精華よもやま話   佐々木まさひこ議員のつぶやき

京都・精華町会議員佐々木まさひこのローカル日記

100,000年後の安全

2011年07月07日 14時57分41秒 | 各地・分野の動向

 タイトルにした「10万年後の安全」とは、映画のタイトルである。先日観てきた。

 北欧で製作された映画。全編約80分程度で、エンターテーメントとしては「面白い」とは言えないが、今日本で起こっている原発問題を考える時には、非常に参考になる。

 物語ではない。原発などから排出される「放射性廃棄物」
 実は、毎日たくさんの廃棄物=核のゴミが出ているにもかかわらず、これらをどのように処理して処分するかは、日本を含め多くの国では「決まっていない」。
 当初は、再処理とか埋設などの「循環」を作ろうとしたものの、ことごとく失敗していて、むしろその「循環」を作り出すための施設が、さらに国民を危険にさらしている状況である(「もんじゅ」など)。
 放射性物質の半減期(放出エネルギーが半分になる時間)は、いろいろだが長いものは「数万年単位」となる。注意すべきは、その数万年たっても無くなるわけではなく、「半分になる」だけだ。例えば、半減期2万年の放射性物質は、2万年後に1/2、4万年後に1/4、6万年後に1/8、8万年後に1/16・・・になるということだ。

 現在ある国で、この核のゴミを埋設する施設が建設されている。完成予定は2100年ころとのことで・・・いったい人件費も含めたら途方もない金額が必要になるのだろう・・・
 10万年間地中に閉じ込める計画ということになる。

 ところが、原始人類は除いて文明・文化を持つような人類誕生からの時間は、地球ができてからの「ほんの一瞬」である。その「ほんの一瞬」の時間でさえ、象形文字に代表されるように解読に苦労している。また、世界中に現存する建物で、1万年以上存在しているものはない。
 それらを考えると、10万年間の間、核のゴミの存在や、どういうもので触れてはならないのかという説明、根本的な伝承方法などは「想定しようがない」ということになる。要するに、今の情報が今の言語で伝わる保証は一切ないのである。日本語が、いまのレベル・今の表記方法・今の文法のままであることは恐らくないだろうことは、平安文学までさかのぼらなくても江戸文学との比較でも容易に想像できる。
 しかも、これだけ戦争が絶えない中、地上の環境がそのままであるという保証もない。

 このような「後処理」の手段や方法のない物質を、日々大量生産していることになり、原発はその最たるものなのである。

 これでも、まだ「原発は必要だ」と言い続ける方は、どういう思考回路なのだろう。なんなら、必要論者だけで責任もって「放射性物質の処理」をしていただこうではないか。


 なお、この映画は限られた映画館でしか上映されていない。
 現在は、近畿地方では、京都シネマ(京都地下鉄「四条」)、高槻・・・(阪急「高槻市」徒歩5分)、テアトル梅田(JR大阪・阪急梅田など)の3か所である。上映時間などは、直接問い合わせて欲しい。

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民間なら・・・国民をだます

2011年07月07日 14時46分30秒 | 各地・分野の動向

 といっても、民間すべてではない

 昨日、国会で取り上げられ、九州電力が関連会社と自分の社員に、原発再開を求めるメールを番組に送るよう「やらせ」を指示した件である。

 実は、この問題は「しんぶん赤旗」の2日付日刊紙に掲載されていたので、私は知っていた。が、その記事では九州電力は、事実ではないと否定していた。
 ところが、昨日、国会で取り上げられると、あっさり事実を認めてしまった。

 電力会社は、地域独占の優良民間企業である。
 これまでは、民間企業は効率的で経営感覚に優れていて、政府や市町村の運営も、民間企業のノウハウを導入すべきと言った論調が、精華町の議会でも堂々と述べられていた。
 民間企業のノウハウとは、情報隠ぺいしたり、やらせで情報操作することを意味しているなら、自治体運営には「失格」である。

 何度も言うが、民間企業の存在や手法を全否定しているわけではない。
 ただ、これまで国会や地方議会で、「民間なら・・・・」という類の議論を展開してきた方々は、「民間のどのような手法」なのか具体的なことにほとんど触れないでいた。これでは、何を学ぶのかまったくわからない。
 今後、「民間なら・・・」という時は、具体的に何を指しているのか明確にしてほしいものだ。

 それにしても、国民の命がかかっている原発の再稼働を認めるかどうかという問題で、営利企業の「利己主義的思惑」が幅を利かし、「コントロールできない危険」を招くのは、あってはならないことだ。

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