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すずかけの木

2018年10月18日 | スタッフ独り言

広いグラウンド。たくさんの子供達の声。

まぶしい太陽の光に、眼を細めながら、友達と遊ぶ午後。

ひんやりとした校舎。先生のやさしい声。。。

穏やかな授業。ときに悲しかったり、せつなかったりする自分だけの特別な思い出。

 

 

「母校」という言葉を聞くだけで、何かしらの記憶がよみがえる。

 

 

みな、それぞれではあるけれど、学校には特別な想いがある。

「いい」とか「わるい」とか、簡単には判断できない。

大人へと成長する中で、とても大切にしてきたそれぞれの時間。

 

 

だから、校舎がなくなるということは、とても悲しいことであり、

まるで、自分の思い出が消えて行くようなものかもしれない。。。

 

 

 

 

 

宮廻先生の「道の空」という作品で描かれている、薮田小学校の校舎は今はない。

廃校になる前に、宮廻先生が取材をし描いたものだ。

 

古く奥ゆかしい校舎の形と色、空の対比。

真ん中には校舎の屋根をはるかに超える一本の木。

誰しもが、「ああいいな」と、「のびのびと過ごせそうな校舎だな」と思える、

あたたかい学校の風景が描かれています。

 

それだけでも、絵の魅力としてはすばらしいものですが、

今日来られた卒業生のお客様には、もっと特別にみえたそうです。

取り壊されて、数十年もの時を越えて改めて「絵」としてみた校舎に、

たくさんのことを思い出したそうです。

 

 

絵に描かれている一本の象徴的な木は、

子どもたちには「すずかけの木」とよばれていたそうです。

木には、虫など、たくさんの生き物達も集まってきていて、

子どもたちには、特別な存在であったそうです。

 

お話を聞けたのは、わずかな時間でありましたが、

「すずかけの木」という名前をきけただけでも充分な気がしてきます。

なぜなら、私にも「すずかけの木」と呼べるものがあるから。。。

多くを聞かずとも、どんな風に感じるかはよくわかります。

 

 

どうでしょうか。みなさんにも、ありますか?

「すずかけの木」

 

 

ぜひ、「道の空」の作品を見る際は、

思い起こして頂けたらと思います。

 

 

 

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