷たく拒絶した
あんなにも寵愛していたキ・ヤンが これほど冷たくされることはなかった

他の誰かへ寵愛がうつったわけではない
これほどの寵愛も これほどの冷たい仕打ちも 他の側室たちは経験がない
それは 皇后バヤンフトにとっても同じことである
皇帝タファンの心には 良くも悪くもキ・ヤンしか存在していないのであった

皆の前で冷たく追い返されたキ・ヤンは 放心して居所へ向かう
すると目の前に ここにいるはずのない将軍タルタルが立っている…!

『将軍 流刑地に向かわれたのでは? そのお顔の傷は?』
『……』
『…ワン・ユ殿の身に何か?!』
『ワン・ユ殿は… 死にました』
『え? 今なんと? 死んだ…のですか?』
『……』
『誰が… 一体誰がワン・ユ殿を殺したのですか!!!』

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奇皇后-ふたつの愛 涙の誓い- 第43話 廃位の上奏

2020-08-24 09:00:00 | 奇皇后 -ふたつの愛 涙の誓い- あらすじ
 “散る花と咲く花がいつもここにある”のブログより移行しています
1話~11話はこちらで公開しています
 
※このドラマは実在した奇皇后の物語ですが 架空の人物や事件が扱われ
史実とは異なる創作の部分があります
 
 第42話 刻まれた溝 

皇帝タファンは 3,000の兵で2万の敵と戦った将軍を斬り殺した
その刃は他の者たちにも向けられ 誰もがその狂気に身震いする
『ど…どうか助けてください!』
嘆願の声が タファンの耳には違って聞こえた
(ヨンチョルの操り人形だった者め!)
(お飾りの皇帝!)
(能無し!)

丞相ペガンは さらなる凶行を防ごうと タファンの前に立ちはだかる
たとえその首に剣を突きつけられようとも 決して動こうとしない
今にも剣が振り下ろされようとしたその時!
間に割って入ったのはキ・ヤンであった!!

ヤンに抱き締められ ようやく正気を取り戻すタファン
ワン・ユからの密書は定期的に届き 常にそれを黙認してきたタファンである
狂おしいまでのヤンへの愛情と憎しみ
それでもなお タファンが正気を保てているのもまた ヤンの存在があればこそなのだ

『陛下 どうか戦をおやめください 撤兵するのです』
『そうなれば私は敗者となってしまう 笑い者になりたくはない…!』
『ならばお酒を断ってください』
『……約束しよう』

この様子を 息を殺して侍従コルタが見守っている

『陛下の 私を見る目が変わりました』
『……』
『何かあったのなら 私にお話しください』
『いや いいのだ …私は… そなたさえいてくれたら』

タンギセとヨム・ビョンスは

もう5年間も偽の密書を送り付けているのに 何の変化もないと焦っている
なぜキ・ヤンは側室の座におさまり続けているのか…!
なぜ裏切られてもなお タファンはヤンを寵愛するのか…!!

タンギセは イル・ハン国の間者から届いた報告書に目を通す
高麗(コリョ)が イル・ハン国に硫黄と硝石を横流ししているというのだ

※イル・ハン国:1260年に成立したイラン高原のモンゴル系国家  現在のイラン周辺

ビョンスは ヨン尚宮と連絡を取り合っているが
次に会う時は ソ尚宮も同行させよとタンギセの命を受ける

『この報告書を皇太后に渡す』
『皇太后が動きますか?』
『マハを育ててくれているのだ これくらいの協力はせねば
あれは野心の強い女だ 今でも実権を握りたいだろうさ』
『メバクの頭には?』
『知らせろ』

マハ皇子には 一切の教育を禁じるとの皇命が下っている
しかし皇太后は 密かに文字を教え皇帝になるべく教育してきた
一日も早く武芸も習いたいというマハ皇子だが 表立っては皇帝に気づかれてしまう
皇太后と 同席する皇后バヤンフトは いつか必ず…とマハを励ますのだった

一方 キ・ヤンの息子アユルシリダラは

付きっ切りでヤンが教育しているが 遊びたい盛りの腕白さで勉強に身が入らない
ヤンもまた そんなアユ皇子を可愛がり 根気強く見守っている
皇帝に疎まれて育ったマハに比べ たっぷりの愛情を受けて育ったアユ皇子
その性格にひねくれたところはなく いかにも愛らしい幼子であった

