序破急

片足棺桶に突っ込みながら劇団芝居屋を主宰している爺です。
主に芝居、時々暮らしの中の出来事を書きます。

演出ノート6

2008-11-19 17:20:36 | アート・文化

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今公演稽古もあと二週間と少しを残すのみとなりました。これからは通し稽古が主となります。

今回の稽古を通じてもまた言いたくなる事があります。

以前から何度となく述べてきた事ですが、俳優が役を手にしての初期段階は非常にデリケートな時期である事を俳優諸君はもっと知らねばなりません。

ところがその入り方が残念ながら無雑作なんですね、これが。

今回もそんな場面を残念ながら見ました。

Photo 台本を初めて渡され俳優の高揚感は私も理解しています。

キャストが発表され自分の役が決定すると、大概の役者は全体を読むことより自分の役の台詞を探します。

「それはそれでいいんです。その気持ちはわかります」

そして台詞を見つけるとその台詞にそれなりの節をつけて小さく声にするのです。

「これがまずい」

役の把握も、前後の脈絡の関係なしに放った台詞は言葉にはなりえません。

私が節と言ったのは内容をともなわないお芝居みたいな言葉のことです。それは言葉としての機能をもっていません。なぜならば台本における言葉は役の把握や前後の脈絡を理解して初めて発せられる様に書かれてあるからです。

またこれ以上にまずい事がさらに起こります。

はじめて台詞みたいに発せられた言葉は、知らず知らずの内に脳内に刷り込まれます。

そうなると稽古が進むうちにそれが次に進むための大きな障害となって立ちはだかるのです。

そうです。それから逃れるためにあたら貴重な稽古時間を費やす事になります。

くれぐれも気をつけなければなりません。

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