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前日夕方に急遽「武相荘」行きを決定。健康志向から最近歩くことを心がけており、つい最近も登戸から府中まで多摩川沿い約20kmを制覇。今回も自宅から長後駅まで約1時間半歩いて小田急線へ。
白洲次郎はマッカーサーに逆らった従順ならざる日本人としてNHKドラマで知り、金持ちのダンディというイメージが強かったが、戦後の昭和史を知れば知るほど白洲次郎という人物の偉大さを認識させられる。戦前は近衞文麿首相のブレーン、戦後は吉田茂首相の側近となって政治の中枢にいた昭和史の鍵を握る人物であるにも関わらず、その生涯は歴史の闇の中に埋もれている。
「武相荘」は昭和15年に空き家の農家を買い取り、武蔵と相模の境にある立地と自身の無愛想をひっかけて命名したとのこと。サンフランシスコ条約の吉田茂の英語原稿を日本語に修正させたことなど溜飲が下がる活躍に国際的な平衡感覚を感じる。
ジーパンや高級車レースなどの一方、隠居部屋を改造した書斎の壁にはびっしりと英英辞典や歴史書、折口信夫全集など様々な書物が並び、こちらも多才な正子夫人との静謐な生活の日々が偲ばれる。民家といっても屋内はかなり広く、敷地内には新緑茂る大きな柿の木や太い孟宗竹の竹林もある。門前の皐月も今が盛り。
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この武相荘は鶴川駅から歩いて15分。道路には身なりのいいおじさんが道案内。家の中にも揃い半纏を着たおばさんが室内を案内。入場券売り場のすぐ横にはNHドラマでも実際に使った大型の高級外車が展示してありいやでも目を引く。
邸内にあった正子夫人の近所の散歩コースの写真に薬師池公園という景色のいいところがあったので行くことに。入り口の案内のおじさんに道を尋ねたところ、歩いていくなんてとんでもない、駅まで戻ってバスで行ったほうがいですよというアドバイスをありがたく聞き流し、途中を横道に逸れて通りすがりの人に道を聞きながら薬師池公園方面へ。途中、鶴見川と書かれた看板を右折、小さな川沿いのこぎれいな遊歩道に沿って炎天下を歩くこと約1時間半。公園近くのコンビニで冷たいガリガリくんを食べてようやく一息。薬師池公園では菖蒲園でザリガニ釣りをしたり、太鼓橋から鯉に餌を投げたり、思ったより大勢の家族連れやアベックで大賑わい。
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園内には椿園や梅林、神社もありかなり広い。町田のはずれにこんなに広い立派な公園があるとは知らなかった。ボタン園も今が見ごろの看板あり。帰りはさすがに疲れてバスで町田駅へ。
今年初めての夏日、とにかく暑い一日だった。
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