イ尚宮が 陛下の元へ挨拶に行く時間だと アユ皇子を迎えに来た
嬉々として席を立ち イ尚宮と手をつなぐアユ
父である皇帝にも もちろん会いたいが アユのお目当てはマハだというヤン

『マハ皇子を 警戒すべきでは?』

成長するにつれ性格が歪み始めたマハ皇子
宦官ブルファは アユ皇子に災いが降りかからないかと心配でならなかった

2人の皇子が並んで挨拶すると タファンはアユだけを傍に呼ぶ
マハとは目も合わせず そこにいないかのように無視した
習い始めた「千字文」を朗読させると 途中で分からなくなるアユ

『兄上なら全部言えます!』

アユの言葉に みるみる怒りがこみ上げるタファン
マハは 蒼褪めて下を向く
孫の窮地を救うように『私が教えました』と口を挟む皇太后

『なぜですか! なぜ文字も武芸も習ってはいけないのですか!!!』
『理由を聞くのも禁ずる!』
『なぜですか!!!』
『無礼者!!! マハの挨拶は受けぬ! 下がれ!!!』

涙を流し うなだれて退室するマハ皇子
アユ皇子は 後を追いかけるようにタファンの膝から降りた

2人の皇子が退室し 声を荒げる皇太后
その昔 丞相ヨンチョルは 幼いタファンに文字も武芸も禁じた
成長するにつれ 酒と女をあてがい ただ生きることだけを許していた

『陛下は ヨンチョルと同じことをマハになさるのですか!』

『同じこと? それは皇太后様の方でしょう なぜマハを可愛がるのです?
マハを皇帝にして また実権を握りたいのでは?!
タナシルリを処刑しておきながら なぜ今になってマハを?』

『それは陛下の嫡男だからではありませんか!』

『もう結構! たくさんです!
“愚か者として生きよ”と マハに言い聞かせては? そうやって育ててください
それでこそマハは 生き続けられる…!』

退室したマハ皇子は 貴妃キ・ヤンに出くわし いつになく粗暴に振舞う
あまりな態度に ヤンは 貴妃として毅然とした口調でたしなめるが…
この世で最も憎い者を見る目つきで睨み返し 立ち去るマハ!
慌ててマハを追って来た皇太后は キ・ヤンの姿を忌々しく凝視する…!

皇后バヤンフトが 2人の対峙を冷たい視線で見つめていた
次期皇帝の座を争い 皇太后かキ・ヤンのどちらかが消える
自分が出るのはそれからでも遅くはないと ほくそ笑むのであった

ビョンスの案内で タンギセとソ尚宮が再会した
ソ尚宮は 陛下に疎まれながら育つマハ皇子の窮状を 涙ながらに報告する

『この伯父が生きていると 今こそマハに伝えるのだ!』
『承知いたしました!』
『この文書を皇太后に “西域の商団から”と伝えよ!』

なぜこうも戦の敗退が続くのか… イル・ハン国の火薬は尽きることがなく
それが劣勢に繋がっていると 丞相ペガンは考えていた
その火薬を手配している者こそワン・ユであると 皇太后が報告書を渡す
ワン・ユを糾弾し廃位に持ち込めば 民の怒りの矛先は高麗(コリョ)に向くと…!

それが真実でも証拠が無ければ… と躊躇するペガン

『高麗(コリョ)の協力者に偽の帳簿を作らせなさい』
『偽物とは…』
『悪事は事実なのですから 偽物で糾弾出来るならそれでいいのです!』
『分かりました 廃位の上奏と偽の帳簿を揃え 陛下に報告しましょう』

まずはワン・ユを糾弾し 続いてキ・ヤンを捕えるつもりの皇太后
今の皇帝は キ・ヤンを寵愛し過ぎている
動かぬ証拠を突きつけた上で 一気にヤンを倒そうとほくそ笑むのだった

ワン・ユ廃位の上奏は高麗(コリョ)の協力者キム・スンジョによって書かれた
多量の軍事物資をイル・ハン国に売り捌き その利益で傭兵を養っている
いずれは元の支配下にある遼東を奪う気であると…!

実際は この取引で得た利益は 戦で苦しむ民のために使われている
元の各行省らがキ・ヤンの策に協力し実現した 画期的な救済策であった

いつもキ・ヤンを無視するマハ皇子が ヤンの行く手をふさいだ
間もなく高麗(コリョ)の国王が廃位されることを知っているかと問う

『今夜 廃位の上奏が届きます』
『なぜそのことを?』
『母上の敵のことですから 知っていて当然でしょう!』

マハに付き添う皇太后が ほくそ笑みながらヤンの横を通り過ぎる
これでキ・ヤンが動き ワン・ユに連絡するだろうと…!

