広辞苑にはこうあります。「漆のように黒くて光沢のあること。またその色」 この言葉の意味から考えれば、この言葉の原点は、黒の漆の呂色の状態だと思います。
初めて、大学の先生より黒漆の呂色上げの作業を見せていただいた時の、驚きは忘れません。摺漆された曇った塗面が、磨いていくことにより、劇的に光沢のある呂色面が現れ、広がっていきます。確かに黒ですが鏡面で、その光沢も深みがありもうこれ以上、手の掛けようがない完成度を感じます。
この箱の呂色を上げた時も嬉しかったです。漆の作業の中で一番、嬉しいのではないでしょうか?このために木地に布を貼り下地をつけ漆を塗っては研ぎを繰り返し、何ヶ月(本当はもっと長く)も掛けてきたのです。苦労が報われる瞬間です。たとえ鏡面が現れ、その面に最初に写ったのが、中年のオヤジの冴えない顔だったとしてもです。
しかし、逆に、鏡面ということは、傷や面の揺らぎなど面に問題があるとすべてが出てしまうことも意味します。確かに私の場合問題がないということはほとんどありません。(ほんとは全部問題あり)それと、次にこの面に加飾(蒔絵)という作業が待っています。この箱との付き合いはまだまだ続きそうです。
初めて、大学の先生より黒漆の呂色上げの作業を見せていただいた時の、驚きは忘れません。摺漆された曇った塗面が、磨いていくことにより、劇的に光沢のある呂色面が現れ、広がっていきます。確かに黒ですが鏡面で、その光沢も深みがありもうこれ以上、手の掛けようがない完成度を感じます。
この箱の呂色を上げた時も嬉しかったです。漆の作業の中で一番、嬉しいのではないでしょうか?このために木地に布を貼り下地をつけ漆を塗っては研ぎを繰り返し、何ヶ月(本当はもっと長く)も掛けてきたのです。苦労が報われる瞬間です。たとえ鏡面が現れ、その面に最初に写ったのが、中年のオヤジの冴えない顔だったとしてもです。
しかし、逆に、鏡面ということは、傷や面の揺らぎなど面に問題があるとすべてが出てしまうことも意味します。確かに私の場合問題がないということはほとんどありません。(ほんとは全部問題あり)それと、次にこの面に加飾(蒔絵)という作業が待っています。この箱との付き合いはまだまだ続きそうです。
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