“さるかに合戦”  臼蔵 と 蜂助・栗坊 の呟き

震災や原発の情報が少なくなりつつあることを感じながら被災地東北から自分達が思っていることを発信していきます。

デフレ問題と政治経済運営

2013年01月26日 15時00分00秒 | 臼蔵の呟き
デフレがなぜ続くかは、この前に書きました。このデフレがなぜこれほど続き、解決しないのか。また、中央銀行に金融緩和、市中への現金供給100兆円を超えるところまでやらせしまったのか。しかも、国債の買い上げを日銀が行っている。

資産デフレ、消費デフレの循環を止めることが出来ていない。財政による景気対策、公共投資を行った結果、膨大な赤字国債が自公政権時代に積み上げられこの20年間で天文学的な1000兆円(税収の25年分の相当している)に達しっている。個人の借金であれば破綻しているのと、法的な制限を受ける領域に達してしまった。その原因をあいまいにし、責任をまったく取らない自民党、官僚機構が堂々と存在し続けている。このことこそが元凶であり、異常で無責任な政治経済を作り出している。問題の本質は生活保護受給者でもないし、高齢化社会でもない。まして、大手企業の輸出が円高で減少することでもない。

日本企業は今まで、大量生産、大量消費の時代にのって、海外輸出を行い、生産規模を拡大し、過剰な生産設備を抱えてしまった。大手家電企業、自動車産業を見ても明らかである。自動車も一社存在できるかどうかの人口しかない日本で、トヨタ年間1000万台、ホンダ、日産、マツダが2000万台近い生産能力を有していることが異常なのだと思います。日本人が1.2億人でその7割が自家用車を持ったとして、4000万台が上限です。耐用年数8年として、1年間で自動車購入台数は500万台が上限です。机上ですが日本の自動車産業の能力は日本国民の購買力の少なくても2-4倍の生産能力を持っていることになります。海外生産もあり、現実には2倍程度になると思います。したがって、このような産業構造が日本の社会構造、人口構造と合致していないことからくるデフレであると考えられます。このことは、鉄鋼、家電、パソコンなどでも同様にいえると思います。

この点では、各業界でいくつかの企業が廃業するしか解決策はなくなることと思います。人口の減少、少子高齢化に見合った生産能力に調整される局面が必ず来ます。家電などはそのことが現実に進行しているのだと思います。また、韓国、中国、東南アジア各国が経済的な発展をして、生産能力を有して、消費国としても発展しています。安い労働力を使った大量生産、大量消費型の製品、産業は海外の新興国産業の圧力を受けます。国内外の影響を受けています。

日本でしか生産できない技術、産業を育てる以外に道はないと思います。環境保護、高度医療、再生可能エネルギー産業、高齢化社会向けの設備、産業などです。また、世界的な食料不足に対応した一次産業の構築などです。世界各国から歓迎され、他国を支援できるような産業育成、構造こそが課題です。
人気ブログランキングへ

デフレ問題

2013年01月26日 11時00分00秒 | 臼蔵の呟き



山形県の有名なお蕎麦屋さん

金子勝教授の「経済大転換」筑摩書房という本があります。その中に、「地域デフレを食い止める」という章があります。

このままの状況を市場任せにして放置すれば、やがて1つの「生態系」としての都市空間が維持できなくなるだろう。問題は、起きている現象の本質が理解されていないこと。いまや、日本経済はデフレの悪循環に陥り、長期停滞局面に入っている。市場に任せておいても、事態は改善されないどころか、ますます悪化する。この長期停滞は、バブル崩壊に伴う資産デフレから始まった。地価や株価などの資産価値の暴落が、設備投資や個人消費を冷え込ませる一方で、不良債権を累積させて銀行の貸し渋り、貸しはがしをもたらした。不良債権処理が失敗し、普及が長引き、雇用、年金制度の動揺から将来不安がもたらされ、消費の低迷が続いている。企業はモノやサービスが売れないために、価格を引き下げる。そのために雇用リストラが繰り返す。(悪循環の連鎖)それがまた、人々の将来不安を増幅させる。

人々の間に低価格志向が定着すると、より労働コストの安い中国、東南アジア諸国に生産拠点が移動する。日本における産業空洞化が加速されると同時に、より低価格の商品が逆輸入されてデフレが一層ひどくなる。

このように資産デフレ→消費デフレ→輸入デフレが生じてきた。デフレの最終局面は地域デフレになってゆく。このデフレは日本だけでなくて、世界同時デフレの様相を帯びてきている。輸出が増えないまま地域デフレを放置すると、国内市場も狭小化してゆきデフレ不況は一層深刻化してゆく。町や村の崩壊は一層加速することになる。

これが金子教授の分析です。対策は超金融緩和でないことは分かります。また、東京以外の地域が過疎化、自治体機能崩壊、担税力が無くなってゆくことがよく分かります。ここに、被災後の東北の再生、復興の持つ意味があると思います。特区を作ることが再生の鍵という野村総研、宮城県知事の的外れな見解は論外です。また、TPP交渉で一次産業を破壊すると取り返しがつかない被害を将来にもたらすことが分かると思います。

人気ブログランキングへ

原発事故で放出のセシウム 子牛、母牛の1.5倍蓄積

2013年01月26日 07時52分44秒 | 臼蔵の呟き


福島第一事故からまもなく2年が経過し、3年目に入ります。汚染された動物の放射性物質の蓄積、影響が検査により、徐々にわかりつつあります。今までの学説で言われてきた内容と違った結果がでています。食物などで体内に入ったセシウムは排出されるとしていましたが、実際には異なっていることが調査から分かりました。