その夜

親衛隊が上奏と偽の帳簿を奪い 宦官ブルファに渡す
事態は 皇太后が目論んだとおりに動いていた
あとはワン・ユの配下に接触したところで キ・ヤンを捕らえるだけである
その任は ペガンから将軍タルタルに命じられた

しかしヤンは 帳簿が偽物であることをすぐに見抜く
一刻も早くパン内官に連絡せねば…!
そこへ イ尚宮が駆けつけ何やら耳打ちする

一瞬の狼狽を見せるキ・ヤンだが 間もなく外出する
待機していたタルタルは 浮かぬ表情でヤンを尾行するのであった…!

『ヤンが裏切っただと?!』

皇太后とペガンの報告を受け にわかに信じがたいタファン
もちろん ワン・ユからの密書は承知しているが この5年間何事もなかった
自分さえ黙認すれば このまま平穏が続くと信じていたのだ

『絶対にあり得ぬ!』
『しかし 上奏と帳簿を奪ったのですぞ!』
『いつまでヤンを野放しに?』
『ワン・ユと結託するなど… 処刑にすべきです!』
『ならぬ!!!』

そこへ 貴妃キ・ヤンが謁見を求めているとの知らせが入る…!
奪った上奏と帳簿を手にして現れたヤン
皇太后とペガンは この予想外の行動に蒼褪める!

同じ時 宦官ブルファは トクマンに会っていた
イ尚宮を通じ 皇太后とペガンの企みを伝えてくれたのはトクマンだったのだ…!

『勘違いするでない! これは高麗(コリョ)出身者を守るためだ!』

キ・ヤンが処刑されれば 元に住む高麗(コリョ)出身の者たちは皆殺しになる
その者たちを助けたい一心で行動したまでのこと… 今度だけだと言い張るトクマン
もはや高麗(コリョ)の民でもなく 元の民にもなり切れない
そうして生きてきたトクマンの 切実な人生を思うブルファであった

将軍タルタルは 廃位を拒まれれば事態が複雑になると主張し
まずはワン・ユを 元に呼ぶべきだという
またペガンは 高麗(コリョ)に攻め入りたいが 負け戦続きでその余力もないと…!
そこでタファンは チャン・スニョンを使者に立てよと命じるのだった

散会した後 キ・ヤンは 帳簿が偽物である可能性もあるとタファンに告げる
ワン・ユに敵対する勢力は 廃位を心から望んでいると…!

『ワン・ユに会えばすべてが明白になる』
『まずは真偽を確認すべきでは? 一国の王を廃位するとなれば容易ではありません』
『ワン・ユと結託した者は皆殺しにする!たとえ臣下をすべて失うとしてもだ!』

ペガン以外 すべての長官が結託しているのだ
いかにタファンの意思が固くとも その事実はタファンを打ちのめすだろう

『そなたが疑われていることが心外なのだ 必ず結託した者を捜し出す!』

一刻の猶予もなかった
パン内官とヨンビスに事態を伝えねば…!

ヤンは焦り始めていた
もしワン・ユが元に連行されれば 決して廃位されるだけでは済まないだろう
しかし今動くのは危険だと ブルファが必死に止める

一方 マハ皇子は

自分も使者として高麗(コリョ)に行きたいという
まだ子供であるマハだが 母の敵をこの手で連行したいと強く申し出た
このマハの健気な姿に 思わず涙が滲む皇太后
しかし… マハは 密命により動いていたのだ…!
ワン・ユを 国境付近まで連行したところで 伯父タンギセと落ち合う手筈である!

輿に乗り 高麗(コリョ)へ向かうマハの行列
パン・シヌたちは その成長した姿を涙ながらに見守っていた
なぜ突然マハ皇子が高麗(コリョ)へ向かうのか…
感動しながらも シヌは胸騒ぎがしてならなかった
そして この場をマクセンとチョンバギに託し 一目散に行列の後を追うのだった!

