劇団芝居屋第27回公演「料亭老松物語」の稽古も七回目を終えました。
本番までの稽古場稽古45回の内の七回を消化した訳ですが、この七回の稽古を、”もう”と取るか、”まだ”と取るかで役者の稽古内容が分かります。
自分の役に対する踏み込みを深くしたい役者にとって、時間は幾らあっても足りないのです。
そんな役者にとってはこの七回の稽古は、もう七回という思いに至る筈です。
これに対し、役への踏み込みの浅い役者は、芝居の中の役割を理解した事で、役創りが成り立っていると思っています。
この役者にとって本番への時間の長さを思う、まだ七回という場所に居る筈です。
前者の役者はその踏み込み方が正しい方向に進めば、自分だけのオリジナリティを持てる方向に進みます。
また後者は、踏み込み方の浅さによって、誰もが考え、表現するような手垢の付いた役創りに進むでしょう。
この様に多様な思いを持つ役者達を、オリジナリティ溢れる役創りに導くのは演出の私の仕事です。
この仕事を成し遂げる為の大きな要素は「我慢」です。
ヒントを与えつつ、役者自らの考えから出てくるモノを待ち続ける「我慢」です。
これがなかなか思う様にならないんです。
でも私も我慢しますよ、言いたい事を。
暫くの間はね・・・
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