<原発事故で放出のセシウム 子牛、母牛の1.5倍蓄積>

 東京電力福島第1原発事故で、動物の放射性物質の体内蓄積メカニズムを調べている東北大加齢医学研究所の福本学教授(病理学)らの研究グループは、子牛の方が母牛より高い濃度のセシウムを蓄積していたとの調査結果をまとめた。

 グループは2011年8~11月、警戒区域に指定されていた南相馬市と福島県川内村で捕獲され、行政が殺処分した雌の成牛63頭と原発事故後に生まれた子牛13頭を解剖。臓器や骨格筋、血液に含まれる放射性物質の量を測った。成牛3頭は妊娠していて、その胎児も調べた。
 親子3組でセシウム137を比較すると、1キログラム当たりの蓄積量は、平均して子牛が母牛の約1.5倍に上った。胎児も平均で母牛の約1.2倍だった。
 福本教授は「代謝が活発な子どもは放射性物質の排出が早いとされており、やや意外な結果だ。長い間放射性物質を摂取し続けた場合は傾向が異なる可能性があり、今後の調査に反映させたい」と話している。
 研究成果は23日、米オンライン科学誌プロスワンに掲載された。
人気ブログランキングへ

沈黙と無関心

2013年01月25日 15時00分00秒 | 臼蔵の呟き

南極、北極の氷です。何万年もの空気が閉じ込められています。

理由はあるはずですが。昨年の12.16総選挙結果もそうでした。政治を大きく変えるチャンス、機会であったはずですが。
このような沈黙と無関心を大量に作り出す社会的な仕組み、教育制度、正直にものが「ばか」をみる社会制度を変えない限り、簡単に断ち切ることは難しいのだと思います。
デフレスパイラルもそうですが、悪循環に入れば、簡単にその循環から抜け出せません。江戸幕府が倒れて、薩長が倒幕を行い封建制度が否定されました。その間、670年くらいの年月が経っています。新自由主義、市場原理至上主義が全世界を席巻しています。日本だけではありません。小泉、甘利、麻生、安倍、竹中平蔵、東大の御用経済学者、大手企業経営者が有識者として宣伝、持ち上げられているのが現在の状況です。彼らが、歴史的に総括され、断罪されるまでもう少し、時間を短くする必要があると思いますが。
<筆洗>
 <歴史にはこう記されるだろう>。二十世紀の米国で公民権運動をリードしたマーチン・ルーサー・キング牧師の言葉は続く。<この変革の時代において、もっとも悲劇的であったのは、悪人たちの辛辣(しんらつ)な言葉や暴力ではなく、善人たちの恐ろしいまでの沈黙と無関心であったと>▼悲惨な事件が起きると、犠牲者に同情するが、その記憶は日常生活に埋没してしまう。そして、目の前で起きている現実の問題には目をつぶり、何もなかったように日々を過ごす。そんな私たちの臆病さが鋭く批判されている気がする▼キング牧師は<消極的に悪を受けいれる者は、悪を行うことを助けるものと同様に悪に巻き込まれているのだ>とも演説していた。
▼オバマ米大統領は二期目の就任式で、二冊の聖書を手元に置いて宣誓した。奴隷解放を宣言したリンカーン大統領愛用の聖書とキング牧師が使った聖書だ▼就任演説では、銃規制強化や同性婚といったリベラル色の強い課題の実現に踏み込んだ。下院の過半数を占める共和党との対決も辞さない強い決意がにじんだ▼残念だったのは「核なき世界」に触れなかったことだ。内政課題に立ち向かうのに精いっぱいで、核軍縮の理想を語る余裕はないのかもしれないが、ノーベル平和賞を歓迎した世界の声を忘れてほしくない。
人気ブログランキングへ

東京電力の刑事責任

2013年01月25日 11時00分00秒 | 臼蔵の呟き

東京電力福島本社幹部(患部)

福島県小高町の使用禁止のポスト

飯館村の役場前線量計

東京電力の元会長勝俣、元社長清水に対する事情聴取がされたと報道されました。3.11事故以来2年がたってもこの有様です。しかも、彼らにの刑事責任は問えないとーーー報道にはあきれるばかりです。刑法に基づき、何人も平等に法が適応されることは当然です。しかし、小沢一郎の政治資金問題もそうですが、社会的な常識とかけ離れていることに対して国民が疑念を持っていることを法が裁けない。こんなことで法治国家といえるのかが問われているのだと思います。
東京電力福島第一原発事故で約16万人、立地自治体が全て自治体としての機能が破壊されるような事故に見舞われて刑事責任が問われないのであれば、法律などは意味をなさない。
無銭飲食をすると法律で処罰されます。無銭飲食で食堂、その企業に経済的な損失を与えたことは確かですが、このくらいの罪であっても法律で処罰されるのに、16万人もの県民が避難し、自治体機能が破壊され、数十兆円もの税金が投入される、投入されつつある東京電力の管理責任が問えない。検察も含めて原子力ムラのふざけた連中の政治、法律上の倫理観は救いがたい。
彼らが自然災害であること、人災であることを認めないこと。誰が考えてもおかしな理屈、態度が許され、まかり通るからこそ、関西電力、九州電力が政治資金の提供、立地自治体への寄付、世論操作を行っても許されると傍若無人な態度を改めようとしない。平気で事故の原因究明、事故から学ばず、自分たちは大丈夫とーーー何の根拠も無く、再稼動をさせる。民主党野田は選挙で負けて、首相の座を降りてしまい、政治的な責任はとれもしないし、とろうともしていない。東京電力、民主党野田、枝野、細野、仙石、原発をこれだけ作らせた自民党も責任をまったく取っていない。こんな倫理観のない政治家、政権党、官僚組織はない。
人気ブログランキングへ