本日ご紹介するのは
出雲国大社之図 三代歌川国久 文久2年1862年
いずものくにおおやしろのず です。
ぱっと見ると、大きな御殿に大勢が集い、なにやらにぎやかな雰囲気なので
宴会でもしているのかと思ってよく見ると・・・
すみません、神様たちがお仕事をしていらっしゃいます。
日本中の神様が出雲の国に集まり不在のため、旧暦の10月は神無月といいますが、
(出雲では神在月)、このとき神様たちは、出雲で重大なことを会議されるそうです。
また男女の仲も、このとき話して決められるそう。出雲大社は縁結びでも有名ですね。
さて、画面に描かれた三十柱以上の神様たちは、机で木の札らしきものに書き物をしたり、
厚い帳面をめくって調べものをしたり、多量の木札を大きなカゴにいれて運んだりと、
まことに忙しいそうでいらっしゃいます。
画面右には、社の主である大国主神(おおくにぬしのかみ)が
そのお隣には、天照大御神(あまてらすおおみかみ)がおられます。
その前では、春日大明神(かすがだいみょうじん)、鹿島大明神(かしまだいみょうじん)といった神々もお仕事中。
・・・まあ中には談笑されたり、御殿の外では焚火にあたってらっしゃる方もおられますが。
画面の左には巨大な竜(竜神でしょうか)が雷や波風とともに現れ、
その中を、馬に乗った八幡大明神(はちまんだいみょうじん)が、空を飛んでお越しになったところです。
解説によれば、前年にあった皇女和宮の将軍家降嫁にちなんで描かれたのでは、とのこと。
神様たちが重大な縁談をまとまていらっしゃるところということですね。
この浮世絵も大勢いの神々がおわし、おめでたく、お守りにも使えそうな雰囲気ですが、
神様たちがこんなに働いていらっしゃる以上自分たちも働かなくちゃ、到底ご利益は望めそうにありません・・・
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幕末明治の浮世絵・探訪展
~幕末の歴史絵から明治の開化絵まで~
期 間 平成26年 3月1日(土)~3月30日(日)
時 間 9時~17時30分(入館は17時まで)
休館日 毎週火曜日と、3月14日(金)~18日(火)の5日間
入館料 一般800円 高校・大学生700円 中学生以下無料
会 場 黒部市宇奈月国際会館・セレネ美術館 3階展示ホール
富山県黒部市宇奈月温泉6-3 TEL 0765-62-2000