序破急

片足棺桶に突っ込みながら劇団芝居屋を主宰している爺です。
主に芝居、時々暮らしの中の出来事を書きます。

演出ノート5

2008-11-16 13:52:09 | アート・文化

Jpeg_2 10月中旬から始めた今公演の稽古も中盤をむかえました。

わが劇団芝居屋では本番までの稽古回数を45回に設定し、三つの期間に分けています。

稽古に先立って十日前には台本を手渡します。これは台詞を入れるための時間を俳優諸君に与えるためです。

第一の期間は作品の理解と役の把握がメインとなります。
つまり作品が何を言いたいのかを理解して、その中で与えられた自分の役はどんな環境にあるのか、どんな人間関係にあるのかを理解して「何をしなければならないのか」又「何をしてはいけないのか」を把握する為の時間です。

ここで役者は作品への入り方を間違えると後々とんでもないしっぺ返しを喰らう事になります。間違えた入り方の典型とは、こんな感じの人間という曖昧な考え方で台詞の言い回し考えるという初歩的なミスです。
Photo_4

第二の期間は役作りの期間です。
第一の期間に把握したものを元に自分作りをしていきます。
ここで重要なのは自分に関係のある部分で書かれていない事を利用する事です。
つまり台本で書き込まれていない部分を役者が埋めていく作業が必要になります。それができれば役者は役割を超えた所に生きられるのです。
そして役割を超えたもの同士が稽古場で火花を散らし自分たちの場を作り上げて行くのです。

第三の期間は本番に向けての時間です。
この時間は役者の時間というよりは演出が頂く時間です。
役者諸君が創り上げたこの作品をどの様に有効に観客に提供するか演出の腕が問われる時間です。
この時には役者諸君は役ではなく、生身の人間として、また台詞ではなく肉声をもった人間として舞台に立てる準備に取り掛からなければなりません。

さて今回の劇団芝居屋の公演に参加している役者諸君は今どこにいるんでしょうか。

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