遥か昔、母の実家である名古屋へ向かう東海道線の途中駅米原(まいばら)で、列車は時間待ちのためにしばらく停車していた。
車窓から見える駅周辺は地味な色彩であった記憶がある。
その後何度も通過する駅であったが、降りる事はなく、知ってはいるが知らない街であった。
2009年12月31日
その米原の駅に降りようと思い立ち、朝早くから出かけた。
10時前に到着した米原は天気予報の通り曇天で風が強く気温は低かった。
南北に走る東海道線によって街は二分されている。
さてどちら側へ行こうかと迷ったが、東側の街並みが駅から見えたので、そちらから歩く事にした。
駅前は再開発中であちこち工事をしている。
道路を渡ると古い街並みが見えてきた。
昔の街道らしく何軒かの旅館もある。
暖かい時期にはこの道を観光で訪れる人もいるのだろう。
あいにく天候は曇りで風が強い。
ポケットに入れたカイロで手を温めないとカメラを持つ手がしびれてくる寒さだ。
墓地があったのでいつものように訪ねてみる。
年末であるのでお墓の手入れをする人も何人かいる。
その中の一人の男性に声をかけられたので、このあたりの集落の話を伺う。
駅の東側は旧来の街で、昔はこちら側が栄えていたそうだ。
西側には田圃しかなかったが、現在は開発が進んでいるという。
墓地はあるがお寺がない事を訪ねると、この墓地は共同墓地で、集落には何軒かのお寺があるが、お寺の中の墓地にお墓がある人もいれば、このように共同の墓地にお墓をおく人もあるのだという。
この男性はこの墓地の眼の前に実家があるのだが、現在は少し先にある「団地」に住んでいるという。
実家は法事などの用事のある時にしか利用せずに空き家になっているという。
確かに人の住んでいる気配がない家屋もあるようだ。
街並みは総じて古いが死んでいるわけではない。
大きくはない集落をいつものように歩き回る。
雲の切れ間から日が射すと街に色が復活する。
狭い路地を歩いていると「その先は行き止まりですよ」と声をかけられたりする。
続く
車窓から見える駅周辺は地味な色彩であった記憶がある。
その後何度も通過する駅であったが、降りる事はなく、知ってはいるが知らない街であった。
2009年12月31日
その米原の駅に降りようと思い立ち、朝早くから出かけた。
10時前に到着した米原は天気予報の通り曇天で風が強く気温は低かった。
南北に走る東海道線によって街は二分されている。
さてどちら側へ行こうかと迷ったが、東側の街並みが駅から見えたので、そちらから歩く事にした。
駅前は再開発中であちこち工事をしている。
道路を渡ると古い街並みが見えてきた。
昔の街道らしく何軒かの旅館もある。
暖かい時期にはこの道を観光で訪れる人もいるのだろう。
あいにく天候は曇りで風が強い。
ポケットに入れたカイロで手を温めないとカメラを持つ手がしびれてくる寒さだ。
墓地があったのでいつものように訪ねてみる。
年末であるのでお墓の手入れをする人も何人かいる。
その中の一人の男性に声をかけられたので、このあたりの集落の話を伺う。
駅の東側は旧来の街で、昔はこちら側が栄えていたそうだ。
西側には田圃しかなかったが、現在は開発が進んでいるという。
墓地はあるがお寺がない事を訪ねると、この墓地は共同墓地で、集落には何軒かのお寺があるが、お寺の中の墓地にお墓がある人もいれば、このように共同の墓地にお墓をおく人もあるのだという。
この男性はこの墓地の眼の前に実家があるのだが、現在は少し先にある「団地」に住んでいるという。
実家は法事などの用事のある時にしか利用せずに空き家になっているという。
確かに人の住んでいる気配がない家屋もあるようだ。
街並みは総じて古いが死んでいるわけではない。
大きくはない集落をいつものように歩き回る。
雲の切れ間から日が射すと街に色が復活する。
狭い路地を歩いていると「その先は行き止まりですよ」と声をかけられたりする。
続く