ぷらすわんの子供たち ~ホワイトスイスシェパードと暮らす~

ホワイトスイスシェパードのヴァルターを中心に日常や競技会などを綴った雑記帳。

あれから半世紀

2006年09月20日 | 今夜の一冊
10月中旬にはエルロイ作品の
ブラック・ダリアが公開されるそうな。
監督はデ・パルマ、
う~ん、観に行こうか、どうしようか。
でも、恐そうだしなぁ・・・。

数年前、知り合いの女性からエルロイ作品を薦められて
最初に読んだのがブラック・ダリアだった。
それまで海外作品はあまり読まなかったのだけど
今では国内の作品よりも嵌るきっかけにもなったのだよね。

実に読み応えある素晴らしい作品。
でも、めちゃめちゃ気が滅入る。
実際に起こった未解決事件を題材にしてせいでしょうな。

どういった理由にせよ、どんな人物が犯人であろうと
ベティ・ショートが惨たらしい最期を遂げたのは事実だし・・・
小説の推理はともかく、被害者があんな目に遭わなければならない
理解しうる事情があるんだろうか。
「あぁ、それなら仕方ないね」などと納得する答えがあるなら
教えて欲しいもんだ。

ジャック・ザ・リッパーの犯人のように
あれだけのことをするにはそれなりの背景なり、
理解しうる事情がかけらでもあれば少しは
気休めになるかもしれない。
いや、ならんか・・・
どっちも酷すぎる。

で、今回読んだのは先月ハヤカワ文庫から
出た「ブラック・ダリアの真実」上下巻。

読み初めは刑事であった作者自身のことが
あれこれ書かれていて、肝心の話はどうなんだと
思っていたんだけれど・・・。

え、ほんとなの?って疑ってしまいそうなほど、
こんなことがあってもいいのといわんばかりの展開で
小説みたいです。が、
読み進めていくうちに、それが冗談ではなく
とんでもなく恐ろしい現実を次々目の当たりにして
身の毛もよだつような事実を知ることになるんですよ。

いや~、こんな酷い結末とはね。
事実を知らない方が救われてたかもしれない。
そんな気分にさせるのです。

確かに恐くて気持ち悪くて、女性には面白いから
読んでみたらと言えるような内容じゃないんだけど(はっきり言うなぁ)
1940年代後半のLAを知るにはこれほど凄まじいものは
ないないんじゃないかと思うような一冊です。
薦めてるんだろか?