(今回のルート)上野6:49ラビット→8;19宇都宮8:45→9;35黒磯9:39→10:40郡山11:06→11:54福島着。(帰り)福島17;24発→黒磯19:31→宇都宮20:38ラビット→古河(湘南ライン大船行)→23:11着
宇都宮から乗ったほとんどの乗客は黒磯駅に到着した途端、一斉に東北線の郡山行のホームへ民族大移動。こんなに混むとは思わなかった。途中駅で降りる人はほとんどなく宇都宮から郡山まで同じ乗客がそっくり移動した感じ。郡山駅では2年前の夏に乗った磐越西線の赤ベコ号が隣のホームに停車中。発車ギリギリで飛び乗ったのを思い出して懐かしい。郡山駅の改札口には花見山の大きな観光写真と桜の花やレンギョウが飾られていて期待が膨らむ。福島駅西口の小洒落た店で腹ごしらえしてから、東口バス停6番のシャトルバス「花見山号」に乗車。往復500円也。乗客は思ったより少ない。ゆったりと流れる阿武隈川を渡り約20分で花見山公園入口の広場に到着。県内外の観光バスと大勢の花見客でいっぱいだ。
バスを降りると目の前に東海桜の小さな花が地面から両手をいっぱいに広げ林のように咲き誇り、サンシュや源平の桃の花が彩りを添える。さらに前方の山々は山全体が薄いピンクの霞がかかった一幅の絵のような見事な景色。観光写真で見るのとは大違い。すごい迫力だ。シーイングイズビリービング、まさに桃源郷だ。
あっちこっちで写真を撮っているがとてもこの景色は撮りきれないだろう。道々には地元の花のボランティアの方々が道案内や花の説明をしてくれる。広場では桜の枝で飾ったコック帽をかぶった髭のおじさんが大きな声で桜の薀蓄を語ってくれた。それによると今の盛りは東海桜でこの桜は枝の周りに360度花をつけるのが特徴で木を長持ちさせるために3年にいっぺん木を切るとのこと。ヒガンザクラは花が下を向いて咲くのが特徴。ソメイヨシノはまだこれから。桜の他にも桃の花だけでも約30種類あるとか。この花見山には約1万本の桜の木が植わっているそうだが、元々は阿部さんという地元の農家の方が個人で自分の山に桜を植えたのがそもそもの始まり。今は地元の農家とボランティの人達だけでこの山を守っているそうだが手間も時間もかかるので大変だ。
桜の山道を人の流れに沿ってゆっくり登りながら一面の花景色を堪能。山頂近くに目にも鮮やかな真っ黄色のレンギョウの見事な群生があり、人の背丈より大きな鮮やかな黄色をバックに記念写真を撮る人多数。山頂からは薄いピンクの山の向こうに阿武隈川と福島市内が一望でき、遥か彼方の正面には残雪の吾妻山連邦の青い山脈が見事。右の山は残雪の形がウサギのように見えるため地元では雪ウサギと呼ぶそうだ。桜のウンチクの続き。濃いピンクで蕾が垂れ下がったように見えるのが沖縄原産の寒緋桜でこれは花は開かない。オカメ桜も濃いピンクだがこちらはきれいに花が咲く。山を下りたところに最初に桜を植えた阿部一郎さんのお宅があり、軒先で観光客が休憩している。これから染井ヨシノが咲く頃には、東海桜や桃の花、レンギョウなども終わっているため、今日あたりが天気も良く一番の見頃だとのこと。遠くまで来た甲斐があった。
帰りに「ももりん号」という市内周遊バスの無料券をもらい、福島駅発3時20分のももりん号に乗車。(桃とリンゴでももりん号)市内の観光名所を約60分で周遊するコースで、ここもバスガイドはボランティアの方。乗客は6名。最初に御倉邸という元日銀福島支店長公邸を見学。バス停ではモンペ姿の案内の方が待っていて、養蚕で潤った昭和初期の広い屋敷内で、芝生の庭園のすぐ目の前に流れる阿武隈川を眺めながら民話を語ってくれた。その他にもノートルダム修道院や古関裕而記念館など見所はたくさんあったが残念ながら時間切れ。福島駅の東口に、ピアノを弾いている若かりし頃の古関裕而さんの像があり、時間がくると古関メロディが流れる。昔好きだった「家族そろって歌合戦」という番組で古関裕而さんが審査委員長をやっていたのを思い出す。いい曲がたくさんある。
帰りに夕食の弁当を買って17時24分発の黒磯行直通に乗車。乗ってすぐに腹ごしらえ。最初はガラガラだったが、そのうち段々混んできて発車する頃にはかなりの混雑。早めに食べておいてよかった。黒磯ではまた乗客が一斉に宇都宮行きのホームへ民族大移動。朝より混んでなかったので何とか座れた。今日は一日電車に乗っている時間が長かったので、夜遅く電車を降りてからも足がフワフワ宙に浮いているような変な感じ。