「ち」の母は
『毎日料理を続けていれば もっと上手になるわよ』と言い、
父の手をひっぱるようにして帰っていった。
二人が去った後に
私は母のセリフについて考えた。
私の料理は<もっと>上手になる余地がある。
言い換えれば そうたいして美味いものでもない、ということだ。
これは認める。
間違いない。
そして
毎日のように料理をしていた母だが、
決して 『ものすごくおいしい料理を作る』というわけではない。
実は料理に関するある資格を取得している母だが、
勉強したからといって 毎回おいしい料理が作れるというものでもないようだ。
努力はそれなりの成果を生むが
達人の域に達する人はごくわずかだ。
私は母の娘である。
「ま」さんのお母さんのようにはなれないかもしれない。(きっと無理だ)
ある程度は あきらめてもらうほか無い。
つか、もはや既にあきらめていて
許せる範囲を『おいしい』と言ってくれてるのかもしれない。(その可能性はかなり高い)
とにかく、私はシアワセ者だ。
娘がシアワセに暮らしているので 父も母も安心だ。
めでたしめでたし。
新宿パークタワーへ。
1階ロビーにできた「Chair Cafe」でコーヒーとパニーニをいただき、
コンランショップで眼と脳みそに贅沢なものを眺めつつ、気持ちのゆとりを2〓ほど開いて新宿へ…
「ま」さんが たばこを買いに出掛けた。
たばこの自動販売機は 道路を隔てた向こう側にある。
半ズボンで サンダル履きで 傘をくるくる回しながら
とぼとぼと歩く夫を
私は ベランダから見ていた。
見てただけです。
先日「ま」さんが風呂上りに
窓とブラインドをフルオープンにして 夜風を受け
全裸のまま
両手でタオルの端を持って あおぐように腕を上下に動かし
股下から尻にかけてを
<ぱしん ぱしん>と はたいていた。
TVや映画でも見たことがあるから
もしかしたら 世の男性は 結構な割合で <ぱしん ぱしん>を 習慣としているのかもしれない。
「風が通るのが気持ちいいんだ。」と
何故か得意気な夫の笑顔が
まぶしかった。
いや~美味かった!!
キノコとオクラ、玉ねぎのペッパースープ。
お隣りの方におすそ分け頂いた、筍とオクラのマヨネーズ和え。
ごちそうさまでした!