演出の私の手に作品が渡るまで後四回の稽古。
役者達は自分の取り残してした手にする為に、必死になって考え、模索しています。
私は役者達に台本を手渡す際に宣言していました、この作品におけるキャステングは賭けであると。現在の役者諸君の力では手の余るレベルものである事を覚悟しろと。
でも、その事は稽古が開始した当初までは全く実感できなかった様です。
その原因は決定的な読解力の不足から来るものです。
やがて稽古が進む中、作品の全体像が見えてきた時、自分たちの踏み込みの浅さに愕然とした時間を持ったのでしょう、少し目の色が変わってきました。
でもね、始めから踏み込みの浅い所から踏み出した一歩目から、いきなり走り出せないのと同じように、次の一歩の歩幅も狭いものです。という訳、役者達の持って来たものは却下、却下のオンパレードです。
でも、役者達はちゃんと足掻いてくれました、当然十分とはいきませんがね。
しかしそうする事で自分というものが鮮明に見えて来たようです。
現在、役者達は今までの自分のレベルから少しでもステージを上げようとしており、最後の足搔きをしています。
でもここですこし冷静に考えなければなりません。
最後の一歩を踏み出しを阻害しているものは、最初の一ページあるのです。
台本を初読みした時に感じた誤った印象や解釈が未だに力を持っているんです。
だから最初が肝心なんです。慎重さが必要なんですよ。
その時期を振り返り、検証してみる必要があるんですよ。
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