Nonsection Radical

撮影と本の空間

年老いたカタツムリ

2013年05月14日 | Weblog
短編小説アンソロジーを読んでいると、作者の簡単なプロフィールが記されている。
それを見るのが楽しみだ。
名前を知っている作家、知らない作家、顔写真も見た事のある作家・・・
その作家とプロフィールの生まれ年を対比して、「思ったより若いんだぁ」とか「結構おねえさんなんだぁ」とか妄想を働かせるのだ。
そんな事でわかったのは、結構若い作家の小説を好んで読んでいることだ。
若いと言ってもアラフォーが中心で、1960年代後半ぐらいの人が多い。
還暦以上の人のは数えるほどしか読んでいない。
そういう作家は男性が多いのに気がつく。
女性作家はそれ以下の年齢の人が多い。
なにも若ぶっているわけではない。
創作の”旬”がきっと若い頃に来るというわけだろう。
そりゃ何でも当たり前で、年老いてから急にパワーあふれる作品が生まれるわけではなく、やはり若い時の方がパワーがあって、それにテクニックが身につきだした頃から話が面白くなってくるのだと思う。
発想はやはり歳と共に枯れてくるだろうし、年齢の下の世代の世界観を共有するのは無理があるだろう。
そうなると、どうしても読者層年齢を引き上げた話しか書けなくなってくる。
それはそれで面白いのだが、それだけでは面白くない。
しかしそうは言っても、読む側が時代について行けなくもなってくる。
ケータイ小説など読んだ事がない。
どんなテーマなのかと興味はあるが、それを優先して読もうとはしない。
それ以前に知らない作家の本を読まない。
興味がないのではなく、億劫というか躊躇というか尻込みしてしまうのだ。
これは大変良くない事だとわかっているが、どんどん自分の殻に閉じこもってしまうようになるのが”老化”なのだろう。
きっともう少しするとカタツムリになってしまうに違いない。




中央通り1丁目から 奈良県御所市


北陸本線 虎姫ー河毛
コメント
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