昨年の9月頃から、今年5月にかけて、ブログで「絵のおはなし」をしてきました。
久しぶりに、再開しようかと思います。
前回までは、「取材」のはなし。
今回からは、絵描きの捉え方について。
ということで、「三遠(さんえん)」という見方について、おはなしします。
三遠とは、中国の山水表現の見方。
「遠」は遠くをみる見方で、三つの見方を三遠と呼んでいます。
「高遠」「深遠」「平遠」という見方。
高遠 ・・・山をあおぎみる見方で絵にすると、山の勢いがでます
深遠 ・・・水平に眺め、山の谷間や連なりを描くと、深まり(奥行き)がでます
平遠 ・・・手前の山や遠くの山を見下ろす形で描くと、広がりができます
見方自体は、単純で。。。
旅行にいったり、様々な場所で、写真などを撮ったりすると、
このような見方は、自然としているかもしれません。
描く際は、写真と同じで、「どこでどのように撮るか」というような感覚が、
説得力をもったりします。
だから昔から、絵画では「三遠」のような
見方を大事にしてきました。
さて、それではここで問題!!
この作品は、宮廻正明先生の「後曳橋」。
三遠の見方の内、どれでしょう?
トロッコでお馴染みの景色も、少し違って見えますね。
改めて、見方について、捉えてみると、
作品の見え方もかわって来ませんか?
作者の工夫や意図が伝わってきます。
― セレネ美術館開館25周年記念―
宮廻正明展 無極
いよいよ、明日最終日です!!11月25日(日)まで。
開館時間 9:00~17:30(入館は17時まで)
料金 一般1000円 高校/大学生800円 中学生以下無料
黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館
富山県黒部市宇奈月温泉6-3
TEL0765-62-2000 セレネHP
11月28日(水)より、常設展もはじまりますよ!!