南相馬小高の風景
1つ目は、思想上の包囲戦略です。反共主義、社会主義の国家を押さえ込む戦略です。現在は、中国を想定した封じ込め戦略がとられています。かつてはソビエト、中国、東欧が対象となっていました。しかし、ソビエトの崩壊で、中国のみが対象となっています。その防波堤、アメリカ軍の前線基地が、韓国、フィリピン、日本(特に沖縄)となっています。普天間基地移設を沖縄にこだわるのも、オスプレイ配備を沖縄にこだわるのも、全てこの中国対策と関係があると考えられています。また、インドの核兵器保有を認めたのも対中国戦略との関係だと言われています。
2つ目は、資源確保の戦略です。特に化石燃料の確保です。そのために、中東のサウジアラビア、クウエート、(イスラエル)などの政権を親米にしておく政策です。反対にイラク、イランなどイスラム圏で反米と見られる国家を封じ込める対策を採っています。イスラエルはその中でもアメリカ型政治、経済の体現者として関係を保っています。エジプトへの軍事援助もこのイラン、イラクの包囲網に欠かせない役割でした。これらの仕組み、関係を崩す、挑戦するような動きを軍事力で破壊したのが、ブッシュによるイラク侵略戦争です。
3つ目は、EUとの関係です。アメリカの代弁者はイギリス、EUの中心国はフランス、ドイツです。この関係の中で、EUが反アメリカとならないように、軍事(NATO軍事同盟)、経済を通じて、アメリカの影響力を維持し続ける。その意味では、ギリシャ、スペインなどの財政危機は、アメリカの世界戦略から見たら、歓迎すべきことなのかもしれません。IMFなどを使った、アメリカの関与が継続しています。
4つ目は、アメリカ型経済ルールの普及です。これが、グローバル化といわれる戦略です。アメリカの大手企業、多国籍企業、大手金融機関が人、もの、金を使って、世界各国で利益を上げる仕組みを作り上げる戦略です。この代表的な戦略が今問題となっているTPP協定です。したがって、この協定が日本のためになるというような「無責任な見解」(民主党政権)は、アメリカ側からみたら「笑止の沙汰」です。アメリカ企業が他国でいかに活動し、利益をあげるかを協定として相手に飲ませることが趣旨です。したがって、日本の制度、仕組みが抜本的に改変されるといわれるのは、このことをさしています。
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