現在、黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館2階オープンギャラリー、
1階エントランスロビーでは、「大いなる人々 武隈善樹 油彩画展」を開催中です。
2Fは、奈良の新薬師寺周辺を油彩で描いた作品が展示されています。
小説などの本が好きな武隈さんにとって、奈良はあこがれの場所。
よく小説のシーンに、奈良のお寺や、景色が出て来るそうです。
行けそうで、なかなか行けない場所。
京都のゴッホ展を見に行った後に、念願かなって見に行ったそうです。
武隈さんにとって、旅の中でみる奈良は、どのようなものであったのか。
ここは、何か小説のシーンと関わりがあるのか?
何かそんな風に想像しながらみると、おもしろいです。
1Fは、「二人」「MAN」シリーズと、演奏する人を描いた作品が展示されています。
武隈さんは、ジャズのクラブにかようほど、ジャズが好き。そして、やはり、本が好き。
ジャズを聴きながら、浮かんだこと。小説から刺激を受けた事、そのようなものが、
混ざりながら、作品となっています。
1F作品は、誰しもが使う文具屋さんに売っているような
「水彩絵の具」で、厚紙に描かれています。
油彩で描いているからか、それとも、クセなのか。
水彩絵の具で描いた作品も、絵の具に厚みがあり、絵に強い存在感を与えています。
「よろしく」というタイトルの作品。
モデルは、武隈さんの父。
人生においての大切な、ターニングポイントでおこった出来事のワンシーンを描いたもの。
あるお願いに対して、父親は「3年の猶予」をつけるという提案をおこなっているシーンです。
手を組み、下を向きながらもこちらをうかがうようなしぐさ。手前には、画面に切れる形で、
灰皿が置いてあり、こちらにせまりくるような緊張感をただよわせています。
テーブルの形は、かすかに湾曲して描かれており、特別な雰囲気をさらに演出しています。
「3年の猶予」によって、人生は見事に変わりました。変わるにしろ、変わらないにしろ。
ある程度の時間的猶予を付けるという行為に、父親の存在の強さを感じます。
武隈さんが考える「大いなる人々」とは。。。
個々の作品には、メッセージや私的な物語を感じますが、
展覧会名である「大いなる人々」というわくぐみでみると、
また違った作品にも見えてきます。
つかめるようで、つかみどころがないようにもみえる。
まさに、「武隈ワールド」。。
ぜひ、たちどまって鑑賞してみてはいかがでしょう?
大いなる人々 武隈善樹 油彩画展
2018年10月23日(火)~11月5日(月)
9:00~17:30 (入館は17:00まで)
期間中無休
黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館
富山県黒部市宇奈月温泉6-3
TEL0765-62-2000 セレネHP