一方 タンギセとヨム・ビョンスは メバクの頭に会いこの事態を報告していた
すでに承知しているという頭 その手を見たタンギセは 頭が女ではないかと疑う

『高貴な女といえば… 皇太后か皇后で?』
『なぜ我々に協力するのか探らねば どう利用できるのかも分からぬ』

その夜 キ・ヤンは 将軍タルタルに会う
タルタルはすでに ヤンが 秘密資金で民を救済していることを知っていた
軍部の者と 朝廷の者らを買収するためにも 秘密資金は使われたと

『私の命は タルタル様次第なのですね』
『まだ私の知らない行いを?』
『いいえ』
『今年も飢饉が続きます 救済米を増量すべきです』

足早に立ち去ろうとするタルタル
その背中に もう監視はおやめください と声をかけるヤン

『今後は 私を支援する道を! 助けてほしいのです』
『それが高麗(コリョ)王を救えという意味ならば… 従えません』
『秘密資金はすでに使い果たしました
元の民を救う資金は ワン・ユ殿が調達しています 助けてほしいのです…!』

高麗(コリョ)の都 開京(ケギョン)では

マハ皇子が 初めて元の国以外の都を眺めていた
一行より早く到着したパン・シヌは ワン・ユに謁見しマハ皇子の来訪を告げる
幼いながらも 出迎えようとしない高麗(コリョ)王に対し威厳を見せるマハ
王が出迎えるまでは いつまででも外で待つという

ほほう…? と笑みを浮かべ それではその意志の強さを試すというワン・ユ
そして日が暮れようとする時間になり ようやく出迎えに現れる

チャン・スニョンが 元の皇帝からの書簡を読み上げる
元に関係する臣下を排除し また貢女(コンニョ)や宦官を差し出すことを禁じ
ことごとく元の皇帝に逆らったことについて 弁明の機会を与えるという内容である

儀礼的な出迎えを終え ワン・ユは 親しみを込めたまなざしでマハを見る
しかしマハにとって それは不遜な目つきでしかない

『昔 まだ幼い皇子を よくこの腕に抱いたものです お忘れですか?』
『私は母上の敵を見に来たのだ!』

パン・シヌは あまりに強い口調の皇子に驚きを隠せない
知らないとはいえ 感動的な父と息子の再会なのだ マハはなぜこのような…

『確かに母上は非業な最期であった しかし複雑な事情があったのだ
結果だけに固執し 詳しく事情を調べないのは間違っている』

『元の皇子に説教するのか! 私が皇帝になったらただでは済まぬ!!!』

立ち去ろうとして ワン・ユはさすがに驚き マハを見つめる
これがあの星(ピョル)? シヌもチョンバギも凍りつく

『母上を殺した敵国を このままにはせぬ!』
『自分の感情さえ抑えられぬ者に 復讐などする資格はない
もっと深く学ばねば』

なぜマハはここまで歪んでしまったのか… 哀れでならないワン・ユであった

マハは ワン・ユの言った“複雑な事情”という言葉が気になっていた
母の死には 何か自分が知らされていない事情があるというのか…

一方 ヨンビスとマクセンは

チョンバギの知らせにより ワン・ユが元の皇帝に呼びつけられたと知る
廃位の詔書を突きつけられるとも知らず ワン・ユの一行は国境付近へ…!

マハ皇子は この野営の地で 伯父タンギセと涙の対面をする
今となっては タンギセこそただ1人の身内であり 唯一頼れる存在であった

『皇子様 今宵ようやく亡き母上の恨みを晴らすことが出来ます!』

寝込みを襲われたワン・ユは 抵抗むなしく捕らえられてしまう
ムソンとパン・シヌと共に縛り上げられ マハ皇子の前に引きずり出された
マハの隣には 行方不明となっていたタンギセが…!
そして ヨム・ビョンスとチョチャムの姿も…!

マハの命令で チャン・スニョンが廃位詔書を読み上げた
大逆罪人であるワン・ユは これより高麗(コリョ)の王ではなく罪人として扱う!
知らぬとはいえ マハは 実の父親を“大逆罪人”と呼んだ
シヌは あまりに残酷な運命のいたずらに凍りつく…!

王衣を剥ぎ取られ 鞭で打たれながら大都への道を連行されていくワン・ユ
母を殺した憎い敵なのに マハはなぜか心が痛むのだった
やがて大都に入ると 我が国を敗戦国にした高麗(コリョ)王に対し罵声が飛ぶ
群衆に紛れ 涙ながらに見守るヨンビスたちの姿があった…!

皇帝タファンは ひざまずくワン・ユに対し 万感の思いで剣を抜く!!!

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