今朝は泣きながら目が覚めた。
悲しい夢を見たから。
その夢の中で 私と「ま」さんは 恋人同士であった。
付き合って長いけど お互いに最高の相性であると自覚して
楽しい日々を送っていた。
だが、
「ま」さんは 別の女性と婚約した。
私はそのことには触れないようにしていて 納得したフリで通していた。
「ま」さんは「ま」さんで 後ろめたい気持ちをモノやご馳走や優しい言葉に変換して
私に提供しているという、なんとも奇妙な日常を送っている。
それでも私はシアワセで 「ま」さんのいない日々を過ごすくらいなら
このままでもいい、くらいの気持ちに 感情をコントロールしている。
ある日、私達は友人の結婚式に参加する。
質素な式だけど幸福そうな友人を見て
そのセレモニーが自分の将来には無くて
「ま」さんは 私の知らない誰かと誓い合ったり 祝福されたりするんだ、と 気付いた。
それまで封印していた感情が 涙と共に溢れて
そこに居られなくなった。
会場を抜け出し、雨の椿山荘の庭の隅で 泣いていた。
しばらくすると 「ま」さんが来て いつものように私に優しくする。
優しくされればされるほど、この人は誰かものだ、という現実が
ひどく残酷に思えた。
私は恐る恐る でも迷いなく 「ま」さんに婚約の解消を頼んだ。
どうして、自分以外の人と 「ま」さんが一緒になろうとしているのか理解できないし
その後も 愛人という不安定な位置に私を置いておこうとする狡さが許せなかった。
「ま」さんは無言のまま 私を抱え上げ 歩き出した。
私は悔しくて 抱きかかえられながら「ま」さんをボコボコ殴った。
「ま」さんの顔は腫れあがって いろんなところから血が流れた。
でも、「ま」さんは 痛みに耐えて オトナの振る舞いをしていた。
ほんとうは「ま」さんだって 泣きたいのだ。
でも
現実はどうにもならない。
こんなにおかしな話があるだろうか?
愛してもない女と結婚する男には 愛する女がいて
愛されている女は捨てられもせず 自分で断ち切ることも出来ず 不安の中にいる。
自分がそんなドロドロの登場人物になるなんて ばかげてる。
でも、
やっぱり どうにもならない。
どうにもならないことは そもそもが間違っていることが多い。
そして 世間は 間違いに満ちている。
何で私がそんな夢を見たのかは判らないけど
勝手に 狡い男に仕立て上げられた「ま」さんには 同情する。ゴメンナサイ。
燃える作家魂ってやつですねぇ。