ロボット技術を応用して整体!篠崎技術士事務所の日記

身体の状態をコンピュータ解析し、骨盤矯正やギックリ腰などを科学的に分析する新しい整体院です。

ZMP(ゼロモーメントポイント)波形をスペクトル解析せよ!

2009-08-27 11:19:24 | 整体のできる技術士として
前回からの続き

患者さんの足踏み運動時の床面重心バランス(ZMP)を時系列からリサージュ図形で表現。
少しは分かりやすくなったと思います。
しかしこれだけでは不十分だと分かりました。

「何か策があるようだが、その前に何でリサージュ図形だけでは駄目だと思ったの?」

「このリサージュ図形は、安静立位時の平均ZMPを基準にしていると言う事です。つまり相対的な重心歪であって、
絶対的なものではありません。絶対的な重心バランスを測定するには、やはりフォースプレートが必要です。」

「それじゃこれではまだ、正確な重心バランスは測れないということだな。」

「残念ながらその通りです。リサージュ図形では腰部の位置変化と、異常な動きを目視で判断するのみとなります。」

「それじゃどうするんだ?」

「データの信頼性が不十分なら、新たな解析方法を導入し、さらに詳しく分析する必要があります。
そこでZMPの時系列波形を高速フーリエ変換(FTT)してみようと思います。」

「なかなかやるようになったな!FTTを実行して、異常な波を検出し、診断に役立てようと言うわけだ!」

「そうなんです、先輩!以下に患者さんのZMP波形をFTTしたものを示します。」



「ほ~こんな形になったか・・・・それでこれで分かった事は?」

「多くの患者さんは約一秒間に一度・・・1Hzの速さで足踏みをしていると言う事です。
つまり簡単に考えれば、左右に1Hz 前後に2Hzの振動をしている事になります。」

「ほ~そんなデータになったか・・・・」

「いや先輩、意外にもそれだけでは無かったんですよ。たくさんの患者さんにFTTを実行すると、不思議な現象が現れたのです。
以下の図を見てください。」



左右ZMPのスペクトルです。左が男性のスペクトル、右が女性のスペクトルです。

「男性の場合、足踏み周期と同じ約1Hzの部分にピーク値が見られますが、女性の場合その5倍、つまり5Hz付近にピークが見られます。
なぜか多くの女性がこのようなスペクトルで、男性にはほとんど発生しません。」

「これはちょっと不思議と言うか面白い・・・?」

「実はこの件で、先日ある大学の先生(ロボット工学)が来て下さいました。」

「えっ・・・こんなボロ治療院に・・・?」

「一言余計です・・・
先生のお話では骨盤に関係が有りそうだと言われていました。女性は男性よりも複雑な動き(お尻りフリフリ)の動作があるのでは?
という事です。
そのためこのようなスペクトルが検出された場合、股関節の緩みや痛みをチェックして下さい。とのアドバイスもいただきました。」

「それは良かったね」

「そうです。そこで女性の左右ZMPのデータを良く調べてみました。まだ正確ではありませんが、意外なことが分かってきました。」

「それは何だい?」

「少々お待ちください」