Nonsection Radical

撮影と本の空間

二人のこうたろう

2013年05月10日 | Weblog
沢木耕太郎の「人の砂漠」新潮文庫 を読み終えた。
最近沢木耕太郎と伊坂幸太郎の本を読む事が多い。
どちらもキレイな文体だ。
こういう文体の話は読みやすい。
面白いけど読みにくい文体の本というのもあるが、両者は面白くて読みやすい。
そして両者は軟弱なようでいて、結構したたかな作りの話をする。
沢木本は、おもにノンフィクションのものを読んでいるが、人気のあるらしい「旅もの」は読まない。
それは他人の旅の二度追いをしてもつまらなそうだから。
まあ読んでいないからなんとも言えないけど、それよりもノンフィクションやエッセイの方に興味が向く。
先に読んだ「馬車は走る」もそうだが、人物を追ったルポの視点に非常に興味が向く。

一方の伊坂幸太郎の本は、作り込まれたストーリーが破綻なく終わる力に最後まで魅き込まれてしまう。
意外と途中で腰砕けになってしまう小説というのは多いのだ。
ストーリーを込み入ったものにすればするほどその危険性が増えるが、複雑なストーリー展開でないと満足しない読者が多いのだろう。
また短編の中に凝縮した話も大変中味が濃い。
むしろ短編の方が好きなぐらいだ。
まだ両者の本をそんなには読んでいないので、ここしばらくは二人のこうたろうの本を中心に買っていきたいなと思っている。




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コメント
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